手羽先や手羽元、豚のスペアリブなどを煮たあと、鍋を冷蔵庫へ入れておいたら、
次の日、煮汁がゼリーのようにプルプルに固まっていた!
そんなことはありませんか?
温かいときには普通の液体だったのに、冷えると固まる。
しかも、もう一度温めるとまた液体に戻ります。
いったい何が起こっているのでしょうか。
この変化には、肉や皮、軟骨、骨の周りなどに含まれるコラーゲンと、そこから生まれるゼラチンが関係しています。
今回は、
- 骨付き肉
- 骨なし肉
をできるだけ同じ条件で煮て、冷やしたあとの煮汁を比較してみましょう。
- この自由研究は何日かかる?
- まず予想してみよう
- 煮汁が固まる正体はゼラチン
- 「骨からゼラチンが出る」でいいの?
- 煮こごりって何?
- 自由研究|骨付き肉と骨なし肉を比べよう
- どんな肉を比べる?
- 材料の重さをそろえよう
- 水の量も同じにする
- 今回変えるもの・そろえるもの
- 実験方法
- 加熱中も観察してみよう
- 加熱後の煮汁量を測ろう
- 冷やす前は液体なの?
- 翌朝、まず容器を傾けてみよう
- 固まり方を5段階で評価しよう
- スプーンですくって比較しよう
- 表面の白いかたまりはゼラチン?
- 骨付き肉の煮汁がよく固まったら?
- 骨なし肉でも固まったら?
- 両方固まらなかったら失敗?
- 追加実験① 加熱時間を変えてみよう
- 追加実験② 水の量を変えてみよう
- 追加実験③ 手羽先・手羽元・むね肉を比べる
- 追加実験④ 鶏肉と豚肉では?
- 追加実験⑤ 魚の煮汁でも固まる?
- 市販のゼラチンと比べてみよう
- 煮こごりを温めたらどうなる?
- 寒天との違いは?
- 脂肪・ゼラチン・水を分けて考える
- グラフにするなら?
- 写真はどこを撮る?
- 実験した肉や煮汁は食べてもいい?
- 何年生におすすめ?
- 自由研究のまとめ方
- 写真や比較表を印刷してまとめよう
- まとめ|冷えた煮汁のプルプルは、肉から溶け出したゼラチン
- よくある質問
この自由研究は何日かかる?
- おすすめ学年:小学3~6年生
- おすすめ期間:2日
- 1日目:肉を煮て煮汁を作る
- 2日目:冷えた煮汁を比較する
- 材料のそろえやすさ:★★★★★
- 変化のわかりやすさ:★★★★★
煮汁を十分に冷やす必要があるため、1日目の夕方に実験して、翌朝観察する方法がおすすめです。
まず予想してみよう
実験する前に、どちらの煮汁が固まりやすいと思うか予想してみましょう。
| 条件 | 予想 | そう思った理由 |
|---|---|---|
| 骨付き肉 | ||
| 骨なし肉 |
例えば、
「骨の近くは煮るとプルプルするから、骨付き肉の方が固まりそう」
という予想でもOKです。
煮汁が固まる正体はゼラチン
肉や魚の皮、腱、軟骨、骨の周囲などには、コラーゲンというたんぱく質が含まれています。
コラーゲンは、そのままでは水に溶けにくい構造をしています。
しかし、水分と一緒に加熱を続けると構造がほどけ、ゼラチンとして煮汁へ溶け出しやすくなります。
その煮汁を冷やすと、ゼラチンが水分を抱え込むような網目構造を作り、
煮汁全体がプルプルしたゲル状になる
ことがあります。
「骨からゼラチンが出る」でいいの?
家庭料理では「骨からゼラチンが出た」と表現されることがあります。
ただし、実際の骨付き肉には骨だけでなく、
- 皮
- 腱
- 軟骨
- 骨膜
- 骨の周囲の結合組織
なども一緒についています。
これらにもコラーゲンが含まれています。
そのため自由研究では、
「骨そのものだけが原因」と断定せず、骨付き部分に多い結合組織などからゼラチンが溶け出した可能性がある
と考えるとより正確です。
煮こごりって何?
