寒天ゼリーやようかんに使われている寒天。
スーパーでは、
- 粉寒天
- 棒寒天
- 糸寒天
などの形で売られています。
白っぽくて乾燥した寒天を見ると、
「これって何からできているんだろう?」
と思いませんか?
実は寒天の原料は、
海藻です。
しかも、海藻からいきなり粉寒天ができるわけではありません。
寒天ができるまでには、
海藻 → ところてんのようなゲル → 凍結・脱水・乾燥 → 寒天
という、とても面白い工程があります。
今回は、
- 寒天は何からできている?
- ところてんと寒天はどんな関係?
- なぜ凍らせたり乾燥させたりする?
- 粉寒天・棒寒天・糸寒天は何が違う?
を調べてみましょう。
- この自由研究は何日かかる?
- まず予想してみよう
- 寒天の原料は海藻
- 海藻の何が固まるの?
- 最初にできるのは「ところてん」
- ところてんを作ってみよう
- ところてん突きがあると観察も楽しい
- 実験① 海藻を煮てみよう
- 実験② 温かい煮汁を観察しよう
- 実験③ 冷やしてみよう
- では「ところてん」と「寒天」は何が違う?
- 寒天になるまでを順番に並べよう
- 昔ながらの寒天作りでは「冬の寒さ」を利用する
- だから「寒天」という名前なの?
- なぜ凍らせると水が抜ける?
- 「凍らせる」のに冷凍食品とは違う?
- 実験④ ところてんを凍らせたらどうなる?
- 何を観察する?
- 冷凍前と同じ状態に戻る?
- 家庭で本物の寒天まで作れる?
- 粉寒天はどうやって作る?
- 棒寒天・糸寒天・粉寒天は何が違う?
- 乾燥した寒天にもう一度水を入れると固まる?
- 実験⑤ 粉寒天から寒天ゼリーを作ろう
- ところてんと寒天を比べてみよう
- ゼラチンとは作り方が全然違う
- 「海藻なのにゼリーになる」のが最大のポイント
- さらに発展|寒天の産地を調べてみよう
- なぜ寒いだけではダメ?
- 寒天作りは昔のフリーズドライ?
- 写真はどこを撮る?
- 何年生におすすめ?
- 実験するときの注意
- 自由研究のまとめ方
- 写真や比較表を印刷してまとめよう
- まとめ|寒天は「海藻を煮て固めて、水分を取り除いた食品」
- よくある質問
この自由研究は何日かかる?
- おすすめ学年:小学2~6年生
- 調べ学習だけ:30分~1時間程度
- ところてん作り:半日~1日
- 乾燥まで観察する場合:数日
- 材料のそろえやすさ:★★★★☆
- 食品科学度:★★★★★
実際に寒天を昔ながらの方法で最初から最後まで作るのは時間がかかります。
そこで自由研究では、
海藻からところてんを作る実験+寒天の製造工程を調べる
という組み合わせがおすすめです。
まず予想してみよう
寒天はどうやって作られると思いますか?
- 海藻を乾かすだけ?
- 海藻を粉にする?
- 海藻を煮る?
- ところてんを乾燥させる?
調べる前に予想を書いておきましょう。
寒天の原料は海藻
寒天は主に、
- テングサ類
- オゴノリ類
などの紅藻類を原料として作られます。
つまり、
寒天は海藻由来の食品
です。
ただし、わかめや昆布をそのまま煮れば寒天になるわけではありません。
海藻にはそれぞれ含まれている成分が違うためです。
海藻の何が固まるの?
