二百十日(にひゃくとおか)について調べていると、 「おわら風の盆」 という美しい名前の行事にたどり着くことがあります。
「風の盆」という名前を見ると、
「二百十日の風と関係があるの?」
「台風を鎮めるためのお祭り?」
「そもそも、なぜ“盆”なの?」
と気になりますよね。
おわら風の盆は、富山県富山市の八尾地域で毎年9月1日から3日にかけて行われる伝統行事です。
そして、その時期は昔から風雨への警戒と結びついてきた二百十日のころと重なります。
ただし、おわらそのものの起源や「おわら」「風の盆」という名称については複数の説があり、単純にひとつの由来だけで説明できるものではありません。
この記事では、おわら風の盆と二百十日の関係や、「風の盆」という名前に込められた意味についてわかりやすく解説します。
おわら風の盆とは?
おわら風の盆は、富山県富山市八尾地域で行われる伝統行事です。
毎年9月1日から3日にかけて行われ、三味線や胡弓、太鼓の音色と唄に合わせ、踊り手たちが八尾の町を踊り歩きます。
揃いの浴衣や法被、編笠を身につけた踊り手と、ぼんぼりが灯る歴史的な町並みがつくる幻想的な風景でも知られています。
富山市によると、「おわら」には300年余りの歴史があります。
現在では富山を代表する伝統行事のひとつとして、多くの人に親しまれています。
2026年のおわら風の盆はいつ?
2026年のおわら風の盆は、
- 9月1日(火)
- 9月2日(水)
- 9月3日(木)
の3日間に開催されます。
そして2026年の二百十日は、 9月1日(火)です。
つまり2026年は、
二百十日当日に、おわら風の盆が幕を開ける
ことになります。
二百十日について調べている人にとって、2026年は特に二つの関係がわかりやすい年といえるでしょう。
二百十日と「風の盆」はどう関係する?
二百十日は、立春を1日目として数えた210日目にあたる雑節です。
このころは昔から、農作物にとって大切な時期と風雨への警戒が必要な季節が重なることから、風害への注意と結びついてきました。
越中八尾観光協会では、おわら風の盆について、二百十日前後の台風の時期に、収穫前の稲が風の被害を受けないよう豊作を祈願してきたことを紹介しています。
つまり「風の盆」という名前の背景には、
風の災害を避け、無事に豊作を迎えたい
という人々の願いが関係していると考えられているのです。
なぜ農家は二百十日の風を恐れたの?
二百十日のころは、地域や品種、栽培時期によって違いはあるものの、稲が実りへ向かう重要な時期と重なることがあります。
せっかく育った稲も、収穫前に強い風雨に襲われれば被害を受ける可能性があります。
例えば、
- 強風によって稲が倒れる
- 大雨によって田んぼが浸水する
- 収穫作業が遅れる
- 状況によって品質や収量に影響する
といったことが考えられます。
そのため二百十日は、 農家が風雨を警戒する季節の目安 として伝えられてきました。
おわらの始まりは「台風除け」だったの?
ここは注意したいポイントです。
現在のおわら風の盆は二百十日の風や豊作祈願との関係が深く語られていますが、 「おわらそのものが最初から台風除けのために始まった」と断定するのは正確ではありません。
おわらの始まりについては、元禄15年(1702年)、八尾の町衆が町建てに関する重要な文書を取り戻したことを祝い、三日三晩にわたって唄や踊り、音曲を楽しみながら町を練り歩いたことが起源とする説が伝えられています。
その後、盆の歌舞音曲などを経て、二百十日のころに風を鎮める願いや豊作祈願と結びつき、「風の盆」と呼ばれる行事へ変化していったと説明されています。
つまり、
おわらの歴史と、二百十日の風を鎮める文化が長い時間の中で結びついてきた
と考えるとわかりやすいでしょう。
「風の盆」の名前には複数の説がある
では、なぜ「風の盆」という名前になったのでしょうか。
代表的なのが、 二百十日の風を鎮める願いに由来するという説 です。
農作物が実るころに強い風が吹かないよう願い、五穀豊穣を祈る行事として「風の盆」と呼ばれるようになったとされています。
一方、富山市が公開している資料では、「風」という言葉を風流・風雅や歌謡と結びつける説も紹介されています。
さらに「盆」についても、地域で休日を「盆日」と呼んだことなどに由来するという説明があります。
つまり、
「風の盆」という名前の由来は完全にひとつに確定しているわけではない
ということです。
長い歴史を持つ民俗芸能だからこそ、いくつもの説が現在まで伝えられています。
そもそも「おわら」ってどういう意味?
