りんごを切ってしばらく置いておくと、白っぽかった断面がだんだん茶色くなってきます。
そんなとき、昔からよく使われているのが「塩水につける」方法です。
でも、どうして塩水につけるとりんごは茶色くなりにくいのでしょうか?
塩がりんごを白くしているのでしょうか。
それとも、水につけること自体に意味があるのでしょうか。
今回は、
- 何もしないりんご
- 水につけたりんご
- 塩水につけたりんご
を同じ条件で比べて、変色の違いを観察してみましょう。
この自由研究は何日かかる?
- おすすめ学年:小学1~6年生
- 実験期間:1日
- 実験時間:30分~2時間程度
- 結果が出るまで:当日
- 材料のそろえやすさ:★★★★★
- 当日完成:◎
りんご、水、塩があればできるため、特別な実験道具を用意する必要はほとんどありません。
写真を時間ごとに撮っておけば、その日のうちに結果までまとめやすい自由研究です。
まずは予想してみよう
実験する前に、どのりんごが一番茶色くなりにくいと思うか予想してみましょう。
- 何もしないりんご
- 水につけたりんご
- 塩水につけたりんご
さらに、
「なぜそうなると思ったのか」
まで書いておくのがおすすめです。
例えば、
「塩水につけるといいと聞いたことがあるから、塩水が一番白いと思う」
でも構いません。
予想と実際の結果が違っても、それが実験の面白いところです。
用意するもの
- りんご
- 水
- 食塩
- 同じ大きさの容器2個
- 皿
- 包丁
- まな板
- 計量スプーン
- キッチンタイマーや時計
- 記録用紙
- カメラやスマートフォン
包丁を使うため、低学年の場合は大人と一緒に行いましょう。
塩水はどのくらいの濃さにする?
比較実験では、使った塩と水の量を記録しておくことが大切です。
例えば、
水200mlに対して塩2g
なら、約1%の塩水になります。
ただし、この実験の目的は「絶対にこの濃さでなければ成功しない」というものではありません。
自分が何gの塩を何mlの水に入れたのかを記録しておきましょう。
実験方法
- 容器Aに水を入れます。
- 容器Bに同じ量の水と、決めた量の塩を入れて塩水を作ります。
- りんごをできるだけ同じ大きさ・厚さに3切れ切ります。
- 1切れは何もせず、そのまま皿に置きます。
- 1切れは水につけます。
- 1切れは塩水につけます。
- 同じ時間だけ水と塩水につけます。
- 取り出して水分を軽く切り、3切れを同じ皿に並べます。
- タイマーをスタートして、時間ごとの色を観察します。
比較するときは、りんごの品種や大きさ、置く場所、観察時間などをできるだけそろえましょう。
時間ごとに写真を撮ろう
例えば、
- 実験開始時
- 10分後
- 30分後
- 1時間後
- 2時間後
に写真を撮ります。
3種類のりんごを毎回一緒に撮影すると、色の違いが比較しやすくなります。
撮影する場所や照明もできるだけ同じにしましょう。
結果を表にしてみよう
| 時間 | そのまま | 水 | 塩水 |
|---|---|---|---|
| 開始時 | |||
| 10分後 | |||
| 30分後 | |||
| 1時間後 | |||
| 2時間後 |
色を言葉だけで表すのが難しい場合は、
- 0:ほとんど変化なし
- 1:少し変色
- 2:うすい茶色
- 3:茶色
- 4:かなり濃い茶色
のように、自分で「変色レベル」を作っても面白いでしょう。
そもそも、りんごはなぜ茶色くなる?
りんごを切ると細胞が壊れます。
すると、りんごに含まれているポリフェノールなどの成分と酵素が触れやすくなり、さらに空気中の酸素が加わって反応が進みます。
その結果、茶色い色素ができて、りんごの断面が茶色く見えるようになります。
このような変色を酵素的褐変といいます。
前の記事では、この「切ったりんごが茶色くなる仕組み」を詳しく調べています。
塩水につけるとなぜ茶色くなりにくい?
塩水によってりんごの変色が抑えられるのは、褐変に関わる酵素の働きが抑えられることなどが関係しています。
さらに、りんごの表面が液体に覆われることで、空気中の酸素との接触のしかたも変わります。
そのため、何もしないりんごと比べて褐変が進みにくくなることがあります。
じゃあ、水だけでも変色を防げる?
ここが今回の実験の重要なポイントです。
「そのまま」と「塩水」だけを比べると、
塩のおかげなのか、水につけたこと自体のおかげなのか
がわかりません。
そこで「水だけ」のりんごも用意します。
水につけることで、りんごの表面と空気が直接触れにくくなるため、何もしない場合と違いが出る可能性があります。
水と塩水にも違いが出れば、塩を加えたことによる影響についてさらに考えることができます。
「比べる相手」を作るのが実験では大切
今回の「何もしないりんご」は、実験結果を比べるための基準になります。
科学実験では、このように調べたい条件だけを変えて、それ以外をできるだけ同じにすることが大切です。
例えば今回なら、変えるのは、
- 何もしない
- 水につける
- 塩水につける
という条件です。
りんごの大きさまでバラバラにしてしまうと、「塩水の影響なのか、大きさの影響なのか」がわかりにくくなります。
自由研究では、結果だけでなくどうすれば公平に比べられるかを考えることも大切です。
追加実験① 塩の濃さを変えたらどうなる?
