夏によく飲む麦茶。
コップに注ぐと、きれいな茶色をしています。
でも、麦茶の原料である大麦を見てみると、
最初から麦茶のような濃い茶色をしているわけではありません。
では、大麦はいつ茶色くなるのでしょうか?
その大きなポイントが焙煎(ばいせん)です。
麦茶は、大麦を高温で焙煎して作られています。
今回は、
- 焙煎前の大麦
- 焙煎された丸粒麦茶
- 麦茶パックの中身
- できあがった麦茶
を比べながら、
「麦茶はなぜ茶色いの?」
という疑問を調べてみましょう。
- この自由研究は何日かかる?
- まず予想してみよう
- 用意するもの
- 実験① 大麦と丸粒麦茶を並べてみよう
- 一番わかりやすいのは色
- 焙煎って何?
- 大麦を加熱すると何が起こる?
- メイラード反応って何?
- 麦茶の茶色はメイラード反応だけ?
- 香りにも注目してみよう
- 実験② 麦茶パックを開けてみよう
- 丸粒と麦茶パックの中身を比べよう
- 実験③ 丸粒と麦茶パックを同じ条件で抽出してみよう
- 結果を表にしよう
- 細かい麦の方が早く色が出る?
- 実験④ 抽出時間で色はどう変わる?
- 色を5段階で記録してみよう
- 温度を変えたらどうなる?
- 「焙煎」と「焦げ」は同じ?
- トーストの焼き色とも同じ?
- コーヒーも同じ「焙煎」?
- ほうじ茶も焙煎している?
- 自分で大麦を焙煎してもいい?
- 写真はどこを撮る?
- 何年生におすすめ?
- 自由研究のまとめ方
- 写真や比較表を印刷してまとめよう
- まとめ|大麦は焙煎によって茶色くなり、香ばしい麦茶になる
- よくある質問
この自由研究は何日かかる?
- おすすめ学年:小学1~6年生
- 実験期間:1日
- 実験時間:30分~1時間程度
- 結果が出るまで:当日
- 材料のそろえやすさ:★★★★★
- 見た目の変化:★★★★★
実際に大麦を自分で焙煎しなくても、
焙煎前の大麦と市販の丸粒麦茶を比較するだけ
で研究できます。
まず予想してみよう
大麦が麦茶になるまでに、何が変わると思いますか?
- 色だけ変わる?
- 香りも変わる?
- 大きさも変わる?
- 重さも変わる?
- 水に入れたときだけ茶色くなる?
実物を見る前に予想を書いておきましょう。
用意するもの
- 大麦や押し麦
- 丸粒タイプの麦茶
- 麦茶パック
- 白い皿または白い紙
- 透明なコップ
- 水
- お湯
- タイマー
- 記録用紙
- カメラやスマートフォン
丸粒の麦茶があると、
「麦が焙煎されるとどんな姿になるのか」
をそのまま観察できます。
今回使うためだけに大量の商品を用意する必要はありません。
実験後は普通の麦茶として飲めるものを選べば、夏の水分補給にも使い切りやすいでしょう。
実験① 大麦と丸粒麦茶を並べてみよう
まず、
- 焙煎前の大麦
- 焙煎済みの丸粒麦茶
を白い皿の上へ並べます。
比べるポイントは、
- 色
- 表面
- 大きさ
- 形
- 香り
です。
| 観察するもの | 焙煎前 | 焙煎後 |
|---|---|---|
| 色 | ||
| 表面 | ||
| 形 | ||
| 香り |
一番わかりやすいのは色
焙煎された麦は、焙煎前の大麦より茶色くなっています。
つまり、
麦茶の茶色は、水に入れた瞬間に突然作られるわけではありません。
水へ入れる前の麦そのものが、すでに焙煎によって褐色になっています。
そこから水やお湯へ色や香りの成分が抽出され、茶色い麦茶になります。
焙煎って何?
焙煎とは、食品を加熱して、
- 色
- 香り
- 風味
などを変化させる加工方法です。
麦茶だけではなく、
- コーヒー豆
- ほうじ茶
- ごま
- ナッツ
などでも焙煎が使われています。
大麦を加熱すると何が起こる?
大麦には、
- 糖質
- たんぱく質
- 水分
- そのほかさまざまな成分
が含まれています。
これらを高温で加熱すると、さまざまな化学変化が起こります。
その結果、
- 茶色くなる
- 香ばしい香りが生まれる
- 味や風味が変化する
といった変化が起こります。
メイラード反応って何?
