ラーメンは運動前の食事に向いている?栄養面から考える

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「ラーメンには麺があるから、運動前のエネルギー補給にいいのでは?」

炭水化物をとれるという点だけを見ると、そんなふうに思う人もいるかもしれません。

一方、ラーメンにはスープや油、チャーシューなどもあり、種類によっては一杯でもかなりボリュームがあります。

国道ラーメンマラソンのように、ラーメンを食べてから走る状況を考えると、「ラーメンは運動前の食事としてどうなの?」という疑問が出てきます。

ラーメンマラソンから考える今回は、ラーメンに含まれる炭水化物や脂質、たんぱく質、塩分、水分などに注目し、運動前の食事としての特徴を栄養士目線で解説します。

ラーメンには運動のエネルギー源になる炭水化物が含まれる

ラーメンの中心となる麺には、炭水化物が多く含まれています。

炭水化物は消化・吸収されたあとブドウ糖などとなり、運動するときの重要なエネルギー源として利用されます。

そのため「運動前には炭水化物をとる」という考え方そのものは間違いではありません。

しかし、ここで注意したいのが、ラーメンは麺だけを食べる料理ではないということです。

運動前の食事として考えるなら、一杯全体の内容を見る必要があります。

ラーメン一杯には何が入っている?

一般的なラーメンは、

  • スープ
  • 油脂
  • チャーシューなどの肉類
  • メンマや野菜などの具材

といった複数の食品からできています。

つまり、炭水化物だけでなく、脂質やたんぱく質などもとることができる料理です。

一方で、種類やトッピングによって栄養バランスは大きく変わります。

あっさりしたラーメンと、背脂や肉をたっぷり使ったこってり系のラーメンを同じものとして考えることはできません。

運動直前に気になるのは脂質

運動前のラーメンで特に注目したいのが脂質です。

脂質は体に必要な栄養素ですが、脂質を多く含む食事は胃から腸へ移動するまでに時間がかかりやすい傾向があります。

そのため、こってりしたラーメンを食べてすぐ激しく走ると、人によっては、

  • 胃が重い
  • 胃もたれがする
  • お腹が張る
  • 胸やけがする
  • 吐き気がする

といった不快感につながる場合があります。

ラーメンに炭水化物が含まれているからといって、それだけで「運動直前に適した食事」とはいえない理由のひとつです。

ラーメンは「一杯の量」も考えたい

もうひとつ重要なのが、胃に入る全体量です。

麺だけでなく、チャーシューや卵などの具材を食べ、さらにスープを飲めば、一度に胃へ入る食べ物と飲み物の量は多くなります。

満腹状態ですぐランニングを始めると、胃の中に食べ物が残っている状態で体を激しく動かすことになります。

ランニングでは体の上下動も繰り返されるため、胃腸の不快感を覚える人もいます。

運動前には栄養素だけでなく、胃にどれだけの量を入れるのかも考えることが大切です。

スープを飲めば運動前の水分補給になる?

ラーメンにはたっぷりのスープがあります。

「スープを飲めば、水分補給にもなるのでは?」と思うかもしれません。

確かにスープにも水分は含まれています。

しかし、ラーメンのスープには塩分や脂質なども含まれ、運動中に飲む水やスポーツドリンクなどとは目的も成分も異なります。

スープを飲んだからといって、その後の運動に必要な水分補給がすべて済んだと考えることはできません。

運動時の水分補給は、気温や湿度、運動時間、発汗量などに合わせて別に考えましょう。

ラーメンの塩分は運動するなら気にしなくていい?

