家族が突然吐いてしまったとき、まず気になるのは体調です。
しかし、そのあとに残る嘔吐物をどう処理するかも、とても重要なポイントです。
嘔吐の原因は食べ過ぎや運動、体調不良などさまざまですが、感染性胃腸炎などが原因だった場合には、処理の仕方によって周囲へ広がる可能性があります。
ラーメンマラソンから考える今回は、家庭で嘔吐物を処理するときに知っておきたい衛生対策をわかりやすく解説します。
- まずは吐いた本人の状態を確認する
- 嘔吐物は素手で触らない
- 用意したいもの
- 周囲の人を近づけない
- 嘔吐物を踏んで広げないことが大切
- 窓を開けて換気する
- 嘔吐物の上にペーパータオルをかぶせる
- 外側から内側へ拭く理由
- 使用したペーパーはすぐ袋へ
- 処理する範囲は見えている汚れだけではない
- 感染症が疑われる場合は塩素系消毒を考える
- 塩素系漂白剤を原液のまま使わない
- 塩素系漂白剤と酸性洗剤を混ぜない
- アルコールをかければ十分?
- まず汚れを取ってから消毒する
- カーペットに吐いた場合はどうする?
- 布団に吐いた場合は?
- 衣類に付着した場合は?
- 嘔吐した衣類を振らない
- スリッパや靴下も忘れず確認
- 掃除機は使わないほうがいい?
- 処理後は石けんと流水で手洗い
- 手袋を外したあとにスマホを触らない
- ドアノブや蛇口も確認
- 小さな子どもがいる家庭では床への接触に注意
- ペットがいる家庭も注意
- トイレで吐いた場合は?
- 洗面台で吐いた場合は?
- 吐いた本人も手洗いを
- 嘔吐後の歯みがきはすぐしていい?
- 嘔吐物処理セットを作っておくと安心
- 感染症か分からない場合でも丁寧に処理する
- ラーメンマラソンの嘔吐を感染症と決めつけない
- 家庭では原因不明なら感染対策をして損は少ない
- 家族が次々に吐き始めたら感染症も考える
- 嘔吐後の食事を作る人は特に手洗いを
- タオルの共用は避ける
- 嘔吐物を処理したあとも体調観察を続ける
- 受診を考えたいサイン
- 暑い日の運動後なら熱中症にも注意
- ラーメンマラソンから考える「吐いたあとまでが衛生管理」
- まとめ
まずは吐いた本人の状態を確認する
嘔吐物の掃除を始める前に、まず吐いた本人の状態を確認します。
特に、
- 意識がはっきりしているか
- 呼吸に問題がないか
- 強い腹痛がないか
- 何度も吐いていないか
- 血が混じっていないか
- 暑い環境で運動していなかったか
などを確認しましょう。
意識がおかしい、けいれんがある、自力で起き上がれないなどの場合には、掃除より救急対応を優先してください。
嘔吐物は素手で触らない
嘔吐物を処理するときは、できるだけ素手で直接触れないようにします。
嘔吐物には、原因によってウイルスや細菌などが含まれている可能性があります。
目で見ただけでは感染症による嘔吐なのか判断できないため、原因が分からない段階では感染性の可能性も考えて対応するほうが安全です。
用意したいもの
家庭で嘔吐物を処理するときには、次のようなものがあると便利です。
- 使い捨て手袋
- 使い捨てマスク
- ペーパータオルや不要な布
- ビニール袋
- 家庭用塩素系漂白剤
- 使い捨てエプロンなど
小さな子どもがいる家庭や、感染性胃腸炎が流行する季節には、まとめて準備しておくと慌てにくくなります。
周囲の人を近づけない
嘔吐が起きた場所には、できるだけ子どもやほかの家族を近づけないようにしましょう。
特に小さな子どもやペットは、床に近づいたり触ったりする可能性があります。
まず人の動きを止めて、処理する人以外が踏まないようにすることが重要です。
嘔吐物を踏んで広げないことが大切
床に吐いた場合、知らずに踏んでしまうと、靴下やスリッパを介して別の場所へ汚れを広げる可能性があります。
廊下やリビングなど人がよく通る場所では、処理が終わるまでその場所を通らないようにしましょう。