食品を加熱したときに起こる代表的な反応のひとつがメイラード反応です。
食品に含まれる糖と、アミノ酸やたんぱく質などが反応することで、
- 褐色の物質
- さまざまな香りの成分
などが作られます。
麦茶の香ばしい香りにも、こうした焙煎中の反応によって生まれる成分が関係しています。
麦茶の茶色はメイラード反応だけ?
ここは少し上級者向けです。
食品が加熱によって茶色くなる仕組みは、ひとつだけではありません。
麦茶の焙煎でも、
- 糖とアミノ酸などが関わるメイラード反応
- 糖質側の加熱による褐変反応
など、複数の変化が関係すると考えられています。
そのため、
「麦茶が茶色いのは全部メイラード反応だから」
とひとつだけで説明するより、
「焙煎によって大麦の成分にさまざまな変化が起こり、茶色い色や香ばしい香りが生まれる」
とまとめるとよいでしょう。
香りにも注目してみよう
大麦と丸粒麦茶を別々の容器へ入れて、香りを比べてみます。
| 大麦 | 丸粒麦茶 | |
|---|---|---|
| 香りの強さ | ||
| 香ばしさ | ||
| どんな香り? |
「香ばしい」だけではなく、
- パンを焼いたような香り
- ナッツのような香り
- 焦げたような香り
など、自分が感じた言葉で記録してみましょう。
実験② 麦茶パックを開けてみよう
普段使っている麦茶パックの中身も観察してみましょう。
麦茶には、丸粒の焙煎麦をそのまま使ったものだけでなく、焙煎した麦を割ったり粉砕したりしてティーバッグに入れた商品もあります。
パックを1つ開けて白い皿へ出してみると、
- 粒の大きさ
- 粉の多さ
- 色
- 香り
を観察できます。
丸粒と麦茶パックの中身を比べよう
| 観察項目 | 丸粒麦茶 | 麦茶パック |
|---|---|---|
| 粒の形 | ||
| 粒の大きさ | ||
| 粉の量 | ||
| 色 | ||
| 香り |
同じ麦茶でも、商品の形が違うことがわかります。
実験③ 丸粒と麦茶パックを同じ条件で抽出してみよう
ここからさらに実験らしくできます。
同じ重さの、
- 丸粒麦茶
- 麦茶パックの中身
を用意します。
同じ量・同じ温度のお湯へ入れ、同じ時間だけ抽出します。
例えば、
- 1分後
- 3分後
- 5分後
- 10分後
に色を比べてみましょう。
結果を表にしよう
| 時間 | 丸粒 | 麦茶パック |
|---|---|---|
| 1分後 | ||
| 3分後 | ||
| 5分後 | ||
| 10分後 |
どちらが早く茶色くなったでしょうか。
細かい麦の方が早く色が出る?
同じ重さなら、細かく砕いた麦の方が水と触れる面積が大きくなります。
そのため、
丸粒と細かくなった麦では、成分が水へ出る速さに違いが出る可能性があります。
「ティーバッグの麦はなぜ細かくしてあるの?」
という新しい疑問にもつながります。
実験④ 抽出時間で色はどう変わる?
今度は同じ麦茶を使い、
- 1分
- 3分
- 5分
- 10分
と抽出時間だけを変えます。
透明なコップへ同じ量ずつ入れて、白い紙を背景にして写真を撮りましょう。
抽出時間が長いほど、麦茶の色はどう変化する?
を比較できます。
色を5段階で記録してみよう
- 1:ほとんど透明
- 2:薄い黄色
- 3:薄い茶色
- 4:茶色
- 5:濃い茶色
| 抽出時間 | 色の濃さ |
|---|---|
| 1分 | |
| 3分 | |
| 5分 | |
| 10分 |
温度を変えたらどうなる?
発展実験として、
- 冷たい水
- 常温の水
- お湯
で同じ時間だけ抽出してみる方法もあります。
どの条件が一番早く色や香りが出るでしょうか。
ただし、使用する麦茶が水出しに対応しているか商品表示を確認してから実験しましょう。
「焙煎」と「焦げ」は同じ?
ここも面白いポイントです。
焙煎は、ただ食品を真っ黒に焦がすことではありません。
加熱によって、
- 色
- 香り
- 味
を引き出す加工です。
しかし加熱を進めすぎれば、焦げた味や強い苦味が出てきます。
「どこまでが焙煎で、どこからが焦げ?」
という疑問は、それだけで別の自由研究になります。
トーストの焼き色とも同じ?
パンを焼くと、表面が茶色くなって香ばしい香りがします。
麦茶も焙煎すると茶色くなり、香ばしい香りが生まれます。
どちらも加熱による褐変反応が関係しています。
ただし食品に含まれる成分や加熱条件が違うため、まったく同じ色や香りになるわけではありません。
コーヒーも同じ「焙煎」?
