防災用の食品を備えようと思っても、
「非常食を何年も置いておくと賞味期限を忘れそう」
「家族1週間分なんて、そんなに収納できない」
「防災専用の食品を大量に買うとお金もかかる」
と感じる人もいるのではないでしょうか。
そんな家庭で取り入れやすいのがローリングストックです。
ローリングストックとは、普段食べている食品を少し多めに買っておき、古いものから食べ、食べた分を買い足して備蓄を保つ方法です。
農林水産省でも、日常の食品を活用して家庭備蓄を続ける方法としてローリングストックを紹介しています。
この記事では、ローリングストックとはどのような備蓄方法なのか、具体的なやり方や向いている食品、続けるためのコツを紹介します。
- ローリングストックとは?
- 非常食とローリングストックは何が違う?
- ローリングストックのメリット
- ローリングストックは何日分必要?
- ローリングストックに向いている食品
- 冷蔵庫や冷凍庫の食品もローリングストックになる?
- 「食べる順番」を決めておくと分かりやすい
- 「1つ食べたら1つ買う」だけでも始められる
- ローリングストックで賞味期限を管理する方法
- 収納場所を「防災用品だけ」に限定しない
- 食品を1か所に集中させすぎない方法も
- ローリングストックでも「そのまま食べられるもの」は必要
- カセットコンロも一緒に備えよう
- 子どもがいる家庭こそローリングストックが使いやすい
- 赤ちゃんがいる家庭は成長に合わせて回そう
- 高齢者がいる家庭は「食べやすい食品」を回す
- 食物アレルギーがある家庭にもローリングストックは重要
- ペットフードもローリングストックできる
- ローリングストックでありがちな失敗
- まず「いつもの食品を1個多く」から始めよう
- 防災の日にローリングストックを点検しよう
- ローリングストックチェックリスト
- まとめ|ローリングストックなら「食べながら防災」ができる
ローリングストックとは?
ローリングストックを簡単に表すと、
- 普段食べる食品を少し多めに買う
- 賞味期限などを確認しながら古いものから食べる
- 食べた分だけ新しく買い足す
という方法です。
この流れを繰り返すことで、家庭には常に一定量の食品が残る状態を作ります。
つまり、
「防災用の食べ物をしまい込む」のではなく、「日常の食品を食べながら備える」
という考え方です。
非常食とローリングストックは何が違う?
一般的な非常食には、
- 長期保存水
- アルファ化米
- 乾パン
- 長期保存パン
- 防災用のレトルト食品
などがあります。
長期間保存できる商品が多く、防災用品として準備しやすいのが特徴です。
一方、ローリングストックでは、防災専用品だけでなく普段食べている食品も備蓄として利用します。
例えば、
- パックご飯
- 缶詰
- レトルトカレー
- 即席麺
- 乾麺
- シリアル
- お菓子
なども、保存期間や調理方法を確認すれば家庭備蓄として活用できます。
非常食とローリングストックのどちらか一方にする必要はなく、両方を組み合わせても構いません。
ローリングストックのメリット
ローリングストックには、いくつかのメリットがあります。
普段の買い物の延長でできる
特別な防災食品を大量に購入する必要はありません。
いつもの買い物で、
「いつも2個買うところを3個にしておこう」
と少し増やすだけでも始められます。
賞味期限切れを防ぎやすい
長期保存食品を何年もしまったままにすると、気づいた時には賞味期限が過ぎていたということもあります。
ローリングストックなら普段から食べるため、食品が家庭の中で定期的に入れ替わります。
食べ慣れたものを備えられる
災害時に突然、
「初めて食べる非常食しかない」
という状況になることを避けやすいのもメリットです。
普段から食べている食品なら、味や食感が分かっています。
特に子どもや食の好みがある人にとって、食べ慣れたものを備えられることは大きなポイントです。
一度に大量購入しなくていい
家族全員分の食品を一度に1週間分購入すると、かなりの費用になります。
ローリングストックなら、毎回の買い物で少しずつ増やしていくことができます。
ローリングストックは何日分必要?
