切ったりんごをそのまま置いておくと、少しずつ切り口が茶色くなっていきます。
りんごの色止めとして昔からよく使われているのが塩水です。
でも、ここでひとつ疑問が出てきます。
塩水は、塩をたくさん入れて濃くするほど、りんごの変色を防げるのでしょうか?
薄い塩水でも十分?
濃い塩水の方が白いまま?
それとも、ある程度濃くしたら効果はあまり変わらない?
今回は、塩水の濃度だけを変えて、りんごが茶色くなるまでの違いを比較してみましょう。
- この自由研究は何日かかる?
- まず予想してみよう
- そもそも、りんごはなぜ茶色くなる?
- 塩水につけると変色しにくくなるのはなぜ?
- 「濃度」って何?
- 自由研究|濃さの違う塩水を作ろう
- どんな塩水を作る?
- 何もしないりんごも用意しよう
- 実験方法
- 今回「変えるもの」と「そろえるもの」は?
- 何分ごとに観察する?
- 茶色さを5段階で評価しよう
- 写真は同じ条件で撮ろう
- 一番濃い塩水が一番白かった!なぜ?
- 0.5gと1gと2gでほとんど差がなかったら?
- 水につけただけでも変色が遅かったら?
- 「一番変色しない塩水」が一番いいとは限らない?
- 味も比較する場合はどうする?
- 「色止め効果」と「味」を表にしてみよう
- グラフにすると濃度との関係が見える
- 追加実験|もっと薄い塩水でも効果はある?
- 追加実験|もっと濃くするとさらに効果が上がる?
- 追加実験|レモン汁の濃度とも比べよう
- 追加実験|りんごの品種を変えたら?
- 結果が予想と違っても失敗ではない
- 何年生におすすめ?
- 自由研究のまとめ方
- 写真・表・グラフを組み合わせるとまとめやすい
- まとめ|塩水は濃いほどいい?「ちょうどいい濃さ」を探してみよう
- よくある質問
この自由研究は何日かかる?
- おすすめ学年:小学3~6年生
- おすすめ期間:1日
- 実験時間:1~3時間程度
- 観察日数:当日のみでも可能
- 材料の入手しやすさ:★★★★★
- 当日完成:◎
りんごの色の変化は比較的短時間で観察できます。
午前中に実験して写真を撮り、午後に表やグラフ、考察までまとめれば、1日で完成させることも可能です。
まず予想してみよう
実験を始める前に、結果を予想してみましょう。
例えば、
- 塩が多いほど変色しにくいと思う
- 少し塩が入っていれば十分だと思う
- ある濃さ以上ではほとんど変わらないと思う
- 塩水なら濃さに関係なく同じだと思う
などです。
さらに、
「なぜそう思ったのか」
まで書いておくと、実験後の結果と比べやすくなります。
そもそも、りんごはなぜ茶色くなる?
りんごを切ると、それまで空気に触れていなかった果肉が空気中の酸素に触れます。
すると、りんごに含まれている酵素などが関係する反応が進み、切った面がだんだん褐色になっていきます。
このような変化を褐変(かっぺん)といいます。
つまり、
切る → 空気に触れる → 酵素が関係する反応が進む → 茶色くなる
という変化が起こっています。
塩水につけると変色しにくくなるのはなぜ?
塩水につけると、りんごの褐変に関係する酵素の働きや、切った面と酸素との接触に影響を与えます。
そのため、そのまま置いたりんごよりも変色が遅くなることがあります。
しかし、
「塩水なら何%でも同じ」なのか、「濃度によって効果が変わる」のか
は、実際に比べてみないとわかりません。
「濃度」って何?
濃度とは、液体の中にある成分がどのくらい含まれているかを表すものです。
例えば、同じ100ml程度の水を使っても、
- 塩0.5g
- 塩1g
- 塩2g
では、塩水の濃さが違います。
塩が多く入っているものほど濃い塩水になります。
自由研究|濃さの違う塩水を作ろう
用意するもの
- りんご1個
- 塩
- 水
- 透明な容器4~5個
- 計量カップ
- キッチンスケール
- 計量スプーン
- 包丁
- まな板
- タイマー
- 白い皿または白い紙
- ラベル
- 記録用紙
- 筆記用具
- カメラやスマートフォン
包丁を使用するため、小学生は必ず大人と一緒に実験してください。
どんな塩水を作る?
例えば、次のような条件を作ります。
| 条件 | 水 | 塩 |
|---|---|---|
| A | 100ml | 0g |
| B | 100ml | 0.5g |
| C | 100ml | 1g |
| D | 100ml | 2g |
Aは塩を入れない水です。
塩水だけを比べるのではなく、塩を入れていない水も用意することで、塩を加えたことによる違いを比較できます。
何もしないりんごも用意しよう
さらに余裕があれば、
E:液体にまったくつけないりんご
も用意してみましょう。
すると、
- 何もしない
- 水につける
- 薄い塩水
- 普通の塩水
- 濃い塩水
という5条件を比較できます。
「水につけるだけでも違うのか?」まで調べられるため、考察がさらに書きやすくなります。
実験方法
- 濃度の違う塩水を作ります。
- それぞれの容器にA・B・C・Dなどのラベルを付けます。
- 同じりんごから、同じくらいの大きさになるように切り分けます。
- 切ったらなるべくすぐ、それぞれの液体へ入れます。
- 同じ時間だけつけます。
- 同時に取り出します。
- 同じように表面の水分を切ります。
- 白い皿や紙の上へ並べます。
- タイマーをスタートします。
- 決めた時間ごとに色を観察します。
- 毎回同じ条件で写真を撮ります。
今回「変えるもの」と「そろえるもの」は?