魚や肉を煮た煮汁を冷やし、ゼラチンの力で固めた料理を煮こごりと呼びます。
つまり、
「夕食の煮物の汁が翌朝ゼリーになっていた」
という現象そのものが、昔から料理に利用されてきたのです。
自由研究|骨付き肉と骨なし肉を比べよう
用意するもの
- 骨付きの鶏肉(手羽先・手羽元など)
- 骨なしの鶏肉
- 水
- 小鍋2つ
- キッチンスケール
- 計量カップ
- 耐熱容器2個
- キッチンタイマー
- 冷蔵庫
- スプーン
- 記録用紙
- カメラやスマートフォン
包丁・コンロ・熱い鍋を使うため、必ず大人と一緒に実験してください。
どんな肉を比べる?
例えば、
| 条件 | 材料 |
|---|---|
| A | 手羽元などの骨付き肉 |
| B | 皮をできるだけ除いた鶏むね肉など |
とします。
完全に「骨の有無だけ」を変えることは家庭では難しいため、
使った肉の部位や、皮・軟骨がついていたかも記録
しておきましょう。
材料の重さをそろえよう
例えば、
- 骨付き肉100g
- 骨なし肉100g
にそろえます。
骨付き肉の場合は骨の重さも含まれるため、完全に公平な比較ではありません。
そこも、
「骨付き肉100gの中には食べられる肉以外の部分も含まれていた」
と考察に書けます。
水の量も同じにする
例えばそれぞれに、
水300ml
を加えます。
骨付き肉だけ水500ml、骨なし肉は200mlでは、ゼラチンの濃度が変わってしまいます。
今回調べたいのは材料による違いなので、スタート時の水量をそろえましょう。
今回変えるもの・そろえるもの
| 項目 | どうする? |
|---|---|
| 肉の種類 | 変える |
| 材料の重さ | できるだけそろえる |
| 水の量 | そろえる |
| 鍋 | 同じくらいの大きさを使う |
| 火加減 | そろえる |
| 加熱時間 | そろえる |
| 冷却時間 | そろえる |
実験方法
- 骨付き肉と骨なし肉の重さを量ります。
- それぞれ鍋へ入れます。
- 同じ量の水を加えます。
- 同じくらいの火加減で加熱します。
- タイマーで加熱時間をそろえます。
- 煮ている途中の状態を観察します。
- 加熱終了後、煮汁をそれぞれ容器へ移します。
- 加熱後に残った煮汁の量を測ります。
- 粗熱を取ります。
- 冷蔵庫で一晩冷やします。
- 翌日、固まり方を比較します。
加熱中も観察してみよう
鍋の中では、
- 煮汁の色
- 脂の浮き方
- 肉のやわらかさ
- 煮汁のとろみ
などを観察します。
| 項目 | 骨付き肉 | 骨なし肉 |
|---|---|---|
| 煮汁の色 | ||
| 表面の脂 | ||
| とろみ | ||
| その他 |
加熱後の煮汁量を測ろう
同じ300mlの水からスタートしても、煮ている途中で水は蒸発します。
もし一方だけ煮汁が大きく減っていた場合、
ゼラチンが多いから固まっただけではなく、水分が減って濃くなった可能性
もあります。
| 条件 | 開始時の水 | 加熱後の煮汁 |
|---|---|---|
| 骨付き肉 | 300ml | |
| 骨なし肉 | 300ml |
冷やす前は液体なの?
ゼラチンを含んだ煮汁でも、温かいうちは液体として流れることがあります。
そこで冷蔵庫へ入れる前にも、
- さらさら
- 少しとろみがある
- かなりとろっとしている
などを記録しましょう。
翌朝、まず容器を傾けてみよう
冷蔵庫から出した2種類を並べ、同じくらい容器を傾けてみます。
- 普通に流れる
- ゆっくり流れる
- ほとんど動かない
- 全体がプルプルする
などを観察します。
固まり方を5段階で評価しよう
- 1:完全な液体
- 2:少しとろみがある
- 3:かなりとろっとしている
- 4:やわらかく固まった
- 5:しっかりプルプルに固まった
| 条件 | 固まり方 | 気づいたこと |
|---|---|---|
| 骨付き肉 | ||
| 骨なし肉 |
スプーンですくって比較しよう
煮汁をスプーンですくい、
- 形を保てる?
- プルプルする?
- すぐ流れる?
- スプーンから落ちる速さは違う?
などを比較してみましょう。
写真だけでなく、動画で撮ると違いが伝わりやすくなります。
表面の白いかたまりはゼラチン?