窓を開けて換気する
可能であれば、処理中は換気を行います。
ただし、嘔吐物を乾燥させてから掃除するのではなく、できるだけ早めに処理することが大切です。
乾燥した汚染物を掃いたり、勢いよくこすったりすると周囲へ広げる可能性があります。
嘔吐物の上にペーパータオルをかぶせる
床などに嘔吐物がある場合には、まずペーパータオルや不要な布などで覆います。
そのうえで、外側から内側へ向かって静かに集めるように拭き取ります。
勢いよくゴシゴシこすると、汚れが広がる可能性があります。
外側から内側へ拭く理由
汚れの中心から外側へ向かって拭くと、嘔吐物をさらに広い範囲へ伸ばしてしまう可能性があります。
そのため、汚れていない外側から中心へ向かって少しずつ集めるイメージで処理します。
使用したペーパーはすぐ袋へ
嘔吐物を拭き取ったペーパータオルや布は、そのまま床や机に置かず、すぐビニール袋へ入れます。
処理に使った手袋や使い捨てエプロンなども、使用後は同じように袋へ入れて処分します。
袋の口をしっかり閉じ、周囲へ汚染物が広がらないようにしましょう。
処理する範囲は見えている汚れだけではない
嘔吐したときには、目に見える場所だけでなく、周囲へ細かく飛び散っている可能性があります。
床だけでなく、
- 家具の脚
- 壁
- ドア
- 近くのおもちゃ
- スリッパ
などにも付着していないか確認しましょう。
感染症が疑われる場合は塩素系消毒を考える
ノロウイルスなど感染性胃腸炎が疑われる場合、一般的なアルコールだけでは十分な効果が期待できないことがあります。
そのため、汚染された床などの消毒には、家庭用の塩素系漂白剤を適切な濃度に薄めて使う方法があります。
ただし、塩素系漂白剤は素材を傷めたり、色落ちさせたりすることがあります。
製品の表示を確認し、使用できる場所かを確認してから使いましょう。
塩素系漂白剤を原液のまま使わない
塩素系漂白剤は、家庭で使用するときには用途に応じて適切に希釈して使用します。
原液のまま大量に使えばよいわけではありません。
製品によって濃度が異なるため、必ず表示やメーカーの案内を確認してください。
塩素系漂白剤と酸性洗剤を混ぜない
塩素系漂白剤を使用するときに特に重要なのが、酸性タイプの洗剤などと混ぜないことです。
組み合わせによって有害なガスが発生する危険があります。
「もっと強く消毒したい」と複数の洗剤を混ぜることは絶対に避けましょう。
アルコールをかければ十分?
すべての感染症に対して、アルコールだけで十分とは限りません。
特にノロウイルスのようにアルコールが効きにくいものもあります。
感染性胃腸炎が疑われる嘔吐物の処理では、物理的にしっかり汚れを取り除いたうえで、適切な方法で消毒することが重要です。
まず汚れを取ってから消毒する
消毒液を大量にかければ、嘔吐物をそのまま残していても大丈夫というわけではありません。
まず目に見える汚れをペーパーなどで取り除き、その後に必要な範囲を消毒します。
「拭き取り」と「消毒」を分けて考えましょう。
カーペットに吐いた場合はどうする?
カーペットや布製品は、床のように簡単に拭き取れないため処理が難しくなります。
まず可能な範囲で嘔吐物を静かに取り除きます。
その後の処理方法は、素材によって異なります。
塩素系漂白剤を使用すると脱色する可能性があるため、製品表示を確認してください。
洗濯可能なものなら、ほかの洗濯物とは分けて処理することも検討します。
布団に吐いた場合は?
布団やマットレスに嘔吐した場合には、中まで染み込む可能性があります。
表面の汚れをできるだけ取り除き、洗濯できるカバー類は分けて洗います。
布団本体については、素材や洗濯表示に合わせて処理しましょう。
感染症が強く疑われる場合には、クリーニング業者などへ相談する際に、嘔吐物が付着したことを伝えることも大切です。
衣類に付着した場合は?
