夏のスポーツ大会。
試合へ出る子どもを送り出す朝、
「水筒いっぱいにした!」
「スポーツドリンクも持った!」
「これで熱中症対策は大丈夫!」
と思いたくなりますよね。
でも、夏の試合や大会で考えたい水分補給は、
試合中だけではありません。
朝起きてから会場へ移動し、試合前に準備して、出番を待ち、試合をして、また待機して、帰宅する。
大会によっては、実際に競技している時間よりも待っている時間のほうが長いこともあります。
そこで今回は、夏の試合・大会の日に意識したい水分補給と熱中症対策を、朝から帰宅までの流れに沿って栄養士目線で紹介します。
- 大会の日の熱中症対策は朝から始まる
- ① 起床後|まず水分補給
- ② 朝食|水分だけでなく食事も大切
- ③ 出発前|水筒だけでなく本人も水分補給
- ④ 会場到着|試合開始までの待機時間にも注意
- 待機場所はできるだけ涼しいところへ
- ⑤ 試合前|ウォーミングアップでも汗をかく
- ⑥ 試合中|飲めるタイミングを逃さない
- 大量に汗をかく場合は水分と塩分を
- 大会の日は大容量ジャグが便利なことも
- 会場で補充できるか事前に確認しよう
- スポーツドリンクは粉末を用意する方法も
- ⑦ 試合が終わっても水分補給は終わらない
- 次の試合までの時間にも注意
- ⑧ 帰宅まで油断しない
- ⑨ 帰宅後|涼しい場所で休む
- 朝の大量ジャグ準備、地味に大変問題
- 大量の水を使う家庭ならウォーターサーバーも選択肢
- 粉末スポーツドリンクを作る水としても
- 試合の日は「飲めた量」だけでなく体調を見る
- 前日から体調が悪いなら無理をさせない
- 水分を大量に持っていけば猛暑でも試合できるわけではない
- 大会主催者・指導者側の熱中症対策も重要
- 「具合悪い」と言えることも大切な熱中症対策
- こんな症状があれば注意
- まとめ|大会の日は「試合中」ではなく朝から帰宅まで考えよう
- よくある質問(FAQ)
大会の日の熱中症対策は朝から始まる
試合開始が10時だから、
「9時くらいから水分をとればいいかな」
というわけではありません。
水分補給は、運動を始めて汗をかいてから慌てて行うのではなく、運動前から意識しておくことが大切です。
特に夏の大会では、会場へ移動するだけでも暑い環境にいる場合があります。
起床後から少しずつ水分をとれるようにしておきましょう。
① 起床後|まず水分補給
睡眠中にも身体から水分は失われています。
朝起きたら、水やお茶などで水分をとりましょう。
ただし、
「今日は大会だから!」
と出発直前に大量の水を一気に飲む必要はありません。
起床後、朝食時、出発前など、朝の生活の中でこまめにとることを意識します。
② 朝食|水分だけでなく食事も大切
試合の日は、
「緊張して食べられない」
「集合時間が早くて朝食の時間がない」
ということもあります。
しかし、朝食は一日の活動に必要なエネルギーや栄養を補給する機会です。
食事には水分や塩分も含まれています。
試合の日だからと特別なものを大量に食べさせるのではなく、普段食べ慣れている朝食を基本に、時間に余裕を持って準備しましょう。
③ 出発前|水筒だけでなく本人も水分補給
大容量の水筒を満タンにして、
「準備できた!」
となりがちですが、
水筒を満タンにするだけでなく、本人も出発前に水分補給。
ここを忘れないようにしましょう。
会場までの移動時間が長い場合には、移動中にも飲めるようにしておくと安心です。
④ 会場到着|試合開始までの待機時間にも注意
夏の大会で意外と見落としやすいのが、
待機時間の暑さです。
試合そのものは短時間でも、
- 受付
- 開会式
- ウォーミングアップ
- 前の試合が終わるのを待つ
- 次の出番を待つ
などで長時間会場にいる場合があります。
「まだ試合してないから大丈夫」
ではありません。
暑い環境にいるだけでも身体には負担がかかります。
待機場所はできるだけ涼しいところへ
待機中は、可能な範囲で日陰や冷房の効いた場所など、涼しい環境を利用しましょう。
水分を飲みながら炎天下で何時間も待つのではなく、
そもそも暑さにさらされる時間を減らすこと
が大切です。
⑤ 試合前|ウォーミングアップでも汗をかく
本番前にはウォーミングアップを行う競技も多いですよね。
まだ試合が始まっていなくても、ウォーミングアップで汗をかくことがあります。
試合開始時点ですでに水分が不足している状態にならないよう、ウォーミングアップ前後にも水分補給できるようにしておきましょう。
⑥ 試合中|飲めるタイミングを逃さない
競技によっては、試合中に自由に飲めないこともあります。