テングサなどには、
水に溶け出してゲルを作る多糖類
が含まれています。
海藻を水と一緒に加熱すると、その成分が煮汁へ溶け出します。
そして煮汁を冷ますと、
網目状の構造ができて、水を抱え込んだゲル
になります。
最初にできるのは「ところてん」
テングサなどを煮出し、
海藻をこして、
その液体を冷やすと固まります。
このゲルを細長く突き出して食べるのが、
ところてん
です。
つまり、
海藻から取り出したゲルを、そのまま食べる形のひとつがところてん
なのです。
ところてんを作ってみよう
自由研究では、実際にテングサなどからところてんを作ってみると、寒天の原料が海藻であることを実感できます。
用意するもの
- ところてん作りに使える海藻
- 水
- 鍋
- ざるや布など、こすための道具
- 容器
- ところてん突き(なくても実験は可能)
商品によって作り方や必要量が異なるため、購入した商品の説明に従って作りましょう。
今回使い切れなかった材料も、商品にレシピが付属しているタイプなら、別の料理やおやつ作りに活用できます。
ところてん突きがあると観察も楽しい
固まったところてんを、
ところてん突き
で押し出すと、細長い形になります。
「固まったものを穴から押し出すと、どうして細長く切れるの?」
と、形の変化を観察するのも面白いポイントです。
ところてん突きは100円ショップなどで扱われている場合もあります。
自由研究で一度使うだけなら、近くのお店を確認してから購入方法を決めてもよいでしょう。
実験① 海藻を煮てみよう
大人と一緒に、商品の説明に従って海藻を煮ます。
観察するポイントは、
- 煮る前の海藻の硬さ
- 煮ている途中の海藻
- 煮汁の色
- 煮汁のとろみ
- 香り
です。
| 観察項目 | 煮る前 | 煮たあと |
|---|---|---|
| 海藻の硬さ | ||
| 色 | ||
| 煮汁 | なし | |
| 香り |
実験② 温かい煮汁を観察しよう
海藻をこした直後の液体は、
まだ液体
です。
写真を撮っておきましょう。
そして、
「この液体が本当に固まると思う?」
と予想します。
実験③ 冷やしてみよう
煮汁を容器へ入れ、冷まします。
すると、
液体だったものがゲル状に固まります。
| 項目 | 温かいとき | 冷えたあと |
|---|---|---|
| 状態 | 液体 | |
| 流れる? | ||
| 形を保つ? | ||
| 弾力 |
「海藻を煮た液体が冷えるだけで固まった」
という変化は、自由研究の写真にもぴったりです。
では「ところてん」と「寒天」は何が違う?
ここからが今回の本題です。
ところてんと寒天は、
原料も非常に近く、途中までの作り方もつながっています。
ところてんのようなゲルを、
さらに脱水して乾燥させたものが寒天
です。
寒天になるまでを順番に並べよう
大まかな流れは、
① 海藻を洗う・処理する
↓
② 水と一緒に加熱して成分を煮出す
↓
③ 海藻などをこす
↓
④ 液体を冷やしてゲル状にする
↓
⑤ ゲルから水分を取り除く
↓
⑥ 乾燥させる
↓
⑦ 寒天になる
と整理できます。
昔ながらの寒天作りでは「冬の寒さ」を利用する
昔ながらの寒天作りでは、
冬の寒さ
を利用します。
ところてん状に固めたものを寒い屋外へ出し、
凍結と融解、乾燥
を利用して水分を減らしていきます。
これによって乾燥した寒天になります。
だから「寒天」という名前なの?
寒天という名前は、
寒い時期に作られる乾燥食品であることをイメージしやすい名前
です。
寒天の歴史を調べてみると、江戸時代の日本で生まれた食品とされています。
理科だけでなく、
食品の歴史
まで調べる自由研究にもできます。
なぜ凍らせると水が抜ける?
ところてんの中には、
たくさんの水
が含まれています。
凍結すると、その水分が氷になります。
その後に解凍すると、
ゲルの中にあった水が外へ出やすくなります。
さらに乾燥させることで水分を大きく減らせます。
こうして、
保存しやすい乾燥した寒天
になります。
「凍らせる」のに冷凍食品とは違う?
寒天作りで凍結する目的は、
冷たい状態で保存するためではありません。
水分を取り除いて乾燥させるための工程として利用します。
最終的な寒天は乾燥食品なので、
「凍らせたあとに乾かす」
というところが面白いポイントです。
実験④ ところてんを凍らせたらどうなる?
家庭でも、
ところてん状のゲルを少量だけ冷凍して、解凍後の変化を観察する
ことができます。
市販品を使う場合は、商品に含まれる成分によって結果が変わるため、原材料表示も記録しておきましょう。
比べるもの
- A:冷凍しないもの
- B:一度冷凍して解凍したもの
同じ大きさにして比較します。
何を観察する?
| 項目 | 冷凍前 | 解凍後 |
|---|---|---|
| 大きさ | ||
| 硬さ | ||
| 水が出た? | ||
| 食感 | ||
| 見た目 |
特に、
解凍したときに水が出てくるか
に注目してみましょう。
冷凍前と同じ状態に戻る?
