十五夜といえば、 月見団子を楽しみにしている人も多いでしょう。
昔から親しんできた団子を、 今年も家族で食べたいと考える高齢者もいるかもしれません。
一方で、 高齢になると、 噛む力や飲み込む力が変化することがあります。
そのため、 「毎年食べているから今年も大丈夫」とは限りません。
この記事では、 高齢者が月見団子を食べるときに考えたい窒息リスクと、 十五夜を楽しむための注意点を紹介します。
- 高齢者は食べ物による窒息に注意が必要
- 月見団子は「もちもちしているから食べやすい」とは限らない
- 白玉団子にも注意
- 上新粉の団子なら安全とは限らない
- 「小さく切れば絶対安全」ではない
- 普段団子を食べているか確認しよう
- 「昔から好き」でも現在の状態を優先する
- むせが増えている場合は注意
- 普段の食形態を変えてまで団子を出さない
- 一口にたくさん入れない
- ゆっくりよく噛んで食べる
- 飲み物で無理に流し込まない
- 食べる前に口の中を潤しておく
- 食事中は姿勢も確認しよう
- 食事中に眠そうな場合は無理をしない
- 体調が悪い日は団子を控える選択も
- 周囲の人が食べる様子を見守る
- テレビを見ながら急いで食べない
- 義歯の状態によって食べやすさも変わる
- 「歯がある=飲み込める」ではない
- 家族全員が同じ団子を食べなくてもいい
- 団子を食べない十五夜も選択肢
- 代替おやつも一律に「安全」とは言えない
- とろみがある食品なら必ず飲み込みやすいわけではない
- 介護施設では個別の食事計画を優先
- 行事食だから特別扱いしない
- 月見団子は飾るだけでもいい
- 昔のお月見の思い出を話すのもおすすめ
- 異変があったら「様子を見る」で済ませない
- 無理に口の奥へ指を入れない
- 「食べられない」ではなく別の楽しみ方を用意しよう
- 2026年の十五夜は9月25日
- 次は高齢者が白玉団子を食べるときの注意点
- まとめ|高齢者の月見団子は「年齢」より現在の食べる力を確認しよう
- よくある質問(FAQ)
高齢者は食べ物による窒息に注意が必要
高齢になると、 口や喉の機能が若い頃と同じとは限りません。
例えば、
- 噛む力が弱くなる
- 飲み込む力が弱くなる
- 唾液が少なくなることがある
- 食べ物をまとめにくくなることがある
などの変化が起こる場合があります。
さらに、 体調や持病、 服薬状況などによって、 食べやすさが変わることもあります。
月見団子は「もちもちしているから食べやすい」とは限らない
団子は、 やわらかそうに見えることがあります。
しかし、 団子の種類によっては、
- 粘りがある
- 弾力がある
- 噛み切りにくい
- 喉にまとまりやすい
といった特徴があります。
「やわらかい=飲み込みやすい」ではありません。
見た目のやわらかさだけで、 高齢者向けと判断しないことが大切です。
白玉団子にも注意
月見団子には、 白玉粉を使ったものもあります。
白玉団子は、 もちもちとした弾力や粘りが特徴です。
こうした食感が、 飲み込む力が低下している人にとって、 食べにくさにつながる場合があります。
普段の食事で、 もちや団子類を避けている人に、 十五夜だからと白玉団子をすすめるのは避けましょう。
上新粉の団子なら安全とは限らない
白玉粉ではなく、 上新粉を使った月見団子もあります。
食感は白玉とは異なりますが、 だからといって、 すべての高齢者が安全に食べられるわけではありません。
使用する粉の種類だけではなく、
- 仕上がりの硬さ
- 粘り
- 大きさ
- 本人の噛む力
- 本人の飲み込む力
などを総合的に考える必要があります。
「小さく切れば絶対安全」ではない
団子を小さく切ることは、 一口の量を調整する方法の一つです。
ただし、 小さくしただけで、 団子の粘りや弾力そのものがなくなるわけではありません。
「小さく切ったから誰でも食べられる」 とは考えないようにしましょう。
