コップに氷と水を入れると、とても冷たい氷水ができます。
では、そこへ塩を入れたらどうなるでしょうか?
「塩は冷蔵庫に入っていたわけでもないし、もっと冷たくなるわけないよね?」
と思うかもしれません。
ところが実際には、
氷と水に塩を加えると、0℃より低い温度になることがあります。
どうして塩を入れただけで、氷水がもっと冷たくなるのでしょうか?
今回は、
- 氷+水
- 氷+水+塩
を同じ条件で比べて、時間とともに温度がどう変化するのか調べてみましょう。
- この自由研究は何日かかる?
- まず予想してみよう
- 用意するもの
- 今回変えるもの・そろえるもの
- 実験方法
- 温度計で数字を残そう
- 時間ごとの温度を記録しよう
- 最低温度も記録しよう
- 氷水はなぜ0℃付近になる?
- では塩を入れると何が変わる?
- 塩を入れると氷が溶ける?
- 氷が溶けるとき、どこから熱をもらう?
- 「塩が氷を冷やす」は少し違う
- 塩そのものの温度を測ってみよう
- 氷の溶ける速さも比べよう
- 「冷たい=溶けにくい」とは限らない
- 追加実験① 塩の量を変えてみよう
- 塩を増やせば無限に冷たくなる?
- 追加実験② 細かい氷と大きな氷で比べる
- 追加実験③ 水あり・水なしを比べる
- 追加実験④ 砂糖でも同じ?
- なぜ塩と砂糖で違うの?
- アイス作りにも使われる仕組み
- 昔は冷凍庫なしでアイスを作っていた?
- 道路に塩をまくのも関係ある?
- 折れ線グラフにしてみよう
- 塩の量と最低温度もグラフにできる
- 実験するときの注意
- 写真はどこを撮る?
- 何年生におすすめ?
- 自由研究のまとめ方
- 写真やグラフを印刷してまとめよう
- まとめ|塩は「冷たいもの」ではなく、水の凍る温度を変えている
- よくある質問
この自由研究は何日かかる?
- おすすめ学年:小学2~6年生
- 実験期間:1日
- 実験時間:20~40分程度
- 結果が出るまで:当日
- 材料のそろえやすさ:★★★★★
- 数字で比較しやすさ:★★★★★
氷・水・塩という家庭にある材料ででき、温度計があれば短時間でもはっきりしたデータを取りやすい実験です。
まず予想してみよう
実験を始める前に、結果を予想します。
| 条件 | 予想する最低温度 | そう思った理由 |
|---|---|---|
| 氷+水 | ||
| 氷+水+塩 |
さらに、
「塩を入れたら氷は溶けにくくなる?それとも早く溶ける?」
も予想しておきましょう。
用意するもの
- 氷
- 水
- 食塩
- 同じ大きさの容器2個
- デジタルキッチン温度計
- キッチンタイマー
- キッチンスケール
- 計量カップ
- スプーン2本
- タオル
- 記録用紙
- カメラやスマートフォン
塩入りの氷水はかなり低温になる場合があります。
長時間素手で触らず、スプーンなどを使って実験しましょう。
今回変えるもの・そろえるもの
| 項目 | 条件 |
|---|---|
| 塩 | 入れる・入れないで変える |
| 氷の重さ | そろえる |
| 水の量 | そろえる |
| 容器 | そろえる |
| 置く場所 | そろえる |
| 測定時間 | そろえる |
| 混ぜ方 | そろえる |
今回調べたいのは「塩を加えた影響」です。
それ以外の条件をできるだけ同じにします。
実験方法
例えば、
- 氷100g
- 水50ml
ずつを2つの容器へ入れて比較します。
- 同じ容器を2個用意し、A・Bと印をつけます。
- それぞれに同じ重さの氷を入れます。
- 同じ量の水を加えます。
- よく混ぜて、最初の温度を測ります。
- Aはそのままにします。
- Bへ決めた量の塩を加えます。
- 両方を同じ回数だけ混ぜます。
- タイマーをスタートします。
- 決めた時間ごとに温度を測ります。
- 氷の溶け方も観察します。
温度計で数字を残そう
この実験では、
「塩入りの方が冷たかった気がする」
だけではなく、実際に何℃まで下がったのかを測るのがポイントです。
時間ごとの温度を記録しよう
例えば、
- 開始時
- 30秒後
- 1分後
- 2分後
- 3分後
- 5分後
- 10分後
に測定します。
| 時間 | 氷+水 | 氷+水+塩 |
|---|---|---|
| 開始時 | ℃ | ℃ |
| 30秒後 | ℃ | ℃ |
| 1分後 | ℃ | ℃ |
| 2分後 | ℃ | ℃ |
| 3分後 | ℃ | ℃ |
| 5分後 | ℃ | ℃ |
| 10分後 | ℃ | ℃ |
測定時間をそろえるなら、キッチンタイマーがあると便利です。
最低温度も記録しよう
| 条件 | 最低温度 | 最低温度になった時間 |
|---|---|---|
| 氷+水 | ||
| 氷+水+塩 |
最低温度だけではなく、
何分後に一番低くなったのか
も比べてみましょう。
氷水はなぜ0℃付近になる?