| 項目 | どうする? |
|---|---|
| 塩の量 | 変える |
| 水の量 | そろえる |
| りんご | 同じものを使う |
| りんごの大きさ | できるだけそろえる |
| 塩水につける時間 | そろえる |
| 観察時間 | そろえる |
| 撮影場所 | そろえる |
今回調べたいのは塩水の濃度です。
そのため、それ以外の条件はできるだけ同じにします。
何分ごとに観察する?
例えば、
- 開始直後
- 15分後
- 30分後
- 60分後
- 120分後
などで観察します。
変色の速さは、りんごの品種や熟し方、室温などによっても変わります。
変化が速い場合は10分ごと、遅い場合は30分ごとなど、実際の様子に合わせても構いません。
茶色さを5段階で評価しよう
見た目だけでなく、数字にすると比較しやすくなります。
- 1:ほとんど変色していない
- 2:少し変色した
- 3:やや茶色い
- 4:かなり茶色い
- 5:とても茶色い
| 条件 | 開始直後 | 15分後 | 30分後 | 60分後 | 120分後 |
|---|---|---|---|---|---|
| 水 | |||||
| 塩0.5g | |||||
| 塩1g | |||||
| 塩2g | |||||
| 何もしない |
写真は同じ条件で撮ろう
今回の実験では「色」を比べるため、写真の撮り方がとても重要です。
毎回、
- 同じ場所
- 同じ照明
- 同じ背景
- 同じ角度
- 同じ並び順
で撮影しましょう。
白い紙を背景にすると、りんごの色の違いが比較しやすくなります。
一番濃い塩水が一番白かった!なぜ?
例えば、塩2gを入れたものが一番変色しにくかったとします。
その場合、
「今回の実験では、塩水が濃くなるほど褐変が抑えられる傾向が見られた」
とまとめることができます。
ただし、1回の実験だけで、
「塩は多ければ多いほど絶対によい」
とまでは言えません。
さらに濃くした場合も同じように変化するのかは、別の実験が必要です。
0.5gと1gと2gでほとんど差がなかったら?
これも面白い結果です。
例えば、
- 0.5gでも十分に変色を抑えられた?
- 今回の濃度の範囲では差が出にくかった?
- 観察時間が短すぎた?
- もっと長く置いたら違いが出る?
などを考えることができます。
「濃くしたのに差がなかった」ことも立派な実験結果です。
水につけただけでも変色が遅かったら?
塩を入れていない水でも、何もしないりんごより変色が遅くなる場合があります。
水の中につけることで、りんごの切り口が空気中の酸素に直接触れにくくなるためです。
すると、
「塩の働きだけではなく、液体につけて酸素との接触を減らしたことも関係しているのでは?」
という考察ができます。
「一番変色しない塩水」が一番いいとは限らない?
ここからは、料理につながる考察です。
仮に濃い塩水が一番変色を防いだとしても、実際に食べると塩味が強すぎるかもしれません。
りんごの色止めとして家庭で使うなら、
- どのくらい変色を防げるか
- 味が変わりすぎないか
- 塩をどのくらい使うか
- 手軽に作れるか
なども大切です。
「最も変色しにくい濃度」と「実際に使いやすい濃度」は同じなのか?
まで考えると、生活につながる自由研究になります。
味も比較する場合はどうする?
衛生的に短時間で実験できる場合は、大人と相談しながら味への影響を比較する方法もあります。
例えば、
- 塩味をほとんど感じない
- 少し塩味を感じる
- かなり塩味を感じる
などで記録します。
ただし、長時間室温に置いたりんごや、何度も触った実験試料は無理に食べないでください。
「色止め効果」と「味」を表にしてみよう
| 塩の量 | 変色の少なさ | 塩味 | 家庭で使いたい? |
|---|---|---|---|
| 0g | |||
| 0.5g | |||
| 1g | |||
| 2g |
単純に「一番白いもの」を決めるだけでなく、実際の生活で使いやすい方法まで考えられます。
グラフにすると濃度との関係が見える
60分後など、同じ時間の「茶色さ」を使って棒グラフを作ってみましょう。
- 横軸:塩の量
- 縦軸:茶色さ
とすると、塩水が濃くなるにつれて変色がどう変わったか見やすくなります。
さらに時間ごとの変化を記録している場合は、
- 横軸:時間
- 縦軸:茶色さ
として、それぞれの濃度を比べる方法もあります。
追加実験|もっと薄い塩水でも効果はある?
