牛乳はサラサラした液体なのに、ヨーグルトになるとトロッと固まります。
でも、ヨーグルトの原料にも牛乳などが使われています。
同じ牛乳から作られるのに、どうしてヨーグルトは固まるのでしょうか?
その秘密には、 乳酸菌・乳酸・牛乳のたんぱく質「カゼイン」 が関係しています。
- この自由研究は何日かかる?
- まず予想してみよう
- まず結論|乳酸菌が作る「乳酸」がポイント
- 乳酸菌って何?
- ヨーグルトが酸っぱいのはなぜ?
- カゼインって何?
- 牛乳とヨーグルトを比べてみよう
- 実験① 傾けたときの流れ方を比べる
- 実験② pHを調べてみよう
- 紫キャベツ液でも比べられる?
- 「腐った」のと「発酵した」のは同じ?
- ヨーグルトは「液体」?「固体」?
- ヨーグルトを混ぜると柔らかくなるのはなぜ?
- 実験③ 混ぜる回数で変わる?
- ヨーグルトの上にたまる水は何?
- 実験④ 水切りヨーグルトを作るとどうなる?
- 牛乳に酢を入れても固まったよね?
- 温度は関係ある?
- 乳酸菌が多ければ早く固まる?
- ヨーグルトとチーズは似ている?
- 発展研究|ヨーグルトの種類を比べよう
- 写真はどこを撮る?
- 何年生におすすめ?
- 実験するときの注意
- 自由研究のまとめ方
- 写真や比較表を印刷してまとめよう
- まとめ|ヨーグルトが固まる秘密は乳酸菌とカゼイン
- よくある質問
- 関連記事
この自由研究は何日かかる?
- おすすめ学年:小学2~6年生
- 観察時間:30分程度
- まとめ時間:30分~1時間程度
- 材料のそろえやすさ:★★★★★
- 食育度:★★★★★
市販の牛乳とヨーグルトを比較するだけでもできるので、 夏休み最終日の自由研究にも取り組みやすいテーマ です。
まず予想してみよう
| 疑問 | 予想 |
|---|---|
| ヨーグルトはなぜ固まる? | |
| 乳酸菌は何をしている? | |
| 牛乳のたんぱく質はどう変化する? | |
| ヨーグルトが酸っぱいのはなぜ? |
まず結論|乳酸菌が作る「乳酸」がポイント
ヨーグルトを作る乳酸菌は、牛乳に含まれる乳糖などを利用して、 乳酸を作ります。
乳酸が増えると、牛乳はだんだん酸性に傾いていきます。
すると牛乳に含まれる代表的なたんぱく質、 カゼイン の状態が変化します。
カゼイン同士が集まり、網目のような構造を作って水分などを抱え込むことで、 牛乳がヨーグルトのようなゲル状に変化 します。
乳酸菌って何?
乳酸菌は、糖を利用して乳酸を作る細菌の総称です。
ヨーグルトでは乳酸菌の働きを利用して牛乳などを発酵させています。
つまり乳酸菌は、
牛乳をただ「固めている」のではなく、発酵によって周りの環境を変化させている
のです。
ヨーグルトが酸っぱいのはなぜ?
乳酸菌が作った乳酸によって酸味が生まれるためです。
つまり、
「酸っぱくなること」と「固まること」は別々の偶然ではありません。
乳酸が増える → 酸性に傾く → カゼインの状態が変わる → ゲルができる
というようにつながっています。
カゼインって何?
カゼインは、 牛乳に多く含まれるたんぱく質 です。
前回の「牛乳はなぜ白い?」では、カゼインが牛乳の白さにも関係していることを紹介しました。
今度はそのカゼインが、 ヨーグルトの固まり方にも登場 します。
牛乳とヨーグルトを比べてみよう
用意するもの
- 牛乳
- プレーンヨーグルト
- 透明な容器2個
- スプーン
- 記録用紙
市販品を使えば、 発酵そのものを家庭で行わなくても観察できます。
実験① 傾けたときの流れ方を比べる
同じくらいの量の牛乳とヨーグルトを透明な容器へ入れます。
容器をゆっくり傾け、
- 流れる速さ
- 形が残るか
- 容器への付き方
を観察しましょう。
| 観察 | 牛乳 | ヨーグルト |
|---|---|---|
| 流れ方 | ||
| 形が残る? | ||
| スプーンですくえる? | ||
| におい |
実験② pHを調べてみよう
pH試験紙などがあれば、 牛乳とプレーンヨーグルトのpHを比較 することもできます。
数字を予想して当てる必要はありません。
実際に測定して、
「ヨーグルトのほうが酸性側だった」
という結果と、乳酸菌の働きを結びつけて考えます。
試験紙は商品によって測定方法が異なるため、説明書に従って使用してください。
紫キャベツ液でも比べられる?
