2026年、青森県産ホタテの記録的不漁が大きな問題になっています。
しかし、ホタテをめぐる異変が起きているのは青森県だけではありません。
北海道の日本海側にある小平町(おびらちょう)では、養殖ホタテの稚貝がマフグに食べられたり、養殖網をかみ切られたりする被害が相次いでいます。
2026年10月には、地元漁協のまとめとして、マフグによるとみられるホタテ被害が4億円余りに上ることが報じられました。
青森では高水温によるへい死。
北海道・小平町ではマフグによる食害。
原因は異なりますが、どちらにも共通するのが「次のホタテを育てる稚貝が減っている」という深刻な問題です。
この記事では、北海道小平町で何が起きているのか、なぜマフグがホタテを食べるのか、北海道産ホタテ全体が不漁なのかについて整理します。
※この記事は2026年10月18日時点で確認できる情報をもとにしています。
- 北海道でもホタテ不漁?小平町で4億円余りの被害
- 北海道小平町はどこ?
- マフグがホタテの稚貝を食べている?
- なぜマフグが増えている?
- 青森のホタテ不漁とは原因が違う
- 小平町の被害が重要なのは「稚貝の産地」だから
- 稚貝が減ると影響が時間差で出る
- 「北海道のホタテ全部が不漁」は誤解
- それでも北海道産ホタテの価格に影響する?
- 青森が減れば北海道産への需要が増える可能性
- 「マフグ=悪い魚」ではない
- 北海道のホタテは養殖方法も地域で違う
- 今後注目したいのは「2026年の稚貝がどうなるか」
- 北海道産ホタテは今後さらに高くなる?
- 北海道ホタテとマフグ被害についてよくある質問
- まとめ|青森は高水温、北海道小平町はマフグ食害
- 公式情報・参考リンク
北海道でもホタテ不漁?小平町で4億円余りの被害
2026年10月13日、北海道小平町で養殖用ホタテに大きな被害が発生していることが報じられました。
原因として疑われているのがマフグです。
マフグがホタテの稚貝を食べたり、養殖に使われる網をかみ切ったりする被害が相次ぎ、地元漁協のまとめでは2026年の被害額が4億円余りに上るとされています。
「ホタテ不漁」と聞くと青森県の高水温問題を思い浮かべますが、北海道では別の形でホタテ生産への打撃が発生しています。
北海道小平町はどこ?
小平町は北海道北西部、日本海に面した留萌地方にあります。
町の公式サイトでも、ホタテは地域を代表する水産物のひとつとして紹介されています。
そして小平町のホタテ産業で重要なのが、私たちがスーパーで見る大きなホタテだけではありません。
他地域のホタテ生産につながる「稚貝」も重要です。
小平町の鬼鹿漁港は、北海道日本海側におけるホタテ稚貝の供給基地として知られています。
育てられた稚貝は根室やオホーツク地方などへ運ばれ、そこでさらに成長していきます。
つまり、小平町の稚貝が大きな被害を受けるということは、小平町だけで終わらない可能性があるのです。
マフグがホタテの稚貝を食べている?
今回問題になっているのが、マフグによるとみられる食害です。
マフグには硬いものをかみ砕くことができる鋭い歯があります。
そのマフグが養殖されている小さなホタテを食べる被害が発生しています。
さらに問題なのは、ホタテそのものを食べるだけではないことです。
マフグが養殖用の網をかみ切る被害も報じられています。
つまり、
- 稚貝そのものを食べられる
- 養殖網をかみ切られる
- 養殖設備にも被害が出る
- 育てていたホタテを失う
という複数の損失が発生します。
なぜマフグが増えている?