冷えた煮汁の表面に、白や黄色っぽい固まりができることがあります。
これは脂肪が冷えて固まったものの場合があります。
ゼラチンによるゲル化とは別です。
見分けるポイントは、
- 脂肪:表面に層のように固まりやすい
- ゼラチン:煮汁全体がプルプルしやすい
という違いです。
「上に白いものができた=ゼラチン」ではない
ので注意しましょう。
骨付き肉の煮汁がよく固まったら?
骨付き部分には、皮・軟骨・腱・骨の周囲の結合組織など、コラーゲンを含む部分が多く含まれていた可能性があります。
それらを水と一緒に加熱したことでコラーゲンの構造が変化し、ゼラチンとして煮汁へ溶け出したと考えられます。
そして冷却によってゼラチンの網目構造ができ、煮汁が固まった可能性があります。
骨なし肉でも固まったら?
骨がなくても、肉には結合組織があります。
また、
- 皮がついていた
- 筋や腱が多かった
- 使った部位にコラーゲンが多かった
などの条件によって、骨なし肉の煮汁でも固まる可能性があります。
つまり、
「骨がなければゼラチンは絶対に出ない」わけではありません。
両方固まらなかったら失敗?
失敗ではありません。
考えられる原因として、
- 水が多すぎた
- 加熱時間が短かった
- コラーゲンの少ない部位だった
- 冷却時間が短かった
- 煮汁のゼラチン濃度が低かった
などがあります。
「なぜ固まらなかった?」から次の実験を考えれば、さらに研究らしくなります。
追加実験① 加熱時間を変えてみよう
同じ骨付き肉を使って、
- 15分
- 30分
- 60分
など加熱時間を変えます。
翌日、
長く煮た方が固まりやすい?
を比較してみましょう。
追加実験② 水の量を変えてみよう
同じ量の骨付き肉に対して、
- 水100ml
- 水300ml
- 水500ml
など、水量を変えます。
同じ量のゼラチンが溶け出したとしても、水分が多ければ濃度は低くなります。
ゼラチンの「量」だけでなく「濃度」が固まり方に関係する
ことを調べられます。
追加実験③ 手羽先・手羽元・むね肉を比べる
スーパーでそろえやすい、
- 手羽先
- 手羽元
- むね肉
を同じ重さで煮て比較するのもおすすめです。
どの部位の煮汁が一番固まりやすいでしょうか。
追加実験④ 鶏肉と豚肉では?
次は、
- 鶏の骨付き肉
- 豚のスペアリブ
など、動物の種類を変えて比較する方法があります。
同じ条件で煮たとき、煮汁の固まり方に違いは出るでしょうか。
追加実験⑤ 魚の煮汁でも固まる?
魚の皮や骨などにもコラーゲンがあります。
魚を煮たあとの煮汁も、条件によっては冷えると固まります。
そこで、
肉の煮汁と魚の煮汁では、どちらがプルプルになる?
という比較もできます。
市販のゼラチンと比べてみよう
骨付き肉からできた煮こごりと、市販の粉ゼラチンで作ったゲルを比較するのも面白い発展実験です。
比較するなら、
- 透明度
- 色
- 弾力
- 硬さ
- 温めたときの溶け方
などを観察できます。
煮こごりを温めたらどうなる?
冷蔵庫で固まった煮汁を少量別の容器へ取り、温めてみましょう。
固まっていたゲルが、だんだんやわらかくなり、再び液体になります。
そして条件が合えば、もう一度冷やすことで再び固まります。
「冷やすと固まり、温めると溶ける」
というゼラチンの特徴を観察できます。
寒天との違いは?
寒天も液体を固めることができますが、ゼラチンとは原料が違います。
| 項目 | ゼラチン | 寒天 |
|---|---|---|
| 主な原料 | 動物由来のコラーゲン | 海藻 |
| 主な成分 | たんぱく質 | 多糖類 |
| 食感 | ぷるぷる・弾力 | しっかり・歯切れがよい |
| 体温付近 | やわらかくなりやすい | 形を保ちやすい |
同じ「固まる」でも、仕組みや性質は違います。
脂肪・ゼラチン・水を分けて考える
肉の煮汁には、
- 水
- ゼラチン
- 脂肪
- 塩分やうま味成分
- その他の成分
などが含まれています。
冷やすと、
脂肪も固まるし、ゼラチンもゲルを作る
ため、見た目だけでは混同しやすくなります。
どこが脂肪で、どこがゼラチンによるプルプルなのか分けて観察してみましょう。
グラフにするなら?
