だれウマさんが紹介し、SNSで話題になっている「柿プリン」。
材料は熟した柿と牛乳の2つだけで、ゼラチンや卵を使わずにプリンのように固まるという簡単レシピです。
ところが、実際に作ってみると、
「全然固まらない!」
「プリンというより柿ミルクになった」
「前回は固まったのに今回はゆるい」
ということもあります。
なぜ材料2つだけなのに、仕上がりに差が出るのでしょうか。
結論からいうと、柿プリンは市販のゼラチンや寒天を使うデザートとは違い、
天然の柿に含まれるペクチンなどの成分を利用して固めるため、柿の状態や分量によって仕上がりが変わりやすい
のが特徴です。
今回は栄養士の視点から、柿プリンが固まらないときに確認したいポイントを整理します。
- 柿プリンが固まらない主な原因
- ① 柿が十分に熟していない
- 熟すと柿のペクチンも変化する
- どのくらい熟した柿がいい?
- 熟しすぎても個体差はある
- ② 柿の品種が違う
- 甘柿のほうが作りやすいとされる情報も
- ただし品種だけでは決まらない
- ③ 牛乳を入れすぎた
- 柿200gなら牛乳100g
- 「柿1個+牛乳○ml」はズレやすい
- 牛乳が多いと何が起こる?
- 固めたいから牛乳を減らせばいい?
- ④ 「牛乳」ではなく別の乳飲料を使った
- カルシウム量などが違えば固まり方も変わる可能性
- 最初は「種類別:牛乳」を使うのが無難
- 低脂肪牛乳なら絶対ダメ?
- ⑤ 豆乳で作った
- フルーチェでもカルシウム量が重要
- 豆乳代用は次の記事で詳しく
- ⑥ 冷やす時間が短い
- 冷却時間も必要
- 何時間冷やせばいい?
- 一晩置けば必ず固まる?
- ⑦ 柿が十分になめらかになっていない
- 均一に混ぜるのがポイント
- ミキサーがない場合は?
- ⑧ 柿と牛乳が均一に混ざっていない
- 混ぜすぎるとダメ?
- ⑨ 柿そのものの個体差
- 前回成功して今回失敗もあり得る
- フルーチェほど再現性が高くない理由
- 固まらなかった場合はどうする?
- ① 柿スムージーとして飲む
- ② ヨーグルトにかける
- ③ 冷凍してシャーベット風に
- あとからゼラチンを入れてもいい?
- 失敗を防ぐチェックリスト
- 1個分から試すのがおすすめ
- 栄養士として気になるのは「固まった=安全」ではないこと
- 作ったらすぐ冷蔵庫へ
- 「熟した柿」と「腐った柿」を間違えない
- 柿プリンは「失敗しても理由を探せる料理」
- まとめ
柿プリンが固まらない主な原因
考えられる原因は、主に次のようなものです。
- 柿の熟し具合が合っていない
- 柿の品種や個体差
- 牛乳を入れすぎた
- 牛乳以外の飲料を使った
- 冷やす時間が短い
- 柿と牛乳が十分に混ざっていない
1つずつ詳しく見ていきましょう。
① 柿が十分に熟していない
今回話題になっているレシピでは、
熟した柿
を使います。
まだ硬い柿を使うと、熟した柿とは、
- 果肉の状態
- ペクチンの状態
- 水分
- 糖度
などが異なります。
そのため、同じ牛乳量でも同じように固まるとは限りません。
熟すと柿のペクチンも変化する
柿は熟していくにつれて果肉が柔らかくなります。
この変化には、細胞壁に存在するペクチンや、それを分解・変化させる酵素が関係しています。
富有柿について調べた研究でも、成熟が進むにつれて果肉の硬さが低下し、ペクチンに関係する酵素活性が変化することが報告されています。
つまり、
柿は熟す途中で「中身の性質そのもの」が変わっている
ということです。
どのくらい熟した柿がいい?
目安としては、
- 手で触るとやわらかい
- スプーンですくえる
- ミキサーにかけるとなめらかになる
程度の柿が使いやすいでしょう。
ただし、
「柔らかければ柔らかいほど必ず固まる」
という意味ではありません。
熟しすぎても個体差はある
完熟に近い柿でも、
- 品種
- 収穫時期
- 保存状態
- 個体差
によって含まれる成分は異なります。
天然の果物なので、「この柔らかさなら100%成功」と断定できないのが柿プリンの難しいところです。
② 柿の品種が違う
柿には多くの品種があります。
大きく分けても、
- 甘柿
- 渋柿
があります。
さらに甘柿の中でも、富有柿、次郎柿などさまざまな品種があります。
甘柿のほうが作りやすいとされる情報も
柿プリンについて紹介している青果関連情報では、
甘柿のほうが固まりやすい
とされる例があります。
そのため、初めて試す場合は、スーパーで一般的に販売されている甘柿から試すのもひとつの方法です。
ただし品種だけでは決まらない
同じ富有柿でも、熟度や保存状態によって違いがあります。
「富有柿だから必ず固まる」
「渋柿だから絶対固まらない」
と単純には言えません。
③ 牛乳を入れすぎた
最も確認しやすいポイントが、
柿と牛乳の割合
です。
だれウマさんが紹介したレシピでは、
牛乳は柿の半量
が目安です。
柿200gなら牛乳100g
| 柿の果肉 | 牛乳の目安 |
|---|---|
| 100g | 50g |
| 150g | 75g |
| 200g | 100g |
| 250g | 125g |
| 300g | 150g |
「柿1個+牛乳○ml」はズレやすい
柿は1個ごとの大きさがかなり違います。
そのため、
「柿1個だから牛乳100ml」
というように個数だけで分量を決めると、牛乳が多すぎる場合があります。
皮とヘタを取り除いた果肉の重量を量る
ほうが失敗しにくいでしょう。
牛乳が多いと何が起こる?
