卵の白身と黄身は、加熱すると固まります。
でも前の記事で調べたように、白身と黄身では含まれているたんぱく質や成分が違い、熱による変化の仕方も同じではありません。
では、
白身と黄身を混ぜた「全卵」は、何℃くらいから固まり始めるのでしょうか?
白身の性質に近くなる?
黄身の性質に近くなる?
それとも、混ぜることでまた違った固まり方になる?
今回は、白身と黄身をよく混ぜた卵液を温度ごとに加熱し、とろみや硬さの変化を観察してみましょう。
- この自由研究は何日かかる?
- まず予想してみよう
- そもそも「全卵」って何?
- 全卵も加熱するとたんぱく質が変化する
- 全卵は何℃で固まるの?
- 白身と黄身を混ぜるとなぜ中間のような性質になる?
- 自由研究|全卵を温度ごとに加熱してみよう
- この自由研究であると便利なもの
- まず卵液を均一に作ろう
- どんな温度で比べる?
- 実験方法
- 今回「変えるもの」と「そろえるもの」は?
- どんなところを観察する?
- 固まり具合を5段階で評価しよう
- 「何℃で固まった?」はどう決める?
- 全卵はある温度で突然カチッと固まるわけではない
- 温度だけでなく時間も記録しよう
- 追加実験|同じ温度で時間だけ変える
- 追加実験|全卵・白身・黄身を同じ温度で比べる
- 追加実験|砂糖を入れたらどうなる?
- 追加実験|塩を入れたらどうなる?
- プリンはなぜ全卵で固まる?
- 茶碗蒸しにも同じ仕組みが使われている
- 加熱しすぎるとなぜ硬くなる?
- すが入るのはなぜ?
- グラフにしてみよう
- 写真は温度順に並べよう
- 結果が予想と違っても大丈夫
- 家庭で正確な凝固温度は測れる?
- 何年生におすすめ?
- 自由研究のまとめ方
- 写真・温度表・グラフを印刷してまとめよう
- まとめ|全卵は白身とも黄身とも少し違う固まり方をする
- よくある質問
この自由研究は何日かかる?
- おすすめ学年:小学4~6年生
- おすすめ期間:1日
- 実験時間:1~2時間程度
- 結果が出るまで:当日
- 材料の入手しやすさ:★★★★★
- 当日完成:◎
温度ごとの卵液の変化を観察するだけなら、その日のうちに実験から考察まで進められます。
さらに塩や砂糖、だしなどを加えて比較する場合は、2~3日の発展研究にもできます。
まず予想してみよう
実験をする前に、全卵がどのくらいの温度から固まり始めると思うか予想してみましょう。
- 白身と同じくらいの温度だと思う
- 黄身と同じくらいだと思う
- 白身と黄身の中間くらいだと思う
- 混ぜると固まり方がまったく変わると思う
さらに、
「いきなり固体になる?それとも、まずとろみが出る?」
も予想してみましょう。
そもそも「全卵」って何?
全卵とは、卵の白身と黄身を分けずに一緒に使ったものです。
例えば、
- 卵焼き
- スクランブルエッグ
- プリン
- 茶碗蒸し
- ホットケーキ
など、さまざまな料理で全卵が使われています。
白身と黄身を混ぜることで、両方の成分が混ざった卵液になります。
全卵も加熱するとたんぱく質が変化する
卵にはたんぱく質が多く含まれています。
たんぱく質は熱を受けると、それまでの立体的な構造が変化します。
そして変化したたんぱく質同士がつながり合い、液体だった卵が固まっていきます。
このような変化をたんぱく質の熱変性や凝固といいます。
全卵は何℃で固まるの?
白身と黄身を混ぜた全卵は、一般的に60℃台後半から70℃前後で凝固が進んでいきます。
ただし、
「○℃になった瞬間、全部が一気に固体になる」わけではありません。
温度が上がるにつれて、
- サラサラ
- 少しとろみが出る
- やわらかく固まり始める
- 全体が固まる
- さらに加熱すると硬くなる
というように、少しずつ状態が変わっていきます。
白身と黄身を混ぜるとなぜ中間のような性質になる?
