9月上旬頃に迎える二十四節気の「白露(はくろ)」。
冬至にはかぼちゃ、端午の節句には柏餅など、季節の行事と特定の食べ物が結びついている例はたくさんあります。
そのため、「白露には何を食べるの?」「白露にも決まった行事食がある?」と気になる人もいるでしょう。
白露には、全国的に広く定着した「この日に必ず食べる」という代表的な行事食は一般的ではありません。
一方、白露を迎える9月頃には、十五夜や秋のお彼岸など食文化と関わりの深い行事もあります。
この記事では、白露と行事食の関係や、9月に見られる季節の食文化についてわかりやすく解説します。
白露に全国共通の決まった行事食はある?
白露は二十四節気のひとつですが、白露の日に全国共通で食べる代表的な行事食は一般的には定着していません。
そのため、「白露には必ず○○を食べる」と覚える必要はありません。
白露は、草木に露が宿る頃を表した季節の区切りです。
特定の料理を食べるための日というよりも、自然の変化から秋の訪れを感じる時期として捉えるとわかりやすいでしょう。
そもそも二十四節気とは?
二十四節気は、太陽の動きをもとに1年を24の節気に分けたものです。
春分や夏至、秋分、冬至のほか、立春、立夏、立秋、立冬なども二十四節気に含まれます。
白露は二十四節気の15番目で、秋の節気としては3番目です。
秋の二十四節気は、次の順番で進みます。
- 立秋
- 処暑
- 白露
- 秋分
- 寒露
- 霜降
二十四節気は季節を知るための目安であり、すべての節気に特定の行事食が存在するわけではありません。
なぜ「二十四節気=行事食」ではないの?
二十四節気と日本の年中行事は関係する部分もありますが、同じものではありません。
二十四節気は太陽の動きをもとに季節を区切る仕組みです。
一方、行事食は年中行事や信仰、農耕、地域の習慣など、さまざまな文化的背景から生まれてきました。
例えば、冬至にかぼちゃを食べる習慣はよく知られていますが、「二十四節気にはそれぞれ専用の食べ物がある」という仕組みではありません。
白露についても、節気そのものと全国共通の行事食を無理に結びつけないことが大切です。
白露の頃は旬の食材を楽しむのがおすすめ
決まった行事食がなくても、白露と食を楽しむ方法はあります。
白露を迎える9月頃には、夏から秋へ食材が移り変わっていく様子を感じられます。
| 種類 | 白露の頃に楽しみたい食材の例 |
|---|---|
| 魚 | さんま、鮭、かつおなど |
| 野菜・いも類 | なす、かぼちゃ、さつまいも、里芋など |
| きのこ類 | しいたけ、しめじ、まいたけなど |
| 果物 | 梨、ぶどう、いちじくなど |
ただし、食材の旬や収穫時期は産地や品種、その年の天候によって異なります。
「白露にはこの食材」と固定するのではなく、その時期に身近な地域で出回っているものを選ぶとよいでしょう。
白露の頃に関係する食文化① 十五夜
9月から10月頃の秋の行事としてよく知られているのが「十五夜」です。
十五夜は旧暦8月15日の夜を指し、「中秋の名月」として月を観賞する風習があります。
十五夜には月見団子を供える習慣が知られているほか、里芋などの収穫物を供える地域もあります。
そのため、十五夜は「芋名月」と呼ばれることもあります。
ただし、十五夜と白露は別のものです。
白露は太陽の動きをもとにした二十四節気、十五夜は旧暦の日付に基づく行事であるため、毎年同じ日に重なるわけではありません。
白露と十五夜の食べ物を混同しないようにしよう
白露について調べていると、月見団子や里芋などが一緒に紹介されることがあります。
これは白露の頃と十五夜の時期が比較的近くなることがあるためです。
しかし、月見団子は白露そのものの行事食ではありません。
月見団子や里芋などは、十五夜にまつわる食文化として分けて考えるとわかりやすくなります。
季節が近いからといって、それぞれの行事の由来まで同じとは限らないことを覚えておきましょう。
白露の後には秋のお彼岸もある
白露の次の二十四節気は「秋分」です。
秋分の日を中日として、その前後3日間を合わせた7日間は「秋のお彼岸」と呼ばれます。
お彼岸の食べ物として知られているのが「おはぎ」です。
もち米などを使い、あんこで包んだおはぎは、秋のお彼岸に食べたり供えたりする食べ物として親しまれています。
しかし、おはぎも白露の行事食ではありません。
白露から秋分へ季節が進んだ先にある、秋のお彼岸の食文化として考えましょう。
「おはぎ」と「ぼたもち」は何が違う?
