9月上旬頃に迎える「白露(はくろ)」は、夏から秋へ季節が進んでいることを感じさせる二十四節気です。
日中にはまだ残暑が続く一方、朝晩には少しずつ涼しさを感じる日も増えてきます。
夏の間、「暑くて食欲がなかった」「麺類や冷たいものばかり食べていた」という人もいるのではないでしょうか。
そんなとき、白露は夏の食生活を振り返り、秋に向けて少しずつ食事を整えていくきっかけにしやすい時期です。
ただし、「夏バテにはこの食品を食べれば治る」といった特別な食べ物があるわけではありません。
この記事では、白露から始めたい秋の食生活について、主食・主菜・副菜の考え方や旬の食材、水分補給などを紹介します。
白露は夏の食生活を見直すタイミング
白露は例年9月7日頃から8日頃に迎えます。
二十四節気では秋にあたりますが、実際にはまだ暑い日も多く、夏と秋が入り混じる時期です。
そのため、食生活も一日で「夏仕様」から「秋仕様」へ切り替える必要はありません。
暑い日は夏の食べやすさを残しながら、秋の食材や温かい料理を少しずつ加えていくくらいから始めてみましょう。
そもそも「夏バテ」とは?
夏になると「夏バテ」という言葉をよく聞きます。
夏バテは医学的な正式病名ではなく、暑い時期に感じる食欲低下、だるさなどの不調をまとめて表す一般的な言葉です。
暑さだけでなく、睡眠不足や生活リズムの乱れなど、さまざまな要因が重なっている場合があります。
そのため、「この栄養素が不足しているから夏バテになる」「この食品を食べれば夏バテが治る」と単純に考えることはできません。
まずは夏の食事を振り返ってみよう
秋の食生活を考える前に、夏にどんな食事をしていたか振り返ってみましょう。
- そうめんやうどんだけで済ませることが多かった
- 朝食を抜く日が増えていた
- 冷たい飲み物でお腹がいっぱいになっていた
- 肉や魚を食べる機会が減っていた
- 野菜料理を作るのが面倒になっていた
- 暑さで夕食が遅くなっていた
ひとつ当てはまったからといって問題というわけではありません。
「最近少なかった食品は何かな」と確認する程度でも、秋の食事を考えやすくなります。
主食・主菜・副菜を基本に考える
何から見直せばよいかわからない場合には、主食・主菜・副菜を目安にすると献立を考えやすくなります。
| 料理 | 食品の例 |
|---|---|
| 主食 | ご飯、パン、麺など |
| 主菜 | 魚、肉、卵、大豆製品など |
| 副菜 | 野菜、きのこ、海藻など |
毎食すべてを完璧にそろえる必要はありません。
昼食が麺だけだったなら、夕食では魚や肉、野菜を取り入れるなど、一日全体で調整する方法もあります。
麺類だけになっていたら「足す」ことから
暑い夏に麺類が多くなること自体は珍しくありません。
そうめんやうどんは調理しやすく、暑い日にも食べやすい主食です。
問題は「麺だからダメ」と考えることではなく、麺だけで食事を終える日が続いている場合に組み合わせを考えることです。
例えば、次のような食材を追加できます。
- 豚肉や鶏肉
- ツナや魚
- 卵
- 豆腐や納豆
- トマトやきゅうりなどの野菜
- きのこ類
- わかめなどの海藻
料理を一品増やさなくても、麺の具材を増やすだけなら取り入れやすいでしょう。
白露の頃は新米も楽しみ
白露を迎える頃には、産地や品種によって新米が出回り始めます。
夏に麺類中心だった人なら、炊きたてのご飯を食卓へ戻してみるのもよいでしょう。
鮭の塩焼きやなすの煮びたし、きのこの味噌汁などを組み合わせれば、秋らしい献立になります。
ただし、お米の収穫時期には地域差や品種差があります。
白露だから必ず新米を用意する必要はありません。
魚から秋を取り入れてみる
白露の頃には、鮭やさんま、かつおなど、秋の食卓で楽しみたい魚があります。
魚はたんぱく質を含み、種類によって脂質やビタミン、ミネラルなども含まれています。
焼き魚だけでなく、ホイル焼き、煮付け、蒸し料理などにすれば献立の幅も広がります。
魚の旬や漁獲状況は地域や年によって異なるため、その時期に手に入りやすい魚を選びましょう。
秋野菜も少しずつ食卓へ
白露の頃には、夏野菜を楽しみながら、秋らしい野菜やいも類も取り入れられます。
- なす
- かぼちゃ
- れんこん
- さつまいも
- 里芋
暑い日はなすのおひたしなどさっぱりした料理にし、涼しい日は煮物や汁物にするなど、気温に合わせて調理方法を変えるのもおすすめです。
きのこ類で秋らしさを加える
しいたけ、しめじ、えのき、まいたけなどのきのこ類も、秋らしい献立に取り入れやすい食材です。
