二百二十日(にひゃくはつか)は、立春から数えて220日目にあたる雑節です。
2026年の二百二十日は9月11日(金)です。
二百二十日は稲作との関係がよく知られていますが、秋の風雨を警戒したいのは田んぼだけではありません。
果物を育てている果樹園でも、台風や強風は気になる存在です。
特に収穫を控えた果物では、
「台風で実が落ちることはある?」
「木に残っていれば大丈夫?」
「少し傷がついただけでも商品にできなくなる?」
「台風が来る前に全部収穫したほうがいい?」
など、さまざまな疑問があります。
強風によって果実が木から落ちることを「落果(らっか)」といいます。
また、台風では落果だけでなく、果実同士や枝との接触による傷、枝折れなどが起こる可能性もあります。
今回は、二百二十日のころの台風や強風が果物にどのような影響を与えるのか、落果を中心にわかりやすく解説します。
落果とは?果物が収穫前に木から落ちること
落果とは、その名前のとおり果実が木から落ちることです。
果実が落ちる原因は強風だけとは限りませんが、台風などによる強い風は落果につながることがあります。
果樹の枝や果実が激しく揺さぶられることで、まだ収穫していない果実が落ちてしまうことがあるのです。
春から長い時間をかけて育て、いよいよ収穫という時期の果実が落ちてしまえば、農家にとって大きな被害になる可能性があります。
二百二十日のころは、秋に収穫期を迎える果物もあるため、強風への警戒は稲だけの問題ではありません。
秋にはどんな果物が収穫される?
秋はさまざまな果物が旬や収穫期を迎える季節です。
例えば地域や品種によって、
- 梨
- りんご
- ぶどう
- 柿
などが収穫されます。
ただし、それぞれの果物の収穫時期は全国一律ではありません。
同じ「りんご」「梨」といっても品種によって収穫時期が違い、産地の気候によっても時期は変わります。
そのため、
「二百二十日は秋だから、すべての果物が収穫直前」
というわけではありません。
一方で、二百二十日のころに収穫期を迎えている果物もあるため、台風の進路や風の予報が気になる季節といえるでしょう。
強風では木に残った果物も傷つくことがある
台風の後、果実が木から落ちなければ、
「落ちなかったから無事!」
と思うかもしれません。
しかし、強風による影響は落果だけではありません。
風で枝や果実が大きく揺れると、
- 果実同士がぶつかる
- 果実が枝や葉とこすれる
- 果実の表面に傷がつく
- 枝が折れる
- 葉が傷む
などの被害が起こる場合があります。
つまり、
「木に残った=まったく被害がない」とは限らない
のです。
見た目の傷も果物農家には大きな問題
果物は味だけでなく、外観も商品価値に関係します。
そのため強風によって表面に傷がつくと、中身を食べられる状態であっても、通常の商品と同じように販売することが難しくなる場合があります。
一方で、傷の程度や販売方法によっては、規格外品などとして販売・活用されることもあります。
そのため、
「少し傷がついたら全部廃棄される」
と決めつけることもできません。
台風による果樹被害は、収穫量だけでなく品質や商品としての扱いにも関係すると考えるとわかりやすいでしょう。
果実だけでなく枝や木そのものが被害を受けることも
非常に強い風では、果実だけでなく果樹そのものが被害を受けることがあります。
例えば、
- 枝が折れる
- 葉が傷む
- 木が大きく傾く
- 果樹を支える設備が損傷する
などです。
果樹は野菜のように毎年植え直すものばかりではありません。
長い期間育てながら果実を収穫していくため、木そのものへの大きな被害は、その年だけではなくその後の栽培にも影響する可能性があります。
果樹園の設備にも強風対策が必要
果樹園では、果物や栽培方法によって支柱、防風ネット、棚などさまざまな設備が使われています。
例えばぶどうなどでは、枝や果実を支えるために棚を利用する栽培方法があります。
台風などの強風では、果実や木だけでなく、こうした設備にも負荷がかかります。
そのため台風への備えでは、作物そのものだけではなく栽培設備も含めて考える必要があります。
大雨も果樹園へ影響することがある
台風で警戒したいのは強風だけではありません。
大雨によって畑や果樹園の状態が変化することもあります。
雨の量や土地の条件などによっては排水が追いつかなくなったり、斜面では土砂災害への警戒が必要になったりする場合があります。
さらに台風では、
強風による落果や枝折れと、大雨による影響が同時に発生する可能性
があります。
二百二十日のころの農業被害を考えるときは、「風だけ」「雨だけ」と分けすぎず、実際の気象状況を見ることが大切です。
海に近い果樹園では潮風害も
海に近い地域などでは、台風の強風によって塩分を含んだ風が運ばれ、農作物が影響を受けることがあります。
これを潮風害といいます。
果樹でも、葉や果実などが潮風の影響を受ける場合があります。
もちろん、すべての台風やすべての果樹園で潮風害が発生するわけではありません。
海からの距離や風向き、台風の進路などによって状況は異なります。
台風前に果物を全部収穫すればいい?
