「最近、ホタテ高くない?」
スーパーの刺身売り場や海鮮丼、寿司などを見て、そう感じている人もいるのではないでしょうか。
2026年、ホタテをめぐる状況が大きく変化しています。
全国有数の産地である青森県では記録的な不漁が続き、2025年度の青森県漁連の共販数量は1万9766トンまで減少。
2026年度については、さらに減少して1万トンに届かない可能性も報じられています。
そして、その影響はすでに消費者にも及んでいます。
FNNプライムオンラインが2026年10月15日に報じた取材例では、刺身用の生ホタテが以前400円ほどだったものから約1.5倍まで値上がりしていました。
では、なぜホタテはここまで高くなっているのでしょうか。
そして、この値上がりはいつまで続くのでしょうか。
この記事では、2026年のホタテ価格高騰について、青森県産ホタテの不漁や高水温、稚貝不足との関係から整理します。
※この記事は2026年10月18日時点で確認できる情報をもとにしています。店頭価格は地域・店舗・産地・内容量などによって異なります。
- 2026年はホタテが高い?刺身用が約1.5倍になった例も
- なぜホタテが高い?最大の背景は供給量の急減
- 2025年度は数量が減ったのに共販金額は増加
- ホタテが高くなった原因① 高水温
- ホタテが高くなった原因② 稚貝が減っている
- ホタテが高くなった原因③ 親貝まで減ると回復に時間がかかる
- ホタテの値上がりはいつまで続く?
- 2027年になれば安くなるとは限らない
- スーパーではホタテがさらに減る可能性も?
- 飲食店では「仕入れられない」問題も
- ホタテの代わりにムール貝を使う動きも
- 北海道産ホタテなら影響なし?
- 冷凍ホタテや加工品も高くなる?
- 安いホタテを見つけたら買っておくべき?
- ホタテの値上がりについてよくある質問
- まとめ|ホタテ高騰は「今年だけ」で終わらない可能性も
- 公式情報・参考リンク
2026年はホタテが高い?刺身用が約1.5倍になった例も
ホタテの値上がりは、すでにスーパーなど身近な場所でも表れています。
2026年10月15日のFNNプライムオンラインの報道では、東京都内のスーパーで販売される北海道産の刺身用生ホタテについて、以前は400円ほどだったものが約1.5倍に値上がりしている例が紹介されました。
仮に400円の商品が単純に1.5倍になれば、600円程度です。
もちろん、これは全国すべてのホタテが一律に1.5倍になったという意味ではありません。
ホタテの価格は、
- 産地
- サイズ
- 生・冷凍などの状態
- 内容量
- 販売地域
- 店舗
- 仕入れ時期
などによって異なります。
そのため、「2026年のホタテは全国一律で1.5倍」と考えるのではなく、不漁による供給減少を背景に、実際の小売現場でも大幅な値上がり例が出ていると見るのが正確です。
なぜホタテが高い?最大の背景は供給量の急減
価格高騰の大きな背景にあるのが、ホタテそのものの供給量減少です。
特に深刻なのが青森県です。
青森県漁業協同組合連合会の年度別共販実績を見ると、ホタテの数量はここ数年で急激に減少しています。
| 年度 | 共販数量 |
|---|---|
| 2021年度 | 7万3051トン |
| 2022年度 | 7万2541トン |
| 2023年度 | 5万2077トン |
| 2024年度 | 2万9929トン |
| 2025年度 | 1万9766トン |
2021年度から2025年度までの4年度で、約73%減少しています。
これだけ市場へ出てくる量が減れば、需要に対して供給が不足し、価格が上がりやすくなります。
2025年度は数量が減ったのに共販金額は増加
ホタテの価格高騰を象徴する数字があります。
青森県漁連によると、2025年度の共販実績は、
- 数量:1万9766トン
- 金額:86億6900万円
- 平均単価:1kgあたり438円
でした。
一方、2024年度は、
- 数量:2万9929トン
- 金額:79億1300万円
です。
つまり2025年度は、前年より販売数量が約1万トン減ったにもかかわらず、共販金額は増えています。
青森県漁連は、3年連続の高水温被害による大幅な減産によって、年度初頭から全品目で高値相場となったと説明しています。
ホタテが高くなった原因① 高水温
