毎日のごはんに使う「米」。
パンやうどんになる「小麦」。
麦ごはんや麦茶に使われる「大麦」。
どれも身近な食べ物ですが、
大麦・小麦・米は、いったい何が違うのでしょうか?
名前だけを見ると、大麦と小麦は同じ「麦」。
一方、米はまったく別のようにも見えます。
ところが植物として見ると、3つには共通点もあります。
今回は実物を並べて、
- 大きさ
- 形
- 色
- 触り心地
- 水につけたときの変化
- 加熱したあとの変化
- どんな食品に使われるか
を比べてみましょう。
- この自由研究は何日かかる?
- まず予想してみよう
- 用意するもの
- まず3種類を並べて観察しよう
- 虫眼鏡で見てみよう
- 大きさを測ってみよう
- 10粒の重さを比べてみよう
- 触った感じも比べよう
- 押し麦はどうして平たいの?
- 大麦・小麦・米は全部仲間?
- 水につけてみよう
- 水につける前の重さを記録
- 時間ごとの見た目を観察しよう
- 水につけたあとの重さを量ってみよう
- どれが一番水を吸った?
- 加熱するとどう変わる?
- 加熱後のやわらかさを比べよう
- なぜ加熱するとやわらかくなる?
- 3つともでんぷんを含むけれど同じではない
- 小麦にはグルテンがある
- だから小麦はパンになれる?
- 大麦の特徴は?
- 米の特徴は?
- どんな食品になるか比べてみよう
- 追加実験① 粉にして比べてみよう
- 追加実験② 水を加えてこねてみよう
- 追加実験③ ヨウ素液ででんぷんを比べる
- 押し麦と麦茶の麦は同じ?
- 麦茶の茶色い色はどこから来る?
- 写真はどこを撮る?
- グラフにするなら?
- 何年生におすすめ?
- 自由研究のまとめ方
- 写真や比較表を印刷してまとめよう
- まとめ|大麦・小麦・米は「イネ科の仲間」だけど性質も使い方も違う
- よくある質問
この自由研究は何日かかる?
- おすすめ学年:小学1~6年生
- 実験期間:1日~2日
- 観察だけ:30分程度
- 水につける実験:数時間~1日
- 加熱比較:1日
- 材料のそろえやすさ:★★★★☆
見た目の比較だけなら、その日のうちに完成できます。
水につけたり加熱したりする比較まで行えば、より内容の濃い自由研究になります。
まず予想してみよう
大麦・小麦・米を並べる前に、違いを予想してみましょう。
| 予想すること | 大麦 | 小麦 | 米 |
|---|---|---|---|
| 一番大きい? | |||
| 一番硬い? | |||
| 水を一番吸いそう? | |||
| 加熱すると一番やわらかくなりそう? |
「米は毎日食べているから一番やわらかくなりそう」
など、自分の経験から予想してもOKです。
用意するもの
- 米
- 大麦(押し麦などでもOK)
- 小麦の粒(入手できれば)
- 白い皿または白い紙
- 透明な容器3個
- 水
- 定規
- キッチンスケール
- 虫眼鏡
- 記録用紙
- カメラやスマートフォン
小麦の粒そのものが手に入らない場合は、無理に用意する必要はありません。
大麦と米の実物を観察し、小麦については写真や図鑑、食品パッケージなどで形を調べる方法でもまとめられます。
まず3種類を並べて観察しよう
白い皿や紙の上へ、
- 大麦
- 小麦
- 米
を並べます。
できれば同じくらいの粒数を並べましょう。
最初に見るポイントは、
- 長さ
- 幅
- 丸み
- 色
- 表面の筋
- つや
です。
虫眼鏡で見てみよう
肉眼では似ているように見えても、虫眼鏡で拡大すると違いが見つかることがあります。
| 観察項目 | 大麦 | 小麦 | 米 |
|---|---|---|---|
| 形 | |||
| 色 | |||
| 表面 | |||
| 筋 |
大きさを測ってみよう
定規を使って、それぞれ数粒ずつ長さを測ります。
1粒だけでは大きさにばらつきがあるため、
5粒または10粒測って平均を出す
と、さらに研究らしくなります。
| 種類 | 1粒目 | 2粒目 | 3粒目 | 平均 |
|---|---|---|---|---|
| 大麦 | ||||
| 小麦 | ||||
| 米 |
10粒の重さを比べてみよう
家庭用のスケールでは、1粒だけでは軽すぎて測りにくいことがあります。
そこで、
- 10粒
- 20粒
- 50粒
など、同じ粒数をまとめて量ってみましょう。
| 種類 | 粒数 | 重さ |
|---|---|---|
| 大麦 | ||
| 小麦 | ||
| 米 |
同じ粒数でも重さに違いは出るでしょうか。
触った感じも比べよう
手で触って、
- つるつる
- ざらざら
- 硬い
- 丸い
- 平たい
など、自分の言葉で表してみます。
特に押し麦を使う場合は、生の大麦粒とは形が違います。
「これは加工された形である」
ことも記録しておきましょう。
押し麦はどうして平たいの?
