ラーメンを食べながら走るという、インパクトの大きな「国道ラーメンマラソン」。
番組を見ていて、運動中の吐き気や嘔吐が気になった人もいるのではないでしょうか。
「食べてすぐ走ったから?」「暑さも関係する?」「そもそも激しい運動で吐くことってあるの?」など、疑問はいくつも浮かびます。
ただし、番組出演者に起きた体調変化について、映像だけから原因を特定することはできません。
そこで今回は、ラーメンマラソンから考える「運動中の吐き気・嘔吐」をテーマに、一般的にどのような要因が関係する可能性があるのかを解説します。
激しい運動で吐き気が起こることはある?
ランニングをはじめとした運動中に、吐き気や胃の不快感などの胃腸症状が起こることはあります。
特に運動強度が高かったり、長時間運動を続けたりすると、体にはさまざまな変化が起こります。
運動中は筋肉への血流が増える一方で、消化管への血流が低下することがあります。
さらに、食事のタイミングや量、水分補給、暑さ、脱水などが重なることで、胃腸の不快感につながる場合があります。
そのため、「運動で吐いた=必ずひとつの原因がある」と考えるのではなく、複数の要因を考えることが大切です。
食後すぐの運動は胃腸への負担になりやすい
食事をしたあとは、胃や腸で消化が進められています。
特にたくさん食べた直後は、まだ胃の中に多くの食べ物が残っている可能性があります。
その状態で走ると、体が上下に動くことも加わり、胃の重さやむかつきなどを感じる人もいます。
ラーメンの場合は、麺だけでなくスープやチャーシュー、卵、油脂などを一緒にとることもあります。
一食分をしっかり食べた直後の激しいランニングは、軽い補給食をとりながら運動する場合とは大きく条件が異なります。
脂質の多い食事も関係する?
ラーメンの種類によっては、脂質を多く含むものがあります。
脂質は私たちの体に必要な栄養素ですが、脂質の多い食事は胃から腸へ移動するまでに時間がかかりやすい傾向があります。
そのため、運動直前にこってりした食事を大量にとると、胃の重さや不快感につながることがあります。
ただし、ラーメンの脂質量は種類によって異なり、胃腸の感じ方にも個人差があります。
「ラーメンを食べれば必ず吐き気が起こる」ということではありません。
運動強度が高いと吐き気につながることも
食事だけでなく、「どのくらい激しく運動したか」も重要です。
ゆっくり歩く場合と、息が上がるほど走る場合では体への負担が異なります。
運動強度が高くなるほど消化管への血流が低下しやすく、吐き気などの胃腸症状につながることがあります。
満腹状態と激しい運動が重なれば、さらに不快感を覚えやすくなる可能性があります。
脱水でも吐き気が起こることがある
運動中の吐き気を考えるうえで忘れたくないのが、水分不足です。
運動すると汗をかき、体内から水分が失われます。
特に暑い日や湿度の高い環境、長時間の運動では発汗量が増えることがあります。
脱水が進むと運動能力が低下するだけでなく、体調不良につながる可能性があります。
「ラーメンのスープを飲んだから水分は十分」と考えず、運動する環境や発汗量に応じた水分補給を行うことが大切です。
暑い日の吐き気は熱中症にも注意
暑い環境で運動しているときに吐き気が出た場合には、熱中症も考える必要があります。
熱中症では吐き気のほかにも、
- めまい
- 立ちくらみ
- 頭痛
- 強いだるさ
- 筋肉のけいれん
- 意識状態の変化
などがみられることがあります。
暑い日の運動中に体調がおかしいと感じたら、無理に続けないことが重要です。
涼しい場所へ移動し、衣服をゆるめ、首やわきの下などを冷やしながら休みます。意識がはっきりしていて自分で飲める場合には、状態に応じて水分や塩分を補給します。
自力で水分がとれない、意識がもうろうとしている、受け答えがおかしいといった場合には、速やかな救急要請を検討してください。
水分の「飲み方」で気持ち悪くなることもある
「脱水が怖いなら、とにかく大量に飲めばいい」というわけでもありません。
運動中に短時間で大量の水分を飲むと、お腹が張ったり気持ち悪くなったりする人もいます。
運動前から水分不足を避け、運動中も状況に合わせて補給していくことが大切です。
特に大量の汗をかくような運動では、水分だけでなく塩分などの電解質についても考える必要があります。
吐き気が出たら走り続けない
運動中に吐き気が出たとき、「もう少しだから」と無理に走り続けるのは避けたいところです。
まず運動を中止し、安全な場所で休みましょう。
暑い環境であれば涼しい場所へ移動し、体温を下げることも重要です。
実際に嘔吐した場合には、すぐに大量の飲み物を流し込むのではなく、吐き気が落ち着いてから少量ずつ水分をとる方法が考えられます。
ただし、嘔吐を繰り返す、水分を飲んでも吐いてしまう、強い腹痛がある、意識状態がおかしいなどの場合は、医療機関への相談や救急要請が必要になることがあります。
「吐いた原因」を映像だけで決めつけないことも大切
テレビ番組やスポーツ中継などで誰かが体調を崩している姿を見ると、「これが原因では?」と考えたくなるものです。
しかし、吐き気や嘔吐にはさまざまな原因があります。
- 食事量や内容
- 食後から運動までの時間
- 運動強度
- 暑さ
- 脱水
- その日の体調
- 胃腸の状態
など、多くの条件が関係する可能性があります。
そのため、国道ラーメンマラソンの出演者についても、医学的な情報がない状態で「ラーメンを食べたから吐いた」「熱中症だった」などと断定することはできません。
番組をきっかけに、一般的な運動中の体調管理について考えるのがよいでしょう。
ラーメンマラソンから考える運動中の体調管理
ラーメンマラソンから考えると、運動時の体調は「体力があるかどうか」だけでは決まりません。
食事、水分、運動強度、気温や湿度など、さまざまな条件が重なっています。
特に「気持ち悪い」という感覚は、体からのサインのひとつです。
原因を自己判断して無理をするよりも、まず運動を中断して体の状態を確認することが大切です。
まとめ
激しい運動中には、食事のタイミングや満腹状態、運動強度、消化管への血流の変化、脱水、暑さなどが関係して、吐き気や嘔吐などの胃腸症状が起こることがあります。
ただし、吐き気や嘔吐の原因はひとつとは限らず、番組出演者の体調について外部から原因を断定することもできません。
運動中に気持ち悪くなった場合は無理に続けず、まず休むこと。暑い環境では熱中症の可能性にも注意しましょう。
次の記事では、ラーメンマラソンのような「食べながら走る」状況と、一般的なマラソンで行われる補給にはどんな違いがあるのかを詳しく見ていきます。

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