だからこそ、
- 交代時
- 休憩時間
- ハーフタイム
- イニング間
- セット間
など、その競技で水分補給できるタイミングを利用します。
指導者や大会運営側が給水時間を確保し、子どもが我慢しなくてよい環境を作ることも重要です。
大量に汗をかく場合は水分と塩分を
暑い環境で長時間運動すると、汗とともに水分だけでなく塩分も失われます。
そのため、大量に汗をかくスポーツでは、状況に応じてスポーツドリンクなどを利用する方法があります。
ただし、
「夏の大会=一日中スポーツドリンク」
と決める必要はありません。
普段の水分補給と、大量発汗時の水分・塩分補給を分けて考えましょう。
大会の日は大容量ジャグが便利なことも
普段の練習では足りている水筒も、一日大会となると足りなくなることがあります。
途中で補充できない会場なら、1L・2L・3Lなどの大容量スポーツジャグを利用する方法もあります。
ただし、水は1Lでおよそ1kgあります。
3Lなら水だけで約3kg。
そこへジャグ本体やスポーツ用品などの重さも加わります。
「一番大きいもの」ではなく、その日に必要な容量と持ち運べる重さのバランス
を考えて選びましょう。
会場で補充できるか事前に確認しよう
大容量ジャグを用意する前に確認したいのが、
会場で飲み物を補充できるか。
大会によっては飲料水を確保できる場合があります。
補充できるのであれば、朝から一日分すべてを持っていく必要がないこともあります。
大会案内やチームからのお知らせなどを確認しておきましょう。
スポーツドリンクは粉末を用意する方法も
一日大会になると、
「スポーツドリンク何本持っていく?」
という問題も出てきます。
ペットボトルを何本も持っていけば、その分荷物が増えます。
家庭でストックしておくなら、粉末タイプを利用する方法もあります。
必要な量を水で作れるため、夏のスポーツ用として備えておくことができます。
粉末タイプを使う場合は、必ず商品に表示された水量と作り方を守りましょう。
「今日はいっぱい汗をかくから濃いめ!」
と自己流で濃度を変えるのは避けてください。
⑦ 試合が終わっても水分補給は終わらない
試合終了!
お疲れさま!
……で、水分補給まで終了ではありません。
運動後にも身体の状態を確認し、必要に応じて水分や塩分を補給します。
汗で濡れた衣服を着替えたり、涼しい場所で休憩したりして身体を休ませましょう。
次の試合までの時間にも注意
トーナメント戦などでは、
1試合終了。
数時間待機。
そして次の試合。
ということがあります。
この待ち時間も熱中症対策の一部です。
水分を補給しながら涼しい場所で休み、できるだけ身体を回復させましょう。
次の試合まで炎天下で応援し続けるなど、身体を休ませられない状態は避けたいところです。
⑧ 帰宅まで油断しない
大会が終わると、
「終わったー!」
と気が抜けますよね。
しかし、そこから自宅まで移動があります。
暑い車内へ乗ったり、電車や徒歩で移動したりすることもあります。
帰宅するまで飲み物を確保しておきましょう。
⑨ 帰宅後|涼しい場所で休む
帰宅したら、エアコンなどを適切に使用した涼しい環境で身体を休ませましょう。
水分補給だけでなく、
- 汗をかいた服を着替える
- 身体を冷やす
- 食事をとる
- 十分に休む
など、運動後の回復も大切です。
朝の大量ジャグ準備、地味に大変問題
大会の日の朝。
ユニフォーム。
タオル。
着替え。
スポーツ用品。
お弁当。
そして、
「今日、水2Lいる!」
なんて言われることもあります。
家族分の水筒まであれば、朝からかなりの量の飲み物を準備することになります。
大量の水を使う家庭ならウォーターサーバーも選択肢
普段からスポーツをする子どもがいる家庭では、夏になると水の使用量が増えることがあります。
ウォーターサーバーがあれば、
- 起床後の水分補給
- 出発前の水分補給
- 学校用の水筒準備
- スポーツ用ジャグの準備
- 帰宅後の水分補給
など、日常的な水分補給に利用できます。
冷たい水をすぐ使えるタイプなら、暑い日の飲み物準備をラクにできる場合があります。
粉末スポーツドリンクを作る水としても
粉末スポーツドリンクを利用する家庭では、そのたびにまとまった量の水が必要になります。
普段は水。
大量に汗をかくスポーツの日には、必要に応じて粉末スポーツドリンク。
という使い分けなら、ペットボトル飲料を大量に保管しなくても済みます。
ただし、粉末飲料は商品に表示された方法で作り、使用する水や保存方法についても商品の表示を確認してください。
試合の日は「飲めた量」だけでなく体調を見る
