毒キノコは写真だけで見分けられる?見た目だけの判別が危険な理由

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野山や公園で見つけたキノコ。

スマートフォンで写真を撮って検索すると、よく似たキノコの画像がすぐに表示されます。

すると、

「これとそっくりだから食べられそう」

と思ってしまうこともあるかもしれません。

しかし、野生キノコでは写真が似ていることと、同じ種類であることは別です。

厚生労働省も、キノコには個体差があるため、インターネットなどの画像検索結果から食用と判断することは危険だと注意を呼びかけています。

この記事では、なぜ毒キノコを写真だけで見分けることが難しいのか、見た目だけの判別が危険な理由を解説します。

食用キノコと毒キノコは似ていることがある

毒キノコというと、

「派手な色をしている」

「見るからに毒々しい」

というイメージを持つ人もいるかもしれません。

しかし、実際には地味な色をした毒キノコもあります。

反対に、鮮やかな色をしていても食用とされるキノコもあります。

農林水産省も、キノコの色やイメージだけで食用かどうかを判断できないと案内しています。

ツキヨタケは食用キノコと間違えられる

厚生労働省が注意を呼びかけている代表的な毒キノコのひとつが、ツキヨタケです。

ツキヨタケは、

  • ヒラタケ
  • ムキタケ
  • シイタケ

などと間違えられることがあります。

誤って食べると、食後30分~1時間程度で嘔吐、下痢、腹痛などを起こすことがあります。

見た目が似ているからといって、食用とは限りません。

クサウラベニタケも誤認されやすい

クサウラベニタケも、食用キノコと間違えられやすい毒キノコです。

厚生労働省によると、

  • ウラベニホテイシメジ
  • ホンシメジ
  • ハタケシメジ

などと間違えられることがあります。

食べると、嘔吐、下痢、腹痛などの消化器症状のほか、唾液の分泌、瞳孔の収縮、発汗などが現れることがあります。

同じ場所に食用キノコと毒キノコが生えることもある

さらに厄介なのが、食用キノコと毒キノコが同じような場所に生えることです。

農林水産省は、食用キノコと間違えられやすい毒キノコについて、見た目が似ているだけでなく、食用キノコと同じ場所に生えていることもあると注意しています。

そのため、

「この場所では毎年食用キノコが採れる」

という経験だけで判断することも危険です。

キノコには個体差がある

同じ種類のキノコでも、すべてが図鑑に載っている典型的な姿をしているとは限りません。

キノコには個体差があります。

たとえば、

  • 色の濃淡
  • 傘の形
  • 大きさ
  • 模様の出方
  • 成長具合

などが異なることがあります。

厚生労働省が画像検索だけで判断することを危険としている理由のひとつも、この個体差です。

成長すると見た目が変わる

キノコは成長とともに姿が変化します。

若い時期には傘が閉じていても、成長すると大きく開くことがあります。

傘の裏側や柄などの特徴も、成長段階によって見え方が変わります。

そのため、

「図鑑に載っていた写真と少し違うから別の種類」

「ネットの写真とそっくりだから同じ種類」

と単純に判断することはできません。

一枚の写真では見えない部分がある

キノコの写真を検索するとき、傘の上側だけを撮影することも多いでしょう。

しかし、キノコの特徴は傘の表面だけではありません。

種類によっては、

  • 傘の裏側
  • ひだ
  • 根元
  • つばの有無
  • 全体の形

なども重要な特徴になります。

一枚の写真に必要な情報がすべて写っているとは限りません。

光の当たり方でも色は変わって見える

写真では、実物と色が違って見えることがあります。

日なたなのか日陰なのか、撮影したスマートフォンの補正がかかっているかなどによっても、色味は変化します。

また、雨に濡れていたり、乾燥していたりすることでも見た目が変わります。

そのため、色だけを比較して種類を判断するのも危険です。

画像検索で一番似た写真が出ても食用とは限らない

画像検索は、似た見た目の画像を探すには便利です。

しかし、検索結果の一番上に表示された写真が、目の前のキノコと同じ種類である保証はありません。

さらに、検索結果に表示された情報そのものが正しいとは限らない場合もあります。

