吐いたあと、体調が少し戻ってくると「何かしっかり食べたい」と感じることがあります。
そこでラーメン好きな人なら、「もうラーメンを食べても大丈夫?」と気になるかもしれません。
ラーメンは炭水化物やたんぱく質をとれる一方、種類によっては脂質や塩分が多く、スープまで含めると一食のボリュームも大きくなります。
ラーメンマラソンから考える今回は、吐いたあとにラーメンを食べてもよいのか、回復期の食事として考えるポイントを栄養士目線で解説します。
- 吐いた直後にラーメンを食べるのはおすすめ?
- ラーメンは胃に重い?
- 脂質が多いとどうして重く感じるの?
- 塩分が多いから回復食に向いている?
- ラーメンのスープを全部飲んだほうがいい?
- あっさり系なら食べやすい?
- 麺だけ食べるのはあり?
- チャーシューはどうする?
- 煮卵は食べてもいい?
- 野菜たっぷりラーメンなら回復食になる?
- 辛いラーメンは回復してから
- にんにくたっぷりはどう?
- 大盛り・替え玉は避けよう
- 吐いたあと何を食べられたらラーメンに進める?
- ラーメンよりうどんのほうがいい?
- カップラーメンは?
- インスタントラーメンなら麺を少なくできる
- 食べたあとにまた吐き気が出たら?
- 吐いた分をラーメンで取り戻さなくていい
- 運動後ならラーメンでエネルギー補給できる?
- ラーメンマラソンでは「食べて走る」が特殊
- 「ラーメンを食べたから吐いた」とは限らない
- 子どもが吐いたあとラーメンを欲しがったら?
- 高齢者の場合は食形態にも注意
- ラーメンを食べるならこんな工夫も
- 受診を優先したい状態
- ラーメンマラソンから考える「好きなものに戻すのも段階的に」
- まとめ
吐いた直後にラーメンを食べるのはおすすめ?
吐いた直後でまだ吐き気や胃の不快感が残っている場合には、ラーメンを急いで食べる必要はありません。
まずは体を休ませ、少量の水分を問題なくとれるか確認することが優先です。
水分を飲んでも吐いてしまう状態なら、ラーメンを食べられる段階とはいえません。
吐き気が落ち着き、水分を保てるようになってから、少量の食事を試していきましょう。
ラーメンは胃に重い?
ラーメンが胃に重いかどうかは、種類や量によって大きく変わります。
例えば、
- 背脂が多い
- 豚骨など濃厚なスープ
- チャーシューが多い
- 油を多く使っている
- 麺量が多い
といったラーメンは、脂質や食事量が多くなりやすく、回復直後には重く感じることがあります。
一方で、比較的脂質が少なく、具材や麺量を抑えたラーメンなら食べやすい場合もあります。
脂質が多いとどうして重く感じるの?
脂質は胃の内容物が先へ送られる速度を遅くする方向に働くため、脂っこい食事は胃に長く残りやすい傾向があります。
そのため、吐いたあとにまだ胃の調子が戻っていないと、
- 胃もたれ
- 膨満感
- ムカムカ
- 吐き気
などを感じやすくなることがあります。
脂質自体が悪いわけではありませんが、回復直後は量を控えめにしたほうが食べやすいことがあります。
塩分が多いから回復食に向いている?
嘔吐すると水分や電解質を失うため、「ラーメンのスープは塩分が多いから回復にちょうどいいのでは?」と思う人もいるかもしれません。
しかし、ラーメンは脱水時の水分・電解質補給を目的として作られた食品ではありません。
塩分が多ければ多いほど回復に役立つということでもありません。
脱水が心配な場合には、水分補給と食事を分けて考えることが大切です。
ラーメンのスープを全部飲んだほうがいい?
回復期だからといって、ラーメンのスープを全部飲む必要はありません。
スープには塩分や脂質が多く含まれることがあり、全部飲むと摂取量が大きく増えることがあります。
また、吐いたあとで胃の容量に余裕がない状態では、麺や具材に加えて大量のスープを飲むことで胃が張ることもあります。
「水分補給のためにスープを飲み干す」という考え方は避けましょう。
あっさり系なら食べやすい?
回復してきた段階でラーメンを食べるなら、こってり系よりも脂質の少ないあっさりしたもののほうが食べやすい場合があります。
例えば、
- 油が少ない醤油ラーメン
- あっさりした塩ラーメン
- 具材を控えめにしたもの
- 麺量を少なめにしたもの
などです。
ただし、「塩ラーメンなら絶対胃に優しい」といった単純な分類はできません。
実際の油の量や具材、麺量なども確認しましょう。
麺だけ食べるのはあり?
