骨付き肉や魚を煮たあとの煮汁を、冷蔵庫へ入れておいたら、
次の日、ゼリーのようにプルプルに固まっていた。
ところが、その煮汁を鍋で温めると、またさらさらの液体へ戻ります。
では、
同じ煮汁なのに、どうして温かいと液体で、冷えると固まるのでしょうか?
この変化には、肉や魚などから煮汁へ溶け出したゼラチンと温度が関係しています。
今回は、同じ煮汁を少しずつ冷やしながら、
- 温度
- とろみ
- 固まり方
- 流れ方
がどのように変わるのか観察してみましょう。
- この自由研究は何日かかる?
- まず予想してみよう
- 煮汁が固まる正体はゼラチン
- 「固まる」と「凍る」は違う
- 自由研究|温度ごとの煮汁の状態を比べよう
- 市販ゼラチンなら条件をそろえやすい
- 温度を測るならデジタル温度計
- 実験方法
- 何℃ごとに観察する?
- 状態を5段階にしてみよう
- スプーンから落としたときも比べよう
- 容器を傾けて比較しよう
- グラフにすると温度との関係が見える
- ゼラチンは何℃で固まる?
- 冷えると急に固まったように見えるのはなぜ?
- 冷蔵庫の方が固まりやすいのはなぜ?
- 氷水で急速に冷やしたらどうなる?
- 追加実験|同じ煮汁を何度も固めたり溶かしたりする
- 追加実験|水で薄めたら固まりにくくなる?
- 追加実験|ゼラチン量を変えてみよう
- 追加実験|室温が違うとどうなる?
- 再び温めると、なぜ液体に戻る?
- 温め直すときも温度を記録しよう
- ゼラチンと寒天は温度変化が同じ?
- 煮汁の脂肪とゼラチンを間違えないようにしよう
- 写真は温度ごとに撮ろう
- 何年生におすすめ?
- 自由研究のまとめ方
- 写真・表・グラフを印刷してまとめよう
- まとめ|煮汁は「凍った」のではなく、ゼラチンが水を抱えて固まった
- よくある質問
この自由研究は何日かかる?
- おすすめ学年:小学3~6年生
- おすすめ期間:1~2日
- 準備:ゼラチンを含む煮汁を作る
- 観察時間:1~3時間程度
- 冷蔵後の確認:翌日でもOK
- 材料のそろえやすさ:★★★★☆
すでに煮こごりになりやすい煮汁があれば、1日でもできます。
骨付き肉などから煮汁を作るところから始める場合は、2日程度みておくと安心です。
まず予想してみよう
煮汁を冷やしていくと、どんな順番で変化すると思いますか?
- ずっと液体のまま?
- 少しずつとろみがつく?
- ある温度から急に固まる?
- 冷蔵庫へ入れないと固まらない?
さらに、
「何℃くらいから変化しそう?」
まで予想してみましょう。
煮汁が固まる正体はゼラチン
肉や魚の皮、軟骨、腱、骨の周囲などには、コラーゲンというたんぱく質があります。
これらを水分と一緒に加熱すると、コラーゲンの構造が変化し、ゼラチンとして煮汁へ溶け出しやすくなります。
温かいうちは、ゼラチン分子が水の中に広がった状態になっているため、煮汁は液体として流れます。
しかし温度が下がると、
ゼラチン分子の一部が結びつき、網目のような構造を作り始めます。
その網目の中へ水分が抱え込まれることで、煮汁がプルプルした状態になります。
「固まる」と「凍る」は違う
ここは大切なポイントです。
冷えた煮汁がプルプルになることと、水が氷になることは同じではありません。
氷では、水そのものが凍って固体になります。
一方、煮こごりでは、
液体の水を、ゼラチンの網目構造が抱え込んでいる
状態です。
そのため0℃より高い冷蔵庫の中でも、煮汁がプルプルに固まることがあります。
自由研究|温度ごとの煮汁の状態を比べよう
用意するもの
- ゼラチンを含む煮汁
- 耐熱容器
- デジタルキッチン温度計
- スプーン
- キッチンタイマー
- 冷蔵庫
- 氷水
- 記録用紙
- カメラやスマートフォン
煮汁は、手羽先・手羽元などを煮て作ったものでも、市販のゼラチンを使った液体でも比較できます。
市販ゼラチンなら条件をそろえやすい
肉から作った煮汁では、ゼラチンの濃度を正確にそろえることが難しい場合があります。
そこで発展実験では、市販の粉ゼラチンを使う方法もあります。
粉ゼラチンなら同じ濃度の液体を作りやすいため、温度による変化を比べやすくなります。
温度を測るならデジタル温度計
今回の自由研究では、
「何℃くらいで状態が変わった?」
を記録することがポイントです。
料理にも使えるデジタルキッチン温度計なら、自由研究後も普段の調理で使えます。
実験方法
- ゼラチンを含む煮汁を用意します。
- 十分に温めて液体の状態にします。
- 温度を測ります。
- 耐熱容器へ一定量入れます。
- 室温で少しずつ冷まします。
- 決めた時間ごとに温度を測ります。
- 同時に、とろみや流れ方を観察します。
- さらに冷蔵庫へ入れます。
- 冷蔵後の温度と固まり方を確認します。
- 最後に再び温め、液体へ戻るか観察します。
何℃ごとに観察する?
