9月上旬頃に迎える「白露(はくろ)」は、草木に露が宿る頃を表す二十四節気です。
暦の上では秋が進み、梨やぶどう、さつまいもなど、秋らしい食材が目立ち始める時期でもあります。
そして「秋の味覚」と聞いて忘れられないのが、新米です。
しかし、白露はまだ9月上旬頃。「この時期にもう新米は食べられるの?」「お米の収穫はもっと後じゃないの?」と疑問に思う人もいるでしょう。
結論からいうと、白露の頃でも、産地や品種によっては新米がすでに出回っています。
一方、日本全国のお米が白露の頃に収穫されるわけではありません。
この記事では、白露と新米の時期、地域や品種による収穫時期の違い、秋の食卓で新米を楽しむポイントについて紹介します。
白露の頃に新米は食べられる?
白露を迎える9月上旬頃でも、新米を食べることはできます。
日本では地域や品種によって田植えや稲刈りの時期が異なり、早い地域では夏から新米が出荷され始めます。
そのため、9月になるとスーパーや米店などで「新米」と表示されたお米を見かけることがあります。
ただし、これは日本全国のお米がすでに収穫を終えているという意味ではありません。
地域によっては9月から10月頃に稲刈りが行われ、その後に新米が本格的に出回るところもあります。
そもそも「新米」とは?
普段何気なく使っている「新米」という言葉ですが、食品表示では一定の基準があります。
玄米や精米に「新米」と表示できるのは、原料となる玄米が生産された年の12月31日までに精白・包装された場合など、食品表示基準に定められた条件を満たしたものです。
そのため、「新米」は単に「最近買ったお米」という意味ではありません。
その年に収穫されたお米を、その年のうちに楽しめることを示す言葉として売り場でもよく見かけます。
お米の収穫時期は地域によって違う
日本は南北に長く、気温や日照時間などの気候条件が地域によって大きく異なります。
そのため、田植えや稲刈りの時期も全国一律ではありません。
比較的温暖な地域では早い時期に収穫されるお米がある一方、地域によっては秋が進んでから収穫の最盛期を迎えます。
さらに、同じ都道府県の中でも標高や栽培地域などによって収穫時期が異なることがあります。
「お米の収穫=○月」とひとつの日付で考えるのではなく、地域によって幅があると覚えておくとよいでしょう。
品種によっても新米の時期は変わる
新米が出回る時期を左右するのは地域だけではありません。
お米の品種によっても、収穫に適した時期は異なります。
比較的早く収穫できる早生品種もあれば、中生、晩生と呼ばれる、より遅い時期に収穫される品種もあります。
そのため、同じ地域でもすべてのお米を一度に収穫するとは限りません。
スーパーの米売り場を定期的に見ていると、季節が進むにつれて新米として並ぶ産地や品種が増えていくことがあります。
なぜ夏から新米が売られていることがあるの?
秋のイメージが強い新米ですが、地域や品種によっては夏のうちから収穫・出荷されるものがあります。
温暖な地域で早い時期に栽培・収穫される「早場米」などがその例です。
そのため、白露を迎える前から新米を見かけることも珍しくありません。
「新米は秋にならないと絶対に食べられない」というわけではなく、日本各地の気候や栽培方法によって出荷時期には幅があります。
白露から秋分へ新米の種類も増えていく
白露の次の二十四節気は秋分です。
白露から秋分、さらに寒露へと季節が進むにつれて、さまざまな地域で稲刈りが進み、新米として出回る産地や品種も増えていきます。
白露の頃には早い地域の新米を楽しみ、その後は地元や好みの産地の新米を楽しむというように、秋の進行と一緒にお米を追いかけてみるのも面白いでしょう。
毎年同じ時期に売り場を観察してみると、「今年はこの品種がもう出ている」といった違いに気づくこともあります。
新米はどんな味?
新米は、炊いたときの香りやつや、食感などを楽しみにしている人も多いお米です。
ただし、お米のおいしさは新米かどうかだけで決まるものではありません。
品種、産地、栽培方法、保存状態、精米時期、炊き方などによっても味や食感は変わります。
また、もっちりした食感が好きな人もいれば、粒感のあるお米を好む人もいるでしょう。
「新米だから絶対にこの炊き方」と決めつけず、購入した商品の表示や炊飯器の説明などを確認しながら炊くのがおすすめです。
新米を炊くときは水を減らしたほうがいい?
