給食で異物を見つけたらどうなる?学校・調理業者に求められる対応と再発防止策

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学校給食を食べようとしたら、料理の中からプラスチック片が出てきた。

スープに見慣れない異物が浮いていた。

そんなとき、学校ではどのような対応が行われるのでしょうか。

2026年9月、広島県東広島市の県立広島中学校では、2日連続で給食から異物が見つかりました。

9月16日のかに玉スープからは直径約3mmの緑色の物質。

翌17日のパエリアからはビニール片、プラスチック片、髪の毛2本が確認されています。

16日のスープについては、配膳中に生徒が異物を発見したため、その食缶からの提供が中止されました。

学校給食で異物が見つかった場合、単に取り除いて食事を続ければいいわけではありません。

異物の種類によっては給食を止める判断が必要になり、その後には原因究明と再発防止が求められます。

学校給食に異物が見つかったときの対応を整理します。

給食で異物を見つけたら、まずどうする?

学校給食で異物を発見した場合、最初に重要なのは、その異物によって児童生徒に健康被害が生じる可能性があるかどうかです。

文部科学省の「学校給食におけるリスクマネジメント」では、異物混入が発生した場合の対応について具体的に示しています。

特に、

  • 金属片
  • ガラス片
  • 硬質プラスチック片

など、児童生徒に健康被害を及ぼす危険があると判断される異物の場合には、速やかに管理職へ報告し、給食停止の措置を講じるなどの判断をすることが求められています。

つまり「異物があった」という事実だけではなく、その異物がどの程度危険なのかを確認することが最初のポイントです。

県立広島中ではスープの提供を中止

今回の県立広島中学校のケースを見ると、実際の対応が分かります。

9月16日、給食のかに玉スープを配膳している際、生徒が食缶の中に浮いている異物を発見しました。

直径約3mmの緑色の物質だったとされています。

学校は、この食缶からのスープの提供を中止しました。

その後、生徒にはほかの学級で余っていた同じメニューが提供されています。

異物が見つかった食缶をそのまま提供するのではなく、提供を止める対応が取られたことになります。

翌日のパエリアでは食べ終える直前に発見

ところが翌17日のケースでは、発見状況が異なりました。

パエリアから、

  • 直径約1cmのビニール片
  • 約1.5cmのプラスチック片
  • 約5cmの髪の毛2本

が見つかりました。

発見したのは教員です。

異物がパエリアの中に埋もれていたため、見つかった時点ではすでにほとんど食べ終えた状態だったと報じられています。

同じ異物混入でも、配膳時に発見できる場合と、食べ進めてから初めて気付く場合があります。

硬い異物は特に健康被害に注意

異物の中でも、硬いものや鋭利なものは特に注意が必要です。

文部科学省は、金属片、ガラス片、硬質プラスチック片などを「児童生徒に健康被害を及ぼす危険があるもの」の例として挙げています。

口の中を傷つけたり、誤って飲み込んだりする可能性があるためです。

そのため、このような異物が確認された場合には、管理職への報告や給食停止を含めた対応を速やかに判断する必要があります。

髪の毛とプラスチック片では対応の考え方も違う

学校給食で見つかる異物はすべて同じ危険度ではありません。

たとえば毛髪と、鋭利な金属片や硬質プラスチック片では、児童生徒へ直接与える健康被害の可能性が異なります。

だからといって、毛髪なら放置してよいという意味ではありません。

毛髪の混入は、身だしなみや食品を扱う工程の管理状況を確認するきっかけになります。

一方、硬質プラスチック片などが見つかった場合には、異物そのものによるけがの可能性も考慮する必要があります。

異物の種類、硬さ、大きさ、形状などを確認し、それに応じた対応を判断することが重要です。

異物を捨ててはいけない理由

異物を見つけたら、「気持ち悪いからすぐ捨てたい」と思うかもしれません。

しかし原因究明のためには、見つかった異物そのものが重要な手掛かりになります。

たとえばプラスチック片なら、

  • 色
  • 形
  • 大きさ
  • 厚さ
  • 材質

などを調べ、調理場や配送、配膳で使用している器具や資材と照合できる場合があります。

毛髪や虫などについても、混入したタイミングを推定するための分析が行われることがあります。

原因究明という意味では、異物そのものが「証拠」のひとつになるのです。

どの料理・どの容器から見つかったかも重要

異物だけを保存すれば十分というわけでもありません。

原因を追うためには、発見時の状況も重要です。

たとえば、

  • 何の料理だったか
  • どの食缶や容器だったか
  • 配膳前だったか
  • 配膳中だったか
  • 食べている途中だったか
  • 同じ料理のほかの容器にも異物がないか
  • 同じ種類の異物がほかにもないか

といった情報です。

9月16日の県立広島中学校のケースでも、「配膳中に食缶の中で見つかった」という情報は混入経路を調べるうえで重要になります。

管理職へ報告して「組織」で対応する

文部科学省は、健康被害を及ぼす危険がある異物が見つかった場合、速やかに管理職へ報告することを示しています。

異物混入を、発見した教員や給食担当者だけで処理する問題にしないためです。

状況によっては、

  • 学校
  • 教育委員会
  • 保健所
  • 給食事業者
  • 食材の納入業者

など複数の関係者が連携して対応する必要があります。

特にデリバリー方式の給食では、学校とは別の施設で調理されているため、学校内だけを確認しても原因を特定できない場合があります。

給食業者には何が求められる?

