運動中にのどが渇くと、「今のうちにたくさん飲んでおこう」と一気に水分をとりたくなることがあります。
特に暑い日には汗をたくさんかくため、水分補給は欠かせません。
しかし、一度に大量の水分を飲んだあと、「お腹がチャポチャポする」「胃が苦しい」「なんだか気持ち悪い」と感じた経験がある人もいるのではないでしょうか。
ラーメンマラソンから考える今回は、水分を一気に飲むと気持ち悪くなることがある理由と、運動中の水分補給で意識したいポイントを栄養士目線で解説します。
- 運動中の水分補給はなぜ必要?
- 水分を一気に飲むと気持ち悪くなることはある?
- 食後の一気飲みはさらに胃がいっぱいになりやすい
- ラーメンのスープも「胃に入る水分」
- 「のどが渇くまで飲まない」も避けたい
- 水分は「少しずつ」が基本
- 汗をたくさんかくときは電解質も考える
- 水とスポーツドリンクはどう使い分ける?
- 経口補水液はスポーツドリンクと同じではない
- 水分を飲みすぎることにも注意
- 飲んだ直後に走って気持ち悪くなったら?
- 吐き気があるのにさらに大量に飲まない
- 暑い日の吐き気なら熱中症にも注意
- 自力で飲めない場合は無理に飲ませない
- 子どもの水分補給でも一気飲みに注意
- 運動前から水分補給を考えておこう
- ラーメンマラソンから考える「飲み方」の大切さ
- まとめ
運動中の水分補給はなぜ必要?
運動すると筋肉が活動し、体内で熱が生まれます。
体は汗をかくことで熱を逃がし、体温を調節しています。
そのため、運動中には汗とともに体から水分が失われます。
特に、
- 暑い環境で運動する
- 長時間運動する
- 運動強度が高い
- 汗をかきやすい
といった場合には、水分不足への注意が必要です。
だからといって、「たくさん飲めば飲むほどよい」というわけでもありません。
水分を一気に飲むと気持ち悪くなることはある?
短時間に大量の飲み物を飲むと、胃の中に一気に水分が入ります。
その結果、胃が膨らんで、
- 胃が重い
- お腹が張る
- チャポチャポする
- げっぷが出る
- 吐き気を感じる
といった不快感につながることがあります。
さらに、その直後に走れば体が上下に揺れるため、胃の不快感を強く感じる人もいます。
食後の一気飲みはさらに胃がいっぱいになりやすい
特に注意したいのが、食事をしたばかりの状態です。
食後は胃の中にまだ食べ物が残っています。
そこへ大量の水分を短時間で飲めば、胃に入っている全体量はさらに増えます。
例えば、
- 満腹になるまで食べる
- スープもしっかり飲む
- さらに水分を一気飲みする
- その直後に走る
といった条件が重なると、胃の重さや吐き気につながる可能性があります。
ラーメンのスープも「胃に入る水分」
ラーメンマラソンから考える場合、見落としやすいのがスープです。
食事量というと麺やチャーシューなどの固形物に注目しがちですが、スープも胃の中に入ります。
ラーメンを食べてスープも飲み、さらに走る直前に大量の飲み物をとれば、胃の中の内容量が多くなることがあります。
もちろん、だからといって運動時の水分補給を控えるのは適切ではありません。
大切なのは、必要な水分を運動直前にまとめて入れるのではなく、運動前から計画的に補給することです。
「のどが渇くまで飲まない」も避けたい
一気飲みを避けるために、水分そのものを我慢する必要はありません。
むしろ、長時間まったく飲まず、強いのどの渇きを感じてから大量に飲むというパターンでは、一度に飲む量が増えやすくなります。
運動前から水分不足を避け、運動中も環境や発汗量などに応じて補給していくことが大切です。
水分は「少しずつ」が基本
運動中の水分補給では、一度に大量に流し込むのではなく、休憩などを利用して補給していきます。
ただし、「必ず○分ごとに○mL」とすべての人に同じ量を当てはめることはできません。
必要な水分量は、
- 体格
- 運動時間
- 運動強度
- 発汗量
- 気温や湿度
- その日の体調
などによって変わります。
自分の運動条件に合わせて考えることが重要です。
汗をたくさんかくときは電解質も考える
汗で失われるのは水分だけではありません。
ナトリウムなどの電解質も失われます。
長時間の運動や大量に汗をかく状況では、水分だけでなく電解質の補給も考える必要があります。
一方、短時間の軽い運動で必ずスポーツドリンクや経口補水液が必要になるわけではありません。
運動時間や発汗量、暑さなどに応じて選びましょう。
水とスポーツドリンクはどう使い分ける?