牛乳を増やしすぎると、柿由来のペクチンなどの成分が相対的に薄まります。
すると、十分なゲル構造を作れず、
プリンではなくスムージーのような状態
になる可能性があります。
固めたいから牛乳を減らせばいい?
ある程度は割合が関係しますが、
牛乳を極端に減らせば必ず固まるわけではありません。
柿そのものの状態も関係するためです。
まずは紹介されている「柿:牛乳=約2:1」を基準にするのがおすすめです。
④ 「牛乳」ではなく別の乳飲料を使った
冷蔵庫にある白い飲み物を、すべて同じ「牛乳」だと思っていないでしょうか。
牛乳売り場には、
- 牛乳
- 成分調整牛乳
- 低脂肪牛乳
- 無脂肪牛乳
- 加工乳
- 乳飲料
などがあります。
それぞれ成分が違います。
カルシウム量などが違えば固まり方も変わる可能性
柿プリンのゲル化には、柿のペクチンと牛乳中のカルシウムの相互作用が関係すると考えられています。
そのため、飲料の種類によってカルシウム量やほかの成分が違えば、
仕上がりが変わる可能性
があります。
最初は「種類別:牛乳」を使うのが無難
初めて作る場合は、パッケージの種類別名称に、
「牛乳」
と書かれているものを使うと、元のレシピに近い条件にしやすいでしょう。
低脂肪牛乳なら絶対ダメ?
そうとは限りません。
低脂肪牛乳でもカルシウムは含まれています。
ただし柿プリンそのものについて、
「この種類なら必ず固まる」という統一された公式条件があるわけではありません。
再現性を重視するなら、まず普通の牛乳で試すのが安全です。
⑤ 豆乳で作った
「牛乳がないから豆乳で作ってみた」
という場合もあるでしょう。
しかし牛乳と豆乳では、
- たんぱく質の種類
- カルシウム量
- 脂質
- ミネラル組成
が違います。
そのため、
牛乳と同じ割合で豆乳を使えば同じように固まるとは限りません。
フルーチェでもカルシウム量が重要
似た仕組みを利用するフルーチェでも、メーカーは牛乳中のカルシウムとペクチンが反応して固まると説明しています。
豆乳を使う場合も、カルシウム量によって結果が変わります。
柿プリンも同様に、飲料を変更すると条件が変わると考えたほうがよいでしょう。
豆乳代用は次の記事で詳しく
牛乳以外の、
- 豆乳
- アーモンドミルク
- オーツミルク
などで作れるかについては、次の記事で詳しく整理します。
⑥ 冷やす時間が短い
材料を混ぜた直後に、
「液体だから失敗した!」
と判断していないでしょうか。
今回の柿プリンは、
混ぜたあと冷蔵庫で冷やして仕上げる
レシピです。
冷却時間も必要
ゲル構造が安定するまでには時間が必要です。
作ってすぐに固まっていなくても、冷蔵庫でしっかり冷やしてから状態を確認しましょう。
何時間冷やせばいい?
柿の状態や容器の大きさによって違うため、
「○分で必ず固まる」と断定することはできません。
数時間を目安にしっかり冷やし、状態を見るのがよいでしょう。
一晩置けば必ず固まる?
冷却時間が原因なら、時間を延ばすことで固まりやすくなる可能性があります。
ただし、
分量や柿の状態が原因の場合、一晩冷やしても固まらないことがあります。
⑦ 柿が十分になめらかになっていない
柿の果肉を大きな塊のまま残すと、牛乳と均一に混ざりにくくなります。
だれウマさんのレシピでは、柿をミキサーにかけます。
均一に混ぜるのがポイント
ペクチンなどの成分を牛乳全体へ分散させるためにも、
柿をしっかりペースト状にする
ほうが作りやすいでしょう。
ミキサーがない場合は?
