ぷるぷるのゼリーを作るときに使うゼラチン。
お菓子の材料というイメージが強いですが、
実はゼラチンの主な成分は「たんぱく質」です。
ここで、ひとつ疑問が出てきます。
「肉にもたんぱく質があるよね?」
「ゼラチンもたんぱく質なら、肉と同じなの?」
さらに言えば、
「ゼリーを食べれば肉の代わりになるの?」
という疑問も出てきます。
今回は、
- ゼラチンは本当にたんぱく質?
- ゼラチンは何からできている?
- 肉のたんぱく質とは何が違う?
- そもそもたんぱく質とは何?
- アミノ酸って何?
を調べてみましょう。
- この自由研究は何日かかる?
- まず予想してみよう
- まず結論|ゼラチンはたんぱく質
- そもそも「たんぱく質」って何?
- たんぱく質は何からできている?
- 肉にもいろいろなたんぱく質がある
- ゼラチンのアミノ酸には特徴がある
- 「必須アミノ酸」って何?
- ゼラチンだけで肉の代わりになる?
- 実験① 栄養成分表示を比べてみよう
- たんぱく質の量だけならゼラチンがすごく見える?
- 実験② 「100gあたり」と「実際に使う量」を比べよう
- ゼラチンを実際に見てみよう
- 実験③ ゼラチンは冷やすとなぜ固まる?
- 実験④ 生のパイナップルを入れたらどうなる?
- 生と缶詰で比べるとさらに面白い
- これで「ゼラチンはたんぱく質」が目で見える
- じゃあ寒天に生パイナップルを入れたら?
- これは別記事にできるレベルの自由研究
- コラーゲンペプチドとは何が違う?
- 実験⑤ ゼラチンとコラーゲン商品を比べられる?
- たんぱく質は「量」と「種類」の両方を見る
- 発展研究① 卵のたんぱく質と比べよう
- 発展研究② 牛乳のたんぱく質と比べよう
- 発展研究③ 食品のたんぱく質量ランキングを作ろう
- 発展研究④ 「たんぱく質=筋肉」だけじゃない?
- 写真はどこを撮る?
- 何年生におすすめ?
- 実験するときの注意
- 自由研究のまとめ方
- 写真や比較表を印刷してまとめよう
- まとめ|同じ「たんぱく質」でも中身や性質は違う
- よくある質問
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この自由研究は何日かかる?
- おすすめ学年:小学4~6年生
- 食品表示の比較:30分~1時間程度
- ゼリー作りもする:半日程度
- 難易度:★★★★☆
- 食育度:★★★★★
- 栄養学度:★★★★★
「アミノ酸」まで扱うと少し難しくなります。
低学年の場合は、
「同じたんぱく質でも、もとになる材料や性質が違う」
というところまででも十分です。
まず予想してみよう
| 疑問 | 予想 |
|---|---|
| ゼラチンはたんぱく質? | |
| ゼラチンは何から作られる? | |
| 肉とゼラチンのたんぱく質は同じ? | |
| ゼラチンだけで肉の代わりになる? | |
| ゼラチンを冷やすと固まるのはなぜ? |
まず結論|ゼラチンはたんぱく質
ゼラチンの主な成分は、
たんぱく質です。
ゼラチンは、動物の皮や骨などに含まれるコラーゲンを原料として作られます。
コラーゲンもたんぱく質です。
そのコラーゲンを加熱などによって変化させたものがゼラチンです。
大まかに表すと、
動物の皮・骨など
↓
コラーゲン
↓ 加熱・加工
ゼラチン
という関係です。
そもそも「たんぱく質」って何?
たんぱく質は、私たちの体を作るために大切な栄養素のひとつです。
例えば、
- 筋肉
- 皮膚
- 髪
- 爪
- 酵素
- さまざまなホルモン
などにも、たんぱく質が関係しています。
食べ物では、
- 肉
- 魚
- 卵
- 牛乳
- 大豆
などに多く含まれています。
そしてゼラチンも、
たんぱく質を主成分とする食品
なのです。
たんぱく質は何からできている?
たんぱく質をさらに小さな世界まで見ていくと、
アミノ酸
という物質がたくさんつながってできています。
イメージするなら、
アミノ酸=いろいろな種類のビーズ
たんぱく質=ビーズを長くつないだもの
です。
ただし、使われているビーズの種類や並び方、割合はたんぱく質によって違います。
だから、
同じ「たんぱく質」と呼ばれていても、すべてが同じものではありません。
肉にもいろいろなたんぱく質がある
「肉のたんぱく質」というひとつの物質が存在するわけではありません。
肉には、
- 筋肉を作るたんぱく質
- 結合組織に含まれるコラーゲン
- さまざまな酵素
など、いろいろなたんぱく質があります。
そのため、
「ゼラチンVS肉」という単純な1対1の比較ではない
ことも覚えておきましょう。
ゼラチンのアミノ酸には特徴がある
ゼラチンはコラーゲン由来なので、
コラーゲンに特徴的なアミノ酸組成
を持っています。
例えば、
- グリシン
- プロリン
- ヒドロキシプロリン
などが多いことが特徴です。
一方で、
食品のたんぱく質として必要なアミノ酸が、すべて同じ割合で含まれているわけではありません。
「必須アミノ酸」って何?