画像検索は「似ているものを探す道具」であり、「食べて安全かを保証する道具」ではありません。

AI画像判定も同じ

AIにキノコの写真を送った場合も同じです。

AIは画像に写っている特徴から、種類の候補を推定することがあります。

しかし、似た種類を取り違えたり、写真に写っていない特徴を確認できなかったりする可能性があります。

そのため、AIが、

「食用キノコです」

と回答しても、それだけを根拠に野生キノコを食べてはいけません。

「毒キノコは派手」は間違い

昔から、

「毒キノコは派手な色をしている」

という言い伝えがあります。

しかし、農林水産省はこのような判断方法を否定しています。

派手な色をした食用キノコもあれば、地味な色をした毒キノコもあります。

見た目の印象だけで毒の有無を判断することはできません。

「縦に裂けるキノコは食べられる」も間違い

「柄が縦に裂けるキノコなら食べられる」

という話を聞いたことがある人もいるかもしれません。

これも安全な判別方法ではありません。

農林水産省は、このような迷信による判別方法を信じることは非常に危険だとしています。

「虫が食べているから大丈夫」も判断基準にならない

虫がキノコを食べている様子を見ると、

「虫が食べられるなら人間にも毒はない」

と思うこともあるかもしれません。

しかし、人間と虫では、物質に対する反応が同じとは限りません。

虫食いの有無を食用判断に使わないようにしましょう。

加熱や塩漬けでも安心できない

農林水産省によると、一部には調理によって毒性が変化する種類があるものの、多くの毒キノコは調理しても無毒化されません。

そのため、

  • よくゆでた
  • 炒めた
  • 塩漬けにした

といったことを安全の根拠にはできません。

そもそも食用と確実に判断できない野生キノコは、調理しないことが重要です。

写真を何枚撮れば判定できる?

「一枚では足りないなら、いろいろな角度から撮ればいいのでは?」

と思うかもしれません。

複数の写真があれば確認できる情報は増えます。

しかし、それでも写真だけで食用かどうかを保証できるわけではありません。

問題は写真の枚数ではなく、写真判定だけを食べるかどうかの最終判断に使うことです。

図鑑の写真と完全に一致しても安心しない

図鑑はキノコを学ぶために役立ちます。

しかし、図鑑に掲載されている写真と似ているからといって、安全に食べられるとは限りません。

毒キノコと食用キノコには、一般の人には見分けにくいものがあります。

「写真が一致した」という理由だけで口にすることは避けましょう。

写真判定は「観察」にとどめる

写真を撮ってキノコについて調べること自体は、自然観察として楽しむことができます。

AIや画像検索を使い、

  • どんな種類のキノコがあるのか調べる
  • 毒キノコについて学ぶ
  • 行政の注意喚起を探す

といった使い方もできます。

しかし、そこから一歩進んで、

「検索結果がこれだから食べる」

という判断につなげないことが大切です。

食用と確実に判断できないなら食べない

厚生労働省と農林水産省が呼びかけている基本は明確です。

食用と確実に判断できないキノコは、

  • 採らない
  • 食べない
  • 売らない
  • 人にあげない

ようにします。

画像検索やAIで候補が出たとしても、「確実に食用と判断できた」ことにはなりません。

食べて体調が悪くなったらすぐ受診を

もし野生キノコを食べた後に体調が悪くなった場合は、すぐに医療機関を受診してください。

厚生労働省も、キノコを食べて体調が悪くなった場合には、すぐ病院で診察を受けるよう呼びかけています。

その際には、野生キノコを食べたことを医療機関へ伝えることが重要です。

まとめ|「写真が似ている」は食用の証明にならない

毒キノコと食用キノコには、見た目がよく似ているものがあります。

さらにキノコには個体差があり、成長段階や環境、撮影条件によって姿や色の見え方が変化します。

そのため、インターネットの画像検索やAIによる写真判定だけで、野生キノコを食用と判断するのは危険です。

写真はキノコについて調べる入口にはなります。

しかし、

「写真と似ているから食べられる」ではなく、「食用と確実に判断できないなら食べない」

という安全側の判断を優先しましょう。

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