熟した柿なら、
- フォークで細かくつぶす
- 裏ごしする
- ハンドブレンダーを使う
方法もあります。
ただし、ミキサーほど均一にならない場合があります。
⑧ 柿と牛乳が均一に混ざっていない
牛乳を加えたあと、軽く混ぜるだけでは、底と上部で濃度が違う場合があります。
ミキサーやブレンダーを使って、
全体が均一になるまで混ぜる
ようにしましょう。
混ぜすぎるとダメ?
現時点で、家庭の通常のミキサー使用で「混ぜすぎると固まらなくなる」と断定できる根拠はありません。
まずは均一に混ざっていることを優先してよいでしょう。
⑨ 柿そのものの個体差
ここが、柿プリンで最もコントロールしにくい部分です。
柿は工業的に成分調整された食品ではありません。
同じ品種・同じ大きさでも、
- ペクチン量
- 糖度
- 水分量
- タンニン量
- 熟度
は完全には同じではありません。
前回成功して今回失敗もあり得る
「前回と同じ作り方なのに固まらなかった」
という場合、
柿そのものの違い
が影響している可能性もあります。
フルーチェほど再現性が高くない理由
フルーチェは食品メーカーが、
- ペクチン量
- 酸度
- 糖度
- 配合
を一定に調整した商品です。
柿プリンは天然の柿そのものを使うため、
どうしても出来上がりにブレが出やすい
という違いがあります。
固まらなかった場合はどうする?
まず、異臭や腐敗など食品としての異常がなく、作った直後から適切に冷蔵していることを確認してください。
そのうえで単に「ゆるいだけ」なら、別のデザートとして楽しむ方法があります。
① 柿スムージーとして飲む
最も簡単なのが、
そのまま柿ミルクとして飲む
方法です。
味そのものは柿と牛乳なので、固まらなくても組み合わせ自体は変わりません。
② ヨーグルトにかける
ゆるい柿プリンを、
ヨーグルトソース
として使う方法もあります。
柿の甘みがあるため、砂糖を追加しなくても楽しみやすいでしょう。
③ 冷凍してシャーベット風に
冷凍して、少し解凍してから混ぜれば、
柿アイスやシャーベット風
にもできます。
ただし、一度口をつけたものを長時間保存するのは避けましょう。
あとからゼラチンを入れてもいい?
ゼラチンを使えば物理的には固め直すこともできます。
ただし、加熱してゼラチンを溶かす必要があるため、
元の「柿と牛乳だけ」の柿プリンとは別のレシピ
になります。
失敗を防ぐチェックリスト
作る前に、次のポイントを確認してみましょう。
- 熟して柔らかくなった柿を使う
- 柿の果肉を重さで量る
- 牛乳は柿の半量を目安にする
- 最初は種類別「牛乳」を使う
- 柿をなめらかになるまでミキサーにかける
- 牛乳を加えて均一に混ぜる
- 冷蔵庫でしっかり冷やす
1個分から試すのがおすすめ
柿の個体差があるため、初めて作るときは大量に作らず、
まず柿1個分程度
から試すのがおすすめです。
栄養士として気になるのは「固まった=安全」ではないこと
私は栄養士ですが、今回のような加熱しないデザートでは、
固まったかどうかと、食品として安全かどうかは別問題
です。
しっかり固まっていても、長時間常温に置いたものは衛生面で注意が必要です。
作ったらすぐ冷蔵庫へ
柿を切り、牛乳と混ぜたあとは、
速やかに冷蔵庫で保存
しましょう。
ミキサーや容器も清潔なものを使ってください。
「熟した柿」と「腐った柿」を間違えない
柿プリンには熟した柿が向いていますが、
次のような状態なら使用を避けましょう。
- カビが生えている
- 腐敗臭がする
- 明らかに異常な液が出ている
- 通常とは違う強い発酵臭がする
やわらかい=何でも使える
ではありません。
柿プリンは「失敗しても理由を探せる料理」
柿プリンは材料2つという非常にシンプルなレシピですが、
実際には、
- 植物の成熟
- ペクチン
- カルシウム
- 食品のゲル化
など、さまざまな食品科学が関係しています。
固まらなかった場合も、
「何が違ったんだろう?」
と考えてみると面白い料理です。
まとめ
今回は、柿プリンが固まらないときに考えられる原因をまとめました。
- 十分に熟した柿を使っていない
- 柿の品種や個体差がある
- 牛乳を入れすぎている
- 柿と牛乳の割合は約2:1が目安
- 牛乳以外の乳飲料を使うと条件が変わる
- 豆乳などでは同じように固まるとは限らない
- 冷やす時間が短い可能性がある
- 柿が十分になめらかになっていない
- 牛乳と均一に混ざっていない
- 天然の果物なので同じ作り方でも差が出る
柿プリンで失敗しにくくするなら、
「熟した柿を使う・果肉を重さで量る・牛乳は半量・しっかり混ぜる・しっかり冷やす」
の5つをまず確認してみてください。
それでも固まらない場合は、柿の個体差が影響している可能性もあります。
材料2つだからこそ、天然素材の違いがそのまま仕上がりに出るデザートなのです。

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