りんごを切ってしばらく置いておくと、切ったばかりのときは白っぽかった断面が、だんだん茶色くなってきます。
でも、りんごの皮は茶色くありません。
切ったところだけ、どうして茶色くなるのでしょうか?
今回は、切ったりんごを時間ごとに観察して、色がどのように変わっていくのか調べてみましょう。
特別な実験道具がほとんど必要なく、写真を撮りながら観察できるので、低学年から挑戦しやすい自由研究です。
この自由研究は何日かかる?
- おすすめ学年:小学1~6年生
- 実験期間:1日
- 観察時間:30分~数時間
- 結果が出るまで:当日
- 材料のそろえやすさ:★★★★★
- 当日完成:◎
りんごを切って観察するだけでも変化が見えるため、「今日中に自由研究をやりたい」というときにも取り組みやすいテーマです。
まずは予想してみよう
りんごを切る前に、どのように変化すると思うか予想してみましょう。
- 切った直後から茶色くなる?
- 10分くらいで変わる?
- 1時間くらいかかる?
- ずっと置いたら、もっと濃い茶色になる?
「茶色くなると思う」だけではなく、
何分くらいで変わり始めると思うか
まで予想すると、実験結果と比べやすくなります。
用意するもの
- りんご
- 包丁
- まな板
- 皿
- キッチンタイマーや時計
- 記録用紙
- カメラやスマートフォン
包丁を使うため、低学年の子どもが実験するときは大人が切るか、大人と一緒に行いましょう。
実験方法
- りんごを切ります。
- 切った直後の断面を観察して、写真を撮ります。
- 皿に置き、タイマーをスタートします。
- 決めた時間ごとに同じ場所で観察します。
- 色の変化を記録します。
例えば、
- 0分
- 5分後
- 10分後
- 30分後
- 1時間後
- 2時間後
のように観察すると、変化の途中もわかりやすくなります。
観察結果を表にしてみよう
| 時間 | 色 | 気づいたこと |
|---|---|---|
| 切った直後 | ||
| 5分後 | ||
| 10分後 | ||
| 30分後 | ||
| 1時間後 | ||
| 2時間後 |
「白」「少し黄色」「うすい茶色」「茶色」のように、自分で色の段階を決めてもOKです。
写真は同じ条件で撮ろう
色を比べる実験では、写真の撮り方も大切です。
- 同じ場所
- 同じ照明
- 同じ角度
- できるだけ同じ距離
で撮影してみましょう。
窓際で撮ったり、途中から部屋の照明をつけたりすると、実際には同じ色でも写真では違って見えることがあります。
時間を書いた紙をりんごの横に置いて撮影すると、あとから写真を整理しやすくなります。
切ったりんごはなぜ茶色くなるの?
りんごの中には、ポリフェノールと呼ばれる成分や、それに関わる酵素があります。
りんごを切ると細胞が壊れ、それまで別々の場所にあった成分が触れやすくなります。
さらに、切った断面が空気中の酸素に触れます。
すると酵素の働きによってポリフェノールなどが酸化され、反応が進んで茶色い色素が生じます。
これが、切ったりんごがだんだん茶色く見えるようになる主な理由です。
「酸化」って何?
小学生向けには、
「空気中の酸素が関わって、ものが変化すること」
と考えるとわかりやすいでしょう。
ただし、りんごの褐変は「酸素に触れただけ」で自動的に茶色くなるわけではありません。
りんごに含まれる成分や酵素、酸素などが関わって起こっています。
どうして切る前は茶色くならないの?
切る前のりんごでは、細胞の中の成分がそれぞれ決まった場所にあります。
ところが包丁で切ると細胞が壊れ、酵素と反応する成分が接触しやすくなります。
そこへ空気中の酸素も加わることで、褐変が進みます。
つまり、「切る」という行動が反応のきっかけになっているのです。
「茶色くなる=腐った」ではない
切ったりんごが茶色くなったからといって、それだけで腐ったという意味ではありません。
切ったりんごの褐変は、主に酵素による化学反応で起こる色の変化です。
一方、食品が傷むことには微生物の増殖など、別の要因も関係します。
色が変わることと、食品が腐ることは同じではないという点も、調べ学習としてまとめられます。
りんごの種類によって変色の速さは違う?
家に違う種類のりんごがあれば、品種を変えて比較するのもおすすめです。
例えば2種類のりんごを同じ大きさに切り、同じ場所に置いて観察します。
| 時間 | りんごA | りんごB |
|---|---|---|
| 0分 | ||
| 10分後 | ||
| 30分後 | ||
| 1時間後 |
同じ「りんご」でも、変色の速さに違いが見られるかもしれません。
切り方で変色の見え方は変わる?