衣類に嘔吐物が付いた場合には、ほかの洗濯物と一緒にすぐ洗濯機へ入れるのではなく、まず固形物をできるだけ取り除きます。
処理する際にも手袋を使用しましょう。
その後、衣類の素材や洗濯表示に合わせた方法で洗濯します。
感染性胃腸炎が疑われる場合には、ほかの衣類と分けて扱うほうが安心です。
嘔吐した衣類を振らない
汚れた衣類を屋外でパンパンと振って汚れを落とすような行為は避けましょう。
汚染物が周囲へ飛び散る可能性があります。
静かに扱うことが基本です。
スリッパや靴下も忘れず確認
嘔吐物の処理中に床を歩いた場合、スリッパや靴下の裏に汚れが付いている可能性があります。
そのまま別の部屋へ移動すると、汚染範囲を広げることにつながります。
床だけをきれいにして終わらず、足元も確認しましょう。
掃除機は使わないほうがいい?
嘔吐物が残った状態で掃除機をかけるのは避けたほうがよいでしょう。
掃除機の内部が汚染されたり、細かな粒子を周囲へ広げたりする可能性があります。
まずペーパーなどで静かに取り除いて処理します。
処理後は石けんと流水で手洗い
手袋をしていた場合でも、処理後には手を洗います。
手袋を外すときに外側へ触れたり、処理中に思わぬ場所へ触れていたりする可能性があるためです。
石けんと流水で丁寧に手を洗いましょう。
手袋を外したあとにスマホを触らない
嘔吐物の処理中は、スマートフォンやドアノブなどをなるべく触らないことも大切です。
手袋のままスマートフォンを操作すると、端末へ汚れを移してしまう可能性があります。
必要なものは処理前に準備しておくとよいでしょう。
ドアノブや蛇口も確認
処理した人が手袋のまま触ったドアノブや蛇口なども、必要に応じて清掃します。
嘔吐物そのものだけでなく、人の手を介して汚れが広がる可能性も考えましょう。
小さな子どもがいる家庭では床への接触に注意
乳幼児は床を触った手を口に入れることがあります。
そのため、嘔吐物を処理したあとは、大人が見て「きれいになった」と感じるだけではなく、周囲に汚れが残っていないか確認することが大切です。
処理が終わるまでは子どもを別の場所で過ごさせると安心です。
ペットがいる家庭も注意
犬や猫などのペットも、床のにおいを嗅いだり舐めたりする可能性があります。
嘔吐物を処理する間は、できるだけ別の部屋へ移動させましょう。
また、消毒剤そのものもペットにとって危険な場合があるため、使用方法に注意してください。
トイレで吐いた場合は?
便器の中に吐いた場合でも、便座や床、壁などへ飛び散っている可能性があります。
見える範囲だけでなく、周囲も確認して清掃しましょう。
吐いた本人が触ったレバーやドアノブなども、必要に応じて清掃します。
洗面台で吐いた場合は?
洗面台へ吐いた場合は、排水口へ流すだけで終わらせず、周囲に付着した汚れを取り除きます。
蛇口や洗面ボウルの縁、床などにも飛び散っていないか確認しましょう。
吐いた本人も手洗いを
嘔吐後は、本人の口元や手にも汚れが付いている可能性があります。
体調が落ち着いている場合には、口の周囲をきれいにし、手洗いを行いましょう。
ただし、ぐったりしている場合には無理に立たせず、安全を優先してください。
嘔吐後の歯みがきはすぐしていい?