例えば、
- 60℃前後
- 50℃前後
- 40℃前後
- 30℃前後
- 20℃前後
- 10℃前後
- 冷蔵庫で十分に冷えた状態
などで観察できます。
家庭実験では、ぴったり60℃、50℃とそろえる必要はありません。
実際に測った温度をそのまま記録しましょう。
状態を5段階にしてみよう
- 1:さらさらの液体
- 2:少しとろみがある
- 3:かなりとろっとしている
- 4:やわらかく固まり始めている
- 5:しっかりプルプルに固まった
| 温度 | 状態 | 気づいたこと |
|---|---|---|
| 約60℃ | ||
| 約50℃ | ||
| 約40℃ | ||
| 約30℃ | ||
| 約20℃ | ||
| 約10℃ | ||
| 冷蔵後 |
スプーンから落としたときも比べよう
同じスプーンを使って煮汁をすくい、
- すぐ流れ落ちる
- ゆっくり流れる
- 糸を引くように落ちる
- 形を保って落ちない
などを記録します。
動画で撮影すると、温度による粘りの変化がわかりやすくなります。
容器を傾けて比較しよう
同じ角度に容器を少し傾け、
- すぐ液面が動く
- ゆっくり動く
- ほとんど動かない
などを観察してみましょう。
温度が下がるにつれて、流れ方にどんな変化が出たでしょうか。
グラフにすると温度との関係が見える
5段階評価を使えば、
- 横軸:温度
- 縦軸:固まり具合
のグラフにできます。
温度が下がるにつれて、状態がどう変化したのかを視覚的に示せます。
ゼラチンは何℃で固まる?
ゼラチンの固まり方は、
- ゼラチンの濃度
- ほかの成分
- 冷却時間
- 使用したゼラチンの種類
などによって変わります。
そのため家庭実験では、
「ゼラチンは必ず○℃で固まる」と決めつけない
ことが大切です。
「今回の煮汁では○℃くらいからとろみが増え、冷蔵後にしっかり固まった」
のように実測値を使ってまとめましょう。
冷えると急に固まったように見えるのはなぜ?
ゼラチン液は、温度が下がるにつれて少しずつ分子同士が結びつきやすくなります。
ただ、人の目では小さな分子の変化を見ることはできません。
網目構造が十分に広がって水分を支えられるようになると、
見た目にも「固まった」とわかるようになります。
そのため、途中までは液体に見えていたものが、あるところから急にプルプルしたように感じることがあります。
冷蔵庫の方が固まりやすいのはなぜ?
冷蔵庫では室温より低い温度を保つことができます。
そのため、ゼラチン分子が網目構造を作りやすい状態まで温度を下げやすくなります。
特に暑い夏の室温では、ゼラチンが十分に固まりにくい場合があります。
氷水で急速に冷やしたらどうなる?
追加実験として、
- 室温で冷ます
- 冷蔵庫で冷やす
- 氷水で冷やす
を比較できます。
どの方法が一番早くプルプルになるでしょうか。
冷やす速さと固まるまでの時間
を調べられます。
追加実験|同じ煮汁を何度も固めたり溶かしたりする
一度固まった煮汁を温めて液体に戻し、もう一度冷やします。
これを何回か繰り返して、
- 硬さは同じ?
- 色は変わる?
- 水分量は変わる?
- 固まるまでの時間は同じ?
を比較してみましょう。
加熱を繰り返すと水分が蒸発するため、その影響も考察できます。
追加実験|水で薄めたら固まりにくくなる?
同じ煮汁を、
- そのまま
- 水を少し加える
- 水を多く加える
に分けます。
冷やしたあとの固まり方を比較すると、
ゼラチンの濃度と固まり方の関係
を調べることができます。
追加実験|ゼラチン量を変えてみよう
市販の粉ゼラチンを使えば、
- 少なめ
- 標準
- 多め
のゼラチン液を作れます。
そして、
- 固まり始める温度
- 冷却後の硬さ
- 再加熱したときの溶け方
を比較できます。
追加実験|室温が違うとどうなる?
同じ煮汁でも、
- 涼しい部屋
- 暖かい部屋
では固まるまでの時間が変わるでしょうか。
夏と冬で比較しても面白い研究になります。
再び温めると、なぜ液体に戻る?