では、そもそもなぜホタテが減っているのでしょうか。
大きな原因として挙げられているのが、海水温の上昇です。
青森県産ホタテの主産地である陸奥湾では、近年、高水温が大きな問題となっています。
青森県漁連は、2025年度の大幅減産について3年連続の高水温被害が影響したとしています。
高水温が長期間続けば、ホタテへの負担が大きくなり、へい死につながることがあります。
現在の価格高騰は、店頭だけで突然起きた現象ではありません。
海の環境変化 → 生産量減少 → 産地価格上昇 → 小売価格上昇
という流れの先にあります。
ホタテが高くなった原因② 稚貝が減っている
さらに深刻なのが、将来出荷されるホタテのもとになる稚貝への影響です。
ホタテ養殖では、採苗によって確保した稚貝を育て、パールネットなどへ収容し、その後も成長段階に応じた養殖作業を行います。
出荷できるサイズになるまでには時間が必要です。
そのため、今年売るホタテが不足しているからといって、すぐに生産量を増やせるわけではありません。
稚貝が減れば、将来出荷できるホタテまで少なくなる可能性があります。
ホタテが高くなった原因③ 親貝まで減ると回復に時間がかかる
もうひとつ重要なのが親貝です。
次の世代の稚貝を確保するためには、産卵につながる親貝の存在も欠かせません。
成貝や親貝まで減少すると、単純に「来年たくさん稚貝を育てよう」とはいかなくなる可能性があります。
現在の不漁は、完成した商品としてのホタテだけでなく、次の世代を生み出す生産サイクルそのものに関わる問題なのです。
ホタテの値上がりはいつまで続く?
気になるのは、「いつ安くなるの?」という点でしょう。
しかし2026年10月時点で、価格がいつ以前の水準まで戻るのかを正確に予測することはできません。
理由は、ホタテの価格が単純に今年の漁獲量だけで決まるわけではないからです。
今後の価格には、
- 2026年度の最終的な生産量
- 稚貝の確保状況
- 親貝の生存状況
- 今後の海水温
- 北海道など他産地からの供給
- 冷凍在庫
- 輸出需要
- 国内需要
など複数の要素が影響します。
そのため、「○月になれば値下がりする」と断定できる状況ではありません。
2027年になれば安くなるとは限らない
「今年が不漁なら、来年には元に戻るのでは?」と思うかもしれません。
しかし、ホタテ養殖は農作物のように数か月で生産量を一気に増やせるものではありません。
青森県漁連によると、採苗したホタテは育成を続け、出荷が始まるのは2年目からです。
つまり、2026年に稚貝が不足した影響が、その先の出荷量にもつながる可能性があります。
さらに今後も高水温が続けば、育成途中のホタテが再び影響を受ける可能性があります。
そのため、少なくとも現時点で「2027年になれば元の価格に戻る」とは言えません。
スーパーではホタテがさらに減る可能性も?
価格が高くなりすぎると、スーパー側も販売方法を変更する場合があります。
2026年には、ホタテ価格の高騰を受け、刺身盛り合わせや海鮮丼からホタテを外す動きも報じられています。
これは消費者にとって重要な変化です。
価格高騰への対応は、必ずしも「ホタテをそのまま値上げする」だけではありません。
- 内容量を減らす
- 盛り合わせから外す
- 別の魚介類へ変更する
- 販売そのものを見合わせる
といった形で影響が出ることもあります。
飲食店では「仕入れられない」問題も
さらに深刻なのが飲食店です。
2026年10月のFNNの報道では、青森料理を提供する東京都内の飲食店が、ホタテを仕入れられない状況を紹介しています。
つまり、問題は「高いけれど買える」だけではありません。
価格以前に必要な量を確保できないケースも出ているのです。
寿司店、海鮮料理店、居酒屋など、ホタテを定番メニューとして扱う店では今後も影響が続く可能性があります。
ホタテの代わりにムール貝を使う動きも
ホタテを仕入れられなくなったことで、代わりの食材を使う動きも始まっています。
FNNの取材では、ホタテを提供できなくなった飲食店が、代わりに青森県産ムール貝を使った料理を提供している例が紹介されました。
今後ホタテの高値や品薄が長引けば、
- ムール貝
- カキ
- アサリ
- 別の白身魚や魚介類
など、料理に合わせた代替食材が注目される可能性もあります。
北海道産ホタテなら影響なし?