収穫直前の果物がたくさん実っているところへ台風が近づいていると、
「落ちる前に全部収穫すればいいのでは?」
と思いますよね。
収穫できる状態の果実について、気象状況を踏まえて収穫計画を調整する場合はあります。
しかし果物にも、それぞれ適した収穫時期があります。
まだ十分に成熟していない果実まで、台風が来るという理由だけで一律に早く収穫すればよいとは限りません。
果実の成熟状態、品種、販売計画、台風の予報などを踏まえた判断が必要になります。
そして何より、風雨が強くなってから収穫作業をするのは危険です。
台風で落ちた果物は食べられる?
台風の後に果樹園でたくさんの果物が落ちている映像を見ると、
「見た目はきれいなのに、食べられないの?」
と思うこともあるでしょう。
しかし、落下した果実の状態は一つひとつ異なります。
落下によって傷んでいるものもあれば、地面との接触や衛生面などを考慮する必要があるものもあります。
販売できるか、加工用などに利用できるかといった判断も、果実の状態や生産・流通上の基準などによって異なります。
そのため、
「落ちた果物=全部食べられない」「見た目が平気=必ず販売できる」
のどちらとも一概にはいえません。
台風で果物の値段は上がる?
台風で梨やりんごなどが落果したニュースを見ると、
「スーパーの果物も高くなる?」
と気になるかもしれません。
大きな産地で広い範囲の被害が発生すれば、出荷量などへ影響する可能性があります。
しかし果物の価格には、
- 被害を受けた産地や面積
- その年の収穫量
- 品種
- 出荷時期
- 需要と供給
- 流通状況
など、さまざまな要因が関係します。
そのため、
「二百二十日に台風が来た=果物が必ず値上がりする」
とは限りません。
台風の最中に果樹園を見に行かない
収穫直前の果物が実っていれば、台風のときに果樹園の状態が心配になるでしょう。
しかし、風や雨が強くなってから果樹園へ確認に行くのは危険です。
強風時には枝が折れたり、物が飛んできたりする可能性があります。
また、大雨によって道路が冠水したり、河川や水路が増水したりすることもあります。
農作物より人の安全が最優先です。
必要な対策は台風が接近する前の安全な段階で行い、荒天時には無理に屋外へ出ないようにしましょう。
二百二十日は果物が落ちる日ではない
二百二十日は昔から秋の風雨を警戒する時期として知られていますが、
「9月11日になると強風が吹いて果物が落ちる」
という意味ではありません。
二百二十日は天気を予測する日ではなく、季節の移り変わりを暮らしや農業と結びつけてきた雑節です。
現代では、
- 台風の進路
- 風の予報
- 雨の予報
- 警報・注意報
など、最新の気象情報を確認することが重要です。
二百二十日の台風と果物についてよくある質問
台風で果物が落ちることはある?
あります。強風によって収穫前の果実が落ちる「落果」が起こることがあります。ただし、影響は果樹の種類や果実の状態、風の強さなどによって異なります。
木から落ちなければ果物は無事?
必ずしもそうとは限りません。強風で果実同士や枝などとこすれ、表面に傷がつく場合があります。
台風前に果物を全部収穫したほうがいい?
収穫可能な果実について収穫計画を調整する場合はありますが、未熟な果実まで一律に早く収穫すればよいとは限りません。
落果した果物は全部捨てるの?
一概にはいえません。果実の状態などによって、通常販売が難しいものや別の形で活用できるものなど状況は異なります。
二百二十日は必ず台風が来る?
いいえ。二百二十日は台風が必ず来る日ではありません。実際の台風情報は最新の気象情報で確認しましょう。
2026年の二百二十日はいつ?
2026年は9月11日(金)です。
まとめ|二百二十日の強風は収穫前の果物にも影響することがある
2026年の二百二十日は9月11日(金)です。
二百二十日は稲作との関係が有名ですが、秋の風雨による影響を受ける可能性があるのは稲だけではありません。
果樹園でも強風によって、
- 収穫前の果実が落果する
- 果実に傷がつく
- 枝や葉が傷む
- 果樹そのものが影響を受ける
- 棚や支柱などの設備が損傷する
といった被害が起こる場合があります。
さらに台風では大雨や、地域によっては潮風害などにも注意が必要です。
春から大切に育ててきた果物が収穫を迎える季節だからこそ、秋の強風は果樹農家にとっても警戒したい存在です。
二百二十日をきっかけに田んぼだけでなく、秋の野菜や果物と天候との関係にも目を向けてみてはいかがでしょうか。

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