吐いたあとに水分をとろうと思っても、「水よりお茶のほうが飲みやすい」という人もいるでしょう。
普段から緑茶や麦茶をよく飲んでいる家庭では、嘔吐後にもいつものお茶を飲んでよいのか迷うことがあります。
お茶も水分補給の選択肢になる場合がありますが、お茶の種類によってカフェインの有無などが異なります。また、嘔吐を繰り返して脱水が心配な場合には、お茶だけで対応することが適しているとは限りません。
ラーメンマラソンから考える今回は、吐いたあとにお茶を飲んでもよいのか、緑茶や麦茶などの違いも含めて栄養士目線で解説します。
- 吐いたあとにお茶を飲んでもいい?
- 緑茶は吐いたあとに飲める?
- 「カフェイン入り=水分補給にならない」は本当?
- 麦茶は吐いたあとに飲める?
- 「ミネラル麦茶」なら脱水対策になる?
- ほうじ茶はどう?
- 紅茶やウーロン茶は?
- お茶でも一気飲みは避けよう
- 冷たいお茶と温かいお茶、どちらがいい?
- お茶と水ならどちらがいい?
- お茶と経口補水液は何が違う?
- 嘔吐を繰り返している場合は?
- 運動中に吐いた場合はお茶だけで大丈夫?
- ラーメンのあとに緑茶を飲めば胃がすっきりする?
- 吐いたあとに甘いお茶は?
- 子どもが吐いたあとにお茶を飲ませてもいい?
- 水分がとれているかは「飲んだ量」だけで見ない
- 暑い日の嘔吐では熱中症にも注意
- 意識がおかしい場合はお茶も水も飲ませない
- 吐いたあとにお茶を飲むときのポイント
- ラーメンマラソンから考える「飲みやすさ」と「目的」の違い
- まとめ
吐いたあとにお茶を飲んでもいい?
吐き気が落ち着いていて、自分で安全に飲み込める状態であれば、お茶を水分補給の選択肢にできる場合があります。
特に一度吐いただけで、その後は普段通り飲食できるような状態なら、必ず特別な飲み物を用意しなければならないわけではありません。
ただし、「お茶なら何でもいい」というわけでもありません。
お茶にはさまざまな種類があり、カフェインを含むもの、含まないもの、味や香りが強いものなどがあります。
吐いたあとは胃が敏感になっていることもあるため、体調に合わせて選びましょう。
緑茶は吐いたあとに飲める?
緑茶にはカフェインが含まれています。
健康な人が少量飲んだからといって、直ちに問題になるわけではありません。
しかし、吐き気が残っているときには、濃い緑茶の渋みや苦みを飲みにくく感じることがあります。
また、子どもやカフェインに敏感な人の場合には、あえてカフェインを含む飲み物を選ぶ必要はありません。
普段から緑茶を飲み慣れている場合でも、嘔吐後は体調を確認しながら少量ずつ試しましょう。
「カフェイン入り=水分補給にならない」は本当?
カフェインには利尿作用があるため、「緑茶を飲んでも全部尿として出てしまうから水分補給にならない」と聞いたことがある人もいるかもしれません。
しかし、カフェインを含むお茶を飲んだからといって、その水分がまったく体に残らないわけではありません。
緑茶なども水分を含む飲み物です。
一方で、嘔吐後にあえて大量のカフェインをとる必要もありません。
「一滴も飲んではいけない」と極端に考えるのではなく、吐き気や年齢、普段の飲み方などを考えて選びましょう。
麦茶は吐いたあとに飲める?
麦茶は一般的にカフェインを含まないため、家庭での水分補給によく利用されています。
そのため、吐き気が落ち着いていて飲み慣れている人なら、水分補給の選択肢になることがあります。
ただし、麦茶は経口補水液とは異なります。
「麦茶にはミネラルが含まれているから、脱水時には経口補水液と同じように使える」と考えるのは避けましょう。
「ミネラル麦茶」なら脱水対策になる?
商品によっては「ミネラル」という言葉が目立つ麦茶もあります。
しかし、「ミネラルを含んでいること」と「脱水状態で水分・電解質を補給するために成分が調整されていること」は別です。
経口補水液は、脱水時の水分・電解質補給を目的としてナトリウムやブドウ糖などのバランスが調整されています。
麦茶は日常の飲み物であり、経口補水液の代わりとして作られているわけではありません。
ほうじ茶はどう?