全卵には、白身に含まれるたんぱく質と黄身に含まれるたんぱく質の両方が存在します。
さらに黄身には脂質なども含まれています。
そのため、白身だけ・黄身だけとは異なる卵液になります。
「白身の凝固温度と黄身の凝固温度を足して2で割れば全卵の凝固温度になる」
という単純な計算ではありません。
実際に温度ごとの変化を観察してみましょう。
自由研究|全卵を温度ごとに加熱してみよう
用意するもの
- 卵
- ボウル
- 泡立て器や箸
- 同じ形の小さな耐熱容器
- 鍋
- 水
- デジタルキッチン温度計
- キッチンタイマー
- 計量スプーン
- キッチンスケール
- 記録用紙
- カメラやスマートフォン
熱湯を使うため、小学生は必ず大人と一緒に実験してください。
この自由研究であると便利なもの
温度を調べるならデジタルキッチン温度計
今回のテーマは「何℃くらいで全卵が変化する?」なので、温度計が実験の主役になります。
お湯や卵液の温度を測り、「この温度ではサラサラ」「この温度ではとろみが出た」と数字で記録できます。
加熱時間をそろえるならキッチンタイマー
卵の凝固には温度だけでなく時間も関係します。
各条件を同じ時間加熱するため、タイマーで測っておくと比較しやすくなります。
まず卵液を均一に作ろう
実験では、卵液そのものの違いをできるだけ少なくします。
- 卵をボウルに割ります。
- 白身と黄身が均一になるまで混ぜます。
- 泡立てすぎないように注意します。
- 同じ重さずつ耐熱容器へ分けます。
例えば1つの容器に20gずつなど、同じ量へそろえると比較しやすくなります。
どんな温度で比べる?
例えば、
- 60℃前後
- 65℃前後
- 70℃前後
- 75℃前後
- 80℃前後
など、数段階に分けて観察します。
家庭では温度を完全に一定に保つことは難しいため、実際に測った温度を記録しましょう。
実験方法
- 全卵をよく混ぜます。
- 同じ量ずつ耐熱容器へ分けます。
- 鍋に湯せん用のお湯を用意します。
- 温度計で水温を測ります。
- 実験する温度帯へ調整します。
- 卵液の容器を湯せんします。
- タイマーをスタートします。
- 同じ時間加熱します。
- 卵液の状態を観察します。
- 写真を撮ります。
- 次の温度条件でも同じように実験します。
今回「変えるもの」と「そろえるもの」は?
| 項目 | どうする? |
|---|---|
| 加熱温度 | 変える |
| 卵液の量 | そろえる |
| 耐熱容器 | そろえる |
| 卵液の混ぜ方 | そろえる |
| 加熱時間 | そろえる |
| 湯せん方法 | そろえる |
今回意図的に変えるのは温度です。
どんなところを観察する?
温度ごとに、
- サラサラしている?
- とろみが出た?
- スプーンですくえる?
- 形を保てる?
- 水分が出ている?
- 表面が硬くなった?
などを観察します。
固まり具合を5段階で評価しよう
- 1:完全にサラサラ
- 2:少しとろみがある
- 3:やわらかく固まり始めている
- 4:ほぼ全体が固まっている
- 5:しっかり固まっている
| 温度 | 固まり具合 | 見た目 | 気づいたこと |
|---|---|---|---|
| 60℃前後 | |||
| 65℃前後 | |||
| 70℃前後 | |||
| 75℃前後 | |||
| 80℃前後 |
「何℃で固まった?」はどう決める?