人間が体の中で十分に作ることができず、
食事からとる必要があるアミノ酸
を「必須アミノ酸」といいます。
人の必須アミノ酸は9種類あります。
たんぱく質を栄養として考えるときには、
どんなアミノ酸が、どのくらい含まれているか
も重要です。
ゼラチンだけで肉の代わりになる?
肉や魚、卵などとまったく同じ代わりになるとは考えません。
ゼラチンもたんぱく質ですが、
アミノ酸の構成に大きな特徴があるから
です。
例えばゼラチンには、
トリプトファンがほとんど含まれていません。
そのため、ゼラチンだけを食べれば必要なたんぱく質を十分に補える、というものではありません。
食事では、
- 肉
- 魚
- 卵
- 乳製品
- 大豆製品
など、さまざまな食品を組み合わせることが大切です。
実験① 栄養成分表示を比べてみよう
まずは、
- ゼラチン
- 肉
- 魚
- 卵
- 豆腐
などの栄養成分表示を調べます。
生鮮食品に表示がない場合は、食品成分表などで調べてもよいでしょう。
| 食品 | 比較する量 | エネルギー | たんぱく質 | 脂質 | 炭水化物 |
|---|---|---|---|---|---|
| ゼラチン | |||||
| 肉 | |||||
| 魚 | |||||
| 卵 | |||||
| 豆腐 |
ここでも、
「何gあたりの表示なのか」
を必ず記録しましょう。
たんぱく質の量だけならゼラチンがすごく見える?
乾燥したゼラチンの栄養成分表示を見ると、
たんぱく質の割合がとても高い
ことに気づくかもしれません。
そこで、
「じゃあゼラチンが一番すごい!」
と結論を出したくなります。
でも、ちょっと待ってください。
食品を比べるときは、
- 何g食べるのか
- どんなアミノ酸が含まれているのか
- ほかにどんな栄養素が含まれているのか
まで考える必要があります。
「たんぱく質○g」という数字だけでは、たんぱく質の特徴まではわからない
のです。
実験② 「100gあたり」と「実際に使う量」を比べよう
ゼラチンは通常、ゼリーなどを作るときに少量を使います。
そこで、
100gあたりのたんぱく質量
だけでなく、
実際に1回使う量に含まれるたんぱく質
も計算してみましょう。
例えば、
100gあたり80gのたんぱく質を含む食品を5g使ったと仮定すると、
80 × 5 ÷ 100 = 4g
です。
※これは計算方法を説明するための例です。実際の商品の表示を使って計算してください。
ゼラチンを実際に見てみよう
ゼラチンを使った実験をするなら、
乾燥状態と水に溶かした状態を比較
するのもおすすめです。
商品の使用方法に従ってゼリーを作り、
- 乾燥したゼラチン
- 温かい液体に溶けた状態
- 冷えて固まった状態
を写真に残してみましょう。
実験③ ゼラチンは冷やすとなぜ固まる?
ゼラチンを温かい水に溶かすと、液体の中に広がります。
それを冷やすと、
ゼラチンの分子同士が部分的につながり、立体的な網目構造を作ります。
その網目の中に水が抱え込まれることで、
ぷるぷるしたゲル
になります。
寒天も水を抱え込んでゲルになりますが、
寒天は多糖類、ゼラチンはたんぱく質。
同じ「ぷるぷる」でも材料が違います。
実験④ 生のパイナップルを入れたらどうなる?
ここから、かなり面白い発展実験ができます。
ゼラチンは、
たんぱく質
でした。
そして生のパイナップルには、
ブロメラインなどのたんぱく質を分解する酵素
が含まれています。
そのため条件によっては、生のパイナップルをゼラチン液に入れると、
ゼラチンのたんぱく質が分解され、ゲルを作りにくくなる
ことがあります。
生と缶詰で比べるとさらに面白い
用意するのは、
- A:何も入れないゼラチン
- B:生のパイナップルを入れたゼラチン
- C:缶詰のパイナップルを入れたゼラチン
です。
同じ量のゼラチン液へ、同じくらいの大きさ・量のパイナップルを加えて比較します。
| 条件 | 固まった? | 硬さ | 見た目 |
|---|---|---|---|
| 何も入れない | |||
| 生パイナップル | |||
| 缶詰パイナップル |
缶詰のパイナップルは製造時に加熱されています。
酵素はたんぱく質であり、加熱によって働きが失われたり弱くなったりします。
そのため、
生と加熱済みのパイナップルで、ゼラチンの固まり方に違いが出る可能性があります。
※果物の状態や量、ゼラチン濃度などでも結果は変わります。
これで「ゼラチンはたんぱく質」が目で見える
栄養成分表示で、
「ゼラチン=たんぱく質」
と読んでも、少しわかりにくいかもしれません。
しかし、
たんぱく質を分解する酵素によってゼラチンの固まり方が変化する
ところまで観察すると、
「本当にたんぱく質なんだ!」
と実感しやすくなります。
これは自由研究としてかなり面白いポイントです。
じゃあ寒天に生パイナップルを入れたら?
