地震や台風などで断水すると、料理そのものだけでなく、
- 鍋を洗う
- 食器を洗う
- まな板を洗う
- 調理器具を洗う
ための水も貴重になります。
そんな災害時に知っておくと便利なのが、ポリ袋を使った「パッククッキング」です。
パッククッキングとは、耐熱性のあるポリ袋に食材を入れ、袋ごと鍋で湯せんして加熱する調理方法です。
農林水産省でも、災害時に水を節約しながら調理できる方法として紹介されています。
ただし、
どんなポリ袋でも加熱していいわけではありません。
この記事では、災害時に役立つパッククッキングのメリットや基本的なやり方、安全に行うための注意点を紹介します。
- パッククッキングとは?
- ポリ袋調理が災害時に向いている理由
- 必要なものは?
- 最重要!どんなポリ袋でも使えるわけではない
- パッククッキングの基本的なやり方
- 袋の空気はできるだけ抜く
- 袋はギリギリの位置で結ばない
- 鍋底へポリ袋を直接触れさせない
- 一袋に詰め込みすぎない
- 加熱中の袋を素手で触らない
- 袋を開ける時の蒸気にも注意
- どんな料理が作れる?
- 無洗米は災害時にも便利
- レトルト食品と組み合わせると簡単
- 同じ鍋で何でも一緒に温めていい?
- 湯せんに使った水は飲める?
- 断水時はポリ袋を「調理以外」にも使える
- ラップと組み合わせれば洗い物をさらに減らせる
- カセットコンロの安全にも注意
- 余震が続いている時は無理に火を使わない
- 子どもがいる家庭は熱湯に注意
- 赤ちゃんや高齢者向けの食事にも応用できる
- 災害時に初めて試さない
- 「非常食を買う」だけが防災ではない
- ポリ袋調理の防災チェックリスト
- まとめ|ポリ袋調理は「水を節約できる調理法」として覚えておこう
パッククッキングとは?
パッククッキングは、食材と調味料などを耐熱性のあるポリ袋へ入れ、鍋のお湯で加熱する調理方法です。
袋の中で調理するため、
- 鍋を汚しにくい
- 食器を汚しにくい
- 洗い物を減らせる
- 複数の料理を一つの鍋で作れる場合がある
といったメリットがあります。
断水している災害時には、特に「洗い物を減らせる」という点が大きなメリットになります。
ポリ袋調理が災害時に向いている理由
水を節約できる
普段の料理では、
- 食材をゆでる水
- 鍋を洗う水
- 食器を洗う水
など、多くの水を使います。
パッククッキングでは食材を袋に入れて調理するため、鍋の湯が食品そのものと直接混ざりません。
貴重な水を節約しながら調理しやすい方法です。
洗い物を減らせる
調理後も袋から食べたり、袋ごと皿に載せたりすることで、食器を汚しにくくできます。
断水時は食器を十分に洗えない可能性があるため、洗い物を減らせることは衛生面でも役立ちます。
一つの鍋で複数の料理を作れる
料理ごとに袋を分ければ、一つの鍋で複数の料理を同時に加熱できる場合があります。
例えば、
- ご飯
- おかず
- 野菜料理
などを別々の袋で調理する方法があります。
限られた熱源を効率よく使いやすいのも特徴です。
必要なものは?
