パンを焼いたとき。
ごまを煎ったとき。
お肉を焼いたとき。
コーヒーや麦茶の香りを嗅いだとき。
私たちはよく、
「香ばしい、いい匂い!」
と感じます。
でも、パン・ごま・肉・麦・コーヒー豆は、まったく違う食べ物です。
それなのに、
なぜ加熱すると、どれも「香ばしい」と感じる香りが生まれるのでしょうか?
今回はいろいろな食品を比べながら、
加熱によって香りが生まれる仕組み
を調べてみましょう。
- この自由研究は何日かかる?
- まず「香ばしい」と感じる食べ物を探そう
- まず予想してみよう
- 用意するもの
- 実験① 加熱前と加熱後の香りを比べよう
- 色も一緒に観察しよう
- 食べ物を加熱すると何が起こる?
- 代表選手が「メイラード反応」
- 「香ばしい香り」という物質が1個あるわけではない
- 実験② いろいろな「香ばしい」を比べよう
- 香ばしさを5段階にしよう
- でも全部同じ匂いではない
- なぜ食品によって香りが違うの?
- パンの香ばしさ
- 麦茶の香ばしさ
- ごまの香ばしさ
- 肉の香ばしさ
- コーヒーの香ばしさ
- 実験③ 「香ばしい」を別の言葉で表現してみよう
- 家族に聞くと結果は同じになる?
- 実験④ 目を閉じてもわかる?
- 「いい匂い」は目でも決まる?
- 香ばしければ香ばしいほどおいしい?
- 実験⑤ トーストで香りの変化を追ってみよう
- メイラード反応だけが「香ばしさ」を作るわけではない
- カラメルの香りも「香ばしい」?
- ここからNo.102につながる!
- 写真はどこを撮る?
- 何年生におすすめ?
- 実験するときの注意
- 自由研究のまとめ方
- 写真や比較表を印刷してまとめよう
- まとめ|「香ばしい」は加熱で生まれたたくさんの香りの組み合わせ
- よくある質問
この自由研究は何日かかる?
- おすすめ学年:小学2~6年生
- 実験期間:1日
- 実験時間:30分~1時間程度
- 結果が出るまで:当日
- 材料のそろえやすさ:★★★★★
- 五感を使う度:★★★★★
低学年なら香りの比較、高学年なら化学反応まで調べることができます。
まず「香ばしい」と感じる食べ物を探そう
身近な食べ物から、
「香ばしい」と感じるもの
を探してみましょう。
例えば、
- トースト
- 麦茶
- ほうじ茶
- コーヒー
- 煎りごま
- 焼いた肉
- 焼きおにぎり
- クッキー
- 焼いたナッツ
などがあります。
家の中だけでも、意外とたくさん見つかります。
まず予想してみよう
なぜ違う食べ物から似たような「香ばしさ」を感じるのでしょうか?
- 全部に同じ香料が入っている?
- 焼くと同じ物質になる?
- 温度が高くなると香りが生まれる?
- 茶色くなることと関係している?
実験前に自分の予想を書いてみましょう。
用意するもの
全部用意する必要はありません。
- 食パン
- 麦茶
- ごま
- 焼く前と焼いた後を比較できる食品
- 白い皿
- 記録用紙
- カメラやスマートフォン
麦茶を使う場合、丸粒タイプなら焙煎された大麦そのものも観察できます。
実験① 加熱前と加熱後の香りを比べよう
まずは食パンで比べてみましょう。
- A:焼いていない食パン
- B:焼いた食パン
を用意します。
それぞれの香りを嗅いで、
| 状態 | 香りの強さ | どんな香り? |
|---|---|---|
| 焼く前 | ||
| 焼いた後 |
に記録します。
色も一緒に観察しよう
香りだけでなく、色も観察します。
食パンは焼くことで、
白っぽい色から茶色い焼き色
へ変化します。
そして同時に、焼く前にはなかった香ばしい香りも強くなります。
ここから、
「色が変わることと香りが生まれることには関係があるのでは?」
という新しい疑問が出てきます。
食べ物を加熱すると何が起こる?
