2026年9月、県立広島中学校の給食で2日連続して異物が見つかりました。
9月16日には、かに玉スープから直径約3mmの緑色の物質。
翌17日にはパエリアからビニール片、プラスチック片、髪の毛2本が確認されています。
しかし、県立広島中学校の異物混入問題は今回突然始まったものではありません。
最新の報道によると、2024年度には36件、2025年度には38件の異物混入が確認されています。
さらに2026年度も、まだ9月の段階ですでに17件です。
なぜこれほど長期間にわたって異物混入が続いているのでしょうか。
過去の広島県教育委員会の資料や最新の報道をもとに、これまでの推移を整理します。
県立広島中では2022年度から異物混入が確認されている
広島県教育委員会は2025年6月の教育長定例記者会見で、県立広島中学校における過去の異物混入件数を明らかにしています。
この時点で示された件数は、
- 2022年度:9件
- 2023年度:7件
- 2024年度:34件
- 2025年度:4~5月だけで7件
でした。
2022年度と2023年度にも異物混入は発生していましたが、2024年度に件数が大きく増えていたことが分かります。
2024年度は「34件」と「36件」2つの数字がある
県立広島中学校の異物混入を調べる際、注意したい点があります。
2024年度の件数について、資料や報道によって数字が異なっているのです。
2025年6月13日の広島県教育委員会の定例記者会見では、2024年度の異物混入について「34件」と説明されています。
一方、2026年9月19日のRCCの最新報道では、2024年度は「36件」とされています。
そのため、過去の県教委資料を引用する場合には34件、最新報道による現在の集計を紹介する場合には36件となります。
集計時点などによって件数が変わった可能性がありますが、現時点で確認できる資料だけから数字が変わった具体的な理由までは断定できません。
この記事では、最新状況を示す際にはRCCが2026年9月19日に報じた36件を使用し、過去資料について触れる場合には当時の県教委発表が34件だったことを明記します。
2025年度は最終的に38件と報じられている
2025年度も異物混入は続きました。
県教育委員会の2025年6月時点の説明では、4月と5月だけですでに7件。
この中には、豚の生姜焼きにビニール片が入っていた事例のほか、クモや小バエの死骸、白米から髪の毛が見つかった事例などがありました。
その後も異物混入は続き、2026年9月の最新報道では、2025年度の件数は38件だったとされています。
2024年度に続いて、多数の異物混入が確認されたことになります。
2026年度も9月時点ですでに17件
そして現在の2026年度です。
2026年7月には、県立広島中学校で4度にわたって給食から異物が見つかりました。
7月3日にはブロッコリーから髪の毛。
7月8日にはアナゴ飯のカップ内から長さ約3cmのビニール片。
さらにクラムチャウダーからもビニール片が見つかるなど、異物混入が相次ぎました。
そして9月16日・17日には、2日連続で異物が確認されています。
RCCによると、公表基準に達しないものまで含めれば9月だけで8件。
2026年度は9月時点ですでに17件に上っています。
年度別に見るとどうなる?
現在確認できる情報を整理すると、県立広島中学校の給食における異物混入は次のように推移しています。
| 年度 | 確認されている件数 | 情報の時点 |
|---|---|---|
| 2022年度 | 9件 | 2025年6月の県教委会見 |
| 2023年度 | 7件 | 2025年6月の県教委会見 |
| 2024年度 | 36件 | 2026年9月の最新報道 |
| 2025年度 | 38件 | 2026年9月の最新報道 |
| 2026年度 | 17件 | 2026年9月時点 |
なお、2024年度については前述した通り、2025年6月の県教委会見では34件とされていました。
また、2026年度の17件は年度途中の数字です。
2024年度・2025年度の1年間の件数と、そのまま比較できる数字ではないことにも注意が必要です。
少なくとも2013年度以降、同じ事業者が給食を担当
もうひとつ確認しておきたいのが、給食の調理事業者です。
県立広島中学校ではデリバリー方式の給食が採用されています。
2025年6月の広島県教育委員会の記者会見では、少なくとも2013年度以降、同じ事業者と契約していることが説明されています。
また、2022年度以降についても同じ事業者が給食を担当していたことが確認されています。
最新のRCC報道では、2024年度、2025年度、2026年度に確認された異物混入についても、広島市西区の同じ事業者が調理した給食だったと報じられています。
ただし、同じ事業者が担当しているという事実だけで、個々の異物がすべて調理施設で混入したと判断することはできません。
配送後や学校での配膳なども含め、それぞれの事案について混入経路を調べる必要があります。
県教委は2025年に調理施設を実地調査