今回のような家庭実験では、「凝固した」と判断する基準を最初に決めておくとまとめやすくなります。
例えば、
- 容器を傾けても流れなくなった
- スプーンですくえるようになった
- 表面が形を保つようになった
などです。
そして、
「今回の実験では、容器を傾けても流れなくなった状態を『固まった』とした」
と書きましょう。
全卵はある温度で突然カチッと固まるわけではない
実際に温度ごとに観察すると、
液体 → とろみ → やわらかなゲル状 → 固体
と連続的に変化していくことがわかります。
そのため、「凝固温度」はひとつの数字だけではなく、どの状態を基準にするかでも変わります。
温度だけでなく時間も記録しよう
例えば70℃でも、
- 1分加熱
- 5分加熱
- 10分加熱
では状態が違う可能性があります。
卵のたんぱく質の凝固には、
温度と時間の両方
が関係するからです。
温度だけでなく、何分加熱したかも必ず記録しましょう。
追加実験|同じ温度で時間だけ変える
基本実験が終わったら、同じ温度で加熱時間だけを変えてみましょう。
例えば、
- 2分
- 5分
- 10分
- 15分
とします。
「同じ70℃でも、時間が長いほど固まり方はどう変わる?」
という発展研究になります。
追加実験|全卵・白身・黄身を同じ温度で比べる
前回の実験と組み合わせるなら、
- 白身
- 黄身
- 全卵
を同じ温度で加熱して比較してみましょう。
| 温度 | 白身 | 黄身 | 全卵 |
|---|---|---|---|
| 60℃前後 | |||
| 65℃前後 | |||
| 70℃前後 | |||
| 75℃前後 |
同じ卵でも、白身・黄身・混ぜた全卵で変化の仕方が違う
ことを一度に比較できます。
追加実験|砂糖を入れたらどうなる?
全卵に砂糖を加えて同じように加熱すると、何も入れない卵とは固まり方が変わることがあります。
例えば、
- A:全卵だけ
- B:全卵+砂糖
で比較します。
これはプリンなどの卵料理にもつながる実験です。
追加実験|塩を入れたらどうなる?
塩を加えた場合も、卵のたんぱく質の状態に影響することがあります。
前に行った、
「塩や砂糖を入れると卵の固まり方は変わる?」
の実験と組み合わせると、卵クラスター全体をひとつの大きな自由研究としてまとめることもできます。
プリンはなぜ全卵で固まる?
プリンには卵のほかに牛乳や砂糖などが使われています。
加熱すると卵に含まれるたんぱく質が凝固し、周りの水分を抱え込むように固まります。
そのため、ゼラチンを入れなくてもプリンを固めることができます。
ただし牛乳や砂糖を加えることで、全卵だけを加熱した場合とは固まり方が変わります。
茶碗蒸しにも同じ仕組みが使われている
茶碗蒸しも、卵の凝固を利用して固める料理です。
卵液にだしを加えているため、全卵だけよりも水分が多く、やわらかな食感になります。
ここから、
「だしの量を変えると茶碗蒸しの硬さはどう変わる?」
という別の自由研究にもつながります。
加熱しすぎるとなぜ硬くなる?
卵液が固まったあとも高い温度で加熱を続けると、たんぱく質同士のつながりがさらに強くなり、水分が外へ出やすくなります。
その結果、
- 硬くなる
- ボソボソする
- 水分が出る
などの変化が起こることがあります。
「固まれば終わり」ではなく、その後の加熱でも食感が変わる
ことにも注目してみましょう。
すが入るのはなぜ?
プリンや茶碗蒸しを高温で加熱しすぎると、小さな穴がたくさんできることがあります。
これを「すが入る」といいます。
卵のたんぱく質が強く凝固し、水分が押し出されたり、加熱中の気泡などが残ったりすることが関係します。
温度管理が料理の食感に大きく影響することがわかります。
グラフにしてみよう
固まり具合を5段階で記録したら、
- 横軸:温度
- 縦軸:固まり具合
のグラフにしてみましょう。
すると、
どの温度帯で大きな変化が起きたか
がわかりやすくなります。
写真は温度順に並べよう
温度ごとの卵液を、
- 60℃前後
- 65℃前後
- 70℃前後
- 75℃前後
- 80℃前後
と順番に並べて写真を撮ります。
同じ容器・同じ角度で撮れば、卵液がサラサラから固体へ変わっていく様子が一目でわかります。
結果が予想と違っても大丈夫
例えば「70℃で完全に固まると思ったのに、まだやわらかかった」という結果になることもあります。
その場合は、
- 加熱時間が短かった?