現在は施設栽培などにより一年を通して購入できるものも多いため、すべてのきのこが白露にだけ旬を迎えるわけではありません。
それでも、炊き込みご飯や味噌汁、ホイル焼きなどに加えると秋らしい食卓を楽しめます。
梨やぶどうを食後の果物に
白露の頃は、梨やぶどうなども楽しみやすい季節です。
そのまま食べられる果物なら、料理をもう一品作る余裕がないときにも取り入れやすいでしょう。
果物には水分や糖質、ビタミン、ミネラルなどが含まれていますが、「果物だけで栄養を補う」と考える必要はありません。
普段の食事に添える季節の一品として楽しみましょう。
食欲がないときは少量から
白露を迎えても、夏から続く食欲低下が残っている場合があります。
そんなときに「秋だからしっかり食べなければ」と無理に量を増やす必要はありません。
一度に食べにくい場合は、食べられる量から始める方法があります。
ご飯を少量にして主菜や副菜を組み合わせるなど、自分が負担なく食べられる形を探しましょう。
料理の温度もその日の気温に合わせよう
白露の頃は、暑い日と涼しい日が混在します。
気温が高い日に熱々の煮込み料理を無理に食べる必要はありません。
反対に、朝晩が涼しく感じる日には温かい味噌汁やスープを取り入れると食べやすいこともあります。
| 暑い日 | 涼しい日 |
|---|---|
| 冷たい副菜 | 温かい汁物 |
| 冷しゃぶ | 煮物 |
| かつおのたたき | 鮭のホイル焼き |
| 冷たい麺+具材 | 炊き込みご飯 |
「9月だから温かい料理」と決めるのではなく、その日の食べやすさを優先しましょう。
朝食も無理なく整える
夏休みなどで生活リズムが変わり、朝食が簡単になっていた家庭もあるでしょう。
秋から元に戻したい場合も、最初から品数を増やす必要はありません。
例えば、ご飯に納豆と味噌汁、パンに卵料理と果物など、準備しやすい組み合わせから始める方法があります。
前日の残り物や冷凍食品なども上手に利用し、無理なく続けられる形にしましょう。
白露でも水分補給は大切
9月になると真夏より涼しく感じる日が増え、水分をとる回数が減ることがあります。
しかし、白露の頃でも残暑が厳しい日は汗をかきます。
食事には水分が含まれていますが、それだけで必要量をすべて補えるわけではありません。
暑い日や運動時などは、飲み物からも適切に水分をとりましょう。
「夏バテ回復メニュー」にこだわりすぎない
夏の疲れを感じると、「疲労回復に○○」「夏バテには○○」といった食品を探したくなるかもしれません。
しかし、特定の食品を食べるだけで体調が整うわけではありません。
食事だけでなく、睡眠や休息、生活リズムなども含めて見直すことが大切です。
さまざまな食品を組み合わせながら、自分が無理なく続けられる食事を基本にしましょう。
白露におすすめの秋献立例
魚を楽しむ和食献立
- ご飯
- 鮭の塩焼き
- なすの煮びたし
- きのこの味噌汁
- 梨
まだ暑い日の献立
- ご飯
- 冷しゃぶと野菜
- 冷ややっこ
- わかめの汁物
- ぶどう
少し涼しくなった日の献立
- さつまいもご飯
- 鶏肉ときのこの焼き物
- 青菜のおひたし
- 豆腐の味噌汁
献立は一例です。旬の食材や家庭の好みに合わせて自由に組み替えましょう。
食欲低下が続くなら季節だけの問題と考えない
夏から食欲が落ちた状態が長く続いている場合には、「夏バテだから」と決めつけないことも大切です。
食欲低下にはさまざまな原因があります。
体重が大きく減っている、吐き気や痛みなどほかの症状がある、日常生活に影響するほど体調が悪いといった場合には、必要に応じて医療機関へ相談しましょう。
白露から秋分へ少しずつ食生活を変えよう
白露の次の二十四節気は秋分です。
その後は寒露、霜降と進み、秋はさらに深まっていきます。
気温の変化とともに、店頭に並ぶ魚や野菜、果物なども変化します。
白露を「夏の食生活を全部やめる日」と考えるのではなく、秋へ向けて少しずつ食事を見直すスタート地点にしてみましょう。
まとめ
白露を迎える9月上旬頃は、残暑が続きながらも少しずつ秋の気配を感じ始める時期です。
夏の間に麺類だけの食事が増えたり、食欲が落ちたりしていた場合には、白露をきっかけに食生活を振り返ってみましょう。
大切なのは特別な「夏バテ回復食品」を探すことではなく、主食・主菜・副菜を意識しながら、食べられるものを少しずつ組み合わせていくことです。
新米や魚、なす、さつまいも、梨、ぶどうなど、その時期に楽しめる食材も取り入れながら、夏から秋へ無理なく食卓を切り替えていきましょう。

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