さらに発展させるなら、
- 大きく切ったもの
- 薄く切ったもの
- 細かく切ったもの
- すりおろしたもの
を比べてみても面白いでしょう。
どの状態が一番早く茶色く見えるでしょうか。
空気に触れる面積や、壊れる細胞の量という視点から考察できます。
次は「どうすれば変色を防げる?」を調べてみよう
切ったりんごが茶色くなる仕組みがわかったら、次は変色を防ぐ方法を比較できます。
身近な方法としてよく使われるのが、
- 塩水につける
- レモン汁を使う
などです。
でも、なぜ塩水やレモン汁を使うと変色しにくくなるのでしょうか。
「変色を観察する」→「変色を防ぐ方法を調べる」
と研究をつなげると、さらに内容の濃い自由研究になります。
比較実験にするなら条件をそろえよう
変色防止まで実験する場合は、
- りんごの品種
- 切る大きさ
- 処理する時間
- 置く場所
- 観察する時間
をそろえます。
変えるのは「塩水」「レモン汁」など、調べたい条件だけにしましょう。
こうすると、何が色の違いに影響したのか考えやすくなります。
何年生におすすめ?
小学1~2年生
切ったりんごを時間ごとに観察して、写真や絵を並べるだけでも立派な自由研究になります。
「最初は白かった」「30分後に少し茶色くなった」など、自分が見つけた変化を書きましょう。
小学3~4年生
時間ごとの変色を表にまとめ、なぜ茶色くなったのか調べます。
塩水やレモン汁を使った比較実験まで発展させるのもおすすめです。
小学5~6年生
ポリフェノール、酵素、酸素、酸化などの言葉を使って、褐変の仕組みまで詳しく調べてみましょう。
品種や切り方による違いを比較すると、さらに研究らしくなります。
自由研究のまとめ方
- きっかけ:切ったりんごが茶色くなることに気づいた
- 疑問:なぜ茶色くなるの?
- 予想:何分くらいで変色するか考えた
- 方法:時間を決めて観察した
- 結果:写真と表でまとめた
- わかったこと:時間とともに色が変化した
- 調べたこと:酵素や酸素が関係している
- 次の疑問:どうすれば茶色くなるのを防げる?
最後に「実験して自分がどう思ったか」を自分の言葉で書くと、オリジナルの自由研究になります。
写真を並べると変化が伝わりやすい
りんごの変色は、文章だけよりも写真を並べたほうが結果がひと目で伝わります。
「0分」「10分」「30分」「1時間」のように時間を書いて並べると、とても見やすくなります。
写真を印刷してスケッチブックや模造紙に貼る場合は、思った以上にプリンターのインクを使うこともあります。
たくさん印刷するなら、プリンターに対応する互換インクを選択肢として比較してみてもよいでしょう。
まとめ|りんごの茶色は「切ったあとに起こる反応」だった
切ったりんごが茶色くなるのは、りんごの細胞が壊れ、りんごに含まれる成分や酵素が酸素と関わって反応するためです。
いつも何気なく見ている「りんごが茶色くなる」という現象にも、科学の仕組みが隠れています。
そして、ここから、
- 塩水ならどうなる?
- レモン汁ならどうなる?
- 加熱したらどうなる?
- ほかの果物でも起こる?
と、いくつもの自由研究につなげることができます。
まずは切ったりんごをじっくり観察して、「いつから、どのくらい茶色くなったのか」を自分の目で確かめてみましょう。
よくある質問
りんごを切るとすぐ茶色くなりますか?
切った直後に急に濃い茶色になるわけではなく、時間とともに変色が進んでいきます。気温やりんごの状態などでも変化するため、実際に時間を測って観察してみましょう。
りんごが茶色くなるのは酸化ですか?
はい。りんごに含まれる成分が、酵素や酸素の関わる反応によって酸化されることが褐変につながります。
茶色くなったりんごは腐っていますか?
褐変したことだけで「腐った」と判断することはできません。褐変と食品の腐敗は別の現象です。
ほかの果物でも同じことは起こりますか?
バナナや梨など、切ったり傷ついたりしたあとに褐変が見られる食品があります。ただし、食品によって含まれる成分や反応の起こりやすさは異なります。
もっと実験らしくするにはどうしたらいい?
塩水、レモン汁、加熱、切り方、りんごの品種など、ひとつだけ条件を変えて比較してみましょう。写真と時間を記録すると結果を比較しやすくなります。


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