スーパーでよく見る押し麦は、大麦そのものが最初から平たいわけではありません。
大麦を食べやすく加工する過程で、蒸したり加熱したりしたあとに押しつぶして平たくしています。
そのため、
「大麦と米の形を比べる」場合、押し麦は加工後の姿
だという点に注意しましょう。
大麦・小麦・米は全部仲間?
実は、大麦・小麦・米はすべてイネ科の植物です。
つまり、植物の分類では大きな仲間です。
ただし、
- 大麦はオオムギ属
- 小麦はコムギ属
- 米になるイネはイネ属
と、それぞれ違うグループに分かれています。
「同じイネ科だけど、同じ植物ではない」
という関係です。
水につけてみよう
次は、それぞれ同じ重さを水につけます。
例えば、
- 大麦10g
- 小麦10g
- 米10g
を同じ量の水へ入れます。
透明な容器を使うと変化を観察しやすくなります。
水につける前の重さを記録
| 種類 | 水につける前 |
|---|---|
| 大麦 | |
| 小麦 | |
| 米 |
時間ごとの見た目を観察しよう
例えば、
- 開始時
- 30分後
- 1時間後
- 3時間後
- 6時間後
に観察します。
| 時間 | 大麦 | 小麦 | 米 |
|---|---|---|---|
| 開始時 | |||
| 30分後 | |||
| 1時間後 | |||
| 3時間後 | |||
| 6時間後 |
水につけたあとの重さを量ってみよう
決めた時間がたったら水を切り、表面の余分な水分を同じ方法で取ってから量ります。
| 種類 | つける前 | つけた後 | 増えた重さ |
|---|---|---|---|
| 大麦 | |||
| 小麦 | |||
| 米 |
重さが増えていれば、水を吸ったと考えられます。
どれが一番水を吸った?
ただ「増えた重さ」だけでなく、高学年なら、
最初の重さに対して何%増えたか
を計算してみましょう。
例えば10gが15gになった場合は、
(15-10)÷10×100=50%
増えたことになります。
加熱するとどう変わる?
さらに発展させるなら、それぞれを水と一緒に加熱します。
観察するポイントは、
- やわらかさ
- 大きさ
- 粘り
- 水の濁り
- 香り
です。
ただし、それぞれ適した加熱時間が違うため、完全に同じ時間で食べられる状態になるとは限りません。
「同じ時間加熱したらどうなる?」という比較実験
として行うとよいでしょう。
加熱後のやわらかさを比べよう
- 1:とても硬い
- 2:硬い
- 3:少しやわらかい
- 4:やわらかい
- 5:とてもやわらかい
| 種類 | やわらかさ | 見た目 |
|---|---|---|
| 大麦 | ||
| 小麦 | ||
| 米 |
なぜ加熱するとやわらかくなる?
大麦・小麦・米には、どれもでんぷんが含まれています。
でんぷんは水と一緒に加熱すると、水を吸って膨らみます。
さらに温度が上がると粒の構造が変化し、粘りややわらかさが出ます。
これを糊化(こか)といいます。
ごはんを炊くと米がやわらかくなるのも、でんぷんの糊化が大きく関係しています。
3つともでんぷんを含むけれど同じではない
大麦・小麦・米には、どれもでんぷんがあります。
しかし、
- でんぷんの性質
- たんぱく質の量や種類
- 粒の構造
- 外側の組織
などが違います。
そのため、同じように水を加えて加熱しても、食感はまったく同じにはなりません。
小麦にはグルテンがある
小麦の大きな特徴のひとつが、粉にして水を加えてこねるとグルテンという弾力のある構造ができることです。
この性質によって、
- パンが膨らんだ形を保つ
- うどんにコシが出る
など、小麦独特の食品を作ることができます。
大麦や米では、小麦と同じグルテンの構造はできません。
だから小麦はパンになれる?
パン生地では、酵母が作った二酸化炭素をグルテンの網目が抱え込みます。
そのため生地がふくらみ、焼いても形を保ちやすくなります。
「なぜ普通の米粉だけでは小麦パンとまったく同じにならない?」
という疑問にもつながります。
大麦の特徴は?
大麦には、食物繊維の一種であるβ-グルカンが比較的多く含まれています。
大麦は、
- 麦ごはん
- 押し麦
- もち麦
- 麦茶
- 麦芽を利用した食品や飲料
など、さまざまな形で利用されています。
米の特徴は?