基本的には、
- 耐熱性のある食品用ポリ袋
- 鍋
- 水
- カセットコンロなどの熱源
- トングや穴あきおたま
などを準備します。
袋が鍋底へ直接触れるのを防ぐため、耐熱皿なども準備しておくと安心です。
最重要!どんなポリ袋でも使えるわけではない
災害時のポリ袋調理で最も注意したいのが、袋選びです。
普通のレジ袋や、加熱を想定していない保存袋を適当に使ってはいけません。
農林水産省では、パッククッキングに耐熱性のあるポリ袋を使用するよう案内しています。
製品を購入する時は、
- 食品用であること
- 湯せんに対応していること
- 耐熱温度を確認すること
- メーカーの使用方法に従うこと
を確認しましょう。
パッククッキングの基本的なやり方
料理によって材料や加熱時間は異なりますが、基本的な流れは次のようになります。
- 耐熱性のある食品用ポリ袋へ材料を入れる
- 袋の中の空気をできるだけ抜く
- 加熱時に膨らむ余裕を残し、袋の上の方で結ぶ
- 鍋底へ耐熱皿などを敷く
- 鍋の湯で袋を加熱する
- トングや穴あきおたまなどで取り出す
具体的な加熱時間や材料の量については、使用するレシピや食品に合わせて確認してください。
袋の空気はできるだけ抜く
袋の中に空気が多く残っていると、水面に浮きやすくなり、食材へ均一に熱が伝わりにくくなることがあります。
食材を入れたら袋を水へ少し沈めるなどして空気を抜き、袋の上の方で結びます。
ただし、袋の中へ水が入らないよう注意してください。
袋はギリギリの位置で結ばない
加熱すると袋の中の空気や蒸気によって膨らむ場合があります。
袋の口を食材のすぐ近くで結ぶのではなく、上の方で結び、余裕を持たせましょう。
鍋底へポリ袋を直接触れさせない
鍋底は非常に高温になります。
耐熱性のある袋であっても、鍋底へ直接触れ続けると破損する可能性があります。
農林水産省が紹介する資料でも、袋が破れにくくなるよう鍋底へ耐熱皿などを敷く方法が示されています。
袋が鍋底や鍋肌へ直接触れ続けないよう注意しましょう。
一袋に詰め込みすぎない
一つの袋に家族全員分を大量に入れると、
- 中心まで加熱しにくい
- 袋が扱いにくい
- 取り出す時に破れやすい
などの問題が起こる可能性があります。
少量ずつ袋へ分けて調理した方が扱いやすくなります。
加熱中の袋を素手で触らない
加熱後の袋や中の料理は非常に熱くなっています。
さらに袋を開けた時には熱い蒸気が出る可能性があります。
取り出す時にはトングや穴あきおたまなどを使用し、やけどに注意しましょう。
袋を開ける時の蒸気にも注意
鍋から取り出した後も、中には熱い蒸気が残っています。
顔を袋の真上へ近づけて開けると、蒸気でやけどする危険があります。
少し冷ましてから、顔や手を近づけすぎないように開封しましょう。
どんな料理が作れる?
パッククッキングでは、工夫次第でさまざまな料理を作ることができます。
例えば、
- ご飯
- おかゆ
- 煮物
- スープ
- 蒸し料理
などです。
ただし、料理ごとに適切な水分量や加熱時間が異なります。
初めて作る料理を災害時に突然試すのではなく、平常時に一度作っておくと安心です。
無洗米は災害時にも便利
災害時は水が貴重になるため、米を何度も研ぐのが難しくなることがあります。
無洗米なら洗米に使う水を減らせるため、家庭備蓄に取り入れやすい食品の一つです。
普段から無洗米を使用していない家庭でも、防災用として少量試しておく方法があります。
レトルト食品と組み合わせると簡単
パッククッキングでご飯を作り、備蓄しているレトルト食品を組み合わせれば、災害時でも比較的簡単に食事を用意できます。
ただし、レトルト食品を湯せんする場合も、商品の加熱方法や注意事項を必ず確認してください。
同じ鍋で何でも一緒に温めていい?
一つの鍋を利用できるのはパッククッキングのメリットですが、何でも無条件に一緒に入れていいわけではありません。
袋が破れたり、食品が漏れたりする可能性もあります。
衛生状態や食品の種類を考え、使用するレシピや商品の案内に従いましょう。
湯せんに使った水は飲める?