- 卵液そのものの温度はお湯より低かった?
- 容器が厚かった?
- お湯の温度が途中で下がった?
などを考えてみましょう。
予想と違うことは失敗ではなく、考察する材料です。
家庭で正確な凝固温度は測れる?
家庭の鍋やキッチン温度計でも、温度と状態の関係を観察することはできます。
ただし、卵液そのものの温度や容器内の温度を完全に均一にし、研究室のような精度で凝固温度を測定することは難しいです。
そのため、
「今回の条件では○℃前後でこのような変化が見られた」
とまとめるのがおすすめです。
何年生におすすめ?
小学1~3年生
加熱は大人が行い、低い温度・中くらい・高い温度の3種類程度を比べて、卵がどんなふうに変わったか写真や絵でまとめましょう。
小学4年生
温度ごとのとろみや硬さを5段階で記録し、表やグラフを作るのがおすすめです。
小学5~6年生
白身・黄身・全卵を同じ条件で比較し、たんぱく質の熱変性や凝固、温度と時間の関係まで考察すると本格的な研究になります。
自由研究のまとめ方
- 疑問:白身と黄身を混ぜた全卵は何℃くらいで固まる?
- 予想:どの温度から変化すると思うか書く
- 調査:卵が加熱で固まる理由を調べる
- 実験:全卵を温度ごとに加熱する
- 測定:温度と加熱時間を記録する
- 観察:とろみ・硬さ・見た目を記録する
- 結果:写真と表にまとめる
- グラフ:温度と固まり具合を比べる
- 考察:白身・黄身との違いを考える
- 発展:砂糖・塩・だしなどを加えて比較する
写真・温度表・グラフを印刷してまとめよう
今回の自由研究では、
- 加熱前の全卵
- 各温度の卵液
- 温度と状態の比較表
- 固まり具合のグラフ
を一緒にまとめると、実験の流れが伝わりやすくなります。
写真や比較表、グラフを自宅で何枚も印刷すると、プリンターのインクを多く使うことがあります。
印刷枚数が増えそうなら、純正品だけでなく互換インクを比較してみるのもひとつの方法です。
▶ 自由研究の写真・温度表の印刷に使える互換インクをチェックしてみる
まとめ|全卵は白身とも黄身とも少し違う固まり方をする
白身と黄身を混ぜた全卵も、加熱するとたんぱく質が変化して固まります。
一般的には60℃台後半から70℃前後にかけて凝固が進んでいきますが、
ひとつの温度になった瞬間に全部が固まるわけではありません。
サラサラした液体から、とろみが出て、やわらかく固まり、さらにしっかりした固体へと少しずつ変化します。
また、温度だけでなく加熱時間も重要です。
白身・黄身・全卵を比べることで、
同じ卵でも、使う部分や混ぜ方によって熱による変化が違う
ことがわかります。
卵焼き、プリン、茶碗蒸しなど身近な料理にも、このたんぱく質の凝固が利用されています。
よくある質問
全卵は何℃くらいで固まりますか?
一般的には60℃台後半から70℃前後にかけて凝固が進みます。ただし、卵はひとつの温度で一瞬にして全部固まるわけではなく、加熱時間によっても状態が変わります。
白身と黄身を混ぜたら凝固温度はちょうど中間になりますか?
単純に中間の数字になるわけではありません。白身と黄身に含まれるたんぱく質や脂質などが混ざった状態になるため、全卵としての固まり方を観察する必要があります。
全卵が固まる前にはどんな変化が起こりますか?
サラサラした状態から少しずつとろみが出て、やわらかく形を保つようになり、さらに加熱するとしっかり固まっていきます。
温度計がなくてもできますか?
加熱時間だけを変えて固まり方を比べる研究はできますが、「何℃で固まる?」をテーマにするなら温度計がある方が適しています。
実験した卵は食べられますか?
観察用に十分加熱されていない試料も含まれるため、実験試料を食べることはおすすめしません。食べる場合は別に安全な加熱条件で調理したものを用意してください。

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