台風や地震などで停電した時、
「冷蔵庫の中身は何時間まで大丈夫?」
と気になる人も多いのではないでしょうか。
しかし、冷蔵庫が何時間もつかについて、
「停電から○時間なら絶対に安全」
と一律に決めることはできません。
庫内の温度は、
- 季節や室温
- 停電前の庫内温度
- 食品がどのくらい入っているか
- 扉を何回開けたか
- 冷蔵庫の機種や性能
などによって変わるからです。
この記事では、停電した時に冷蔵庫・冷凍庫の食品をできるだけ安全に保つためのポイントや、食品を食べるか迷った時の考え方を紹介します。
- 停電した冷蔵庫は「何時間まで」と一律には言えない
- 停電したら冷蔵庫の扉をできるだけ開けない
- 「何が入っている?」と何度も確認しない
- 冷蔵庫と冷凍庫では温度の上がり方が違う
- 冷凍庫は食品がまとまっていると冷たさを保ちやすい
- 保冷剤やクーラーボックスを準備しておこう
- 冷蔵庫に温度計があると判断材料になる
- 停電が復旧しても「冷えたから大丈夫」とは限らない
- 特に注意したい冷蔵食品
- 作り置き料理も注意
- 見た目やにおいだけでは判断できない
- 迷った食品は無理に食べない
- 冷凍食品が少し柔らかくなったら?
- アイスクリームは特に再冷凍に注意
- 停電したら冷蔵庫の食品をどう食べる?
- 停電時に加熱すれば何でも安全になる?
- 停電前に分かっている場合はできる準備もある
- 非常食は冷蔵庫だけに頼らない
- 停電時は電子レンジも使えない
- 赤ちゃんがいる家庭では保存食品を特に慎重に
- 高齢者がいる家庭も食中毒に注意
- 夏の停電は特に注意
- 停電時の冷蔵庫チェックリスト
- まとめ|停電した冷蔵庫は「何時間」だけで判断しない
停電した冷蔵庫は「何時間まで」と一律には言えない
停電時の冷蔵庫について、
「4時間なら大丈夫」
「半日くらいはもつ」
などの情報を目にすることがあります。
しかし、家庭の冷蔵庫は使用環境によって温度の上がり方が大きく異なります。
例えば真夏の暑い部屋と冬の寒い部屋では、停電後の庫内温度の変化も同じではありません。
また、停電中に何度も扉を開ければ、そのたびに冷気が外へ逃げます。
そのため、経過時間だけで食品の安全性を判断しないことが大切です。
停電したら冷蔵庫の扉をできるだけ開けない
停電した時にまず意識したいのが、
冷蔵庫や冷凍庫の扉をむやみに開けないこと
です。
農林水産省でも、普段の冷蔵庫の使用について、長時間扉を開けたり何度も開閉したりすると庫内温度が上昇すると案内しています。
停電中は新しく冷気を作ることができません。
そのため、庫内に残っている冷たさをできるだけ逃がさないことが重要です。
「何が入っている?」と何度も確認しない
停電すると心配になって、
「肉は大丈夫かな?」
「牛乳は?」
「冷凍庫は溶けてない?」
と何度も確認したくなるかもしれません。
しかし、そのたびに扉を開けると庫内温度が上がりやすくなります。
普段から冷蔵庫の中身を整理しておけば、停電時にも必要以上に扉を開けずに済みます。
冷蔵庫と冷凍庫では温度の上がり方が違う
冷蔵庫と冷凍庫は、同じように考えることはできません。
冷凍庫には凍った食品が入っているため、停電後もしばらくは食品そのものが保冷剤のような役割をします。
一方、冷蔵庫は冷凍食品ほど大きな冷熱を蓄えていないため、周囲の温度などの影響を受けやすくなります。
どちらの場合も、できるだけ扉を閉めたままにすることが基本です。
冷凍庫は食品がまとまっていると冷たさを保ちやすい
冷凍庫では、凍った食品同士が近くにあることで冷たさを保ちやすくなります。
空きが多い場合には、普段から保冷剤などを凍らせておく方法もあります。
停電時には、それらも庫内の温度上昇を遅らせるために役立つ可能性があります。
