「インフルエンザって冬に流行するんじゃないの?」
そう思っていた人も多いのではないでしょうか。
ところが2026年は、まだ暑さの残る8月の段階で全国的なインフルエンザの流行入りが発表されました。
2026年第34週には、全国の定点医療機関1か所あたりの報告数が1.11人となり、流行開始の目安とされる1.0人を超えました。
これは感染症法が施行された1999年以降では、2009年に次いで2番目に早い流行入りです。
では、なぜ2026年はこんなに早くインフルエンザが流行しているのでしょうか。
この記事では、例年の流行時期との違いや、現在分かっているウイルスの検出状況などから整理していきます。
- 2026年のインフルエンザは8月に流行入り
- 例年のインフルエンザ流行時期はいつ?
- なぜ2026年はこんなに早い?原因はまだ一つに特定されていない
- 8月前半からインフルエンザ陽性率が前年より高かった
- 2026年夏~秋に検出されているのはAH1pdm09が中心
- 前年のインフルエンザ流行も長かった
- 学校の夏休み明けが原因なの?
- 猛暑なのになぜインフルエンザが流行するの?
- 海外での流行も関係している?
- 早く流行したら冬には終わる?
- 子どもは特に最新の流行状況を確認したい
- 保育園では「冬じゃないから違う」と決めつけない
- 今からできるインフルエンザ対策
- 2026年の早期流行で分かっていること・分からないこと
- まとめ|2026年は8月に流行入り!原因はまだ分析中
2026年のインフルエンザは8月に流行入り
厚生労働省は2026年8月28日、季節性インフルエンザが全国的な流行入りの目安を超えたことを公表しました。
第34週の定点医療機関あたり報告数は1.11人。
一般的に、全国の定点医療機関あたり報告数が1.0人を超えると、全国的な流行開始の目安として扱われます。
| 項目 | 2026年 |
|---|---|
| 流行入り | 第34週 |
| 定点あたり報告数 | 1.11人 |
| 歴史的な早さ | 1999年以降2番目 |
| 最も早かった年 | 2009年 |
「9月から流行した」というより、実際には2026年は8月の時点ですでに全国的な流行入りの目安を超えていたことになります。
例年のインフルエンザ流行時期はいつ?
厚生労働省によると、日本の季節性インフルエンザは例年12月~3月が流行シーズンです。
そのため、「インフルエンザ=冬」というイメージそのものは間違いではありません。
ただし、流行時期は毎年まったく同じではなく、シーズンによって変動します。
近年のピークを見ても、その時期には違いがあります。
| シーズン | 全国定点あたり報告数のピーク |
|---|---|
| 2022/23 | 2023年第6週 |
| 2023/24 | 2023年第49週 |
| 2024/25 | 2024年第52週 |
インフルエンザは必ず12月になってから始まる病気ではありません。
実際の流行状況を確認することが重要です。
なぜ2026年はこんなに早い?原因はまだ一つに特定されていない
ここで最も注意したいポイントがあります。
2026年のインフルエンザ流行が早い理由について、現時点で「これが原因」と一つに特定されたわけではありません。
厚生労働省も2026年9月8日の会見で、今年は1999年以来2番目に早い流行入りとなった一方、今後の大きな流行を必ずしも意味するものではないと説明しています。
また、流行の原因や今後の動向については、国立健康危機管理研究機構(JIHS)が分析を進めるとしています。
そのため、「猛暑だったから」「学校が始まったから」「海外から持ち込まれたから」など、一つの要素だけを2026年の早期流行の原因として断定するのは避ける必要があります。
8月前半からインフルエンザ陽性率が前年より高かった
一方、流行入り前からインフルエンザの活動が高まっていたことを示すデータはあります。
国立病院機構のデータでは、2026年8月1日~15日のインフルエンザ検査陽性率は2.1%でした。
前年同期は0.5%だったため、2026年は前年の同じ時期より陽性率が高くなっていました。
| 期間 | 検査陽性率 |
|---|---|
| 前年同期 | 0.5% |
| 2026年8月1~15日 | 2.1% |
さらに、急性呼吸器感染症の病原体サーベイランスでも、第31週以降にインフルエンザウイルスA型の陽性率が上昇する傾向が確認されています。
つまり、全国の定点報告が流行開始の目安を超える前から、ウイルスの活動が高まり始めていたことがうかがえます。
2026年夏~秋に検出されているのはAH1pdm09が中心
では、どのタイプのインフルエンザウイルスが検出されているのでしょうか。
JIHSが2026年9月2日時点でまとめた直近5週間、第31~35週の病原体サーベイランスでは、37例のインフルエンザウイルスが報告されています。
その内訳は次の通りです。
| ウイルス | 検出数 | 割合 |
|---|---|---|
| AH1pdm09 | 36例 | 97% |
| AH3亜型 | 1例 | 3% |
この期間に報告された検出例では、AH1pdm09が大部分を占めていました。
ただし、37例という病原体サーベイランスの検出例だけで、全国すべての患者のウイルス型を示しているわけではありません。
「2026年の患者の97%がAH1pdm09」という意味ではないため注意しましょう。
前年のインフルエンザ流行も長かった
2026年の状況を考える際には、前シーズンの流行も押さえておきたいところです。
2025/26シーズンは、2025年第39週という早い時期に全国の定点あたり報告数が1.0人を超えました。
その後、第47週に51.12人まで増加。
さらに2026年第6週にも43.34人となり、二峰性の流行となりました。
そして2026年第16週以降は1.0人未満で推移していましたが、第34週には再び1.11人となっています。
つまり、「冬の流行がずっとそのまま続いて8月になった」という単純な状況ではなく、一度1.0人未満になった後、新たなシーズンの早い段階で再び流行開始の目安を超えています。
学校の夏休み明けが原因なの?