ここでさらに疑問が出てきます。
「寒天も生パイナップルを入れたら固まらないの?」
寒天の主なゲル化成分は多糖類です。
一方、パイナップルのブロメラインはたんぱく質を分解する酵素です。
そのため、
ゼラチンに対するのと同じ仕組みで寒天を分解するわけではありません。
ただし果物には酸や水分なども含まれ、作り方によって寒天の仕上がりに影響することがあります。
「寒天なら絶対に何を入れても同じように固まる」という意味ではありません。
これは別記事にできるレベルの自由研究
実は、
「生パイナップルと缶詰パイナップル、ゼラチンが固まるのはどっち?」
だけで、ひとつの自由研究になります。
調べられることは、
- 酵素とは何か
- たんぱく質とは何か
- 加熱すると酵素はどうなるか
- ゼラチンが固まる仕組み
- 生と缶詰の違い
など。
実験結果が目で見てわかりやすい
のも魅力です。
コラーゲンペプチドとは何が違う?
ゼラチンの商品を調べていると、
「コラーゲンペプチド」
という言葉を見ることがあります。
大まかに考えると、
コラーゲン
↓ 加熱・加工
ゼラチン
↓ さらに小さく分解
コラーゲンペプチド
という関係です。
コラーゲンペプチドはゼラチンより分子が小さくなっており、
一般的なゼラチンのような強いゲルを作りにくい
という違いがあります。
実験⑤ ゼラチンとコラーゲン商品を比べられる?
家庭に、
- ゼラチン
- コラーゲンペプチドを使った粉末商品
がある場合は、表示を比較してみてもよいでしょう。
チェックするのは、
- 原材料名
- たんぱく質量
- 使い方
- 冷やすと固まると書かれているか
などです。
ただし商品にはコラーゲン以外の成分が含まれている場合があります。
原材料表示を確認してから比較
しましょう。
たんぱく質は「量」と「種類」の両方を見る
この研究で一番大切なのは、
「たんぱく質○g」という数字だけで食品を判断しないこと
です。
たんぱく質には、
- どんなアミノ酸からできているか
- どんな割合で含まれているか
- 食品としてどのくらい食べるか
- ほかにどんな栄養素が含まれているか
という違いがあります。
「たんぱく質」という同じ名前でも、中身まで完全に同じではない
のです。
発展研究① 卵のたんぱく質と比べよう
卵にもたくさんのたんぱく質が含まれています。
しかも卵は加熱すると、
たんぱく質が変性して固まります。
一方、ゼラチンは温めると溶け、冷やすとゲルになります。
そこで、
「同じたんぱく質なのに、卵は温めると固まり、ゼラチンは冷やすと固まるのはなぜ?」
という自由研究にも発展できます。
発展研究② 牛乳のたんぱく質と比べよう
牛乳にも、
- カゼイン
- ホエイたんぱく質
などのたんぱく質があります。
牛乳へ酢やレモン汁を加えると、カゼインが集まって固まります。
つまり、
- 卵 → 加熱で固まる
- 牛乳 → 酸などの条件で固まる
- ゼラチン → 冷却でゲルになる
という比較もできます。
全部たんぱく質なのに、固まり方が違う。
ここまで来ると、かなり本格的な食品科学です。
発展研究③ 食品のたんぱく質量ランキングを作ろう
身近な食品を5~10種類選び、
100gあたりのたんぱく質量
を調べてグラフにしてみましょう。
例えば、
- 鶏肉
- 魚
- 卵
- 牛乳
- 豆腐
- 納豆
- ヨーグルト
- ゼラチン
などです。
そのあと、
「でも実際に一度に食べる量は同じ?」
まで考察すると、単純なランキングで終わらない研究になります。
発展研究④ 「たんぱく質=筋肉」だけじゃない?
たんぱく質は筋肉だけに使われているわけではありません。
体の中では、
- 皮膚
- 髪
- 爪
- 酵素
- 抗体
- さまざまな体の組織
などにも関係しています。
「体の中のたんぱく質を探してみよう」
という調べ学習にも広げられます。
写真はどこを撮る?