完全に元どおりになるとは限りません。
凍結によって、
ゲルの内部構造が変化する
ためです。
水分が外へ出たり、食感が変わったりすることがあります。
この現象を利用して水分を抜いていくのが、伝統的な寒天作りの特徴のひとつです。
家庭で本物の寒天まで作れる?
理論上は工程を再現できますが、
市販品と同じ品質の寒天を家庭で作るのは簡単ではありません。
温度、凍結、乾燥、水分量など多くの条件が関係するためです。
自由研究なら、
「海藻→ところてん」まで実験し、「ところてん→寒天」は調べ学習と冷凍観察で確認する
方法がおすすめです。
粉寒天はどうやって作る?
現在は工場で寒天成分を抽出し、
- ろ過
- ゲル化
- 脱水
- 乾燥
- 粉砕
などの工程を経て、粉末状に加工する製品もあります。
そのため、
すべての寒天が昔ながらの天然凍結だけで作られているわけではありません。
ここは調べ学習で注意したいポイントです。
棒寒天・糸寒天・粉寒天は何が違う?
寒天にはいろいろな形があります。
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| 棒寒天 | 棒状に乾燥させたもの |
| 糸寒天 | 細い糸状に乾燥させたもの |
| 粉寒天 | 粉末状で計量しやすく、家庭でも使いやすい |
形は違いますが、
水へ溶かして再びゲルを作れる
という特徴があります。
乾燥した寒天にもう一度水を入れると固まる?
寒天は、
水を加えて十分に加熱して溶かす
ことで、再びゲルを作れる状態になります。
そして冷えると固まります。
つまり、
海藻 → ゲル → 乾燥 → 水を加えて加熱 → 再びゲル
という、とても面白い変化をしているのです。
実験⑤ 粉寒天から寒天ゼリーを作ろう
今度は市販の粉寒天を使います。
商品の説明に従って、
- 水へ寒天を入れる
- 加熱する
- 十分に溶かす
- 容器へ入れる
- 冷ます
という工程を観察します。
乾燥していた寒天が、もう一度水を抱え込んでゲルになる
ところに注目しましょう。
ところてんと寒天を比べてみよう
| ところてん | 寒天 | |
|---|---|---|
| 原料 | テングサなど | テングサ・オゴノリなど |
| 状態 | 水分を多く含むゲル | 水分を減らした乾燥食品 |
| そのまま食べる? | 食べられる | 通常は水に溶かして使用 |
| 保存性 | 水分が多い | 乾燥していて保存しやすい |
つまり、
ところてんと寒天は「まったく別の食べ物」ではなく、製造工程でつながっている
のです。
ゼラチンとは作り方が全然違う
ゼラチンは、
動物の皮や骨などに含まれるコラーゲン
から作られます。
一方、寒天は、
海藻由来の多糖類
です。
同じようにゼリーを作れても、
原料から製造方法までまったく違います。
「海藻なのにゼリーになる」のが最大のポイント
普段食べている海藻を見ると、
「これがどうしてゼリーになるの?」
と思うかもしれません。
でも海藻の中には、
水へ溶け出してゲルを作れる多糖類
があります。
その性質を人が利用して作った食品が寒天です。
ここから、
「海藻なのにどうしてゼリーみたいに固まるの?」
という別の自由研究にも発展できます。
さらに発展|寒天の産地を調べてみよう
寒天作りには、
- 原料となる海藻
- 水
- 気温
- 乾燥しやすい気候
なども関係します。
特に昔ながらの天然寒天では、
冬の寒さを利用できる地域
が寒天作りに向いていました。
日本の寒天産地を地図に書き込めば、
理科+家庭科+社会
を組み合わせた自由研究にもできます。
なぜ寒いだけではダメ?
天然寒天では、
凍らせるだけでなく、その後に水分を抜いて乾燥させること
も重要です。
そのため、
寒さ・乾燥・昼夜の温度変化など
が製造に関係します。
「寒い地域ならどこでも同じように作れる?」
と考えてみるのも面白いでしょう。
寒天作りは昔のフリーズドライ?