農林水産省では、災害に備えた家庭の食品備蓄として、最低3日分から1週間分程度を人数分備えることが望ましいとしています。
地域の状況によっては、さらに多めの備蓄を検討することも大切です。
いきなり1週間分をそろえるのが難しい家庭なら、
- まず1日分
- 次に3日分
- その後1週間分へ
と増やしていってもよいでしょう。
ローリングストックに向いている食品
ローリングストックには、普段から食べていて比較的保存しやすい食品が向いています。
主食になるもの
- 米
- パックご飯
- 乾麺
- 即席麺
- シリアル
- クラッカー
- 保存しやすいパン類
主菜になるもの
- 魚の缶詰
- 肉の缶詰
- 豆の缶詰
- レトルト食品
- 常温保存できるおかず
副菜や補助になるもの
- 野菜の缶詰
- 乾物
- 海藻類
- フリーズドライ食品
- 果物の缶詰
- ドライフルーツ
お菓子・嗜好品
- ビスケット
- せんべい
- チョコレート
- ようかん
- 飴
農林水産省の食品ストックガイドでも、缶詰やレトルト食品、乾麺、果物加工品、菓子類など幅広い食品が家庭備蓄の候補として紹介されています。
冷蔵庫や冷凍庫の食品もローリングストックになる?
ローリングストックは常温食品だけに限りません。
普段使う冷凍食品などを少し多めに保管し、食べた分を買い足す方法もできます。
ただし、停電すると冷蔵庫や冷凍庫は徐々に温度が上がります。
そのため、防災用の食品をすべて冷蔵・冷凍品にしてしまうのではなく、電気がなくても保存できる常温食品も組み合わせることが大切です。
「食べる順番」を決めておくと分かりやすい
ローリングストックで起こりやすいのが、
「新しく買ったものから食べてしまい、古い食品がずっと奥に残る」
という状態です。
収納する時は、
古いものを手前、新しいものを奥
に置くと使いやすくなります。
スーパーの商品棚のように、前から使って後ろへ補充するイメージです。
「1つ食べたら1つ買う」だけでも始められる
難しい在庫管理表を作らなくても構いません。
例えば缶詰を5個備えておくと決めたら、
1個食べる → 次の買い物で1個買う
というルールにします。
これだけでも、在庫を一定量に保ちやすくなります。
ローリングストックで賞味期限を管理する方法
ローリングストックは賞味期限切れを防ぎやすい方法ですが、何もしなくても管理できるわけではありません。
定期的に、
- 賞味期限
- 在庫数
- 食品の状態
を確認しましょう。
防災の日を点検日にして、食品棚を一度全部確認する方法もおすすめです。
収納場所を「防災用品だけ」に限定しない
1週間分の食品を一つの防災収納へ入れようとすると、かなりのスペースが必要です。
ローリングストックなら、
- キッチン収納
- パントリー
- 食品棚
- 日常的に使う収納場所
などをそのまま備蓄場所にできます。
普段使う場所に置いておけば、食べ忘れも防ぎやすくなります。
食品を1か所に集中させすぎない方法も
災害によって家具が倒れたり、物が散乱したりすると、収納場所へ近づけなくなる可能性があります。
家庭のスペースが許すなら、備蓄をいくつかの場所に分けておく方法もあります。
ただし、食品ごとの保存条件を守り、高温多湿や直射日光を避けるなど適切に保管しましょう。
ローリングストックでも「そのまま食べられるもの」は必要
パスタや乾麺、米などは保存しやすい食品ですが、調理には水や熱源が必要です。
災害直後には、
- 停電
- 断水
- ガス停止
などによって調理が難しくなる可能性があります。
そのため、
- 缶詰
- そのまま食べられる食品
- 加熱しなくても食べられるレトルト食品
- お菓子
なども組み合わせておきましょう。
カセットコンロも一緒に備えよう
ローリングストックしている食品の中には、加熱することで食べやすくなるものもあります。
停電やガス停止に備え、家庭の状況に応じてカセットコンロなどの熱源も検討しましょう。
カセットボンベも必要になるため、食品だけでなく調理に必要な用品までセットで確認します。
使用する際は製品の取扱説明書を守り、換気や火災にも十分注意してください。
子どもがいる家庭こそローリングストックが使いやすい
子ども用の非常食を考える時、
「長期保存できる食品なら何でもいい」
とは限りません。
災害時は環境が大きく変わり、いつも以上に食べ慣れないものを嫌がる可能性もあります。
ローリングストックなら、
- 普段食べているレトルト食品
- 好きな缶詰
- シリアル
- クラッカー
- 食べ慣れたお菓子
などをそのまま備蓄にできます。
「非常食に子どもを合わせる」のではなく、「子どもが食べられる食品を非常食にする」
という考え方です。