青森県の不漁が大きく報じられていますが、「北海道産なら関係ない」と単純に考えることもできません。
青森県産の供給が減れば、他産地のホタテに需要が移る可能性があります。
実際、今回FNNが価格上昇の例として紹介した刺身用生ホタテは北海道産でした。
さらに北海道でも地域によっては別の問題が発生しています。
北海道小平町では、マフグがホタテの稚貝を食べたり養殖網を破損させたりする被害が報告され、2026年の被害額は少なくとも4億円以上と報じられています。
ホタテ価格を見る際は、青森県だけでなく北海道を含めた国内全体の供給状況を見る必要があります。
冷凍ホタテや加工品も高くなる?
生鮮ホタテが不漁だからといって、冷凍ホタテや加工食品が同じタイミング・同じ割合で値上がりするとは限りません。
冷凍品の場合は既存在庫もあり、商品によって原料の産地や仕入れ時期も異なるためです。
ただし、原料となるホタテの供給不足が長期化すれば、冷凍品や加工食品にも影響が広がる可能性があります。
今後は、生鮮品だけでなく、
- 冷凍ホタテ
- ベビーホタテ
- ホタテ貝柱
- 珍味
- 惣菜
- 冷凍食品
などの価格や内容量にも注目です。
安いホタテを見つけたら買っておくべき?
今後さらに値上がりする可能性があるからといって、必要以上に買いだめする必要はありません。
特に生ホタテは保存期間が短いため、家庭で消費できる量を購入することが基本です。
冷凍商品についても、価格だけでなく内容量や産地、保存期間を確認して選びましょう。
「以前より高いかどうか」を比較する場合は、パック価格だけでなく100gあたりの価格を見ると比較しやすくなります。
ホタテの値上がりについてよくある質問
Q. 2026年のホタテは本当に1.5倍?
全国すべての商品が一律に1.5倍になったわけではありません。FNNの2026年10月15日の報道で、取材先の刺身用生ホタテが以前400円ほどだったものから約1.5倍になった例が紹介されています。
Q. なぜホタテが高くなっている?
大きな背景に供給量の減少があります。青森県では3年連続の高水温被害などにより生産量が大幅に減少しています。
Q. 青森県ではどれくらい減った?
青森県漁連の共販数量は2021年度の7万3051トンから、2025年度には1万9766トンまで減少しました。
Q. 2026年度はもっと少ない?
2026年10月時点では最終実績は確定していませんが、1万トンに届かない可能性も報じられています。
Q. ホタテはいつ安くなる?
現時点では断定できません。今後の海水温や稚貝の確保、生産量、他産地の供給、在庫などによって変わります。
Q. 2027年には元に戻る?
現時点ではわかりません。ホタテは育成から出荷まで時間がかかるため、稚貝不足などの影響が翌年以降にも続く可能性があります。
まとめ|ホタテ高騰は「今年だけ」で終わらない可能性も
2026年、ホタテの価格高騰が消費者にも見える形で表れ始めています。
- 取材先では刺身用生ホタテが以前の約1.5倍になった例も
- 全国一律で1.5倍という意味ではない
- 青森県漁連の2025年度共販数量は1万9766トン
- 2021年度の7万3051トンから約73%減少
- 2025年度の平均単価は1kgあたり438円
- 青森県漁連は3年連続の高水温被害による大幅減産と説明
- 稚貝や親貝の減少は将来の生産量にも影響する可能性
- スーパーや飲食店ではホタテを外す動きも
- ホタテの代わりにムール貝を提供する店も登場
今回の価格高騰は、一時的な品薄だけでなく、産地で起きている生産量の大幅な減少とつながっています。
特にホタテは育つまで時間が必要です。
今後の価格を考えるうえでは、「今年何トン獲れたか」だけでなく、次の世代となる稚貝がどれだけ確保できるのか、海水温がどう推移するのかにも注目する必要があります。

コメント