食品を加熱すると、中に含まれている成分にさまざまな変化が起こります。
その結果、
- 色が変わる
- 香りが変わる
- 味が変わる
- 硬さが変わる
などの変化が起こります。
香ばしい香りも、
加熱によって新しく作られたさまざまな香りの成分
が関係しています。
代表選手が「メイラード反応」
香ばしい香りに関係する代表的な反応のひとつが、
メイラード反応
です。
食品に含まれている糖とアミノ酸などが加熱によって反応すると、
- 褐色の物質
- さまざまな香りの成分
が生まれます。
そのため、
焼き色と香ばしい香りが一緒に生まれることがある
のです。
「香ばしい香り」という物質が1個あるわけではない
ここが大切なポイントです。
私たちはまとめて、
「香ばしい」
と言っています。
しかし、
「香ばしい」という名前のひとつの香り成分があるわけではありません。
加熱によって生まれるさまざまな香気成分が組み合わさり、私たちはそれを「香ばしい」と感じています。
実験② いろいろな「香ばしい」を比べよう
家にある食品を3~5種類ほど集めます。
例えば、
- トースト
- 麦茶
- 煎りごま
- コーヒー
- ほうじ茶
などです。
| 食品 | 香ばしさ | どんな香り? |
|---|---|---|
| トースト | ||
| 麦茶 | ||
| ごま | ||
| コーヒー |
香ばしさを5段階にしよう
- 1:ほとんど香ばしくない
- 2:少し香ばしい
- 3:香ばしい
- 4:かなり香ばしい
- 5:とても香ばしい
同じ基準で評価すると比較しやすくなります。
でも全部同じ匂いではない
実際に嗅いでみると、
- 麦茶は麦茶の香り
- コーヒーはコーヒーの香り
- ごまはごまの香り
- トーストはパンの香り
がします。
つまり、
どれも「香ばしい」という共通点はあるけれど、まったく同じ香りではない
のです。
なぜ食品によって香りが違うの?
食品によって、
- 糖
- アミノ酸
- たんぱく質
- 脂質
- 水分
- そのほかの成分
の種類や量が違います。
さらに、
- 加熱温度
- 加熱時間
- 焼く
- 煎る
- 焙煎する
といった条件も違います。
そのため、
作られる香りの成分の組み合わせも食品ごとに違う
のです。
パンの香ばしさ
パンを焼くと、表面に焼き色がつき、焼く前とは違う香りが生まれます。
メイラード反応など、加熱によるさまざまな反応が関係しています。
そのためトースターから、
「パンが焼けた!」とわかる香り
がしてきます。
麦茶の香ばしさ
麦茶は大麦を焙煎して作ります。
大麦を高温で加熱することで、色や香りが大きく変化します。
その香りについては、
「麦茶の香ばしい香りはどこから来る?」
でも詳しく調べられます。
ごまの香ばしさ
ごまも煎ると香りが強くなります。
加熱によってさまざまな香りの成分が生まれ、
生の状態とは違う「煎りごまらしい香り」
になります。
肉の香ばしさ
肉を焼いたときにも、表面から香ばしい香りがします。
肉にはアミノ酸やたんぱく質などが含まれ、調理中には糖などと関係する反応のほか、脂質の変化なども起こります。
つまり肉の香りも、
ひとつの反応だけでできているわけではありません。
コーヒーの香ばしさ
コーヒーも豆を焙煎して作ります。
焙煎前と焙煎後では、
- 色
- 香り
- 味
が大きく変化します。
ここから、
「コーヒーと麦茶の焙煎は同じ?」
という自由研究にも発展できます。
実験③ 「香ばしい」を別の言葉で表現してみよう
今回の研究では、
全部を「香ばしい」で終わらせない
のもポイントです。
例えば、
- 甘いような香り
- ナッツのような香り
- パンのような香り
- 麦のような香り
- 焦げたような香り
- 少し苦そうな香り
- お肉らしい香り
など、自分の言葉で表現してみましょう。
家族に聞くと結果は同じになる?
同じ食品を家族にも嗅いでもらいます。
| 人 | 一番香ばしい食品 | どんな香り? |
|---|---|---|
| Aさん | ||
| Bさん | ||
| Cさん |
同じものを嗅いでも、
香りの感じ方や表現は人によって違う
ことがあります。
実験④ 目を閉じてもわかる?
大人に、
- 麦茶
- コーヒー
- ごま
- トースト
などを用意してもらいます。
目を閉じて香りだけを嗅ぎ、
何の食べ物か当てられるか
試してみましょう。
全部「香ばしい」のに、意外と区別できるかもしれません。
「いい匂い」は目でも決まる?
さらに発展させるなら、
- 食品を見ながら香りを嗅ぐ
- 目を閉じて香りを嗅ぐ
の2つを比べても面白いでしょう。
私たちは香りだけでなく、
- 見た目
- 色
- 過去に食べた記憶
なども使って「おいしそう」と感じています。
香ばしければ香ばしいほどおいしい?
ここでNo.100につながります。
食品を加熱すると、香ばしい香りが強くなっていくことがあります。
しかし、さらに加熱を続けると、
- 焦げ臭い
- 苦そう
- 煙っぽい
と感じる香りが強くなることがあります。
つまり、
香ばしさは強ければ強いほどよいとは限りません。
実験⑤ トーストで香りの変化を追ってみよう
食パンを、
- 焼く前
- 薄い焼き色
- きつね色
- 濃い焼き色
の段階に分けます。
| 焼き方 | 色 | 香ばしさ | 焦げ臭さ |
|---|---|---|---|
| 焼く前 | |||
| 薄い | |||
| きつね色 | |||
| 濃い |
香ばしさが一番強く感じられるのはどこ?