本人の飲み込みの状態によっては、 団子そのものを避けたほうがよい場合があります。
普段団子を食べているか確認しよう
十五夜の行事食として出す前に、 普段の食生活を確認します。
- 最近団子を食べているか
- もちを食べているか
- 食事中にむせることがないか
- 食べ物が口に残りやすくないか
- 食事に時間がかかるようになっていないか
などは、 食べ方を考えるヒントになります。
「去年食べられた」 という情報だけで判断しないことも重要です。
「昔から好き」でも現在の状態を優先する
高齢者にとって、 月見団子は懐かしい行事食でもあります。
「昔から毎年食べている」
「団子が大好き」
という人もいるでしょう。
しかし、 好きな食品であることと、 現在安全に食べられることは別です。
その年の身体状態や、 現在の食形態に合わせましょう。
むせが増えている場合は注意
食事中に、 以前よりむせる回数が増えている場合は注意が必要です。
また、
- 食後に声がガラガラする
- 食べ物が口の中に残る
- 飲み込むまで時間がかかる
- 食事中に疲れやすい
など、 普段と違う様子がある場合もあります。
こうした変化がある場合は、 団子を食べるかどうかを自己判断だけで決めず、 必要に応じて医師や歯科医師、 言語聴覚士、 管理栄養士などの専門職へ相談しましょう。
普段の食形態を変えてまで団子を出さない
普段、
- やわらかい食事
- 刻んだ食事
- ペースト状の食事
- 嚥下調整された食事
などを食べている人もいます。
そのような人に、
「十五夜だから今日だけ普通の団子を」
と普段の食形態を変えるのは避けましょう。
行事食より、 現在の食事方針を優先します。
一口にたくさん入れない
団子を食べる場合は、 一度に多く口へ入れないことも重要です。
口の中に前の食べ物が残ったまま、 次の団子を入れると、 一度に飲み込む量が多くなります。
一口ごとに、 しっかり食べ終わったことを確認しながら、 ゆっくり食べましょう。
ゆっくりよく噛んで食べる
食べることが可能と判断されている人でも、 急いで食べるのは避けます。
団子を口に入れたら、 よく噛み、 無理のない状態で飲み込みます。
家族との会話が盛り上がる十五夜でも、 口に食べ物が入っているときは、 まず食べることへ集中しましょう。
飲み物で無理に流し込まない
団子が喉につかえそうだからと、 飲み物で勢いよく流し込もうとするのは危険です。
食べる前に口や喉を潤すことが役立つ場合はありますが、 十分に噛まずに飲み物で押し流すような食べ方は避けましょう。
食べる前に口の中を潤しておく
口の中が乾いていると、 食べ物をまとめにくくなることがあります。
本人が普段問題なく飲んでいる飲み物や汁物などで、 食事前に口の中を潤しておく方法があります。
ただし、 飲み物にもとろみ調整などが必要な人では、 普段の指示や食事方法を優先してください。
食事中は姿勢も確認しよう
食べ物を安全に飲み込むためには、 食事中の姿勢も大切です。
身体が大きく傾いた状態や、 寝たままの状態で、 自己判断で団子を食べるのは避けましょう。
普段、 食事姿勢について介助方法が決まっている場合は、 その方法に従います。
食事中に眠そうな場合は無理をしない
眠気が強いときや、 意識がはっきりしないときは、 食事そのものが安全に行えない場合があります。
十五夜のおやつだからと、 無理に団子を食べる必要はありません。
体調のよい時間に楽しむか、 食べない選択をしても構いません。
体調が悪い日は団子を控える選択も
普段は問題なく団子を食べている人でも、 体調によって食べる力は変わることがあります。
- 発熱している
- 強い疲労がある
- 眠気が強い
- 食欲がない
- 咳が多い
など、 普段とは違う状態なら、 無理に行事食を食べる必要はありません。
周囲の人が食べる様子を見守る
高齢者が団子などを食べる場合は、 周囲の人が食事の様子に注意を払うことも大切です。