コーヒーも、生豆を焙煎することで、
- 色
- 香り
- 味
が大きく変化します。
麦茶とは原料が違いますが、
加熱によって香ばしい色や香りを作り出す
という点では共通しています。
ほうじ茶も焙煎している?
ほうじ茶も茶葉を強く加熱して香ばしい風味を作ります。
ただし、
- 麦茶:主に大麦
- ほうじ茶:茶の葉や茎
と原料が違います。
麦茶には茶葉が入っていないのに「お茶」と呼ばれているのも面白いポイントです。
自分で大麦を焙煎してもいい?
発展実験として家庭で大麦を加熱し、色の変化を観察する方法も考えられます。
ただし、高温のフライパンやオーブンを使用し、焦げると煙が出ることもあります。
小学生だけでは行わず、必ず大人が加熱を担当してください。
安全面を優先するなら、
焙煎前の大麦と市販の焙煎済み丸粒麦茶を比較するだけでも十分
です。
写真はどこを撮る?
- 焙煎前の大麦
- 丸粒麦茶
- 2種類を横に並べたところ
- 麦茶パック
- パックを開けた中身
- 丸粒とパックの中身の比較
- 抽出直後
- 時間ごとの色の変化
- 完成した麦茶
特に、
「焙煎前 → 丸粒麦茶 → 麦茶パック → 飲む麦茶」
を一列に並べると、麦茶ができるまでの流れが伝わりやすくなります。
何年生におすすめ?
小学1~2年生
大麦と丸粒麦茶を並べて、
- 色
- 形
- 香り
の違いを写真や絵でまとめるだけでも十分です。
小学3~4年生
丸粒と麦茶パックを同じ条件で抽出し、時間ごとの色の違いを比較してみましょう。
小学5~6年生
メイラード反応など加熱による褐変について調べ、焙煎によって色と香りが生まれる仕組みまで考察すると本格的です。
自由研究のまとめ方
- 疑問:麦茶はなぜ茶色い?
- 予想:いつ麦が茶色くなるのか考える
- 観察:大麦と丸粒麦茶を比較する
- 観察:麦茶パックの中身を見る
- 実験:同じ条件で麦茶を抽出する
- 記録:時間ごとの色を比較する
- 調査:焙煎について調べる
- 調査:メイラード反応など加熱による変化を調べる
- 考察:なぜ焙煎すると色と香りが変わるのか考える
写真や比較表を印刷してまとめよう
今回の自由研究では、
- 焙煎前後の麦
- 丸粒とパックの中身
- 時間ごとの麦茶の色
- 比較表
など、写真にするとわかりやすい材料がたくさんあります。
写真や比較表を自宅で印刷する場合は、プリンターに対応する互換インクを比較してみるのもひとつの方法です。
▶ 自由研究の写真・比較表の印刷に使える互換インクをチェックする
まとめ|大麦は焙煎によって茶色くなり、香ばしい麦茶になる
麦茶の原料は大麦です。
大麦を高温で焙煎すると、大麦に含まれるさまざまな成分が変化します。
その結果、
- 麦が茶色くなる
- 香ばしい香りが生まれる
- 味や風味が変化する
といった変化が起こります。
そして焙煎した麦を水やお湯へ入れることで、色や香りの成分が抽出され、私たちが普段飲んでいる麦茶になります。
つまり、
麦茶の茶色は「水に入れたからできた色」ではなく、焙煎によって大麦に生まれた色や成分が水へ出てきたもの
なのです。
さらに調べてみると、焙煎中にはメイラード反応など複数の化学変化が起きています。
普段何気なく飲んでいる麦茶は、
「大麦+熱+水」から生まれる食品科学の実験
ともいえるでしょう。
よくある質問
麦茶は何からできていますか?
一般的な麦茶の主な原料は大麦です。焙煎した大麦を水やお湯で抽出して作ります。
麦茶はなぜ茶色いの?
大麦を焙煎すると、加熱によるさまざまな反応によって褐色の成分が生まれます。それらが水やお湯へ抽出されることで麦茶が茶色く見えます。
麦茶の香ばしい香りはどこから来る?
大麦を焙煎すると、メイラード反応などによってさまざまな香気成分が作られます。それらが麦茶らしい香ばしい香りに関係しています。
丸粒麦茶と麦茶パックは何が違う?
丸粒の焙煎麦をそのまま使う商品がある一方、焙煎した麦を割ったり粉砕したりしてティーバッグへ入れた商品もあります。
1日でできますか?
はい。市販の丸粒麦茶を使えば、自分で焙煎しなくても観察から抽出比較まで1日で行えます。

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