を探してみましょう。
メイラード反応だけが「香ばしさ」を作るわけではない
高学年では、ここを押さえておくと考察が深くなります。
食品を加熱したときの香りには、
- メイラード反応
- 糖の加熱による変化
- 脂質の変化
- もともと含まれる香り成分の変化
- その他の熱による反応
など、さまざまな現象が関係します。
そのため、
「香ばしい=全部メイラード反応」ではありません。
カラメルの香りも「香ばしい」?
砂糖を加熱すると、色が変わり、独特の甘く香ばしい香りが生まれます。
これはカラメル化と呼ばれる変化です。
メイラード反応とは違い、糖を加熱することで起こる変化です。
つまり、
似たように「香ばしい」と感じても、その香りが生まれる仕組みはひとつではない
のです。
ここからNo.102につながる!
香ばしい香りを調べると、
「メイラード反応ってそもそも何?」
という疑問が出てきます。
次は、
糖とアミノ酸などが加熱によってどう変化するのか
を詳しく調べると、今回の研究をさらに深掘りできます。
写真はどこを撮る?
- 焼く前の食パン
- 焼いたトースト
- 丸粒麦茶
- 煎りごま
- 比較する食品を並べた写真
- 香りを嗅いでいる様子
- トーストの焼き色比較
- 完成した香り比較表
香りは写真に写りません。
そのため、
食品の写真+自分が感じた香りを言葉にした表
をセットにするのがおすすめです。
何年生におすすめ?
小学1~2年生
焼く前と焼いた後のパンを比べて、
「焼いたら色と匂いが変わった」
とまとめるだけでも十分です。
小学3~4年生
パン・麦茶・ごまなど、3種類以上の香りを比べて表にしましょう。
「同じ香ばしいでも何が違った?」まで書くと考察になります。
小学5~6年生
メイラード反応・カラメル化・脂質の変化などまで調べ、
香ばしい香りがひとつの仕組みだけでは説明できない
ことまでまとめると、本格的な食品科学になります。
実験するときの注意
食品を加熱する実験は必ず大人と一緒に行いましょう。
香りを強くするために、
真っ黒になるまで加熱する必要はありません。
煙が出るほど加熱すると危険です。
また、熱い食品や調理器具によるやけどにも注意しましょう。
自由研究のまとめ方
- 疑問:香ばしい香りはなぜ生まれる?
- 予想:加熱と香りにどんな関係があるか考える
- 実験:加熱前後の食品を比べる
- 比較:いろいろな香ばしい食品を嗅ぐ
- 記録:香りを5段階で評価する
- 観察:色の変化も記録する
- 調査:メイラード反応などを調べる
- 考察:なぜ食品によって香りが違うのか考える
- 結論:香ばしい香りが生まれる仕組みを自分の言葉でまとめる
写真や比較表を印刷してまとめよう
今回の自由研究では、
- 加熱前後の写真
- いろいろな食品の写真
- 香り比較表
- 焼き色比較
を組み合わせると、香りという目に見えない変化も伝えやすくなります。
写真や比較表を自宅で印刷する場合は、プリンターに対応した互換インクを比較してみるのもひとつの方法です。
▶ 自由研究の写真・比較表の印刷に使える互換インクをチェックする
まとめ|「香ばしい」は加熱で生まれたたくさんの香りの組み合わせ
食べ物を焼いたり煎ったりすると、加熱によって食品の成分にさまざまな変化が起こります。
その代表的なもののひとつが、
メイラード反応
です。
糖とアミノ酸などが反応することで、褐色の物質やさまざまな香りの成分が生まれます。
しかし、
香ばしい香りを作る仕組みはメイラード反応だけではありません。
食品によっては、
- 糖の加熱による変化
- 脂質の変化
- その他の熱による反応
なども関係しています。
だから、
- パン
- 麦茶
- ごま
- 肉
- コーヒー
は全部「香ばしい」のに、香りはそれぞれ違います。
つまり、
「香ばしい」というひとつの匂いがあるのではなく、加熱によって生まれたさまざまな香りを、私たちがまとめて「香ばしい」と感じている
のです。
よくある質問
香ばしい香りはメイラード反応でできるの?
メイラード反応は代表的な原因のひとつですが、それだけではありません。食品によって糖の加熱変化や脂質の変化など、さまざまな反応が香りに関係します。
なぜ焼く前より焼いた後の方がいい匂いがするの?
加熱によって食品の成分が変化し、焼く前には少なかった新しい香りの成分が生まれるためです。
パンと麦茶の香ばしさは同じ?
どちらも加熱による反応が関係しますが、原料や加熱条件が違うため、作られる香りの成分の組み合わせも同じではありません。
茶色くなれば必ず香ばしくなる?
必ずしもそうではありません。色と香りには関係がありますが、加熱しすぎると焦げ臭さや苦味が強くなることもあります。
1日でできますか?
はい。トーストの加熱前後を比べ、麦茶やごまなど身近な食品の香りを比較するだけなら1日でまとめられます。

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