吐いたあと食欲がないときは無理に食べなくてもいい?

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吐いたあと、吐き気そのものは少し落ち着いてきても、「全然食べたくない」「食べ物を見るだけでしんどい」ということがあります。

そんなとき、「何か食べないと体力が落ちるのでは?」「一食抜くのはよくない?」と心配になる人もいるでしょう。

特に運動後に吐いた場合には、エネルギーを消費しているため、すぐに食事をとったほうがよさそうに感じるかもしれません。

しかし、吐いた直後や吐き気が残っているときに、無理に食べる必要はありません。

ラーメンマラソンから考える今回は、吐いたあとに食欲がないときの食事の考え方を、栄養士目線でわかりやすく解説します。

吐いたあとに食欲が落ちるのは珍しくない

嘔吐したあとは、胃の不快感や吐き気が残り、食欲が落ちることがあります。

また、吐いた原因となった体調不良が続いている場合には、しばらく食べ物を受け付けないこともあります。

そのため、「吐き気は少し落ち着いたのに食欲がない」というだけで、必ず異常とは限りません。

大切なのは、食欲だけでなく、水分がとれているか、全身状態がどうかを合わせて確認することです。

無理に食べなくてもいい場合がある

健康な成人で、嘔吐が一度程度で落ち着き、水分を問題なくとれていて、全身状態も悪くないのであれば、一食程度食べられなくても直ちに大きな問題になるとは限りません。

吐き気が残っているのに「栄養をとらなければ」と無理に食べることで、かえって再び吐いてしまうこともあります。

まずは胃腸が落ち着くのを待ち、食欲が戻ってくるか確認しましょう。

食事より水分を優先したい

吐いたあとに優先したいのは、水分を安全にとれるかどうかです。

嘔吐では水分や電解質が失われます。

食事を一食とれないことより、水分をまったくとれない状態が続くほうが脱水につながる可能性があります。

意識がはっきりしていて安全に飲み込める場合には、吐き気が落ち着いてから少量ずつ水分を試しましょう。

水分はとれるけど食べられない場合は?

水分を問題なくとれているものの、食欲だけが戻らない場合には、無理に一人前の食事をとる必要はありません。

少し時間をおいてから、食べやすそうなものを少量試すという方法があります。

例えば、

  • 白いご飯
  • やわらかいうどん
  • 食パン
  • クラッカー
  • バナナ
  • 脂質の少ないスープ

など、本人が食べやすいものから考えられます。

「食欲が出るまで何も食べない」で大丈夫?

短時間で食欲が戻ってくる場合には、無理に食べる必要はありません。

ただし、食欲がない状態が長く続き、ほとんど何も食べられない日が続く場合には注意が必要です。

特に高齢者、子ども、持病がある人、もともと体力が低下している人では、食事がとれない影響を受けやすいことがあります。

「食欲がないだけ」と決めつけず、全身状態を確認しましょう。

空腹を感じたら食べ始めていい?

空腹感が戻ってきたことは、食事再開を考えるひとつのサインになります。

ただし、空腹を感じたからといって、いきなり普段通りの量を食べる必要はありません。

最初は少量から試して、食後に吐き気や胃もたれが出ないか確認しましょう。

問題なければ、徐々に食事量を戻します。

食欲がなくても栄養をとらないと危険?

一回の食事を食べられなかっただけで、すぐに栄養不足になるとは限りません。

普段から食事をとれている人であれば、一時的に食欲が落ちたからといって焦って大量に食べる必要はありません。

ただし、食事がとれない状態が長く続けば、エネルギーやたんぱく質などの摂取不足につながります。

回復せず長引く場合には、医療機関への相談を考えましょう。

栄養士目線では「一食」より「回復後」が大切

栄養バランスというと、一食ごとに主食・主菜・副菜をきれいにそろえなければならないように感じるかもしれません。

しかし、嘔吐後の一食にまで完璧なバランスを求める必要はありません。

体調が悪いときには、まず食べられるものを少量とり、回復に合わせて食品の種類を増やしていけばよい場合があります。

一時的な食事内容より、体調が戻ったあとに普段の食生活へ戻していくことのほうが重要です。

スポーツ後なら早く食べたほうがいい?