どうしてもラーメンが食べたい場合、最初から麺もスープも具材もすべて完食する必要はありません。
麺を少量、スープを少なめ、具材も脂質の少ないものだけにするなど、全体量を減らす方法があります。
「一杯食べるか、まったく食べないか」ではなく、体調に合わせて量を調整しましょう。
チャーシューはどうする?
チャーシューはたんぱく質をとれる一方、部位や調理法によって脂質量が大きく異なります。
脂身の多いチャーシューを何枚も食べると、回復直後には重く感じることがあります。
食べるなら、脂身の少ないものを少量にするなど調整するとよいでしょう。
煮卵は食べてもいい?
卵はたんぱく質を含む食品です。
吐き気が落ち着いていて、普段から卵を問題なく食べている人なら、少量を食事に取り入れることはできます。
ただし、ラーメン全体のボリュームが大きい場合には、トッピングを増やしすぎないこともポイントです。
野菜たっぷりラーメンなら回復食になる?
野菜が多いこと自体は、普段の食事では栄養バランスを整えるうえでメリットがあります。
しかし、吐いた直後に大量の野菜をのせると、食物繊維や食事量が増え、胃腸に負担を感じる人もいます。
回復直後は、栄養バランスを一杯で完璧にしようとせず、食べられる量を優先しましょう。
辛いラーメンは回復してから
激辛ラーメンや担々麺など、唐辛子などの刺激が強い料理は、吐き気や胃の不快感が残っていると食べにくいことがあります。
また、担々麺などは脂質も多くなりやすい料理です。
体調が十分に戻ってから楽しむほうがよいでしょう。
にんにくたっぷりはどう?
にんにくを大量に使ったラーメンも、吐いた直後には刺激が強く感じられることがあります。
香りだけで吐き気が強くなる人もいます。
普段は好きでも、回復直後は控えめにするという選択肢があります。
大盛り・替え玉は避けよう
吐いたあとは「食べられるようになったから取り戻そう」と考えて大盛りにしたくなるかもしれません。
しかし、回復期に重要なのは一気に食事量を戻すことではありません。
大盛りや替え玉は胃に入る総量を増やします。
まずは少なめの量で問題なく食べられるか確認しましょう。
吐いたあと何を食べられたらラーメンに進める?
例えば、
- 水分を問題なくとれる
- 白いご飯やうどんなどを少量食べても気持ち悪くならない
- 吐き気がほぼない
- 胃もたれや強い腹痛がない
- 食欲が戻ってきている
などの状態であれば、徐々に普段の食事へ戻すことを考えられます。
その延長として、体調に合わせてラーメンを食べるという流れが自然です。
ラーメンよりうどんのほうがいい?
回復直後であれば、一般的には油の少ないうどんのほうが食事量や脂質を調整しやすい場合があります。
ただし、天ぷらうどんや肉うどんなどにすれば条件は変わります。
「ラーメンだからダメ、うどんなら絶対安全」というより、
- 脂質量
- 食事量
- 具材
- 調理法
を見ることが大切です。
カップラーメンは?
カップラーメンは手軽ですが、製品によって脂質や塩分が多くなります。
また、一食分として最初から量が決まっているため、回復直後に「少量だけ食べる」という調整がしにくい場合もあります。
吐いた直後の最初の食事として無理に選ぶ必要はありません。
インスタントラーメンなら麺を少なくできる
袋麺などを家庭で調理する場合には、麺量やスープの濃さ、具材を調整しやすいという特徴があります。
例えば半量程度にしたり、油の多い具材を避けたりする方法があります。
ただし、自己判断で極端に調味料を変える必要はなく、体調が十分に戻るまでは無理してラーメンを選ばなくてもよいでしょう。
食べたあとにまた吐き気が出たら?
ラーメンを食べ始めて気持ち悪くなった場合には、無理に完食する必要はありません。
食事を中止して休み、水分を問題なく保てるか確認します。
「もったいないから全部食べる」という判断より、体調を優先しましょう。
吐いた分をラーメンで取り戻さなくていい
嘔吐後に「カロリーを失ったから高カロリーなものを食べたほうがいい」と考える必要はありません。
一回の嘔吐だけで栄養状態が大きく崩れるとは限らず、回復後に普段の食生活へ戻していくことのほうが重要です。
高カロリーな食事を一度に詰め込むことが回復につながるわけではありません。
運動後ならラーメンでエネルギー補給できる?