実は「おわら」という名前についても、由来はひとつに決まっていません。
代表的な説として、
- 歌の中の「おわらひ(大笑い)」から変化したとする説
- 豊年を願う「大藁(おおわら)」に由来するとする説
- 八尾近郊の小原村に由来するとする説
などがあります。
富山市の資料でも複数の説が紹介されており、 現在まで明確にひとつへ特定されているわけではありません。
「おわら=○○が語源」と断定するより、長い歴史の中でいくつもの説が伝えられてきた文化として楽しむのがよいでしょう。
おわら風の盆ではどんな踊りが見られる?
おわら風の盆では、唄と三味線、胡弓、太鼓などの演奏に合わせて踊りが披露されます。
八尾の町を踊りながら進む「町流し」や、輪になって踊る「輪踊り」なども、おわら風の盆を象徴する光景です。
編笠をかぶった踊り手、哀調を帯びた音色、坂の町に灯るぼんぼり。
こうした風景が重なり、独特の情緒を生み出しています。
単なる「台風除けの行事」として見るだけでは、おわら風の盆の魅力を十分に捉えることはできません。
風への祈り、豊作への願い、唄、音楽、踊り、そして八尾の町そのものが重なりながら受け継がれてきた文化なのです。
風鎮祭とは何が違う?
二百十日の風に関する行事には、「風鎮祭」というものもあります。
風鎮祭は、風害を避け、農作物の無事や五穀豊穣などを祈願する祭りとして各地に伝えられています。
おわら風の盆にも風を鎮め豊作を願う意味が伝えられていますが、 全国各地の風鎮祭とおわら風の盆を同じ祭りとして扱うことはできません。
それぞれの地域で異なる歴史や文化を持っています。
2026年に見に行くなら開催日は9月1日~3日
2026年のおわら風の盆は、 9月1日(火)から3日(木)に開催されます。
富山市の案内では、開催時間は次のようになっています。
| 日付 | 開催時間 |
|---|---|
| 9月1日(火) | 17:00~23:00 |
| 9月2日(水) | 17:00~23:00 |
| 9月3日(木) | 19:00~23:00 |
雨天時には中断となる場合があります。
また、開催期間中は交通規制も行われるため、実際に訪れる場合は最新の公式情報を確認してから出かけましょう。
おわら風の盆と二百十日についてよくある質問
おわら風の盆はどこで行われる?
富山県富山市の八尾地域で行われます。
おわら風の盆はいつ?
毎年9月1日から3日にかけて行われます。2026年も9月1日(火)から3日(木)の開催予定です。
2026年の二百十日はいつ?
2026年9月1日(火)です。そのため、2026年は二百十日当日におわら風の盆が始まります。
なぜ「風の盆」というの?
二百十日のころの風害を避け、五穀豊穣を願う「風鎮め」に由来する説があります。ただし、風流・風雅との関係など別の説もあり、由来がひとつに確定しているわけではありません。
おわらは台風を止めるために始まったの?
単純にそうとはいえません。おわらの起源には江戸時代の町衆の祝いを始まりとする伝承があり、その後、二百十日の風を鎮める願いや豊作祈願などと結びついてきたとされています。
「おわら」の名前の意味は?
「おわらひ(大笑い)」から変化した説、「大藁」に由来する説、小原村に由来する説など複数の説があります。
まとめ|おわら風の盆には二百十日の「風」と豊作への願いが息づいている
富山市八尾地域で毎年9月1日から3日に行われる、おわら風の盆。
その時期は、昔から風雨への警戒が必要な季節の目安とされてきた二百十日のころと重なります。
収穫を控えた農作物が強風の被害を受けないように。
無事に実りの秋を迎えられるように。
「風の盆」という名前の背景には、風を鎮め、五穀豊穣を願う人々の思いがあると伝えられています。
一方で、おわらや「風の盆」という名前の由来には複数の説があります。
ひとつの説だけを正解とするのではなく、300年以上にわたり八尾の人々が育て、受け継いできた文化そのものを見ることが大切です。
2026年は二百十日の9月1日に、おわら風の盆が幕を開けます。
二百十日という昔の暦から、日本を代表する美しい伝統行事へ――。
暦と農業を追いかけていたはずが、地域の音楽や踊り、文化へつながっていく。
これも二百十日を調べる面白さのひとつですね。

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