酸性・アルカリ性で色が変わる紫キャベツ液を使って、牛乳とヨーグルトの違いを観察する方法もあります。
ただし牛乳やヨーグルト自体が白く濁っているため、 透明な液体ほど色の変化を判断しやすくありません。
正確に比較したい場合はpH試験紙などを利用するとよいでしょう。
「腐った」のと「発酵した」のは同じ?
ヨーグルトは牛乳を放置して偶然傷ませた食品ではありません。
食品として管理された条件で、 目的とする微生物の働きを利用して作られています。
そのため、
「牛乳を暖かい場所に置いておけばヨーグルトになる」わけではありません。
家庭で牛乳を放置する実験は、食中毒の危険があるため行わないでください。
ヨーグルトは「液体」?「固体」?
ヨーグルトは完全な硬い固体ではありません。
たんぱく質などが作った網目構造の中に水分を抱え込んだ、 ゲル として考えることができます。
これまで自由研究で登場した、
- ゼラチンゼリー
- 寒天
- ペクチンを使ったジャム
にも「ゲル」という考え方が登場しました。
でも、 固まる仕組みはそれぞれ違います。
ヨーグルトを混ぜると柔らかくなるのはなぜ?
ヨーグルトをスプーンで何度も混ぜると、最初よりなめらかで流れやすくなります。
これは、 できていたゲルの構造がかくはんによって崩れること などが関係しています。
そこで次の実験です。
実験③ 混ぜる回数で変わる?
同じヨーグルトを3つの容器へ同じ量ずつ分けます。
- A:混ぜない
- B:10回混ぜる
- C:30回混ぜる
などにして、傾けたときの流れ方を比較します。
| 条件 | 流れ方 | 形の残り方 |
|---|---|---|
| 混ぜない | ||
| 10回 | ||
| 30回 |
同じ食品でも、 物理的に混ぜることで状態が変わる ことを観察できます。
ヨーグルトの上にたまる水は何?
ヨーグルトを開けると、表面に透明~薄黄色の液体がたまっていることがあります。
これは一般にホエイ(乳清)と呼ばれる液体です。
ヨーグルトのゲルから水分などが分離して出てきたものです。
「水が出たから腐っている」とは限りません。
ただし、保存状態や賞味期限、においなどに異常がある場合は食べないようにしましょう。
実験④ 水切りヨーグルトを作るとどうなる?
ヨーグルトを清潔なフィルターなどで水切りすると、
- 濃くなったヨーグルト部分
- 下へ落ちた液体
に分けることができます。
時間ごとに、 どのくらい液体が出たか を測ってみましょう。
| 時間 | 出てきた液体の量 | ヨーグルトの様子 |
|---|---|---|
| 開始時 | ||
| 30分後 | ||
| 1時間後 |
長時間行う場合は、 冷蔵庫の中で水切り してください。
牛乳に酢を入れても固まったよね?
前回は、牛乳に酢などの酸を加えるとカゼインが集まることを紹介しました。
ヨーグルトでも、 酸性になることでカゼインの状態が変化する という点ではつながっています。
ただしヨーグルトでは、 乳酸菌が発酵によって乳酸を作る ことが大きなポイントです。
酢を直接加えることと、乳酸菌による発酵は同じではありません。
温度は関係ある?
乳酸菌にも、働きやすい温度の範囲があります。
そのためヨーグルト製造では、 使う菌に合わせて温度や時間を管理 します。
ただし菌の種類によって適した条件が違うため、 「乳酸菌なら全部○℃」とはいえません。
家庭でヨーグルトを作る場合は、市販のヨーグルトメーカーや使用する種菌などの説明に従ってください。
乳酸菌が多ければ早く固まる?
これも単純には決められません。
ヨーグルトの発酵には、
- 菌の種類
- 菌の状態
- 温度
- 時間
- 牛乳などの原料
- 酸性になる速さ
などが関係します。
菌が多い=必ず短時間で硬くなる と考えないようにしましょう。
ヨーグルトとチーズは似ている?