「新米は水分が多いから、炊飯するときの水を少なくする」と聞いたことがある人もいるかもしれません。
しかし、お米の水分量や好みの炊き上がりは商品によって異なります。
最初から大きく水を減らすのではなく、まずは普段の水加減や商品の表示を参考に炊き、好みに合わせて次回から微調整すると失敗しにくくなります。
新米だからといって、必ず大幅に水を減らさなければならないわけではありません。
白露の新米に合わせたい秋の魚
炊きたての新米を楽しむなら、おかずにも秋らしい食材を取り入れてみましょう。
例えば、秋鮭やさんまなどの魚料理があります。
- 新米+鮭の塩焼き
- 新米+さんまの塩焼き
- 新米+さばの味噌煮
- 新米+かつおのたたき
白いご飯を主役にしたい場合は、おかずをシンプルな味付けにして、お米そのものの味を楽しむのもよいでしょう。
魚の旬や漁獲状況には地域差や年ごとの差があるため、その時期に手に入りやすいものを選びましょう。
新米と秋野菜を組み合わせるのもおすすめ
白露の頃には、なすやかぼちゃ、さつまいも、里芋など、秋を感じる食材も楽しめます。
例えば、新米に次のようなおかずを組み合わせることができます。
- なすの煮びたし
- かぼちゃの煮物
- きのこの味噌汁
- 里芋の煮物
- れんこんのきんぴら
新米を中心に一汁二菜程度のシンプルな和食にすると、秋らしい食材を取り入れやすくなります。
炊き込みご飯にするなら古米でも楽しめる
秋になると、きのこご飯やさつまいもご飯、鮭の炊き込みご飯などを作りたくなる人もいるでしょう。
もちろん新米を使ってもよいですが、「新米はまず白いご飯で味わいたい」という場合は、家庭に残っている前年産のお米を炊き込みご飯に使う方法もあります。
新米が出回り始めたからといって、今あるお米を急いで使い切る必要はありません。
保存状態を確認しながら無駄なく食べ、料理によって使い分けるのもよいでしょう。
新米の保存はどうする?
お米は保存中も品質が変化します。
高温多湿や直射日光を避け、温度変化の少ない場所で保存することが大切です。
家庭の環境によっては、密閉できる容器に入れて冷蔵庫の野菜室などを利用する方法もあります。
特に白露の頃はまだ気温が高い日もあるため、購入後の保存環境にも注意しましょう。
一度に大量購入するよりも、家庭で無理なく食べ切れる量を購入する方法もあります。
白露の新米を楽しむ献立例
白露の頃に新米が手に入ったら、秋の食材を合わせて次のような献立にしてみるのもおすすめです。
新米を主役にした和食献立
- 炊きたての新米
- 鮭の塩焼き
- なすの煮びたし
- きのこの味噌汁
- 梨
秋野菜を楽しむ献立
- 炊きたての新米
- 鶏肉ときのこの照り焼き
- かぼちゃの煮物
- 青菜と豆腐のすまし汁
- ぶどう
新米そのものを楽しみたい日は、炊き込みご飯にせず白いご飯として食べるのもよいでしょう。
白露は田んぼの変化にも注目したい時期
白露の季節は、食卓だけでなく田んぼの景色にも注目してみましょう。
地域によっては稲穂が実り、黄金色へ変化していたり、すでに稲刈りが始まっていたりすることがあります。
一方、別の地域ではこれから収穫を迎える田んぼもあります。
スーパーで「新米」を見るだけでなく、身近な田んぼや産地の収穫情報に目を向けると、秋の実りをより身近に感じられます。
まとめ
白露を迎える9月上旬頃でも、産地や品種によっては新米を食べることができます。
一方、お米の収穫時期は全国共通ではなく、地域や品種、気候などによって異なります。
白露の頃は「新米の季節が始まっている地域もある時期」と考えるとわかりやすいでしょう。
早い地域の新米から、その後に登場するさまざまな産地・品種の新米まで、秋の進行とともに楽しむことができます。
新米が手に入ったら、鮭やきのこ、なす、梨など秋の味覚と組み合わせながら、白露の食卓で実りの季節を楽しんでみてはいかがでしょうか。

コメント