保冷剤やクーラーボックスを準備しておこう
停電が長引く場合、保冷剤やクーラーボックスが役立つことがあります。
ただし、停電直後から慌ててすべての食品を移し替える必要はありません。
冷蔵庫を開けることで冷気が逃げるため、停電の状況や復旧見込みなどを確認しながら判断します。
普段から、
- 保冷剤
- クーラーボックス
- 保冷バッグ
などの場所を確認しておくと、必要な時にすぐ使えます。
冷蔵庫に温度計があると判断材料になる
食品の安全性を考える時には、時間だけでなく温度も重要です。
厚生労働省では、家庭の食品保存について、
冷蔵庫は10℃以下、冷凍庫は-15℃以下
を目安として案内しています。
冷蔵庫用の温度計があれば、停電後の庫内温度を確認する一つの材料になります。
ただし、確認するために何度も扉を開けると逆効果になるため注意しましょう。
停電が復旧しても「冷えたから大丈夫」とは限らない
電気が復旧すると冷蔵庫は再び冷え始めます。
しかし、
一度長時間温度が上がった食品が、再び冷えたから安全になるわけではありません。
食品中で細菌が増えていた場合、冷蔵庫で冷やし直しても元の状態には戻りません。
停電が長時間続いた場合は、食品の保存状態を慎重に確認しましょう。
特に注意したい冷蔵食品
冷蔵庫の中でも、温度管理が重要な食品があります。
例えば、
- 生肉
- 生魚
- 刺身
- 牛乳・乳製品
- 作り置きのおかず
- 調理済み食品
などです。
これらは温度が上がった状態で長時間置かれると、食中毒のリスクが高まる可能性があります。
作り置き料理も注意
家庭で作ったカレーや煮物、おかずなどを冷蔵保存している場合も注意が必要です。
「しっかり火を通してあるから大丈夫」
とは限りません。
調理後の食品でも、保存温度が適切でなければ細菌が増える可能性があります。
停電後に保存状態が分からなくなった食品を無理に食べることは避けましょう。
見た目やにおいだけでは判断できない
食品が傷んでいるか確認する時、
「においが変じゃなければ大丈夫」
と考える人もいるかもしれません。
しかし、食中毒の原因となる細菌などは、食品の見た目やにおいに明らかな変化を起こさない場合があります。
そのため、
見た目やにおいだけで安全と判断しない
ことが重要です。
迷った食品は無理に食べない
災害時は食品を無駄にしたくない気持ちもあるでしょう。
しかし、食中毒になれば、医療機関を受診すること自体が難しい災害時にさらに大きな負担になります。
保存状態が分からない食品や、安全性に不安がある食品は無理に食べないようにしましょう。
冷凍食品が少し柔らかくなったら?
停電後の冷凍食品についても、
「少し柔らかいけど再冷凍すれば大丈夫?」
と迷うことがあります。
冷凍食品の安全性は、どの程度温度が上がったか、どのくらいの時間その状態だったか、食品の種類などによって変わります。
完全に解凍され、長時間温度が上がっていた可能性がある食品は、安易に再冷凍しないようにしましょう。
商品表示やメーカーの案内も確認し、安全性に不安があれば食べない判断が必要です。
アイスクリームは特に再冷凍に注意
アイスクリームは一度大きく溶けると、品質が大きく変化します。
溶けたものを再冷凍して食べるのではなく、保存状態に問題があった場合は処分を検討しましょう。
停電したら冷蔵庫の食品をどう食べる?
自宅が安全で調理できる状況なら、停電後は傷みやすい食品から優先して使う方法があります。
例えば、
- 状態を確認した冷蔵食品
- 解凍が進んでいる冷凍食品
- 常温保存食品
- 長期保存用の非常食
という考え方です。
ただし、安全性に不安がある食品まで「早く食べれば大丈夫」という意味ではありません。
食べられる状態であることを確認したうえで活用しましょう。
停電時に加熱すれば何でも安全になる?