氷と液体の水が一緒に存在しているとき、通常の条件では温度は0℃付近になりやすくなります。
氷が溶けるときには周囲から熱を受け取ります。
そのため、ただ氷を水へ入れただけでも水は冷やされます。
しかし通常の氷水では、液体の水と氷が共存している間は0℃付近より大きく下がりにくくなります。
では塩を入れると何が変わる?
水に塩が溶けると、
水が凍る温度が0℃より低くなります。
この現象を凝固点降下といいます。
塩水では、0℃になってもすべての水が凍るわけではありません。
そのため、氷と塩水が一緒にある状態では、0℃より低い温度まで下がることができます。
塩を入れると氷が溶ける?
はい。
塩を加えると水の凍る温度が下がるため、0℃付近では氷がそのままの状態を保ちにくくなり、溶ける方向へ進みます。
ここで大切なのが、
氷が溶けるには熱が必要
ということです。
氷が溶けるとき、どこから熱をもらう?
氷が液体の水へ変わるためには、エネルギーが必要です。
そのエネルギーを、周りの氷水や容器などから受け取ります。
すると周囲が持っていた熱が使われるため、
氷と塩水の混合物の温度が下がります。
つまり塩そのものが「冷たさを出している」わけではありません。
「塩が氷を冷やす」は少し違う
よく、
「塩を入れると氷が冷える」
と言います。
結果だけを見ると間違いではありませんが、より正確には、
塩で水の凝固点が下がり、氷が溶けるために周囲から熱を奪うことで、混合物の温度が低下する
と考えます。
塩そのものの温度を測ってみよう
実験前に、
- 氷
- 水
- 塩
それぞれの温度を測ってみても面白いでしょう。
塩が最初からマイナス何℃だったわけではないのに、混ぜたあとにはそれより低い温度になる場合があります。
「冷たいものを追加したから冷えたわけではない」
ことがわかります。
氷の溶ける速さも比べよう
温度だけでなく、氷そのものも観察します。
| 時間 | 氷+水 | 氷+水+塩 |
|---|---|---|
| 開始時 | ||
| 3分後 | ||
| 5分後 | ||
| 10分後 |
温度が低い方の氷が、むしろ早く溶けることがある
という、一見不思議な結果が見られるかもしれません。
「冷たい=溶けにくい」とは限らない
普通なら、
「冷たいところにある氷ほど溶けにくい」
と思いますよね。
しかし塩を加えた場合は、水が凍る温度そのものが変わっています。
そのため、
塩入りの方が低温なのに、氷がどんどん溶ける
ということがあります。
ここが氷と塩の実験の面白いところです。
追加実験① 塩の量を変えてみよう
同じ量の氷と水に、
- 塩0g
- 塩5g
- 塩10g
- 塩20g
- 塩30g
など、塩の量を変えてみます。
それぞれの最低温度を測りましょう。
| 塩の量 | 最低温度 |
|---|---|
| 0g | |
| 5g | |
| 10g | |
| 20g | |
| 30g |
塩を増やせば無限に冷たくなる?
なりません。
塩が水へ溶けられる量には限界があり、氷と塩の割合によって温度の下がり方も変わります。
そのため、
塩を増やせば増やすほど、ずっと温度が下がり続けるわけではありません。
実際に量を変えてグラフにすると、この違いを観察できます。
追加実験② 細かい氷と大きな氷で比べる
同じ重さの、
- 大きな氷
- 細かく砕いた氷
を使います。
細かい氷は塩と触れる面積が大きくなります。
氷の大きさで最低温度や温度が下がる速さは変わる?
を調べてみましょう。
追加実験③ 水あり・水なしを比べる
例えば、
- 氷+塩
- 氷+水+塩
を比較する方法もあります。
塩が溶ける液体の水が最初からある場合とない場合で、温度の変化に違いは出るでしょうか。
追加実験④ 砂糖でも同じ?
塩の代わりに砂糖を加えるとどうなるでしょうか。
砂糖が水に溶けた場合にも凝固点降下は起こります。
ただし同じ重さの塩と砂糖では、水の中に存在する粒子の数などが違うため、温度変化も同じとは限りません。
すでに、
「砂糖でも氷水は冷たくなる?塩と比較してみよう」
という実験にもつなげられます。
なぜ塩と砂糖で違うの?
凝固点降下の大きさには、水の中に溶けている粒子の数が関係します。
砂糖は水に溶けても主に分子の状態ですが、食塩は水の中でナトリウムイオンと塩化物イオンに分かれます。
さらに塩と砂糖では分子などの重さも違います。
そのため、
同じ10gでも、水の凍る温度への影響は同じではありません。
アイス作りにも使われる仕組み
氷と塩で0℃より低い温度を作れる性質は、手作りアイスの実験にも使えます。
砂糖や乳成分が入ったアイス液は、ただの水より凍りにくくなっています。
そこで氷+塩を使い、0℃より低い環境を作ることでアイスを凍らせます。
昔は冷凍庫なしでアイスを作っていた?