もっと詳しく調べたい場合は、塩水の濃さを変えてみましょう。
例えば、
- 水だけ
- 0.5%程度の塩水
- 1%程度の塩水
- 2%程度の塩水
などを作り、同じ時間りんごをつけます。
塩を濃くするほど変色しにくくなるのでしょうか。
それとも、ある程度から違いがわかりにくくなるのでしょうか。
実際に比べてみましょう。
追加実験② 味も比べてみる
食用として清潔に準備したものなら、変色だけでなく味の違いも比較できます。
塩水が濃くなるほど変色を防ぎやすかったとしても、塩辛くなって食べにくくなるかもしれません。
そこで、
- 変色の少なさ
- 塩味の強さ
- 食べやすさ
を比べれば、
「一番変色を防げる濃さ」と「食べるのにちょうどいい濃さ」は同じなのか?
という研究にもできます。
※観察用として長時間室温に置いたりんごは食べず、味を比べる場合は別に清潔な材料を用意しましょう。
追加実験③ レモン汁と比べてみよう
りんごの変色防止には、レモン汁が使われることもあります。
そこで、
- そのまま
- 水
- 塩水
- レモン汁を使ったもの
を並べれば、さらに本格的な比較実験になります。
塩水とレモン汁では、変色を抑える仕組みに違いがあります。
次の記事では、「レモン汁でりんごの変色を防げるのはなぜ?」を調べます。
写真を並べると一目でわかる
りんごの変色実験は、結果を写真で見せやすいのも大きな特徴です。
例えば、
- 開始時の3種類
- 30分後の3種類
- 1時間後の3種類
- 2時間後の3種類
を順番に並べてみましょう。
文章だけで説明するよりも、「塩水だけ白っぽく残った」などの違いが伝わりやすくなります。
何年生におすすめ?
小学1~2年生
「そのまま」と「塩水」の2種類だけでも十分です。
時間ごとに写真や絵を残して、
「どちらが白かった?」
をまとめてみましょう。
小学3~4年生
「そのまま・水・塩水」の3種類を比較します。
水だけの条件を入れた理由まで説明できると、より実験らしいまとめになります。
小学5~6年生
ポリフェノール、酵素、酸素、酸化などについて調べて、塩水が褐変を抑える仕組みまで考察してみましょう。
塩水の濃度を変える実験もおすすめです。
自由研究のまとめ方
- きっかけ:りんごを塩水につけると茶色くなりにくいと知った
- 疑問:なぜ塩水で変色を防げるの?
- 予想:どれが一番変色しにくいか考えた
- 方法:そのまま・水・塩水を同じ条件で比べた
- 結果:時間ごとの色を写真と表で記録した
- 考察:水と塩水の違いについて考えた
- 調べたこと:酵素や酸素が褐変に関係していることを調べた
- 次の疑問:レモン汁ではどうなる?
写真を印刷して自由研究に貼ろう
この実験では、時間ごとの写真を並べると結果がとてもわかりやすくなります。
「そのまま・水・塩水」を同じ画面に入れて撮影しておけば、比較写真としてそのまま自由研究に使えます。
写真や表を何枚も印刷する場合はインクを使うため、プリンターに対応する互換インクを比較してみるのもひとつの方法です。
▶ 自由研究の写真・表の印刷に使える互換インクをチェックする
まとめ|「塩水がいい」で終わらせず、水とも比べてみよう
りんごを切ると、りんごに含まれる成分や酵素、空気中の酸素などが関わる反応によって、断面がだんだん茶色くなります。
塩水につけると、褐変に関わる酵素の働きが抑えられることなどによって、変色が進みにくくなります。
でも今回の自由研究で特に大切なのは、
「塩水につけると白かった!」だけで終わらせないこと。
水だけにつけたりんごも用意すれば、
「水につけた影響」と「塩を入れた影響」を分けて考えられます。
料理で当たり前のように行っている「りんごを塩水につける」というひと手間にも、実は科学の仕組みが隠れています。
よくある質問
りんごは塩水に何分くらいつければいい?
自由研究では「何分が正解」と考えるより、つける時間を自分で決めて記録し、すべて同じ条件で比較することが大切です。つける時間そのものを変えて比較する研究にもできます。
水だけでもりんごの変色は遅くなる?
水に浸すことでりんごの表面と空気との接触のしかたが変わるため、そのまま置いた場合とは違いが出る可能性があります。実際に「そのまま・水・塩水」の3種類を比べてみましょう。
塩水は濃いほどいい?
濃度によって結果が変わる可能性がありますが、食べる場合には味にも影響します。「変色の少なさ」と「食べやすさ」の両方を比較すると面白い研究になります。
塩水以外でも変色を防げる?
レモン汁などでも褐変を抑えられます。使うものによって作用のしかたが異なるため、比較実験にも向いています。
1日で自由研究を完成できますか?
はい。30分~2時間ほどでも色の違いを観察できるため、写真を撮って結果をまとめれば当日中の完成を狙えます。

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