パッククッキングでは袋の中へ調理用の水を入れ、鍋の水とは分けて調理できます。
そのため鍋の湯を繰り返し加熱に使える場合があります。
しかし、
鍋の湯をそのまま飲料水として使えるとは考えない方が安全です。
袋の外側や調理器具などから汚れる可能性があるため、飲用・調理用の安全な水とは分けて考えましょう。
断水時はポリ袋を「調理以外」にも使える
食品用ポリ袋は、加熱調理だけでなく災害時のさまざまな場面で活用できます。
例えば、
- ボウル代わりに食材を混ぜる
- 手袋代わりに使用する
- 食器へかぶせて洗い物を減らす
- 食品を小分けする
などです。
農林水産省でも、食品用ポリ袋を災害時に役立つ家庭用品として紹介しています。
ラップと組み合わせれば洗い物をさらに減らせる
断水時には、食器へ食品用ラップを敷いてから料理を盛る方法もあります。
食器を汚しにくくできるため、洗浄に使う水を減らせます。
ポリ袋だけでなく、
- 食品用ラップ
- アルミホイル
- キッチンペーパー
なども災害時に役立つ場合があります。
カセットコンロの安全にも注意
パッククッキングには、カセットコンロを熱源として使うことがあります。
カセットコンロを使用する場合は、
- 十分に換気する
- 安定した場所へ置く
- 周囲の可燃物を離す
- 製品に適した大きさの鍋を使う
- カセットボンベを加熱しない
など、基本的な安全対策を守りましょう。
余震が続いている時は無理に火を使わない
大きな地震の後は余震が続くことがあります。
鍋いっぱいのお湯を沸かしている時に大きく揺れれば、熱湯によるやけどや火災につながる危険があります。
周囲の安全が確保できていない場合には、無理に加熱調理をしないことも重要です。
子どもがいる家庭は熱湯に注意
災害時は普段とは違う場所で調理することもあります。
床に近い場所へカセットコンロや鍋を置くと、子どもが触れたりぶつかったりする危険があります。
特にパッククッキングでは鍋に熱湯を使うため、
子どもの手が届かず、安定した調理場所
を確保しましょう。
赤ちゃんや高齢者向けの食事にも応用できる
パッククッキングは、袋ごとに別の料理を作れるという特徴があります。
そのため家庭によっては、
- やわらかい料理
- 味付けを変えた料理
- 家族ごとに分けた食事
などを同じ鍋で調理しやすくなります。
ただし、離乳食や嚥下調整食、食物アレルギーなど個別の対応が必要な場合は、その人に適した食事と衛生管理を優先してください。
災害時に初めて試さない
パッククッキング自体はシンプルですが、実際にやってみると、
- 袋の結び方
- 空気の抜き方
- 必要な水分量
- 加熱時間
- 取り出し方
など、慣れていないと戸惑う部分があります。
防災の日などに家族で一度作ってみると、必要な道具や手順を確認できます。
「非常食を買う」だけが防災ではない
非常食を備えていても、
「どうやって温める?」
「水が出なかったら洗い物は?」
というところまで考えていない家庭もあります。
食品だけでなく、
- 水
- 熱源
- 鍋
- 耐熱性ポリ袋
- 食器
までセットで考えておくと、災害時の食事をより具体的にイメージできます。
ポリ袋調理の防災チェックリスト
- □ 食品用の耐熱性ポリ袋を準備した
- □ 湯せん対応か確認した
- □ 鍋を準備している
- □ 鍋底に敷く耐熱皿などがある
- □ カセットコンロとボンベがある
- □ トングや穴あきおたまがある
- □ 袋を鍋底へ直接触れさせない
- □ 一袋に食品を詰め込みすぎない
- □ 加熱後の袋や蒸気でのやけどに注意する
- □ 普段から一度練習している
- □ 飲料・調理用の安全な水も別に備えている
まとめ|ポリ袋調理は「水を節約できる調理法」として覚えておこう
パッククッキングは、耐熱性のある食品用ポリ袋へ食材を入れ、鍋で湯せんする調理方法です。
災害時には、
- 洗い物を減らせる
- 水を節約できる
- 一つの鍋を活用できる
- 温かい食事を作れる
といったメリットがあります。
一方で最も重要なのが、
「どんな袋でも使えるわけではない」
ということです。
必ず食品用で耐熱性・湯せん対応が確認できるポリ袋を使用し、商品の表示や使用方法を守りましょう。
そして、鍋底への接触や熱湯、蒸気によるやけどにも注意が必要です。
災害時に初めて挑戦するのではなく、防災の日に一度家族で試しておけば、
「水が止まっても、これなら作れる」
という具体的な備えにつながります。

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