固まり方を1~5で評価した場合は、
- 横軸:肉の種類
- 縦軸:固まり方
の棒グラフにできます。
さらに、
- 加熱時間
- 加熱後の煮汁量
- 固まり方
を並べた表も作ると、結果を考えやすくなります。
写真はどこを撮る?
おすすめは、
- 実験前の骨付き肉・骨なし肉
- 重さを量っているところ
- 煮始め
- 加熱終了時
- 冷蔵庫へ入れる前の煮汁
- 翌日の煮汁
- 容器を傾けたところ
- スプーンですくったところ
- 表面の脂とプルプル部分の違い
です。
実験した肉や煮汁は食べてもいい?
自由研究では何度も容器を開けたり、観察のために触れたりすることがあります。
そのため、実験用にした食品は無理に食べる必要はありません。
食べたい場合は、十分に加熱し、衛生的な条件で作った食事用とは分ける方法がおすすめです。
生肉に触れた手や器具はよく洗いましょう。
何年生におすすめ?
小学1~2年生
大人と一緒に骨付き肉を煮て、温かい煮汁と翌日の煮汁を比べるだけでも楽しめます。
「液体だったのにプルプルになった!」という変化を写真や絵でまとめましょう。
小学3~4年生
骨付き肉と骨なし肉を同じ条件で煮て、冷却後の固まり方を5段階で比較する方法がおすすめです。
小学5~6年生
コラーゲン・ゼラチン・たんぱく質について調べ、水分の蒸発や濃度など結果に影響する条件まで考察してみましょう。
自由研究のまとめ方
- 疑問:骨付き肉の煮汁はなぜ冷えるとプルプルする?
- 予想:骨付き肉と骨なし肉のどちらが固まるか考える
- 調査:コラーゲンとゼラチンについて調べる
- 準備:材料や水量をできるだけそろえる
- 実験:同じ時間・同じ火加減で煮る
- 記録:加熱後の煮汁量を測る
- 冷却:一晩冷蔵庫で冷やす
- 結果:固まり方を比較する
- 考察:皮・軟骨・腱などとの関係を考える
- 発展:加熱時間や肉の部位を変えて比べる
写真や比較表を印刷してまとめよう
今回の実験は、温かい状態と冷えた状態の写真を並べると変化がとてもわかりやすくなります。
骨付き肉と骨なし肉の比較写真、固まり方の表、棒グラフなどを組み合わせると、自由研究らしいまとめになります。
写真や表を自宅で何枚も印刷する場合は、プリンターに対応した互換インクを比較してみるのもひとつの方法です。
▶ 自由研究の写真・比較表の印刷に使える互換インクをチェックする
まとめ|冷えた煮汁のプルプルは、肉から溶け出したゼラチン
骨付き肉や皮、軟骨などには、コラーゲンを含む組織があります。
水分と一緒に加熱を続けることで、コラーゲンの構造が変化してゼラチンとして煮汁へ溶け出しやすくなります。
その煮汁を冷やすと、ゼラチンが水分を抱え込む網目構造を作り、
液体だった煮汁がプルプルした状態へ変化します。
そして温めれば、また液体へ戻ります。
何気なく作っている煮物にも、
「たんぱく質が熱によって変化し、冷却によってゲルを作る」
という食品科学が隠れています。
よくある質問
骨付き肉なら必ず煮汁が固まりますか?
必ずではありません。使う部位、皮や軟骨の量、水分量、加熱時間、冷却条件などによって結果は変わります。
骨からゼラチンが出ているのですか?
骨にもコラーゲン成分はありますが、家庭で使う骨付き肉には軟骨・腱・皮・骨の周囲の結合組織なども含まれています。それらも煮汁のゼラチンに関係します。
表面に白く固まったものはゼラチンですか?
脂肪が冷えて固まったものの場合があります。ゼラチンによるゲル化では、煮汁全体がプルプルしやすくなります。
煮こごりを温めると、なぜ溶けるの?
ゼラチンが作った網目構造は温度が上がるとほどけやすくなります。そのため、冷えて固まった煮汁も温めると再び液体になります。
1日でできますか?
加熱は1日でできますが、固まり方を比較するには十分に冷やす必要があります。1日目に煮て、翌日に観察する2日間の実験がおすすめです。

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