「毒キノコでも、しっかり火を通せば食べられるのでは?」
そんなイメージを持っている人もいるかもしれません。
しかし、2026年に各地で相次いで確認されている毒キノコ「オオシロカラカサタケ」については、加熱したから安全になるとは考えないでください。
9月16日放送のフジテレビ系「イット!」で、東京農業大学の橋本貴美子教授は、オオシロカラカサタケの毒について、タンパク質の一種であり、加熱しても壊れないと解説しています。
つまり、焼く、炒める、煮るなどの加熱調理をしても、「毒がなくなったから食べられる」と判断することはできません。
実際に過去には、オオシロカラカサタケを焼いたり炒めたりして食べた後に食中毒を起こした事例も報告されています。
今回は、オオシロカラカサタケの毒と加熱の関係について整理します。
オオシロカラカサタケは加熱しても食べられない
結論からいうと、オオシロカラカサタケを「加熱すれば安全」と考えて食べるのは危険です。
9月16日の「イット!」では、東京農業大学の橋本貴美子教授がオオシロカラカサタケの毒について解説。
毒はタンパク質の一種で、加熱しても壊れないと説明しています。
加熱調理したからといって、食中毒を防げるわけではないのです。
「加熱すれば大丈夫」が通用しない理由
食品衛生では、加熱が非常に有効な食中毒対策になる場面があります。
例えば、細菌による食中毒の中には、食品の中心部まで十分に加熱することで原因となる細菌を死滅させ、リスクを下げられるものがあります。
しかし、毒キノコによる食中毒は考え方が異なります。
問題になるのは、キノコそのものが持っている有毒成分です。
そしてオオシロカラカサタケについて専門家は、その毒が加熱しても壊れないと説明しています。
「加熱した」という事実だけでは、オオシロカラカサタケを安全な食材に変えることはできません。
実際に「焼く・炒める」で食中毒になった事例も
これは理論上の話だけではありません。
厚生労働省が公表している過去の毒キノコ食中毒事例には、公園に自生していたオオシロカラカサタケを採取し、自宅で焼き物や炒め物にして食べた後、食中毒症状を起こした事例があります。
患者には嘔吐や下痢などの症状が確認されました。
つまり、実際に加熱調理したオオシロカラカサタケを食べても食中毒は発生しています。
2024年にも「調理したオオシロカラカサタケ」で食中毒
さらに厚生労働省がまとめた2024年の事例では、自宅の庭で採取したオオシロカラカサタケと推定されるキノコを調理して食べた家族2人のうち、1人が発症しています。
主な症状は、嘔吐、腹痛、下痢、手のしびれでした。
この事例からも、「調理したから安全」という考え方が通用しないことが分かります。
オオシロカラカサタケを食べるとどんな症状が出る?
オオシロカラカサタケを食べると、主に胃腸系の中毒症状を起こします。
「イット!」では、嘔吐や下痢のほか、場合によっては頭痛や激しい胃腸障害などを引き起こす毒キノコとして紹介されました。
橋本教授も、調理して食べた場合に腹痛や下痢などの胃腸系の中毒症状が出ると説明しています。
症状の出方や程度には個人差もあるため、「少しだけなら大丈夫」と考えることも避けましょう。
2026年には盛岡市でも誤食
2026年9月には、岩手県盛岡市でもオオシロカラカサタケとみられるキノコの誤食事例が発生しました。
9月3日、県内に住む4人が職場付近に生えていたキノコを食べ、そのうち2人が嘔吐や下痢を発症して入院。
食用の「カラカサタケ」と間違えて食べたとされています。
名前も姿も似たキノコがあることから、野生キノコを自己判断で食用と判断すること自体が危険です。
「毒は加熱すれば消える」という俗説に注意
野生キノコについては、昔からさまざまな見分け方や調理方法に関する俗説があります。
しかし、キノコの毒性を一般的な言い伝えだけで判断することはできません。
「よく加熱すれば毒キノコでも食べられる」
「塩漬けにすれば毒が抜ける」
「虫が食べているキノコなら人間も食べられる」
こうした自己流の判断で野生キノコを食べることは避ける必要があります。
厚生労働省も、食用と確実に判断できないキノコについて、採らない、食べない、売らない、人にあげないよう呼びかけています。
細菌とキノコ毒は分けて考えよう
「加熱」という言葉で混同しやすいのが、細菌性食中毒との違いです。
例えば一部の食中毒菌では、食品を十分に加熱することが重要な予防策になります。
一方、毒キノコの場合は「生きた菌を加熱して殺す」という話ではありません。
キノコが持っている有毒成分によって中毒が起こります。
そのため、細菌性食中毒で有効な「十分な加熱」という対策を、そのまま毒キノコにも当てはめることはできません。
煮汁を捨てれば大丈夫?
これも自己判断は禁物です。
毒キノコにはさまざまな種類があり、含まれる有毒成分も同じではありません。
加熱、煮こぼし、水さらしなど、家庭で行う処理によって毒キノコを安全な食品にできると一括して考えることはできません。
オオシロカラカサタケについても、「煮たから」「焼いたから」「よく火を通したから」という理由で食べるのはやめましょう。
野生キノコは「食べられるか分からないなら食べない」
2026年は、オオシロカラカサタケが東京都の駒沢公園や東京競馬場、神奈川県内の公園、多摩川周辺など、身近な場所で相次いで確認されています。
白く大きなキノコが芝生に大量に生えていると、興味を持つ人もいるでしょう。
しかし、大量に生えていることと、食用にできることはまったく別です。
食用と確実に判断できない野生キノコは採取・喫食しないことが、最も重要な予防になります。
もしオオシロカラカサタケを食べてしまったら?
野生キノコを食べた後に、嘔吐、下痢、腹痛などの体調不良が現れた場合は、医療機関へ相談してください。
食べたキノコの残りや調理前のものが残っている場合には、キノコの種類を確認するための手掛かりになることがあります。
「十分加熱したから毒キノコではないはず」と自己判断して、受診を遅らせないことが大切です。
まとめ|オオシロカラカサタケは「火を通せば大丈夫」ではない
2026年9月16日の「イット!」で、東京農業大学の橋本貴美子教授は、オオシロカラカサタケの毒について、タンパク質の一種で加熱しても壊れないと解説しました。
実際に厚生労働省が公表している過去の食中毒事例でも、オオシロカラカサタケを焼いたり炒めたりして食べた後に、嘔吐や下痢などを発症したケースがあります。
オオシロカラカサタケは、「しっかり加熱すれば食べられるキノコ」ではありません。
2026年は公園や芝生など身近な場所でも相次いで確認されています。
食用と確実に判断できない野生キノコは、加熱方法を工夫して食べようとせず、最初から食べないことが重要です。

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