大きな水筒を空にしたから、
「いっぱい飲めた!大丈夫!」
とも限りません。
子どもの、
- 顔色
- 元気
- 食欲
- 頭痛の有無
- 吐き気の有無
- ふらつき
- 受け答え
など、普段との違いも確認しましょう。
前日から体調が悪いなら無理をさせない
大会だから、
「多少具合が悪くても出たい!」
という子もいるでしょう。
でも、
- 寝不足
- 発熱
- 下痢
- 食欲不振
- 体調不良
などがある状態では、暑さによる負担も心配です。
大会当日の朝だけでなく、前日から体調を確認し、無理をさせないようにしましょう。
水分を大量に持っていけば猛暑でも試合できるわけではない
ここは非常に大切です。
3Lのスポーツジャグ。
スポーツドリンク。
タオル。
帽子。
全部準備した。
だから、
「どんな暑さでも試合できる!」
ではありません。
暑さ指数(WBGT)が高い環境では、運動そのものを中止・変更する必要があります。
環境省の熱中症予防運動指針では、WBGT31以上は「運動は原則中止」とされ、特に子どもの場合には中止すべきとされています。
水分補給は、危険な暑さを我慢して運動するための方法ではありません。
大会主催者・指導者側の熱中症対策も重要
子どもの熱中症対策を、
「各家庭が大きな水筒を持たせればOK」
にしてはいけません。
大会やスポーツ活動では、
- 暑さ指数(WBGT)の確認
- 給水時間の確保
- 休憩時間の確保
- 活動時間や運動強度の調整
- 涼しい待機場所の確保
- 体調不良を訴えやすい環境づくり
など、運営側・指導者側の対策も重要です。
「具合悪い」と言えることも大切な熱中症対策
大会では、
「ここまで練習してきたから出たい」
「チームに迷惑をかけたくない」
と、子どもが無理をしてしまうことも考えられます。
家庭では、
「具合が悪かったら試合中でも言っていい」
と伝えておきましょう。
勝つことよりも、子どもの身体を守ることが優先です。
こんな症状があれば注意
試合中や試合後に、
- 頭痛
- 吐き気
- めまい
- ふらつき
- ぐったりしている
- 普段と違う受け答えをする
などがあれば、熱中症の可能性があります。
涼しい場所へ移動して衣服をゆるめ、身体を冷やします。
意識が正常で自分で安全に飲める場合には、水分や塩分を補給します。
受け答えがおかしいなど意識障害が疑われる場合には、速やかに救急要請し、身体を冷やしてください。
また、吐き気などで自力で水分をとれない場合には、医療機関での対応が必要になることがあります。
まとめ|大会の日は「試合中」ではなく朝から帰宅まで考えよう
夏の試合・大会での水分補給は、
試合中だけを考えるものではありません。
朝起きたところから、
- 起床後
- 朝食
- 出発前
- 会場到着後
- ウォーミングアップ前後
- 試合中
- 待機時間
- 試合後
- 帰宅まで
- 帰宅後
と、一日を通して水分補給と休憩を考えることが大切です。
長時間の大会では大容量ジャグを利用したり、必要に応じて粉末スポーツドリンクを準備したりする方法もあります。
ただし、
どれだけ飲み物を準備しても、危険な暑さでの運動を安全にできるわけではありません。
暑さ指数(WBGT)や子どもの体調を確認し、必要なら試合や活動を中止する判断も含めて熱中症対策を考えましょう。
よくある質問(FAQ)
Q. 大会の日は何Lの水筒を持たせればいいですか?
必要量は競技時間、待機時間、気温、発汗量、会場で補充できるかなどによって変わります。一律に○Lと決めず、普段の飲水量や補充環境を確認して選びましょう。
Q. 試合前にも水分補給したほうがいいですか?
はい。試合開始後だけでなく、起床後や朝食時、出発前、ウォーミングアップ前後などにも水分をとりましょう。
Q. 試合と試合の間はどう過ごせばいいですか?
できるだけ涼しい場所で身体を休ませ、水分補給を行いましょう。炎天下で長時間待機することは避けたいところです。
Q. 大会の日はスポーツドリンクだけでいいですか?
活動時間や発汗量などによって使い分けます。大量に汗をかく場合にはスポーツドリンクなども利用できますが、夏だから一日中スポーツドリンクだけにする必要はありません。
Q. 大きな水筒を持っていけば熱中症を防げますか?
水分補給だけで熱中症を防げるわけではありません。暑さ指数(WBGT)、休憩、待機環境、運動強度、本人の体調なども確認し、危険な暑さでは活動そのものを見直すことが重要です。

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