短時間の軽い運動で、普段の食事がとれている場合には、水やお茶などで水分を補給できることもあります。
一方、長時間の運動や大量発汗がある場合には、糖質や電解質を含むスポーツドリンクが選択肢になることがあります。
ただし、スポーツドリンクだから無制限に飲めばよいというわけではありません。
運動内容や発汗量に合わせて使い分けることが大切です。
経口補水液はスポーツドリンクと同じではない
経口補水液とスポーツドリンクは、どちらも水分補給に使われることがありますが、同じものではありません。
経口補水液は、脱水状態のときに水分と電解質を補給することを目的とした飲料です。
日常的な運動のたびに、普通の飲み物代わりとして大量に飲むものではありません。
経口補水液とスポーツドリンクの違いについては、このシリーズの後半で詳しく解説します。
水分を飲みすぎることにも注意
「脱水にならないように」と必要以上の水分を短時間に大量摂取することにも注意が必要です。
長時間の運動などで水分を過剰にとり続けると、体内のナトリウム濃度が低下する低ナトリウム血症につながることがあります。
低ナトリウム血症では、吐き気や頭痛などが現れることもあり、重症化すると危険です。
つまり、運動時の水分補給は、
「不足させないこと」と「必要以上に飲みすぎないこと」の両方が大切です。
飲んだ直後に走って気持ち悪くなったら?
大量の水分を飲んだ直後に走り、胃が苦しくなった場合には、一度ペースを落とすか運動を中止しましょう。
安全な場所で休み、吐き気が落ち着くか確認します。
ただし、暑い環境で吐き気が出ている場合には、「水を飲みすぎただけ」と決めつけないようにしてください。
熱中症や脱水など別の原因が関係している可能性もあります。
吐き気があるのにさらに大量に飲まない
運動中に吐き気があるとき、「脱水だったら怖いから」とさらに大量の水を飲むのは避けましょう。
意識がはっきりしていて、自分で問題なく飲み込める場合には、体調を見ながら少量ずつ補給します。
実際に嘔吐している場合にも、吐いた直後に大量の飲み物を流し込むと再び吐くことがあります。
水分を飲んでも繰り返し吐いてしまう場合には、医療機関への相談を検討してください。
暑い日の吐き気なら熱中症にも注意
暑い環境で運動しているときに吐き気が出た場合には、熱中症にも注意が必要です。
吐き気に加えて、
- 頭痛
- めまい
- 強いだるさ
- ふらつき
- 筋肉のけいれん
- 意識状態の変化
などがある場合には、無理に運動を続けないようにしましょう。
運動を中止して涼しい場所へ移動し、衣服を緩めて体を冷やします。
自力で飲めない場合は無理に飲ませない
意識がもうろうとしている、受け答えがおかしい、自分でうまく飲み込めないといった状態では、無理に飲み物を飲ませるのは危険です。
このような症状がある場合には、速やかな救急要請を検討してください。
救急隊を待つ間も、可能な範囲で体を冷やします。
子どもの水分補給でも一気飲みに注意
子どもは遊びやスポーツに夢中になると、水分補給を忘れてしまうことがあります。
休憩時間になってから「いっぱい飲んで!」と大量に飲ませるよりも、活動中に水分補給できる機会を設けることが大切です。
また、暑い日の活動では、
- 顔色が悪くないか
- 元気がなくなっていないか
- 頭痛や吐き気がないか
- ふらついていないか
- 受け答えは普段通りか
なども周囲の大人が確認しましょう。
運動前から水分補給を考えておこう
運動中の一気飲みを避けるためには、運動前の過ごし方も重要です。
栄養士目線では、運動直前だけを切り取るのではなく、一日の食事や飲み物も含めて水分状態を整えることをおすすめします。
運動を始める時点ですでに強くのどが渇いている状態を避け、運動中も状況に合わせて補給していきましょう。
ラーメンマラソンから考える「飲み方」の大切さ
ラーメンマラソンから考えると、水分補給では「何を飲むか」だけでなく「どう飲むか」も重要です。
食事で胃が満たされているところへ大量の飲み物を一気に入れ、その直後に走れば、胃の不快感につながる可能性があります。
一方で、水分を控えすぎれば脱水や熱中症のリスクが高まります。
だからこそ、運動直前にまとめて飲むのではなく、運動前から水分不足を避け、運動中も状況に応じて補給することが大切です。
まとめ
運動中の水分補給は大切ですが、一度に大量の水分を飲むと、胃が膨らんで重さや吐き気を感じることがあります。
特に食後はすでに胃の中に食べ物があるため、大量の水分を一気にとってすぐ走ると不快感につながる可能性があります。
一方、水分の一気飲みを避けるために補給そのものを控えるのも適切ではありません。
ラーメンマラソンから考えると、運動時の水分補給では「不足」と「飲みすぎ」の両方を避けることがポイントです。
暑い環境で吐き気や頭痛、めまいなどがある場合には熱中症にも注意し、無理に運動を続けないようにしましょう。
次の記事では、「運動中の腹痛や吐き気をできるだけ防ぐにはどうすればいい?」という疑問に注目し、食事・水分・運動強度などから予防のポイントをまとめます。

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