汗をかくと水分だけでなくナトリウムなども失われるため、長時間の運動や大量に発汗する状況では電解質の補給が必要になることがあります。

だからといって、「これから汗をかくからラーメンのスープを全部飲んで塩分をとっておこう」と単純に考えるのはおすすめできません。

ラーメンのスープは商品や店舗によって違いがありますが、塩分を多く含むものもあります。

運動時に必要な水分・電解質補給と、料理としてラーメンを食べることは分けて考えることが大切です。

チャーシューや卵からたんぱく質もとれる

ラーメンのトッピングにチャーシューや卵があれば、たんぱく質をとることもできます。

たんぱく質は筋肉をはじめ、体をつくる材料となる大切な栄養素です。

しかし、運動直前にたんぱく質を大量にとれば、すぐに筋肉が増えたり運動能力が高まったりするわけではありません。

運動する人にとっても、日々の食事全体を通して必要な栄養素をとることが基本です。

野菜が少なくなりやすい点にも注目

ラーメン一杯で一食を済ませる場合、種類によっては野菜が少なくなりやすい点も気になります。

ねぎやメンマが少量のっていても、それだけで十分な野菜をとれるとは限りません。

運動前の一食だけですべての栄養素を完璧にそろえる必要はありませんが、日頃の食生活では野菜や果物なども含めてバランスを整えましょう。

ラーメンを食べる場合には、野菜のトッピングを追加したり、ほかの食事で不足しやすい食品を補ったりする方法もあります。

ラーメンを食べてから運動するなら時間を確保する

ラーメンを食べること自体が、運動する人にとって禁止されているわけではありません。

重要なのはタイミングです。

ラーメンを一食分しっかり食べた場合には、食べ終わってすぐ激しい運動を始めるのではなく、消化のための時間を確保しましょう。

特に、

  • 大盛りを食べた
  • こってりしたラーメンだった
  • チャーシューなどのトッピングが多かった
  • スープまでたっぷり飲んだ

といった場合には、胃の状態にも注意します。

「○時間経ったから必ず大丈夫」と時計だけで判断せず、胃の重さや吐き気が残っていないか確認することも大切です。

運動直前ならラーメンより軽いものを選ぶ方法も

これからすぐランニングや激しいスポーツをするのであれば、一杯のラーメンをしっかり食べるより、胃に入る量を抑えた補給を選ぶ方法があります。

例えば状況に応じて、

  • おにぎり
  • パン
  • バナナ
  • 少量のうどん

など、炭水化物を含みながら脂質を抑えやすい食品が選択肢になります。

ただし、どの食品が食べやすいかには個人差があります。

大会などで長時間運動する場合には、本番で突然新しい食品を試すのではなく、練習時から自分に合った食事や補給方法を確認しておくとよいでしょう。

「運動したからラーメン」は運動前とは別の話

ランニングやスポーツのあとにラーメンを楽しむ人もいるでしょう。

しかし、「運動前に適している食事なのか」と「運動後に食べてはいけないのか」は別の問題です。

運動後には、消費したエネルギーや水分などを補う必要があります。

ラーメンを食べる場合も、一杯だけですべてを完璧に補おうとせず、その日の食事全体で栄養バランスを整えていくことが大切です。

ラーメンマラソンから考えると「食べ物の評価はタイミングで変わる」

ラーメンマラソンから考えると、ひとつの食べ物を単純に「運動に良い」「運動に悪い」と分類することが難しいことがわかります。

ラーメンには運動のエネルギー源となる炭水化物が含まれる一方、種類によっては脂質や食事量が多くなります。

運動開始まで数時間ある場合と、食べた直後に走る場合では、同じラーメンでも条件がまったく違います。

つまり、食べ物を評価するときには、栄養成分だけでなく「いつ食べるのか」まで考える必要があるのです。

まとめ

ラーメンには麺から炭水化物、チャーシューや卵などからたんぱく質をとれるという特徴があります。

一方、種類によっては脂質や塩分が多く、一杯をしっかり食べれば胃に入る全体量も増えます。

そのため、「炭水化物が入っているから運動前に最適」と単純に判断することはできません。

ラーメンマラソンから考えると、運動前の食事で大切なのは、食事内容・食べる量・運動までの時間の3つです。

ラーメンを食べたあとに運動する場合には十分な時間を確保し、胃が重い、気持ち悪いといった症状があるときには無理に激しい運動を始めないようにしましょう。

次の記事では、食後に走ったときに起こることがある「脇腹の痛み」に注目し、なぜ走ると脇腹が痛くなることがあるのかを詳しく解説します。

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