ヨーグルトとチーズは、どちらも牛乳などを原料にするものがあります。
そして、 乳のたんぱく質を集めて固める という点でもつながっています。
でもチーズでは、乳酸菌だけでなく凝乳酵素(レンネット)などを利用する種類もあります。
さらに水分を取り除いたり、熟成させたりするものもあります。
同じ牛乳から、 どうしてヨーグルトとチーズという違う食品になるのか?
これが次の記事です。
発展研究|ヨーグルトの種類を比べよう
スーパーには、
- プレーンヨーグルト
- ギリシャヨーグルト
- 低脂肪タイプ
- 脂肪ゼロタイプ
など、さまざまな商品があります。
食品表示を見て、
- 原材料
- たんぱく質
- 脂質
- 炭水化物
- 硬さ
を比較しても自由研究になります。
ただし商品によって製法や配合が違うため、 硬さの違いをひとつの栄養成分だけで説明しない ことが大切です。
※ヨーグルト種類比較もこの記事内で回収。新記事には増やしません。
写真はどこを撮る?
- 牛乳とヨーグルトを並べた写真
- 容器を傾けたところ
- スプーンですくったところ
- 食品表示
- pHを比較したところ
- 混ぜる前のヨーグルト
- 混ぜた後
- 水切り前
- 水切り後
- 出てきたホエイ
- 観察表
何年生におすすめ?
小学1~2年生
牛乳とヨーグルトの、 「サラサラ」と「トロトロ」 を写真や絵で比較します。
小学3~4年生
乳酸菌が乳酸を作り、牛乳が酸性に傾くことまで調べましょう。
小学5~6年生
カゼイン・pH・ゲルの仕組みまで調べ、 発酵によって牛乳のたんぱく質の状態がどう変わるか を考察すると本格的です。
実験するときの注意
牛乳やヨーグルトは傷みやすい食品です。 実験直前まで冷蔵庫で保管 してください。
長時間室温に置いた実験用の食品は食べないようにしましょう。
また、 牛乳を室温に放置して自然にヨーグルトになるか試す実験は行わないでください。
目的としない微生物が増殖する可能性があり、安全ではありません。
自由研究のまとめ方
- 疑問:ヨーグルトはなぜ固まる?
- 予想:牛乳との違いを考える
- 観察:牛乳とヨーグルトを比べる
- 調査:乳酸菌について調べる
- 調査:乳酸について調べる
- 調査:カゼインについて調べる
- 実験:流れ方やpHを比較する
- 結果:写真や表にまとめる
- 考察:酸性になることと固まることを結びつける
- 結論:乳酸菌・乳酸・カゼインの関係をまとめる
写真や比較表を印刷してまとめよう
牛乳とヨーグルトの比較写真や観察表、pHの結果などを並べると、短時間でもわかりやすい自由研究になります。
写真や比較表を自宅で印刷する場合は、プリンターに対応した互換インクを比較してみるのもひとつの方法です。
▶ 自由研究の写真・比較表の印刷に使える互換インクをチェックする
まとめ|ヨーグルトが固まる秘密は乳酸菌とカゼイン
ヨーグルトが固まることには、 乳酸菌が作る乳酸 が大きく関係しています。
乳酸菌が乳糖などを利用して乳酸を作ると、牛乳は酸性に傾きます。
すると、 牛乳に含まれるカゼインの状態が変化して集まり、ゲル状の構造 を作ります。
そのため、サラサラだった牛乳がトロッとしたヨーグルトへ変化するのです。
そして面白いのは、
前回「牛乳を白く見せる成分」として登場したカゼインが、今回は「ヨーグルトを固める成分」として再登場したこと。
ひとつの食品を調べていくと、 光・たんぱく質・微生物・発酵 が全部つながっていきます。
よくある質問
ヨーグルトはなぜ固まるの?
乳酸菌が作る乳酸によって牛乳が酸性に傾き、カゼインというたんぱく質の状態が変化してゲル状になるためです。
ヨーグルトが酸っぱいのはなぜ?
乳酸菌が発酵によって乳酸を作ることが、酸味の大きな理由です。
牛乳を放置すればヨーグルトになりますか?
安全なヨーグルトになるとは限りません。目的としない微生物が増殖する可能性があるため、牛乳を室温に放置する実験は行わないでください。
ヨーグルトの上の水は何ですか?
一般にホエイ(乳清)と呼ばれる液体です。ヨーグルトのゲルから分離して出てくることがあります。
ヨーグルトとゼリーは同じ固まり方ですか?
どちらもゲルとして考えられますが、固まる仕組みは同じではありません。ヨーグルトでは酸性になることによる乳たんぱく質の変化が重要です。
関連記事
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