通常の運動後では、糖質やたんぱく質を含む食事をとることが回復に役立ちます。

しかし、運動後に実際に吐いている場合には、通常のスポーツ後の栄養補給とは分けて考える必要があります。

「運動後だからすぐ食べなければ」と、吐き気があるのに食事を詰め込む必要はありません。

まず運動を中止し、休息と水分補給を優先しましょう。

いわゆる「ゴールデンタイム」を気にしすぎない

運動後は早めに栄養を補給したほうがよいという情報を見たことがある人もいるでしょう。

しかし、吐いてしまった場合に、特定の短い時間内に無理をして食事をとる必要はありません。

一回の食事タイミングだけで運動効果がすべて決まるわけではありません。

体調が戻ってから必要なエネルギーや栄養素を補っていきましょう。

プロテインなら食事より飲みやすい?

食欲がないときに、「固形物が無理ならプロテインだけでも」と考える人もいるかもしれません。

しかし、吐き気が残っている状態では、プロテイン飲料でも気持ち悪くなる可能性があります。

牛乳で溶かしたものなどは、乳脂肪を重く感じる人もいます。

嘔吐直後は、たんぱく質を急いで補うより、水分を安全に保てることを優先しましょう。

ゼリー飲料ならどう?

ゼリー飲料は固形物より食べやすいと感じる人もいます。

糖質を含むものならエネルギー補給にもなります。

ただし、吐き気が強い状態で無理に摂取する必要はありません。

また、ゼリー飲料だけで食事の代わりを長期間続けるのではなく、回復したら徐々に通常の食事へ戻しましょう。

果物なら食べやすい?

バナナなどの果物は、体調不良時でも食べやすいと感じる人がいます。

一方で、果物の酸味や甘味、香りで気持ち悪くなる人もいます。

「体調不良時には果物が必須」というわけではありません。

本人が食べたいと思えるもの、普段から食べ慣れているものを選びましょう。

好きなものなら何でも食べていい?

食欲が戻りかけているときに、好きな食べ物なら食べられそうに感じることがあります。

これは食事再開のきっかけになることもあります。

ただし、揚げ物やこってりした料理、激辛料理などの場合には、吐き気が残っている状態では重く感じる可能性があります。

好きなものでも、まず少量から試しましょう。

ラーメンが食べたくなったら?

ラーメンマラソンから考えると、吐いたあとにラーメンを食べたくなるケースも考えられます。

食欲が戻ってきたこと自体は回復のサインのひとつですが、いきなりこってりしたラーメンを一杯食べる必要はありません。

ラーメンは種類によって脂質や塩分が多く、麺・スープ・具材を合わせると量も多くなります。

まず軽い食事を問題なく食べられるようになってから、体調に合わせて普段の食事へ戻していきましょう。

食欲がないときに避けたい「無理やり食べさせる」こと

家族が吐いたあとに何も食べないと、「少しでも食べなさい」とすすめたくなるかもしれません。

しかし、本人が強い吐き気を感じている状態で無理に食べさせると、再び吐いてしまう可能性があります。

食事量だけを見るのではなく、水分をとれているか、症状が悪化していないかを見ることが重要です。

子どもが食べたがらない場合は?

子どもが吐いたあとに食事を拒否すると、保護者としては心配になるでしょう。

しかし、吐き気があるのに無理に食べさせる必要はありません。

まずは少量ずつ水分をとれるか確認し、吐き気が落ち着いて本人が食べたがるようになったら、普段食べ慣れたものを少量から試します。

「夕食を食べていないから絶対に何か食べさせる」というより、全身状態を優先しましょう。

子どもでは水分がとれているかを特に確認

子どもは、大人ほど自分の体調を正確に説明できないことがあります。

そのため、

  • 水分を飲めているか
  • 飲んだあとに吐いていないか
  • 尿が出ているか
  • 顔色はどうか
  • ぐったりしていないか
  • いつも通り反応しているか

などを周囲の大人が確認しましょう。

高齢者で食欲が戻らない場合は?