「心配ならしっかり加熱すればいい」
と思うかもしれません。
しかし、保存状態が悪くなった食品を加熱すれば必ず安全になるとは限りません。
細菌の種類によっては、食品中に熱に強い毒素を作るものもあります。
保存状態に不安のある食品は、加熱して食べることを前提にしないようにしましょう。
停電前に分かっている場合はできる準備もある
台風などで停電の可能性が高いと予想される場合には、事前に準備できることがあります。
例えば、
- 保冷剤を十分に凍らせておく
- 冷蔵庫の中を整理する
- 傷みやすい食品を早めに使う
- 冷凍庫の中身を把握する
- クーラーボックスを準備する
などです。
停電してから慌てるよりも、台風が接近している段階で冷蔵庫を整理しておくと対応しやすくなります。
非常食は冷蔵庫だけに頼らない
冷蔵庫や冷凍庫に食品がたくさん入っていても、長期間停電すると保存が難しくなります。
そのため、家庭の備蓄では、
- 冷蔵食品
- 冷凍食品
- 常温保存食品
- 長期保存食品
を組み合わせておくことが大切です。
特に缶詰やパック食品など、電気がなくても保存できる食品を用意しておくと安心です。
停電時は電子レンジも使えない
冷凍食品が残っていても、電子レンジ専用の商品は停電中に温められません。
停電時の食事を考えるなら、
- そのまま食べられる食品
- カセットコンロで調理できる食品
- 少ない水で調理できる食品
も備えておきましょう。
赤ちゃんがいる家庭では保存食品を特に慎重に
赤ちゃんがいる家庭では、冷蔵・冷凍している離乳食や母乳などがある場合があります。
乳幼児は大人より体調の変化に注意が必要です。
停電で保存状態が分からなくなった食品については、無理に使用しないことが大切です。
災害用には、月齢に合った常温保存可能なベビーフードなども組み合わせて準備しておきましょう。
高齢者がいる家庭も食中毒に注意
高齢者や体力が低下している人では、食中毒によって重症化する可能性があります。
「もったいないから」
と保存状態の悪い食品を食べることは避け、安全性を優先しましょう。
夏の停電は特に注意
夏は室温が高くなりやすいため、停電すると冷蔵庫の庫内温度も上がりやすくなります。
さらに停電によってエアコンが使えなければ、室内そのものが高温になる可能性があります。
食品の保存だけでなく、人の熱中症対策も同時に考える必要があります。
停電時の冷蔵庫チェックリスト
- □ 冷蔵庫・冷凍庫の扉をむやみに開けない
- □ 停電した時刻を確認した
- □ 室温や季節を考慮する
- □ 保冷剤やクーラーボックスを準備している
- □ 冷蔵庫の中身を普段から把握している
- □ 生肉・生魚・乳製品など温度管理が重要な食品を確認する
- □ 作り置き食品の保存状態を確認する
- □ 見た目やにおいだけで判断しない
- □ 不安な食品は無理に食べない
- □ 電子レンジなしでも食べられる食品を備えている
- □ 常温保存食品も準備している
まとめ|停電した冷蔵庫は「何時間」だけで判断しない
停電した冷蔵庫について、
「○時間以内なら絶対大丈夫」
と一律に判断することはできません。
食品の状態は、
- 季節
- 室温
- 停電時間
- 庫内温度
- 扉の開閉回数
- 食品の種類
などによって変わります。
停電したら、まず冷蔵庫や冷凍庫の扉をできるだけ閉めたままにして、庫内の冷たさを保つことを意識しましょう。
そして大切なのは、
「もったいない」より「安全」を優先すること。
災害時に食中毒を起こせば、いつも以上に大きな負担になります。
防災の日には、非常食だけでなく「もし今停電したら冷蔵庫の食品をどうする?」まで家族で確認してみてはいかがでしょうか。

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