ほうじ茶にもカフェインは含まれています。
ただし、実際のカフェイン量は茶葉や抽出方法などによって異なります。
香ばしい風味が飲みやすいと感じる人もいれば、吐いたあとには香りを強く感じて気持ち悪くなる人もいます。
嘔吐後は「一般的に飲みやすいか」よりも、「今の自分が無理なく飲めるか」を考えることが大切です。
紅茶やウーロン茶は?
紅茶やウーロン茶にもカフェインが含まれています。
吐き気がほぼなく、普段から飲み慣れている人が少量飲むことまで一律に避ける必要はありません。
ただし、濃いものや香りの強いものは、吐き気が残っていると飲みにくい場合があります。
また、砂糖やミルクをたっぷり加えた飲み物は、単純なお茶とは条件が変わります。
嘔吐直後に無理して選ぶ必要はないでしょう。
お茶でも一気飲みは避けよう
「水よりお茶のほうが飲みやすい」と感じても、一気に大量に飲むのは避けましょう。
嘔吐後は胃が敏感になっていることがあります。
大量の液体が一度に胃へ入れば、
- 胃が張る
- ムカムカする
- 吐き気が強くなる
- 再び吐いてしまう
ことがあります。
吐き気が落ち着き、自分で安全に飲める状態なら、少量ずつ試しましょう。
冷たいお茶と温かいお茶、どちらがいい?
吐いたあとには、「冷たいほうがすっきりする」という人もいれば、「常温や温かいもののほうが飲みやすい」という人もいます。
すべての人に対して、特定の温度が必ず適しているわけではありません。
極端に熱い飲み物は避け、吐き気を悪化させず少量ずつ飲める温度を選びましょう。
温度そのものよりも、無理なく水分を保てるかどうかが重要です。
お茶と水ならどちらがいい?
吐いたあとに水とお茶のどちらを選ぶかは、体調や好みによって変わります。
一度だけの嘔吐で、その後は体調が落ち着いているなら、無理なく飲める水分を選ぶという考え方もできます。
ただし、お茶の種類によってはカフェインを含むため、子どもやカフェインに敏感な人では水やカフェインを含まない飲み物のほうが選びやすい場合があります。
お茶と経口補水液は何が違う?
ここは特に区別しておきたいポイントです。
お茶は日常的な水分補給に利用される飲料です。
一方、経口補水液は、脱水状態で水分と電解質を補給するために成分が調整されています。
そのため、嘔吐や下痢を繰り返して脱水が心配な場合に、「いつもお茶を飲んでいるから、お茶だけで大丈夫」とは限りません。
嘔吐を繰り返している場合は?
一度吐いただけの場合と、何度も嘔吐している場合では対応が変わります。
嘔吐を繰り返すと、水分だけでなく電解質も失われます。
さらに、吐き気によって飲める量そのものが減ることもあります。
脱水が心配な場合には経口補水液が選択肢になることがありますが、それすら飲んでも吐いてしまう場合には医療機関への相談を考えましょう。
運動中に吐いた場合はお茶だけで大丈夫?
ラーメンマラソンから考えると、運動中の嘔吐では発汗も考慮する必要があります。
走ることで大量に汗をかいていれば、体から水分と電解質が失われています。
そこへ嘔吐が加われば、さらに水分や電解質を失う可能性があります。
そのため、「普段お茶を飲んでいるから、運動中に吐いてもお茶だけ飲めばいい」と一律には考えられません。
運動時間、発汗量、気温、嘔吐の回数、全身状態などを合わせて考える必要があります。
ラーメンのあとに緑茶を飲めば胃がすっきりする?
ラーメンなど脂質を含む食事のあとに、お茶を飲むと口の中がさっぱりすると感じる人はいるでしょう。
しかし、「緑茶を飲めば胃の中の脂を流してくれる」というわけではありません。
食事に含まれる脂質は消化・吸収されるものであり、お茶で洗い流せるものではありません。
特に吐き気がある状態では、「脂っこいものを食べたから濃いお茶を飲んでリセットしよう」と無理に飲む必要はありません。
吐いたあとに甘いお茶は?