0.5gでも十分な効果があった場合は、さらに薄くしてみましょう。
例えば、
- 塩0g
- 塩0.1g
- 塩0.25g
- 塩0.5g
などです。
「どこまで塩を減らしても変色を抑えられる?」
という新しい研究になります。
追加実験|もっと濃くするとさらに効果が上がる?
反対に、塩を増やした場合も調べられます。
ただし、食品として食べることを考えると、塩を増やし続けることが実用的とは限りません。
そこで、
「変色を防ぐ効果」と「食べやすさ」のバランス
を考えてみるのもおすすめです。
追加実験|レモン汁の濃度とも比べよう
塩水の実験が終わったら、レモン水でも同じように濃度を変えてみることができます。
例えば、
- 水100ml+レモン汁1ml
- 水100ml+レモン汁5ml
- 水100ml+レモン汁10ml
などです。
すると、
「塩水とレモン水では、濃度を変えたときの効果の出方も違う?」
という発展研究につながります。
追加実験|りんごの品種を変えたら?
同じ塩水でも、りんごの種類によって変色の進み方が違う可能性があります。
スーパーなどで複数の品種が手に入る場合は、
- 品種A
- 品種B
- 品種C
を同じ条件で比較してみても面白いでしょう。
ただし、品種だけでなく熟し方などにも違いがあるため、その点も考察に入れます。
結果が予想と違っても失敗ではない
「濃いほど白くなると思ったのに、あまり差がなかった」
という結果になることもあります。
その場合は、
- 濃度の差が小さかった?
- 観察時間が短かった?
- りんごの大きさに差があった?
- つける時間に差があった?
- 写真の光の当たり方が違った?
などを考えてみましょう。
予想通りの結果を出すことではなく、実際の結果から理由を考えることが自由研究では大切です。
何年生におすすめ?
小学1~2年生
「水・薄い塩水・濃い塩水」の3種類程度にして、写真や絵で色を比べると取り組みやすくなります。
小学3~4年生
塩の量を3~4段階に分け、時間ごとの茶色さを数字で記録してみましょう。
小学5~6年生
濃度と褐変の関係をグラフにし、「濃くすればどこまでも効果が高くなるのか?」まで考察すると本格的な研究になります。
自由研究のまとめ方
- 疑問:塩水は濃いほどりんごの変色を防げる?
- 予想:どの濃度が一番変色しにくいと思うかを書く
- 調査:りんごが茶色くなる理由を調べる
- 実験:塩水の濃度だけを変える
- 観察:時間ごとに色を記録する
- 結果:写真と表にまとめる
- グラフ:塩の量と茶色さを比べる
- 考察:濃度と変色の関係を考える
- 発展:もっと薄い・濃い塩水でも試す
- 感想:家庭で使うならどの濃度がよいか考える
写真・表・グラフを組み合わせるとまとめやすい
今回の実験は色の違いが結果になるため、写真を使うととてもわかりやすくなります。
例えば、
- 開始直後
- 30分後
- 60分後
- 120分後
の写真を同じ大きさで並べます。
その下に茶色さの比較表とグラフを入れれば、
「見た目の違い+数字の違い」
を一緒に見せることができます。
写真や比較表、グラフを自宅で何枚も印刷すると、プリンターのインクを多く使うことがあります。
印刷枚数が増えそうなら、純正品だけでなく互換インクを比較してみるのもひとつの方法です。
▶ 自由研究の写真・グラフ印刷に使える互換インクをチェックしてみる
まとめ|塩水は濃いほどいい?「ちょうどいい濃さ」を探してみよう
りんごを切ると、果肉に含まれる成分や酵素が空気中の酸素と関わり、切った面が茶色くなる褐変が起こります。
塩水につけることは、この変色を遅らせる方法のひとつです。
しかし、
「塩水につければいい」から、さらに「塩水の濃さによって効果は変わる?」
と疑問を広げれば、比較実験になります。
そして、濃い塩水ほど変色が少なかったとしても、それだけで「一番濃いものが一番よい」とは限りません。
実際に食べるなら、味への影響も考える必要があります。
色止め効果があり、味も変わりすぎない「ちょうどいい濃さ」はどこ?
というところまで考えれば、科学と料理の両方につながる自由研究になります。
よくある質問
塩水は濃いほどりんごが茶色くなりにくいですか?
濃度によって褐変の進み方が変わる可能性がありますが、濃くすれば必ず比例して効果が高くなるとは限りません。複数の濃度を同じ条件で比較して確かめてみましょう。
水だけにつける意味はありますか?
あります。塩を入れていない水を用意することで、「液体につけた影響」と「塩を加えた影響」を比較しやすくなります。
何もしないりんごも必要ですか?
必須ではありませんが、用意すると比較しやすくなります。何もしない場合、水だけの場合、塩水の場合を並べることで、変色の違いがよりわかりやすくなります。
実験したりんごは食べられますか?
食べる場合は、食用の材料と清潔な器具を使い、短時間で実験したものにしてください。長時間室温に置いたものや、何度も触った試料は無理に食べないようにしましょう。
1日で自由研究まで完成できますか?
はい。数時間で色の変化を観察できるため、写真撮影、結果の記録、グラフ、考察まで当日中に進めやすいテーマです。

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