8月下旬から9月は、学校の夏休みが終わり、子どもたちが集団生活へ戻る時期と重なります。
学校や保育園など、多くの人が長時間同じ場所で過ごす環境では、呼吸器感染症が広がる機会が増えることは考えられます。
しかし、2026年の全国的な早期流行について、「学校再開が原因」と公的機関が特定しているわけではありません。
しかも全国的な流行入りが確認されたのは第34週であり、地域によって学校の始業時期も異なります。
学校再開だけで全国的な早期流行を説明するのは難しいでしょう。
猛暑なのになぜインフルエンザが流行するの?
インフルエンザは冬に流行するイメージが強いため、「暑ければ流行しない」と思ってしまうかもしれません。
しかし、夏でもインフルエンザに感染する可能性はあります。
実際に2026年は、8月の時点で全国の流行開始の目安を超えています。
気温だけを見て「まだ暑いからインフルエンザではない」と判断しないことが大切です。
発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、強い倦怠感などが比較的急速に現れることがインフルエンザの特徴とされています。
ただし、症状だけでインフルエンザかどうかを自己判断することはできません。
海外での流行も関係している?
JIHSは海外の発生動向についても情報を示しています。
2026年第34週時点では、北半球の一部の国や地域でインフルエンザ陽性率の上昇が報告されていました。
シンガポールでも9月1日に、インフルエンザ症例数と陽性率の上昇が発表されています。
ただし、これも「海外からの持ち込みが2026年の日本の早期流行の原因」と確認されたわけではありません。
人の移動が感染症の伝播に関係する可能性はありますが、今回の早期流行との因果関係は分けて考える必要があります。
早く流行したら冬には終わる?
「8月から流行しているなら、冬になる前に終わるのでは?」と思うかもしれません。
しかし、早い流行入りだけで冬の状況を予測することはできません。
厚生労働省も、2026年の早い流行入りについて「必ずしも今後の大きな流行を意味するものではない」としています。
反対に、「早く始まったから冬はもっと大流行する」と断定することもできません。
今後の週ごとの患者報告数やウイルスの検出状況を継続して確認する必要があります。
子どもは特に最新の流行状況を確認したい
2025/26シーズンの入院サーベイランスでは、10歳未満が占める割合が前シーズンより高くなっていました。
2026年9月2日時点の2025/26シーズン累積入院報告24,929例のうち、10歳未満は9,175例でした。
これは「子どもなら必ず重症化する」という意味ではありません。
ただ、保育園や幼稚園、小学校では集団生活を送るため、地域で流行が始まっている時期には体調変化を早めに確認したいところです。
保育園では「冬じゃないから違う」と決めつけない
保育の現場で気をつけたいのは、季節だけで感染症を判断しないことです。
まだ暑い時期に発熱した場合、「夏風邪かな?」と思うこともあるでしょう。
しかし2026年は、8月からインフルエンザが全国的な流行開始の目安を超えています。
発熱だけでなく、咳、鼻水、食欲、元気の有無、眠り方など、普段との違いを確認することが大切です。
特に乳幼児は自分の症状をうまく説明できないため、家庭と園で様子を共有しておくと変化に気づきやすくなります。
今からできるインフルエンザ対策
JIHSでは、インフルエンザを含む呼吸器感染症への基本的な予防策として、次のような対策を挙げています。
- 咳エチケット
- 手指衛生
- 適切な換気
- 必要に応じたマスクの適切な着用
- 医療・福祉施設へのウイルス持ち込みを防ぐ
- ワクチン接種を検討する
2026年は流行開始が早いため、「冬になったら対策を始めよう」ではなく、地域の流行状況を見ながら秋から意識することが大切です。
2026年の早期流行で分かっていること・分からないこと
| 分かっていること | まだ断定できないこと |
|---|---|
| 第34週に全国平均1.11人となった | 早期流行の原因を一つに特定すること |
| 1999年以降2番目に早い流行入り | 猛暑が直接の原因かどうか |
| 8月前半の陽性率が前年同期より高かった | 学校再開が主因かどうか |
| 直近の検出例ではAH1pdm09が中心 | 早期流行から冬のピークを予測すること |
ニュースを見ると「なぜ?」に一つの答えを求めたくなります。
しかし感染症の流行は、ウイルスの種類、人の移動、集団生活、免疫状況などさまざまな要素が関係します。
現段階では、公的機関が確認している事実と、まだ分析中の部分を分けて見ることが重要です。
まとめ|2026年は8月に流行入り!原因はまだ分析中
2026年のインフルエンザは第34週に全国の定点あたり報告数が1.11人となり、8月の段階で流行開始の目安を超えました。
感染症法が施行された1999年以降では、2009年に次いで2番目に早い流行入りです。
8月前半にはインフルエンザ検査陽性率が前年同期より高く、直近の病原体サーベイランスではAH1pdm09が多く検出されるなど、早い段階からウイルスの活動が確認されています。
一方で、「なぜ2026年はこれほど早いのか」という原因については、現時点で一つに特定されていません。
学校再開、気温、海外の流行など一つの要素だけを原因として断定するのは避ける必要があります。
2026年は「インフルエンザは冬の病気」と季節だけで判断せず、秋から地域の流行状況を確認しながら基本的な感染対策を続けていきましょう。

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