一人で別室へ行って食べるのではなく、 家族などが近くにいる状態で楽しむ方法があります。
特に、 飲み込みに不安がある場合は、 普段の介助方法を優先しましょう。
テレビを見ながら急いで食べない
十五夜の食卓では、 テレビを見たり、 家族で会話したりすることもあるでしょう。
しかし、 団子を口に入れたまま笑ったり話したりすると、 食べることへの注意がそれることがあります。
一口ごとに、 落ち着いて食べることを意識しましょう。
義歯の状態によって食べやすさも変わる
義歯を使用している人では、 義歯が合っているかどうかによって、 噛みやすさが変わる場合があります。
- 義歯が外れやすい
- 痛みがある
- 噛みにくい
などがある場合は、 無理に団子を食べないようにしましょう。
必要に応じて、 歯科医師などへ相談してください。
「歯がある=飲み込める」ではない
しっかり噛める歯がある人でも、 飲み込む機能が十分とは限りません。
反対に、 義歯を使用していても、 適切な食形態で問題なく食事をしている人もいます。
歯の本数や年齢だけで、 団子を食べられるかどうかを判断しないことが重要です。
家族全員が同じ団子を食べなくてもいい
十五夜だからといって、 家族全員が同じ月見団子を食べる必要はありません。
例えば、
- 団子を問題なく食べられる家族は月見団子
- 飲み込みに不安がある人は別のお月見デザート
という形でも、 一緒に十五夜を楽しめます。
団子を食べない十五夜も選択肢
飲み込む力に不安がある場合は、 団子そのものを食べない方法もあります。
- 月を見る
- すすきを飾る
- 十五夜の昔話をする
- 秋の花を飾る
- 昔のお月見の思い出を話す
など、 食べ物を使わなくても十五夜は楽しめます。
代替おやつも一律に「安全」とは言えない
団子を避ける場合、 プリンやゼリー、 かぼちゃを使ったおやつなどを考えることがあります。
ただし、 それらもすべての高齢者に適しているわけではありません。
本人が普段食べている食形態や、嚥下状態に合うものを選ぶことが基本です。
とろみがある食品なら必ず飲み込みやすいわけではない
「とろみがあれば高齢者向け」 と思われることもあります。
しかし、 必要な食形態やとろみの程度は、 人によって異なります。
自己判断でとろみを加えたり、 普段と違う食品へ変更したりせず、 個別の食事方針がある人はその内容に従いましょう。
介護施設では個別の食事計画を優先
介護施設などで十五夜の行事食を提供する場合は、 全員へ同じ月見団子を出すのではなく、 それぞれの食事形態や嚥下状態に合わせる必要があります。
- 常食
- やわらかい食事
- 嚥下調整食
- 個別対応
など、 施設で決められた食事方針を優先しましょう。
行事食だから特別扱いしない
十五夜は年に一度の行事ですが、 食事事故のリスクまで特別扱いすることはできません。
「今日くらいは」 と普段避けている食品を提供するのではなく、 安全に楽しめる別の方法を考えましょう。
月見団子は飾るだけでもいい
月見団子の文化を楽しみたい場合は、 食べるのではなく、 飾って楽しむ方法もあります。
本人が食べない団子を飾る場合は、 誤って手に取って食べることがないよう、 環境にも注意しましょう。
食品を使わず、 模型や写真などで表現する方法もあります。
昔のお月見の思い出を話すのもおすすめ
高齢者にとって、 十五夜は昔の生活を思い出すきっかけになることがあります。
「昔はどんな団子を作った?」
「すすきはどこで取った?」
「家では何をお供えした?」
などと話してみるのもよいでしょう。
食べることだけでなく、 季節や思い出を楽しむ行事にできます。
異変があったら「様子を見る」で済ませない
食事中に、 突然声が出なくなったり、 呼吸ができない様子があったりする場合は、 窒息の可能性があります。
緊急性が高い状態では、 周囲に助けを求め、 119番通報など必要な救急対応を行います。