嘔吐すると胃酸が口の中へ上がってきます。
直後に強く歯を磨くより、まず口を水ですすぎ、少し時間をおいてから歯みがきをするほうが歯への負担を抑えやすいとされています。
吐いた直後に口の中が気持ち悪くても、強く磨きすぎないようにしましょう。
嘔吐物処理セットを作っておくと安心
突然の嘔吐は、夜中や忙しい時間帯にも起こります。
そんなときに手袋やペーパーを探し回ると、その間に家族が汚れた場所を踏んでしまうことがあります。
家庭では、
- 使い捨て手袋
- マスク
- ペーパータオル
- ビニール袋
- 使い捨てエプロン
などを一か所にまとめておくと便利です。
感染症か分からない場合でも丁寧に処理する
嘔吐の原因が運動なのか、食べ過ぎなのか、感染症なのかは、その場ですぐには分からないことがあります。
そのため「たぶん食べ過ぎだから普通に拭けばいい」と決めつけるより、原因不明の嘔吐では感染性の可能性も考えて処理するほうが安全です。
ラーメンマラソンの嘔吐を感染症と決めつけない
ラーメンマラソンから考える今回のテーマでは、番組内での嘔吐を見て感染症を連想する人もいるかもしれません。
しかし、映像だけから嘔吐の原因を特定することはできません。
食事量、運動強度、暑さ、脱水、体調など、さまざまな要因が考えられます。
番組出演者の嘔吐と感染症を結びつけて考えることは避けましょう。
家庭では原因不明なら感染対策をして損は少ない
一方、家庭で誰かが突然吐いた場合には、感染性胃腸炎の可能性を完全には否定できません。
そのため、原因が分からない場合には、素手で触らない、周囲へ広げない、手洗いを徹底するといった基本的な衛生対策を行うことが大切です。
家族が次々に吐き始めたら感染症も考える
同じ家庭内で複数人が短期間に嘔吐や下痢などの症状を起こした場合には、感染性胃腸炎や共通の食事による食中毒なども考えられます。
症状が強い場合や水分がとれない場合には、医療機関への相談を検討しましょう。
嘔吐後の食事を作る人は特に手洗いを
嘔吐物を処理した人が、そのまま食事を作る場合には特に注意が必要です。
処理後には石けんと流水で十分に手を洗い、処理に使った衣類やエプロンなどにも汚れが付いていないか確認しましょう。
可能であれば、ほかの家族が調理を担当する方法もあります。
タオルの共用は避ける
感染性胃腸炎が疑われる場合には、手洗い後のタオルを家族で共用することで汚染が広がる可能性があります。
ペーパータオルを使ったり、個別のタオルを使ったりする方法があります。
嘔吐物を処理したあとも体調観察を続ける
掃除が終わったからといって、そこで対応が終わるわけではありません。
吐いた本人について、
- 再び吐いていないか
- 水分をとれているか
- 尿が出ているか
- 発熱や下痢がないか
- 腹痛が強くなっていないか
などを確認しましょう。
受診を考えたいサイン
嘔吐後に次のような状態がある場合には、家庭での衛生処理だけでなく医療機関への相談を考えましょう。
- 何度も吐いている
- 少量の水分も保てない
- 尿が極端に少ない
- 強い腹痛がある
- 血を吐いた
- 高熱がある
- 激しい頭痛がある
- ぐったりしている
- 症状が急激に悪化している
意識がおかしい、けいれんがある、自力で水分を飲めないなどの場合には、速やかな救急要請を検討してください。
暑い日の運動後なら熱中症にも注意
暑い環境で運動したあとに吐いた場合には、感染症だけでなく熱中症の可能性も考える必要があります。
頭痛、めまい、強いだるさ、ふらつき、意識状態の変化などがある場合には、涼しい場所へ移動し、体を冷やします。
意識がはっきりして安全に飲める場合のみ水分を補給し、自力で飲めない場合には救急対応を検討してください。
ラーメンマラソンから考える「吐いたあとまでが衛生管理」
ラーメンマラソンから考えると、嘔吐そのものに目が向きがちですが、家庭や集団生活の場では「吐いたあとをどう処理するか」も重要です。
特に原因が分からない嘔吐では、感染症の可能性も考えて、嘔吐物を素手で触らず、周囲へ広げず、適切に清掃・消毒することが大切です。
嘔吐物処理は、ただ汚れをきれいにする掃除ではなく、二次感染を防ぐための衛生管理でもあります。
まとめ
家庭で嘔吐物を処理するときには、まず吐いた本人の状態を確認し、その後、使い捨て手袋などを着用して処理します。
嘔吐物は外側から内側へ向かって静かに拭き取り、使用したペーパーや手袋は袋へ入れて処分しましょう。
感染性胃腸炎が疑われる場合には、塩素系漂白剤などを適切な方法で使用し、床や周囲を消毒します。
処理後には石けんと流水で手を洗い、ドアノブやスリッパなど、処理中に触れた場所にも注意しましょう。
ラーメンマラソンから考えると、嘔吐の原因を映像だけで断定することはできません。しかし、家庭で原因不明の嘔吐が起きた場合には、感染性の可能性を考えて丁寧に処理することが大切です。
次の記事では、「嘔吐物を素手で触らないほうがいい理由」に焦点を当て、感染症や手を介した汚染の広がりについて詳しく解説します。

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