凍結と乾燥を利用する点では似て見えますが、
現在の一般的なフリーズドライ(凍結乾燥)と、伝統的な寒天製造は同じ方法ではありません。
フリーズドライでは、凍らせた食品を真空に近い環境で乾燥させる方法が使われます。
一方、天然寒天では自然の寒さによる凍結・融解や乾燥などを利用します。
「似ているところと違うところ」
を調べても面白い自由研究になります。
写真はどこを撮る?
- 乾燥した海藻
- 水に入れた海藻
- 煮ているところ
- こしているところ
- 温かい煮汁
- 冷えて固まったところ
- ところてん突きで押し出すところ
- 冷凍前
- 解凍後
- 市販の寒天
- 寒天を溶かしているところ
- 完成した寒天ゼリー
特に、
海藻 → 液体 → ゲル → 寒天
の順に並べると、製造工程が一目でわかります。
何年生におすすめ?
小学1~2年生
大人と一緒にところてんを作って、
「海藻を煮た液が冷えると固まった」
という変化を観察します。
小学3~4年生
海藻から寒天になるまでを、
矢印の図
にしてまとめましょう。
小学5~6年生
ゲル化・凍結・脱水・乾燥まで調べ、
なぜ凍結すると水分を取り除きやすくなるのか
まで考察すると本格的です。
実験するときの注意
海藻を煮たり寒天を溶かしたりするときは熱湯を使います。
加熱する工程は必ず大人と一緒に行いましょう。
また、ところてん突きを使う場合は、指を挟まないよう注意してください。
自由研究のまとめ方
- 疑問:寒天はどうやって作られる?
- 予想:海藻からどうやって寒天になるか考える
- 調査:寒天の原料を調べる
- 実験:海藻を煮る
- 観察:煮汁を冷やして固める
- 調査:ところてんと寒天の関係を調べる
- 実験:ゲルを冷凍・解凍して変化を見る
- 調査:凍結・脱水・乾燥について調べる
- 比較:ところてんと寒天を比べる
- 結論:海藻から寒天になるまでを図にまとめる
写真や比較表を印刷してまとめよう
今回の自由研究は、
- 海藻の写真
- 煮出している写真
- ところてんの写真
- 冷凍前後の比較
- 市販の寒天
- 製造工程の矢印図
を並べると、とてもわかりやすくなります。
写真や比較表を自宅で印刷する場合は、プリンターに対応した互換インクを比較してみるのもひとつの方法です。
▶ 自由研究の写真・比較表の印刷に使える互換インクをチェックする
まとめ|寒天は「海藻を煮て固めて、水分を取り除いた食品」
寒天は、
テングサ類やオゴノリ類などの紅藻類
を原料として作られます。
大まかな流れは、
海藻
↓
煮出す
↓
こす
↓
冷やしてゲルにする
↓
水分を取り除く
↓
乾燥させる
↓
寒天
です。
そして昔ながらの天然寒天では、
冬の寒さを利用した凍結・融解・乾燥
が利用されてきました。
つまり寒天は、
ただ海藻を乾燥させただけの食品ではありません。
いったん海藻からゲルを作り、
そのゲルから水分を取り除いて乾燥させ、もう一度使える形にした食品
なのです。
そして水を加えて加熱すると、
もう一度ゲルを作ることができます。
スーパーにある小さな粉寒天の袋にも、
海藻 → 加熱 → ゲル化 → 脱水 → 乾燥
という食品科学が詰まっています。
よくある質問
寒天は何からできていますか?
テングサ類やオゴノリ類などの紅藻類を原料として作られます。
ところてんと寒天は同じものですか?
まったく同じ状態ではありませんが、製造工程で深くつながっています。海藻から作ったところてん状のゲルから水分を取り除き、乾燥させたものが寒天です。
寒天は海藻を乾かしただけですか?
いいえ。海藻からゲル化成分を煮出し、こして固め、そのゲルから水分を取り除いて乾燥させます。
なぜ寒天作りに寒さを使うの?
昔ながらの天然寒天では、ゲルを凍結・融解することで水分を外へ出しやすくし、その後乾燥させるために冬の寒さを利用します。
粉寒天も同じ方法で作るの?
現在の工業的な粉寒天では、抽出・ろ過・ゲル化・脱水・乾燥・粉砕などの工程が使われます。すべてが昔ながらの天然凍結で作られているわけではありません。

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