異物混入が相次いだことを受け、広島県教育委員会も対策を進めてきました。
2025年6月には、学校職員、県教育委員会、保健所職員が給食事業者の調理施設を訪問。
実際の調理や盛り付け作業を確認し、衛生面の指導を行っています。
さらにその後も複数回にわたって現地確認が行われました。
事業者側には、
- 施設・設備の補修
- 劣化した物品の交換
- 破損しやすい物品などを避けること
- 食材の保管場所の見直し
- 従業員への異物混入防止策の指導
などが求められています。
学校側でも配膳環境を見直し
対策は給食事業者だけではありません。
学校側でも、給食当番の身だしなみや配膳時の環境などが見直されました。
エプロンや三角巾、マスクなどの着用を確認すること。
机の上を整理すること。
教職員が配膳や給食中の様子を見守ること。
こうした対策も進められてきました。
異物が調理施設から入ったとは限らないため、給食が生徒の口に届くまでの工程全体を確認する必要があるからです。
県は異物混入対応マニュアルも整備
広島県教育委員会は、県立学校給食における異物混入への対応を整理したマニュアルも策定しています。
異物の危険度や発見状況に応じた対応だけでなく、原因究明や再発防止についても定められています。
異物が納入物資や調理作業に原因があると考えられる場合には、給食事業者などに原因究明や再発防止策を求めます。
施設・設備や器具に原因がある場合には、修繕や交換などの対応も必要になります。
それでも2026年度も異物混入が続く
ここまでを見ると、今回の問題の難しさが分かります。
県立広島中学校では以前から異物混入が確認され、2025年には県教委や保健所による実地調査も行われました。
事業者への改善指導。
学校側の配膳環境の見直し。
異物混入対応マニュアルの整備。
複数の対策が進められてきました。
それにもかかわらず、2026年度も9月時点で17件の異物混入が確認されています。
今回問われているのは、対策を行ったかどうかだけではなく、その対策が実際に再発防止につながっているのかという点です。
「件数」だけでは原因は分からない
一方で、36件、38件、17件という数字だけを並べて、すべてに共通する一つの原因があると考えるのも適切ではありません。
これまで確認された異物には、
- 髪の毛
- 虫
- ビニール片
- プラスチック片
- その他の異物
などがあります。
異物の種類が違えば、混入した可能性のある工程も異なります。
原材料由来なのか。
包装の開封時なのか。
調理器具や設備なのか。
盛り付けなのか。
配送後なのか。
学校での配膳なのか。
件数だけではなく、一件ごとの混入経路を明らかにすることが重要です。
同じ種類の異物が繰り返されていないかも重要
再発防止を考える際には、「何件あったか」だけでなく、「何が繰り返されているか」を見る必要があります。
たとえば過去にも毛髪やビニール片が確認され、2026年にも再び同じ種類の異物が見つかっています。
同じ種類の異物が繰り返されている場合には、以前実施した対策が十分に機能しているのかを検証する材料になります。
一方、異なる種類の異物については、それぞれ別の混入経路を想定して調査する必要があります。
2026年度17件は「途中経過」
今回の数字を見る際、もうひとつ忘れてはいけない点があります。
2026年度の17件は、9月時点の途中経過です。
2024年度36件、2025年度38件は年度全体の数字ですが、2026年度はまだ年度の半ばです。
そのため、17件という数字だけから「前年より減った」「増えた」と結論づけることはできません。
今後の発生状況と、今回の事案を受けてどのような対策が取られるのかを確認する必要があります。
まとめ|少なくとも2022年度から続く県立広島中の異物混入
県立広島中学校では、2026年9月16日・17日に2日連続で給食から異物が見つかりました。
しかし、異物混入は今回だけの問題ではありません。
県教育委員会の過去資料では、2022年度9件、2023年度7件。
最新報道では、2024年度36件、2025年度38件。
そして2026年度も9月時点ですでに17件が確認されています。
なお、2024年度については2025年6月時点の県教委会見では34件とされており、最新報道の36件とは数字が異なります。現時点で確認できる情報だけでは、この差が生じた具体的な理由までは断定できません。
県教委や保健所による実地調査、事業者への改善指導、学校側の配膳環境の見直し、異物混入対応マニュアルの整備など、これまでにも複数の対策が行われてきました。
それでも異物混入は続いています。
重要なのは件数だけを見ることではなく、一件ごとに混入経路を特定し、過去の対策が実際に機能したのかを検証することです。
県教育委員会は今回の事案についても原因を調べ、異物混入防止の徹底を指導するとしています。
今後、具体的な混入原因や新たな再発防止策がどこまで明らかになるのかが注目されます。


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