冷えることで作られたゼラチンの網目構造は、温度が上がるとほどけやすくなります。
すると、網目の中に抱え込まれていた水分が自由に動けるようになり、
再び流れる液体へ戻ります。
この変化は、ゼラチンの大きな特徴です。
温め直すときも温度を記録しよう
冷えて固まった煮汁を少しずつ温め、
| 温度 | 状態 |
|---|---|
| 冷蔵直後 | |
| 約20℃ | |
| 約30℃ | |
| 約40℃ | |
| 約50℃ |
のように記録してみましょう。
冷えるときと温めるときで、同じ温度の状態は同じ?
という疑問にもつながります。
ゼラチンと寒天は温度変化が同じ?
寒天も冷やすと固まりますが、温度への性質はゼラチンと大きく違います。
| 項目 | ゼラチン | 寒天 |
|---|---|---|
| 固まったとき | ぷるぷる・弾力 | しっかり・歯切れがよい |
| 体温付近 | やわらかくなりやすい | 形を保ちやすい |
| 再加熱 | 比較的低温で溶けやすい | より高い温度が必要 |
見た目が似た「ゼリー」でも、温度に対する反応は同じではありません。
煮汁の脂肪とゼラチンを間違えないようにしよう
肉の煮汁を冷やすと、表面に白や黄色っぽい層ができることがあります。
これは脂肪が固まったものの場合があります。
- 脂肪:表面に層になりやすい
- ゼラチン:煮汁全体をプルプルにする
という違いを観察してみましょう。
写真は温度ごとに撮ろう
おすすめは、
- 温かい液体の状態
- 少し冷めた状態
- とろみが出始めた状態
- 冷蔵庫へ入れる前
- 冷蔵後のプルプル
- 再加熱途中
- 再び液体になった状態
です。
温度を書いた紙を横へ置いて撮影すると、写真だけでも実験の流れが伝わります。
何年生におすすめ?
小学1~2年生
大人と一緒に、温かい煮汁と冷蔵後の煮汁を比べるだけでも十分です。
「さらさら」「プルプル」の違いを写真や絵でまとめましょう。
小学3~4年生
時間や温度ごとに状態を5段階で記録し、表やグラフにしてみましょう。
小学5~6年生
コラーゲン、ゼラチン、ゲル化、温度による分子の状態変化などまで調べると、本格的な食品科学の研究になります。
自由研究のまとめ方
- 疑問:なぜ温かい煮汁は液体で、冷えると固まる?
- 予想:何℃くらいから変化するか考える
- 調査:ゼラチンについて調べる
- 準備:ゼラチンを含む煮汁を用意する
- 測定:温度を記録する
- 観察:とろみや流れ方を見る
- 冷却:冷蔵庫で固める
- 再加熱:液体へ戻るか確認する
- 結果:表・写真・グラフにまとめる
- 考察:温度とゼラチンの状態を結びつける
写真・表・グラフを印刷してまとめよう
この自由研究では、温度ごとの写真を並べると変化がとてもわかりやすくなります。
さらに、温度と固まり具合のグラフを組み合わせれば、見た目と数字の両方で結果を伝えられます。
写真やグラフを自宅で何枚も印刷する場合は、プリンターに対応する互換インクを比較してみるのもひとつの方法です。
▶ 自由研究の写真・グラフ印刷に使える互換インクをチェックする
まとめ|煮汁は「凍った」のではなく、ゼラチンが水を抱えて固まった
肉や魚などを煮た煮汁には、コラーゲンが加熱によって変化してできたゼラチンが含まれることがあります。
温かいうちはゼラチンが水の中に広がっているため、煮汁は液体として流れます。
しかし温度が下がると、ゼラチン分子が部分的につながり、網目構造を作ります。
そして、
その網目が水分を抱え込むことで、煮汁全体がプルプルしたゲルになります。
さらに温めると網目がほどけ、再び液体へ戻ります。
つまり、
同じ煮汁でも、温度が変わるだけで見た目や流れ方が大きく変化する
のです。
よくある質問
煮汁が固まるのは凍ったからですか?
いいえ。冷蔵庫の温度でも固まる場合は、氷になったのではなく、ゼラチンが水分を抱えたゲルを作っていると考えられます。
何℃で煮汁は固まりますか?
ゼラチンの濃度や煮汁に含まれる成分などによって変わります。家庭の自由研究では「今回の条件で何℃くらいから変化したか」を実際に測る方法がおすすめです。
なぜ温めるとまた液体になるの?
冷却によってできたゼラチンの網目構造が、温度上昇によってほどけやすくなるためです。
何度も固めたり溶かしたりできますか?
条件によって再び固めることはできます。ただし加熱を繰り返すと水分が蒸発するなど、最初と条件が変わることがあります。
1日でできますか?
すでにゼラチンを含む煮汁があれば1日でもできます。煮汁作りから始める場合は、十分に冷やす時間を含めて2日程度あると観察しやすくなります。

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