北海道では近年、マフグの漁獲量が増加しています。
ただし、今回の小平町の被害について「海水温上昇だけが原因でマフグが増えた」と断定するのは慎重であるべきです。
魚の分布や漁獲量は、
- 海水温
- 海流
- 餌となる生物の分布
- 資源量
- 漁獲努力
など複数の条件によって変化します。
現在確認できる報道では、北海道で近年マフグの漁獲量が増えており、小平町ではマフグによるとみられるホタテ被害が発生していることが伝えられています。
「温暖化でマフグが北上したから」と単純化せず、今後の調査結果を見る必要があります。
青森のホタテ不漁とは原因が違う
ここは非常に重要です。
2026年に話題になっている青森県と北海道小平町のホタテ被害は、同じ原因ではありません。
| 地域 | 主に報じられている問題 |
|---|---|
| 青森県・陸奥湾 | 3年連続の高水温被害などによる大幅減産 |
| 北海道・小平町 | マフグによるとみられる稚貝の食害・養殖網の破損 |
青森県では、高水温によるホタテのへい死などが生産量減少につながっています。
一方、小平町では、育てている稚貝がマフグに食べられるという直接的な被害です。
原因は違っても、結果としてホタテを育てるための生産基盤が弱くなるという点では共通しています。
小平町の被害が重要なのは「稚貝の産地」だから
なぜ小平町のニュースが北海道産ホタテ全体を考えるうえで重要なのでしょうか。
ポイントは、小平町がホタテの稚貝を育て、他地域へ供給している地域であることです。
北海道のホタテ生産には、大きく分けて「垂下式養殖」と「地まき漁業」があります。
北海道庁によると、日本海の多くの地域などでは、ホタテをロープやかごに入れて海中につるし、約2年間育てる垂下式養殖が行われています。
一方、オホーツク海では、約1年間育てた稚貝を海へ放流し、海底でさらに成長させてから漁獲する地まき漁業が行われています。
どちらの場合も、最初の段階にある稚貝の確保が重要です。
稚貝が減ると影響が時間差で出る
稚貝の被害が怖いのは、「今年食べるホタテが減る」だけではないことです。
北海道庁によると、垂下式養殖では約2年間育てて漁獲します。
オホーツク海の地まき漁業では、1年育てた稚貝を放流し、海底で約4年間成長させてから漁獲します。
つまり2026年に稚貝が大きな被害を受けた場合、その影響が数年後の成貝の水揚げとして現れる可能性があります。
現在の稚貝被害は、将来のホタテ供給を見るうえでも重要なニュースなのです。
「北海道のホタテ全部が不漁」は誤解
一方で注意したいのが、北海道全体を一括りにしないことです。
北海道は非常に広く、ホタテの生産地域も複数あります。
北海道庁によると、ホタテ漁場は太平洋沿岸と日本海南部沿岸の一部を除く北海道沿岸各地に広がっています。
養殖が中心となる地域もあれば、オホーツク海のように地まき漁業が中心の地域もあります。
今回報じられた4億円余りの被害は北海道小平町で発生している養殖ホタテの被害です。
これをもって「北海道産ホタテがすべて不漁」「北海道全域でマフグ被害が発生している」と考えるのは正確ではありません。
それでも北海道産ホタテの価格に影響する?
可能性はありますが、価格はマフグ被害だけで決まるものではありません。
2026年10月の報道では、東京都内のスーパーで北海道産の刺身用生ホタテが以前400円ほどだったものから約1.5倍になった例が紹介されています。
その店舗では、仕入れ先の市場にも北海道産生ホタテがないことが多いと説明されていました。
ただし、この値上がりをすべて小平町のマフグ被害だけで説明することはできません。
ホタテ価格には、
- 各産地の生産量
- 青森県産ホタテの大幅な減産
- 北海道各地域の水揚げ状況
- 冷凍在庫
- 国内需要
- 輸出需要
- 流通コスト
など多くの要素が関係します。
青森が減れば北海道産への需要が増える可能性
北海道産ホタテを考えるうえでは、青森県の不漁も無関係ではありません。
青森県漁連のホタテ共販数量は、2021年度の7万3051トンから2025年度には1万9766トンまで減少しています。
さらに2026年度は1万トンに届かない可能性も報じられています。
国内の大きな産地で供給量が減れば、北海道産を含む別産地のホタテへ需要が移ることも考えられます。
そこへ北海道側でも稚貝被害が重なれば、将来の供給を考えるうえで不安材料が増えることになります。
「マフグ=悪い魚」ではない
ホタテ被害のニュースを見ると、マフグそのものが悪者のように感じるかもしれません。