日本で普段「お米」と呼んでいるものは、イネの種子からもみ殻などを取り除いたものです。
精米の程度によって、
- 玄米
- 分づき米
- 白米
などに分かれます。
そして水を加えて加熱すると、でんぷんが糊化して、ごはん特有のやわらかさと粘りが生まれます。
どんな食品になるか比べてみよう
| 原料 | 主な食品の例 |
|---|---|
| 大麦 | 麦ごはん、押し麦、麦茶など |
| 小麦 | パン、うどん、パスタ、お菓子など |
| 米 | ごはん、もち、米粉製品など |
同じイネ科でも、利用され方はかなり違います。
追加実験① 粉にして比べてみよう
可能なら、
- 小麦粉
- 米粉
- 大麦粉
を並べて観察してみましょう。
見るポイントは、
- 色
- 粒の細かさ
- 触り心地
- 水を加えたときの粘り
などです。
追加実験② 水を加えてこねてみよう
粉が用意できれば、同じ量の粉へ同じ量の水を加えて混ぜます。
比較するのは、
- まとまりやすさ
- 伸び
- 弾力
- べたつき
です。
特に小麦粉では、こねることでグルテンの性質を観察しやすくなります。
追加実験③ ヨウ素液ででんぷんを比べる
学校や家庭で安全に扱えるヨウ素液が用意できる場合は、
- 米
- 小麦粉
- 大麦
に少量つけ、色の変化を見る方法もあります。
でんぷんがあると青紫~青黒っぽい色へ変化します。
薬品を扱うため、必ず大人や先生の管理のもとで行ってください。
押し麦と麦茶の麦は同じ?
ここから次のテーマにつながります。
押し麦も麦茶も、原料として大麦が利用されます。
でも、
- 押し麦は食べる
- 麦茶は焙煎して飲み物にする
という大きな違いがあります。
次は、
「押し麦と麦茶の麦は同じもの?」
という調べ学習へ広げることができます。
麦茶の茶色い色はどこから来る?
大麦そのものを見ても、麦茶のような濃い茶色ではありません。
では、
どうして大麦が麦茶になると茶色くなるのでしょうか?
その秘密のひとつが焙煎です。
大麦を高温で加熱すると、色や香りが大きく変化します。
ここから、
「麦茶はなぜ茶色い?焙煎すると何が起こる?」
という次の実験にもつながります。
写真はどこを撮る?
- 大麦・小麦・米を並べたところ
- 上から見た形
- 虫眼鏡で観察しているところ
- 定規で測っているところ
- 水につける前
- 水につけた直後
- 数時間後
- 加熱前
- 加熱後
3種類を常に同じ順番で並べると、写真を見比べやすくなります。
グラフにするなら?
例えば、
- 横軸:大麦・小麦・米
- 縦軸:水につけた後に増えた重さ
の棒グラフを作れます。
また、
- 平均粒長
- 吸水率
- 加熱後のやわらかさ
をそれぞれ別のグラフにしてもよいでしょう。
何年生におすすめ?
小学1~2年生
実物を並べて、色・形・大きさを絵や写真で比べる方法がおすすめです。
小学3~4年生
粒の大きさを測り、水につける前後の変化を表にまとめてみましょう。
小学5~6年生
吸水率を計算したり、でんぷん・グルテン・β-グルカンなどの成分について調べたりすると、本格的な食品科学の研究になります。
自由研究のまとめ方
- 疑問:大麦・小麦・米は何が違う?
- 予想:形や水の吸い方を予想する
- 観察:粒を並べて色・形を見る
- 測定:大きさや重さを測る
- 実験:同じ条件で水につける
- 比較:吸水後の重さや形を見る
- 発展:加熱したあとの違いを調べる
- 調査:イネ科・でんぷん・グルテンなどについて調べる
- 考察:同じ仲間なのに用途が違う理由を考える
写真や比較表を印刷してまとめよう
この自由研究では、3種類の穀物を横に並べた写真がとても役立ちます。
さらに、
- 粒の大きさ表
- 吸水量の表
- 棒グラフ
を組み合わせると、見た目と数字の両方で違いを示せます。
写真や比較表を自宅で印刷する場合は、プリンターに対応する互換インクを比較してみるのもひとつの方法です。
▶ 自由研究の写真・比較表の印刷に使える互換インクをチェックする
まとめ|大麦・小麦・米は「イネ科の仲間」だけど性質も使い方も違う
大麦・小麦・米は、どれもイネ科の植物です。
そして、どれも種子の中にでんぷんを多く含み、人間にとって重要な食料として利用されています。
しかし、
- 粒の形
- 成分
- 水の吸い方
- 加熱したときの性質
- 利用方法
には違いがあります。
小麦はグルテンを作る性質からパンや麺に向き、大麦は麦ごはんや麦茶などに使われ、米は水と一緒に炊くことで粘りのあるごはんになります。
つまり、
「全部同じ穀物」でも、それぞれの性質に合った方法で利用されている
のです。
スーパーに並んでいる身近な穀物を比べるだけでも、植物・食品・調理の科学をまとめて学べる自由研究になります。
よくある質問
大麦と小麦は同じ植物ですか?
同じイネ科ですが、別の植物です。大麦はオオムギ属、小麦はコムギ属に分類されます。
米も麦の仲間ですか?
米になるイネもイネ科なので、大麦や小麦とは大きな分類では仲間です。ただしイネ属に分類される別の植物です。
押し麦は最初から平たいの?
いいえ。押し麦は大麦を食べやすくするために加工して平たくしたものです。
小麦だけパンになるのはなぜ?
小麦粉に水を加えてこねるとグルテンという弾力のある構造ができるため、発酵でできたガスを抱え込んでパンの形を作りやすくなります。
1日でできますか?
見た目の比較だけなら1日でできます。水につける実験や加熱比較まで行う場合は、1~2日あると取り組みやすいでしょう。


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