異物が調理施設や調理工程から混入した可能性がある場合には、給食事業者側の調査が必要になります。

確認する内容としては、

  • 当日の作業工程
  • 使用した原材料
  • 食材の包装資材
  • 調理器具
  • 設備
  • 容器
  • 従業員の作業状況
  • 器具や設備の点検記録

などが考えられます。

「異物が入っていました。今後気を付けます」で終わらせるのではなく、どの工程に原因があったのかを追うことが再発防止には欠かせません。

広島県のマニュアルでも原因究明を求める

広島県教育委員会は、県立学校給食の異物混入に対応するためのマニュアルを整備しています。

異物が納入物資や調理作業などに原因があると考えられる場合には、学校から事業者などに対して原因究明や再発防止を求めます。

調理機器や器具についても、点検記録などを確認します。

施設・設備や器具が原因だった場合には、修繕や交換などの対策が必要になります。

原因が分かったら「同じ場所」だけ直せばいい?

原因が特定できた場合、直接の原因を取り除くことはもちろん重要です。

しかし再発防止では、「なぜその状態を事前に発見できなかったのか」まで考える必要があります。

たとえば器具が欠けて食品へ混入したとします。

その器具を新品へ交換するだけなら、目の前の問題は解決します。

しかし、

  • 器具はどのくらいの頻度で点検していたのか
  • 劣化を確認する基準はあったのか
  • 破損した場合に使用を中止するルールはあったのか
  • 同じ材質の器具に同様の劣化がないか

まで確認しなければ、別の器具で同じことが起きる可能性があります。

毛髪なら「帽子をかぶる」で終わらせない

毛髪混入でも同じです。

単に「帽子をきちんとかぶりましょう」と注意するだけでは、十分な原因分析にならない場合があります。

どの工程で食品が開放されていたのか。

調理、盛り付け、配送後、学校での配膳など、どこで混入する可能性があったのか。

帽子や三角巾などの着用方法は適切だったか。

作業開始前に身だしなみを相互確認する仕組みが機能していたか。

原因に応じて、具体的な対策へ落とし込む必要があります。

県立広島中では過去にも原因分析・改善策を指示

県立広島中学校では、今回初めて異物混入対策が始まったわけではありません。

広島県教育委員会の2025年6月の資料によると、異物混入が発生するたびに、学校は給食事業者へ原因分析と改善策について報告するよう指示していました。

さらに学校職員や県教育委員会、保健所職員が調理施設を訪問。

実際の調理・盛り付け作業を確認し、衛生面の指導も行っています。

事業者への指導内容には、身だしなみ、劣化した物品の交換、食材の保管場所の変更、改善策の徹底などが含まれていました。

それでも異物混入が続いている

ところが2026年度に入ってからも、県立広島中学校では異物混入が続いています。

RCCの9月19日の報道によると、公表基準に達しないものまで含めると、9月だけで8件。

今年度はすでに17件が確認されています。

これは再発防止を考えるうえで重要なポイントです。

対策は「決めたかどうか」だけではなく、「実際に異物混入を減らせたか」という効果まで確認する必要があります。

再発防止は「原因→対策→確認」の繰り返し

異物混入を減らすためには、発生した事案ごとに、

  1. 異物と発見状況を確認する
  2. 混入経路を調べる
  3. 原因に応じた対策を決める
  4. 現場で対策を実行する
  5. その後、本当に再発が減ったか確認する

という流れが重要です。

もし同じ種類の異物が再び見つかった場合には、以前の対策が十分だったのかを改めて検証する必要があります。

異物混入対策は、一度マニュアルを作れば終わるものではありません。

児童生徒へのケアも対応のひとつ

文部科学省の資料では、もうひとつ重要な対応が示されています。

それが、異物混入による被害を受けた児童生徒への精神的なケアです。

給食の中から硬い異物や虫などが出てきた経験によって、給食そのものに不安を感じる子どももいるかもしれません。

身体的なけががなかったから対応終了、というわけではないのです。

安全面だけでなく、安心して給食を食べられる環境を取り戻すことも学校側に求められます。

保護者への情報提供も重要

異物混入が起きた場合には、保護者への情報提供も重要になります。

県立広島中学校では過去の異物混入を受け、保護者宛ての文書も複数回発出されています。

何が見つかったのか。

健康被害はあったのか。

給食を停止したのか。

原因をどのように調べているのか。

今後どのような対策を行うのか。

異物混入が繰り返されるほど、こうした情報を具体的に示すことが安心につながります。

「見つけた人」が責められないことも大切

給食の異物混入では、早期発見も重要です。

今回の9月16日のかに玉スープでは、生徒が配膳中に異物を発見したことで、その食缶からの提供を中止することができました。

児童生徒が給食の中に違和感のあるものを見つけた場合、無理に食べたり、自分で取り除いて終わりにしたりせず、教員へ知らせられる環境が必要です。

「これくらいなら言わなくてもいい」と感じさせないことも、学校給食の安全管理の一部です。

まとめ|異物を見つけた後の「原因究明」が再発防止を左右する

学校給食から異物が見つかった場合、まず異物の種類や危険性を確認します。

金属片、ガラス片、硬質プラスチック片など、児童生徒へ健康被害を及ぼす危険があるものについて、文部科学省は速やかな管理職への報告や給食停止などの判断を示しています。

必要に応じて教育委員会、保健所、給食事業者、納入業者などと連携し、混入経路を特定して再発防止策を検討します。

県立広島中学校では過去にも事業者への原因分析・改善策の報告指示や、保健所を交えた調理施設の実地調査などが行われてきました。

それでも2026年度は9月時点で17件の異物混入が確認されています。

異物混入対策で重要なのは「注意しました」で終わることではなく、原因を調べ、対策し、その対策によって本当に再発が減ったのかまで確認することです。

今回のビニール片、プラスチック片、髪の毛などについても、今後の原因究明と具体的な再発防止策が注目されます。

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