高齢者では、体調不良をきっかけに食事量が落ちた状態が続くことがあります。

また、のどの渇きを感じにくく、水分摂取量も減っていることがあります。

食欲がないことだけでなく、水分摂取、尿量、意識状態、普段との様子の違いなどを確認することが大切です。

持病がある場合や症状が長引く場合には、医療機関へ相談しましょう。

吐き気がなくなったのに何日も食欲がない場合は?

嘔吐自体は止まったのに食欲不振が長く続く場合には、原因となる体調不良が改善していない可能性があります。

食べられない状態が長く続けば、体力低下にもつながります。

特に体重減少が目立つ、強いだるさが続く、発熱や腹痛などほかの症状がある場合には、医療機関への相談を考えてください。

水分も食事もとれない場合は注意

「食欲がない」だけなら様子を見られることもありますが、水分もほとんどとれない場合には注意が必要です。

嘔吐を繰り返し、少量の水分も保てない状態では脱水が進む可能性があります。

こうした場合には、食べ物を工夫する段階ではなく、医療機関への相談を考えましょう。

尿が極端に少ない場合も確認

水分摂取量が低下すると、尿の回数や量が減ることがあります。

食欲がないだけでなく、普段と比べて長時間尿が出ていない、明らかに尿量が少ないなどの場合には脱水にも注意してください。

尿だけで脱水の有無を判断することはできないため、口の乾きやぐったり感などほかの症状も合わせて見ます。

暑い日の運動後なら熱中症にも注意

暑い環境で運動し、吐いたあとに食欲がない場合には、単なる胃腸疲労だけでなく熱中症にも注意が必要です。

吐き気や食欲不振に加えて、

  • 頭痛
  • めまい
  • ふらつき
  • 強いだるさ
  • 筋肉のけいれん
  • 意識状態の変化

などがある場合には、運動を中止し、涼しい場所へ移動して体を冷やします。

意識がはっきりしていて安全に飲める場合は水分を補給しますが、自力で飲めない場合や意識がおかしい場合には救急対応を検討してください。

受診を考えたいサイン

食欲がないことに加えて、次のような状態がある場合には医療機関への相談を考えましょう。

  • 嘔吐を繰り返している
  • 水分を飲んでも吐く
  • ほとんど水分をとれない
  • 尿が極端に少ない
  • 強い腹痛がある
  • 血を吐いた
  • 高熱や激しい頭痛がある
  • ぐったりしている
  • 食欲不振が長く続いている
  • 症状が悪化している

意識がない、呼びかけへの反応がおかしい、けいれんがある、自力で水分を飲めないほど状態が悪い場合には、速やかな救急要請を検討してください。

ラーメンマラソンから考える「食べることを急がない」

ラーメンマラソンから考えると、食べて走ったあとに吐けば、「体力を使っているからすぐ栄養を入れなければ」と思うかもしれません。

しかし、吐き気や食欲不振がある状態で無理に食事を詰め込むことが、必ずしも回復につながるわけではありません。

まずは運動をやめて休み、水分を安全にとれる状態か確認することが優先です。

「食べられないなら無理に食べる」ではなく、「水分を確保し、胃腸が食べ物を受け入れられる状態になるのを待つ」という考え方も大切です。

まとめ

吐いたあとに食欲がない場合、無理に食事をとる必要はないことがあります。

まずは吐き気が落ち着き、水分を問題なくとれることを確認しましょう。

食欲が戻ってきたら、白いご飯やうどん、パンなど、本人が食べやすいものを少量から試します。

一食食べられなかったからと焦って大量に食べる必要はありません。

一方、水分もとれない、何度も吐く、尿が極端に少ない、ぐったりしているなどの場合には、医療機関への相談を考える必要があります。

ラーメンマラソンから考えると、運動後の栄養補給は大切ですが、嘔吐しているときには体調回復を優先することが重要です。

次の記事では、「嘔吐後の食事は少量から!」に注目し、食事量を普段通りへ戻していくポイントを詳しく解説します。

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