春のお彼岸では「ぼたもち」、秋のお彼岸では「おはぎ」という呼び方を聞くことがあります。
一般的には、春に咲く牡丹にちなんで「ぼたもち」、秋に咲く萩にちなんで「おはぎ」と呼ぶという説明が知られています。
ただし、実際の呼び方や作り方には地域差や家庭差があります。
白露から秋分へ進む季節の中で、こうした食べ物の名前に込められた季節感を調べてみるのも面白いでしょう。
秋の収穫と白露の食卓
秋は「実りの秋」とも呼ばれ、さまざまな農作物が収穫される季節です。
白露を迎える9月上旬頃には、地域や品種によって新米が出回り始めることもあります。
また、梨やぶどう、いも類など、秋らしい農産物を目にする機会も増えてきます。
白露に決まった行事食がなくても、その土地で収穫された旬の食材を味わうことで、昔の人々が感じていた季節の移り変わりに思いを向けることができます。
白露らしい献立を作るなら?
「せっかく白露だから季節感のある食事にしたい」という場合は、旬の食材を組み合わせた献立がおすすめです。
例えば、次のような献立があります。
- さつまいもご飯
- 鮭ときのこのホイル焼き
- なすの煮びたし
- 豆腐と青菜の味噌汁
- 梨
また、まだ残暑が厳しい日なら、次のような食べやすい献立にしてもよいでしょう。
- ご飯
- かつおのたたき
- 冷たいなすの煮びたし
- 豆腐のすまし汁
- ぶどう
これらは伝統的な「白露の行事食」ではなく、白露の頃に楽しみやすい食材を使った献立例です。
行事食と季節の献立を区別しながら楽しみましょう。
地域の食文化にも目を向けてみよう
日本には、その地域ならではの行事や郷土料理が数多くあります。
同じ9月でも、農作物の収穫時期や祭り、食習慣は地域によって異なります。
全国共通の白露の行事食がないからといって、秋の食文化がないわけではありません。
地域の直売所や郷土資料、家庭で受け継がれてきた料理などを調べてみると、その土地ならではの秋の食文化を発見できることがあります。
白露は「何を食べる日」より「秋を見つける時期」
白露という言葉には、草木に宿る露から季節の変化を感じ取る昔の人々の感覚が表れています。
食事についても、「この日にこの料理を食べなければ」と考えるより、身近な旬の食材を見つけるきっかけとして楽しんでみるとよいでしょう。
スーパーで梨やぶどうを見つける。
鮭やさんまを食卓に取り入れる。
さつまいもやきのこを使って秋らしい料理を作る。
そんな日常の小さな変化からでも、白露の季節を感じることができます。
まとめ
白露には、全国共通で広く定着した特定の行事食は一般的にはありません。
月見団子や里芋は十五夜、おはぎは秋のお彼岸など、白露と時期が近い行事の食文化と混同しないことがポイントです。
一方、白露を迎える9月頃には、魚、野菜、いも類、梨やぶどうなど、さまざまな秋の味覚が楽しめます。
白露を「決まったものを食べる日」と考えるのではなく、旬の食材から秋の訪れを感じるきっかけにするのもおすすめです。
白露から十五夜、秋分、秋のお彼岸へと続く季節の流れとともに、日本の秋の食文化を楽しんでみてはいかがでしょうか。

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