ラーメンの麺には炭水化物が含まれているため、エネルギー補給にはなります。
チャーシューや卵などを組み合わせれば、たんぱく質もとれます。
通常の運動後にラーメンを食べること自体を一律に否定する必要はありません。
しかし、実際に嘔吐している場合には、通常の運動後の栄養補給とは分けて考える必要があります。
まず体調回復を優先しましょう。
ラーメンマラソンでは「食べて走る」が特殊
ラーメンマラソンから考えると、ラーメンそのものだけでなく、食事と運動のタイミングもポイントになります。
一般的には、しっかりした食事をとった直後に激しい運動をすると、胃に食べ物が残った状態で体を大きく動かすことになります。
そこへさらに次のラーメンを食べるとなれば、胃に入る総量も増えていきます。
実際の嘔吐原因を映像だけから特定することはできませんが、食事量や運動強度などが胃腸への負担になる可能性は考えられます。
「ラーメンを食べたから吐いた」とは限らない
運動中の嘔吐にはさまざまな要因が関係する可能性があります。
- 運動強度
- 食事量
- 脂質量
- 食後から運動までの時間
- 脱水
- 暑さ
- 睡眠や体調
などです。
そのため、番組内で起こったことについて「このラーメンが原因だった」と断定することはできません。
子どもが吐いたあとラーメンを欲しがったら?
子どもの場合も、吐き気が落ち着き、水分や軽い食事を問題なくとれるようになっていれば、徐々に通常の食事へ戻していきます。
ただし、「ラーメン食べたい!」と言ったからといって、最初から一人前を食べさせる必要はありません。
麺を少量取り分けたり、脂の多いスープやトッピングを控えたりする方法があります。
何度も吐く、水分を保てない、ぐったりしているなどの場合には、食事より医療機関への相談を優先してください。
高齢者の場合は食形態にも注意
高齢者が嘔吐後にラーメンを食べる場合には、胃腸への負担だけでなく、嚥下状態にも注意が必要です。
麺類はすすって食べることが多く、体調不良時には普段より食べにくくなることもあります。
普段から食形態を調整している人では、その人に合った形で食事を再開しましょう。
ラーメンを食べるならこんな工夫も
回復してきてラーメンを食べる場合には、次のような工夫があります。
- 麺を少なめにする
- 脂の少ないスープを選ぶ
- スープを飲み干さない
- 脂身の多いトッピングを控える
- 激辛など刺激の強いものを避ける
- 大盛り・替え玉を避ける
- 途中で気持ち悪くなったら無理に完食しない
受診を優先したい状態
次のような状態では、ラーメンを食べられるか考える段階ではありません。
- 何度も吐いている
- 水分を飲んでも吐く
- 水分がほとんどとれない
- 尿が極端に少ない
- 強い腹痛がある
- 血を吐いた
- 高熱や激しい頭痛がある
- ぐったりしている
- 症状が悪化している
意識がおかしい、自力で水分を飲めない、けいれんがあるなどの場合には、速やかな救急要請を検討してください。
ラーメンマラソンから考える「好きなものに戻すのも段階的に」
ラーメンマラソンから考えると、ラーメンは今回のテーマそのものですが、嘔吐後の回復食として最優先する必要はありません。
まず水分を保てるようになり、軽い食事を少量食べられるようになり、体調が戻ってきたら普段の食事へ近づけていきます。
その中でラーメンを食べたくなったなら、量や脂質、スープ、トッピングを調整する方法があります。
「ラーメンは絶対ダメ」でも「塩分があるから回復に最適」でもなく、回復段階に合わせて考えることが大切です。
まとめ
吐いた直後にラーメンを急いで食べる必要はありません。
まず吐き気が落ち着き、水分を問題なくとれることを確認し、軽い食事を少量食べられるようになってから普段の食事へ戻していきます。
ラーメンは種類によって脂質や塩分、食事量が多くなるため、回復直後には重く感じることがあります。
食べる場合には、あっさりしたものを選び、麺や具材を少なめにする、スープを飲み干さないなどの調整もできます。
ラーメンマラソンから考えると、重要なのはラーメンだけを悪者にすることではなく、食事量、脂質、水分量、食後から運動までの時間、運動強度をまとめて考えることです。
次の記事では、「吐いたあと食欲がないときは無理に食べなくてもいい?」という疑問に注目し、食欲が戻らないときの回復の考え方を詳しく解説します。


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