市販のお茶飲料の中には、砂糖などを加えた甘いものもあります。
甘いお茶を少量飲むことが直ちに問題になるとは限りませんが、吐いた直後には甘さが強く感じられ、気持ち悪くなる人もいます。
また、「糖分が入っている=経口補水液と同じ」ではありません。
経口補水液では、ナトリウムとブドウ糖などのバランスが目的に合わせて調整されています。
子どもが吐いたあとにお茶を飲ませてもいい?
子どもの場合も、吐き気が落ち着いていて安全に飲める状態なら、飲み慣れたカフェインを含まないお茶などを水分補給に利用できる場合があります。
ただし、嘔吐を繰り返して脱水が心配な場合には、日常的なお茶と経口補水液を同じものとして扱わないことが重要です。
また、子どもはのどが渇いていると一気に飲みたがることがあります。
大量に飲ませるのではなく、吐き気の状態を確認しながら少量ずつ補給しましょう。
水分がとれているかは「飲んだ量」だけで見ない
嘔吐後は、「お茶を500mL飲んだから大丈夫」と飲んだ量だけで判断しないようにしましょう。
飲んだあとに再び吐いていないか、尿が出ているか、全身状態はどうかなども重要です。
例えば、
- 何度も吐いている
- 水分を飲んでも保てない
- 尿の回数や量が極端に減っている
- 口の中が強く乾いている
- 強いだるさやふらつきがある
- ぐったりしている
といった場合には脱水に注意が必要です。
暑い日の嘔吐では熱中症にも注意
暑い環境で運動している最中や直後に吐いた場合には、飲み物選びだけに気を取られないようにしましょう。
吐き気や嘔吐は熱中症でもみられる症状です。
頭痛、めまい、ふらつき、強いだるさ、筋肉のけいれん、意識状態の変化などがある場合には、運動を中止して涼しい場所へ移動します。
衣服を緩め、可能な範囲で体を冷やしましょう。
意識がおかしい場合はお茶も水も飲ませない
「脱水かもしれないから何か飲ませなければ」と思っても、意識状態がおかしい場合には無理に飲ませてはいけません。
うまく飲み込めない状態では、誤嚥する危険があります。
呼びかけへの反応がおかしい、意識がもうろうとしている、自力で水分を飲めないなどの場合には、速やかな救急要請を検討してください。
吐いたあとにお茶を飲むときのポイント
- 吐き気が落ち着いてから少量ずつ飲む
- 一気飲みを避ける
- 飲み慣れたものを選ぶ
- カフェインの有無も確認する
- 濃すぎるものを無理に飲まない
- 嘔吐を繰り返す場合は脱水に注意する
- お茶と経口補水液は別のものと考える
- 水分を保てない場合は医療機関への相談を考える
ラーメンマラソンから考える「飲みやすさ」と「目的」の違い
ラーメンマラソンから考えると、ラーメンを食べたあとは口の中をさっぱりさせるため、お茶を飲みたいと感じることもあるでしょう。
しかし、通常の食後のお茶と、運動中に嘔吐したあとの水分補給は目的が異なります。
特に大量に汗をかき、さらに嘔吐した場合には、水分だけでなく電解質も失っている可能性があります。
「飲みやすいからお茶」だけで決めるのではなく、日常の水分補給なのか、脱水への対応なのかを考えて飲み物を選ぶことが大切です。
まとめ
吐いたあとでも、吐き気が落ち着いて自分で安全に飲める状態なら、お茶を水分補給の選択肢にできる場合があります。
緑茶や紅茶、ウーロン茶などにはカフェインが含まれます。一方、麦茶は一般的にカフェインを含みません。
ただし、麦茶を含めた通常のお茶と、脱水時の水分・電解質補給を目的とした経口補水液は別のものです。
ラーメンマラソンから考えると、運動中の嘔吐では発汗による水分・電解質の喪失も重なる可能性があるため、「いつものお茶を飲めば大丈夫」と決めつけないことが重要です。
どの飲み物を選ぶ場合でも、吐いた直後の一気飲みは避け、飲める状態なら少量ずつ補給しましょう。
次の記事では、「吐いたあとに水分がとれないときはどうする?」という疑問に注目し、医療機関への相談を考えたいサインについて詳しく解説します。

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