しかし、マフグも自然の海に生息する魚です。
人間が養殖しているホタテを食べることで漁業被害が発生していますが、マフグ自身が「害を与えるため」にホタテを食べているわけではありません。
重要なのは、海の生態系や魚の分布が変化する中で、養殖漁業をどのように守っていくかです。
今後はマフグの行動や分布、食害の実態を調べながら、養殖網や管理方法などの対策を考える必要があります。
北海道のホタテは養殖方法も地域で違う
「北海道産ホタテ」と一言でいっても、生産方法は同じではありません。
垂下式養殖
ロープやかごなどを使い、ホタテを海中につるして育てる方法です。
北海道庁によると、噴火湾、津軽海峡、サロマ湖、日本海の多くの地域などで行われています。
地まき漁業
育てた稚貝を海底へ放流し、自然に近い環境で成長させてから漁獲する方法です。
オホーツク海などで行われています。
この違いがあるため、同じ環境変化や生物による被害でも、地域によって影響の受け方が異なる可能性があります。
今後注目したいのは「2026年の稚貝がどうなるか」
今回のニュースで、被害額4億円余りという数字は非常に大きなインパクトがあります。
しかし長期的には、金額と同じくらいどれだけ稚貝が残ったのかが重要です。
稚貝は将来の成貝です。
2026年の稚貝被害によって、
- 他地域へ供給できる稚貝がどの程度減るのか
- 翌年以降の養殖計画へ影響するのか
- 将来の水揚げ量へどの程度波及するのか
- マフグ対策によって被害を抑えられるのか
といった点が今後の焦点になります。
北海道産ホタテは今後さらに高くなる?
2026年10月時点で、今後の価格を具体的に予測することはできません。
特に今回の小平町の被害は稚貝が中心であるため、現在の店頭価格だけではなく将来の生産への影響を見る必要があります。
また、北海道全域が同じ被害を受けているわけでもありません。
「4億円超の被害だから北海道産ホタテが○倍になる」といった単純な予測はできません。
今後は北海道各地の水揚げ量とともに、稚貝の確保状況にも注目です。
北海道ホタテとマフグ被害についてよくある質問
Q. 北海道でもホタテが不漁なの?
北海道全域を「不漁」と一括りにすることはできません。ただし、小平町では2026年にマフグによるとみられる養殖ホタテの稚貝被害が深刻化しています。
Q. 被害額はいくら?
2026年10月の報道では、地元漁協のまとめとして被害額は4億円余りに上るとされています。
Q. マフグは何をしている?
ホタテの稚貝を食べたり、養殖に使用する網をかみ切ったりする被害が報じられています。
Q. 青森県のホタテ不漁と同じ原因?
同じではありません。青森県では3年連続の高水温被害などによる大幅減産が問題になっています。一方、小平町ではマフグによるとみられる食害や網の破損が問題になっています。
Q. なぜ稚貝の被害が重要なの?
稚貝は将来出荷されるホタテになるためです。さらに小平町は他地域へ稚貝を供給する地域でもあり、被害が将来の生産へ波及する可能性があります。
Q. 北海道産ホタテがなくなる?
そのような状況ではありません。北海道には複数のホタテ産地があり、生産方法も地域によって異なります。小平町の被害を北海道全体へそのまま当てはめることはできません。
まとめ|青森は高水温、北海道小平町はマフグ食害
2026年、ホタテをめぐる問題は青森県だけではなく、北海道でも起きています。
- 北海道小平町で養殖ホタテの被害が発生
- マフグが稚貝を食べたり養殖網をかみ切ったりしているとみられる
- 2026年の被害額は地元漁協のまとめで4億円余り
- 小平町はホタテ稚貝の供給に関わる重要な地域
- 稚貝被害は数年後のホタテ生産にも影響する可能性
- 青森県の主な問題は3年連続の高水温被害
- 青森と北海道小平町では被害の原因が異なる
- 北海道全体が同じ状況という意味ではない
特に重要なのは、「今食べるホタテ」だけを見ないことです。
小平町で被害を受けている稚貝は、これから成長し、別の地域で大きなホタテになるものもあります。
青森では高水温によって次世代のホタテ確保が問題となり、北海道小平町ではマフグが稚貝を食べる。
原因の異なる問題が同時期に発生しているだけに、2027年以降のホタテ生産を考えるうえでも、それぞれの産地の稚貝の状況を追っていく必要がありそうです。

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