家庭や施設では、 日頃から気道異物による窒息が起きた場合の対応方法を確認しておくことも大切です。
無理に口の奥へ指を入れない
食べ物を詰まらせたように見えたとき、 口の中を確認したくなることがあります。
しかし、 見えない異物を取ろうとして、 むやみに指を口の奥へ入れると、 異物をさらに奥へ押し込んでしまう可能性があります。
緊急時は、 適切な気道異物除去や救急要請につなげましょう。
「食べられない」ではなく別の楽しみ方を用意しよう
団子を避ける必要がある人に対して、
「あなたは食べられないからなし」
で終わってしまうと、 行事そのものを楽しみにくくなることがあります。
本人の食事形態に合ったおやつや、 月見の飾り、 会話などを用意すれば、 同じ十五夜を楽しめます。
2026年の十五夜は9月25日
2026年の十五夜(中秋の名月)は、
9月25日(金)
です。
月見団子を食べる場合は、 伝統だからという理由だけで判断せず、 その時点での噛む力や飲み込む力、 普段の食形態を確認しましょう。
次は高齢者が白玉団子を食べるときの注意点
月見団子の中でも、 もちもちした食感が特徴の白玉団子は、 特に食べ方を考えたい食品です。
次の記事では、
高齢者が白玉団子を食べるときに注意したいこと
を詳しく解説します。
まとめ|高齢者の月見団子は「年齢」より現在の食べる力を確認しよう
高齢者が月見団子を食べるときは、 年齢だけではなく、 現在の噛む力や飲み込む力を確認することが大切です。
ポイントは、
- 団子はやわらかそうに見えても粘りや弾力がある
- 白玉や上新粉など粉の違いだけで安全性を判断しない
- 小さく切れば誰でも安全とは考えない
- 一口の量を多くしない
- ゆっくりよく噛む
- 飲み物で無理に流し込まない
- 食事中の様子を周囲が見守る
- 普段の食事形態を優先する
- 体調が悪い日は無理をしない
- 不安がある場合は専門職へ相談する
ことです。
そして、 団子を食べなくても十五夜は楽しめます。
その人に合った方法で、 安全に秋の行事を楽しみましょう。
よくある質問(FAQ)
Q. 高齢者は月見団子を食べてはいけませんか?
高齢者だから一律に食べてはいけないわけではありません。ただし、噛む力や飲み込む力には個人差があります。普段の食事状態を確認し、不安がある場合は無理に食べないようにしましょう。
Q. 小さく切れば月見団子を安全に食べられますか?
小さくすることは一口量を調整する方法の一つですが、それだけで安全になるとは限りません。団子の粘りや弾力は残るため、本人の嚥下状態を考える必要があります。
Q. 白玉より上新粉の団子のほうが安全ですか?
食感は異なりますが、粉の種類だけで安全とは判断できません。仕上がりの硬さや粘り、大きさ、本人の噛む力や飲み込む力などを確認しましょう。
Q. お茶で流し込めば詰まりにくくなりますか?
十分に噛んでいない団子を飲み物で流し込む食べ方は避けましょう。普段飲める人が食前に口や喉を潤すことはありますが、飲み物にも個別の調整が必要な人では普段の指示を優先します。
Q. むせがなければ団子を食べても大丈夫ですか?
むせの有無だけで判断することはできません。普段の食形態や食べ方、体調なども確認し、嚥下に不安がある場合は専門職へ相談しましょう。
Q. 団子を食べられない場合はどうやって十五夜を楽しめますか?
本人の食事形態に合った別のおやつを用意したり、月やすすきを眺めたり、昔のお月見の思い出を話したりして楽しめます。月見団子を実際に食べることだけが十五夜ではありません。
Q. 介護施設では月見団子を提供できますか?
施設の食事基準や個別の食形態、嚥下状態などに合わせて判断する必要があります。行事食だからと普段の食事方針を変えず、施設内のルールや専門職の判断を優先しましょう。
Q. 2026年の十五夜はいつですか?
2026年の中秋の名月は9月25日(金)です。


コメント