冷凍庫が一般家庭になかった時代でも、氷と塩を使った冷却方法は利用されてきました。
つまり、
冷凍庫という機械がなくても、物質の性質を利用すれば0℃より低い環境を作れる
ということです。
道路に塩をまくのも関係ある?
冬の道路では、凍結を防ぐために塩化物を含む凍結防止剤が使われることがあります。
これも水が凍る温度を下げる性質を利用しています。
ただし道路では食卓塩だけが使われているわけではなく、用途に応じた凍結防止剤が使われます。
「アイスを作る塩」と「道路の凍結防止」が同じ科学につながっている
というのも面白いポイントです。
折れ線グラフにしてみよう
おすすめは、
- 横軸:時間
- 縦軸:温度
です。
そこへ、
- 氷+水
- 氷+水+塩
の2本の線を描きます。
塩を入れた瞬間から、温度差がどう広がったのか
が見やすくなります。
塩の量と最低温度もグラフにできる
塩の量を変えた場合は、
- 横軸:塩の量
- 縦軸:最低温度
のグラフにします。
塩を増やすほど、最低温度がどのように変わったでしょうか。
実験するときの注意
氷と塩を組み合わせると、0℃よりかなり低い温度になることがあります。
長時間直接触ると皮膚を傷めるおそれがあります。
- 素手で長時間触らない
- スプーンを使う
- 容器を持つときはタオルなどを使う
- 実験用の塩水は飲まない
などに注意してください。
写真はどこを撮る?
- 氷・水・塩
- 2つの容器へ同じ量を入れたところ
- 最初の温度
- 塩を加える瞬間
- 1分後の温度
- 最低温度
- 氷の溶け方の違い
- 実験終了時の2つの容器
温度計の表示まで写真に写すと、結果をひと目で見せることができます。
何年生におすすめ?
小学1~2年生
大人と一緒に氷水へ塩を加え、温度計の数字がどう変わったかを観察しましょう。
小学3~4年生
氷水と塩入り氷水を同時に測定し、時間ごとの温度を折れ線グラフにします。
小学5~6年生
凝固点降下や融解熱について調べ、塩の量・砂糖との違いまで比較すると本格的な研究になります。
自由研究のまとめ方
- 疑問:氷水に塩を入れるとなぜもっと冷える?
- 予想:最低温度を予想する
- 準備:同じ量の氷と水を用意する
- 測定:最初の温度を測る
- 実験:一方へ塩を加える
- 記録:時間ごとの温度を測る
- 観察:氷の溶け方を見る
- 結果:折れ線グラフにする
- 調査:凝固点降下について調べる
- 考察:なぜ冷たいのに氷が溶けたのか考える
写真やグラフを印刷してまとめよう
今回の自由研究は、写真と数字の両方で結果を見せられます。
温度計の写真、時間ごとの温度表、折れ線グラフなどを並べると、とてもわかりやすくなります。
写真やグラフを自宅で印刷する場合は、プリンターに対応する互換インクを比較してみるのもひとつの方法です。
▶ 自由研究の写真・グラフ印刷に使える互換インクをチェックする
まとめ|塩は「冷たいもの」ではなく、水の凍る温度を変えている
普通の氷水は0℃付近になりやすいですが、水に塩が溶けると、水が凍る温度が0℃より低くなります。
これを凝固点降下といいます。
塩を加えることで氷が溶け、そのために必要な熱を周囲から受け取ることで、
氷と塩水の混合物は0℃より低い温度になることがあります。
つまり、
塩そのものが冷たさを作っているわけではありません。
水が凍ったり氷が溶けたりする条件そのものを、塩が変えているのです。
そしてこの仕組みは、
- アイスクリーム作り
- 冬の道路の凍結対策
など、身近なところでも利用されています。
台所にある氷と塩だけでも、「水は0℃で凍る」という知識のその先を観察できる自由研究になります。
よくある質問
氷と塩を混ぜると何℃まで下がりますか?
氷と塩の割合や混ぜ方、最初の温度などによって変わります。家庭実験では特定の温度になると決めつけず、実際の最低温度を測って記録しましょう。
塩そのものが冷たいから温度が下がるの?
いいえ。塩が水に溶けて凝固点を下げ、氷が溶ける過程で周囲から熱を受け取ることなどが温度低下につながります。
なぜ温度が低いのに氷が溶けるの?
塩が溶けることで、水が凍る温度そのものが0℃より低くなるためです。0℃付近でも氷がそのまま保たれず、溶ける方向へ進みます。
砂糖でも同じことが起こりますか?
砂糖でも凝固点降下は起こります。ただし塩とは水中での状態が違うため、同じ重さを加えても温度への影響は同じではありません。
1日でできますか?
はい。温度測定は20~40分程度でもできるため、当日中にグラフや考察までまとめやすいテーマです。


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