- ゼラチンのパッケージ
- ゼラチンの原材料表示
- ゼラチンの栄養成分表示
- 乾燥したゼラチン
- 溶かしたゼラチン
- 冷えて固まったゼリー
- 肉・魚・卵などとの食品表示比較
- 生パイナップル
- 缶詰パイナップル
- パイナップル実験の結果
- 比較表
- グラフ
特に、
「何も入れない・生パイナップル・缶詰パイナップル」
の3つを横に並べた写真は、結果が伝わりやすくなります。
何年生におすすめ?
小学1~2年生
ゼラチンが、
「動物から作られる食品」
であることを調べ、ゼリー作りを観察するだけでもOKです。
小学3~4年生
ゼラチンと肉・魚・卵などの栄養成分表示を比較します。
同じたんぱく質でも食品によって違いがある
ことをまとめましょう。
小学5~6年生
アミノ酸・必須アミノ酸・コラーゲンまで調べ、
「たんぱく質の量だけでは栄養的な特徴を比較できない」
ところまで考察すると本格的です。
実験するときの注意
ゼラチンを溶かすときに熱いお湯を使う場合は、
必ず大人と一緒に行いましょう。
また、生の果物を使った実験では、実験後に長時間室温へ置いた食品を無理に食べないようにしてください。
自由研究のまとめ方
- 疑問:ゼラチンはたんぱく質?
- 予想:肉のたんぱく質と同じか考える
- 調査:ゼラチンの原料を調べる
- 調査:たんぱく質とアミノ酸について調べる
- 比較:食品の栄養成分表示を比べる
- 計算:100gあたりと実際の使用量を比べる
- 実験:ゼラチンを溶かして固める
- 発展実験:生と缶詰のパイナップルを比べる
- 考察:同じたんぱく質でも何が違うか考える
- 結論:ゼラチンと肉のたんぱく質の違いをまとめる
写真や比較表を印刷してまとめよう
今回の研究は、
- 食品表示
- 栄養成分比較表
- ゼラチンの変化
- パイナップル実験
- アミノ酸を説明する図
を組み合わせると、かなり見栄えのする自由研究になります。
写真や比較表を自宅で印刷する場合は、プリンターに対応した互換インクを比較してみるのもひとつの方法です。
▶ 自由研究の写真・比較表の印刷に使える互換インクをチェックする
まとめ|同じ「たんぱく質」でも中身や性質は違う
ゼラチンは、
動物のコラーゲンを原料として作られるたんぱく質
です。
そのため、
「ゼラチンはたんぱく質?」という疑問の答えは「はい」
です。
でも、
「たんぱく質なら全部同じ」ではありません。
たんぱく質はアミノ酸から作られていて、その種類や割合はたんぱく質によって違います。
ゼラチンはコラーゲン由来なので、グリシン・プロリン・ヒドロキシプロリンなどが多いという特徴があります。
一方で、食事からとる必要がある必須アミノ酸を理想的なバランスですべて含んでいるわけではありません。
だから、
「ゼラチンにたんぱく質が多いなら、肉や魚の代わりにゼラチンだけ食べればいい」
とはならないのです。
食品の栄養を比べるときには、
「何g入っている?」だけではなく「どんな中身?」まで見る。
そこまで考えると、食品表示から本格的な自由研究へ発展させることができます。
よくある質問
ゼラチンはたんぱく質ですか?
はい。ゼラチンは動物のコラーゲンを原料として作られる、たんぱく質を主成分とする食品です。
ゼラチンとコラーゲンは同じですか?
まったく同じ状態ではありません。コラーゲンを加熱などによって変性させたものがゼラチンです。
ゼラチンを食べれば肉の代わりになりますか?
肉や魚、卵などと栄養的にまったく同じ代わりになるとは考えません。ゼラチンには特徴的なアミノ酸組成があり、たんぱく質の量だけで食品の栄養的な特徴を比較することはできません。
ゼラチンにはどんなアミノ酸が多いですか?
グリシン、プロリン、ヒドロキシプロリンなどが多いことが特徴です。
生のパイナップルをゼラチンに入れると固まりにくいのはなぜですか?
生のパイナップルにはブロメラインなどのたんぱく質分解酵素が含まれています。ゼラチンもたんぱく質なので、条件によっては分解されてゲルを作りにくくなります。
缶詰のパイナップルならゼラチンは固まりますか?
缶詰は製造工程で加熱されているため、生のパイナップルよりたんぱく質分解酵素の働きが失われています。そのため、一般に生のパイナップルよりゼラチンを使ったデザートに利用しやすくなります。ただし配合や作り方によって仕上がりは変わります。
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