赤ちゃんがいる家庭は成長に合わせて回そう
赤ちゃんがいる家庭では、
- ミルク
- ベビーフード
- 赤ちゃん用のおやつ
なども、普段使用しているものを少し多めに備えておく方法があります。
ただし乳児期は、数か月でもミルク量や離乳食の段階が変化します。
一般的な食品以上にこまめに内容を確認し、今の月齢に合ったものへ入れ替えましょう。
高齢者がいる家庭は「食べやすい食品」を回す
高齢者がいる家庭では、
- かたさ
- 飲み込みやすさ
- 味付け
- 普段の食事内容
も考えて備蓄します。
普段から食べているやわらかいレトルト食品などを少し多めに置いておけば、災害時にも活用しやすくなります。
食べる機能に問題がある場合や医療上の食事指示がある場合は、その人に適した食品を優先してください。
食物アレルギーがある家庭にもローリングストックは重要
食物アレルギーがある人の場合、災害時に安全な食品をすぐ購入できるとは限りません。
普段安全に食べている食品を多めに備えて使いながら補充すれば、アレルギー対応食品も家庭内に一定量確保しやすくなります。
商品リニューアルなどで原材料が変更される可能性もあるため、購入時には表示を毎回確認しましょう。
ペットフードもローリングストックできる
犬や猫のフードについても同じ考え方ができます。
普段食べているフードを少し多めに購入して、古いものから使用し、使った分を補充します。
特に療法食や決まったフードしか食べないペットの場合、災害時に同じ商品が手に入らない可能性もあります。
ペットの分も家族の備蓄と一緒に確認しておきましょう。
ローリングストックでありがちな失敗
買っただけで満足する
ローリングストックは「買い置き」だけではありません。
食べて、買い足して、在庫を回すところまでがセットです。
家族が食べないものを大量に買う
安売りしていたからと、普段食べない缶詰を大量購入しても、なかなか消費できません。
結果として賞味期限切れにつながることがあります。
基本は普段から食べるものを選びましょう。
主食ばかりになる
パックご飯や麺類だけ大量にあっても、おかずが不足してしまいます。
主食・主菜・副菜になる食品などを組み合わせて考えましょう。
全部加熱が必要
食品は豊富でも、停電や断水で調理できない可能性があります。
災害直後でも食べられる食品を混ぜておくことが重要です。
まず「いつもの食品を1個多く」から始めよう
ローリングストックを始めるために、専用の収納棚を作ったり、一度に何万円も買い物をしたりする必要はありません。
例えば、
- ツナ缶を1個多く買う
- レトルトカレーを2袋追加する
- パックご飯を1セット増やす
- 水を1箱増やす
ところからでも始められます。
少しずつ在庫を増やし、最終的に家族に必要な量を確保していきましょう。
防災の日にローリングストックを点検しよう
9月1日の防災の日には、食品棚を一度確認してみましょう。
- 賞味期限が近いものはない?
- 主食だけ多くない?
- そのまま食べられるものはある?
- 水は足りている?
- 家族が食べられるものになっている?
- 人数分ある?
賞味期限が近い食品があれば、その日の献立に使って新しいものを買い足せば、それだけでもローリングストックになります。
ローリングストックチェックリスト
- □ 普段食べる食品を少し多めに買っている
- □ 古い食品から使っている
- □ 食べた分を買い足している
- □ 最低3日分を目標に備えている
- □ できれば1週間分程度を目指している
- □ 主食だけに偏っていない
- □ そのまま食べられる食品もある
- □ 水も備えている
- □ 家族が実際に食べられる食品を選んでいる
- □ 子ども・高齢者など家族に合わせている
- □ 食物アレルギーなどに対応している
- □ ペットがいる場合はペットフードも確認した
- □ 賞味期限を定期的に確認している
まとめ|ローリングストックなら「食べながら防災」ができる
ローリングストックとは、
- いつもの食品を少し多めに買う
- 古いものから食べる
- 食べた分を買い足す
ことで、家庭の食品備蓄を一定量に保つ方法です。
特別な非常食だけを何年もしまっておく必要はありません。
普段食べている缶詰やレトルト食品、パックご飯なども立派な備蓄になります。
そして何より、
「非常時にも家族が実際に食べられるものを備えられる」
のがローリングストックの大きなメリットです。
まだ備蓄をしていない家庭なら、今日の買い物でいつもの食品を一つ多く買うところから始めてみてはいかがでしょうか。

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