ゲンキの時間|秋に食中毒が多いのはなぜ?10月でも注意したい原因と対策

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「食中毒に気をつけるのは暑い夏だけ」

そんなイメージを持っていませんか?

2026年10月4日放送の「健康カプセル!ゲンキの時間」では、「食欲の秋に潜むワナ!意外な食中毒の原因とは?」をテーマに、秋に注意したいさまざまな食中毒が紹介されました。

番組によると、細菌による食中毒の月別発生件数は、気温が高い7月が最多。

しかし、その次に多いのが10月なのだそうです。

「もう涼しくなったから大丈夫」と油断しやすい時期ですが、実は細菌の多くは室温20℃程度でも活発に増殖します。

さらに秋には、

  • 作り置き食品による細菌性食中毒
  • ツブ貝など自然毒による食中毒
  • サバやサンマなどによるヒスタミン食中毒
  • キノコや植物の食べ間違い

と、夏とは少し違った食中毒リスクも増えてきます。

今回は「健康カプセル!ゲンキの時間」で紹介された内容をもとに、秋に注意したい食中毒の原因や対策を、栄養士・元品質管理の視点も交えて解説します。

秋に食中毒が多いのはなぜ?

10月になると真夏ほどの暑さはなくなり、朝晩はかなり涼しくなります。

そのため、

「常温に少しくらい置いても大丈夫」

「夏じゃないから食中毒はもう平気」

と油断しやすくなります。

しかし、番組では細菌の多くは室温約20℃でも活発に増殖すると紹介されました。

つまり、人間にとって「涼しくなった」と感じる気温でも、細菌にとっては十分増殖できる環境になることがあります。

さらに秋は、運動会や行楽、お弁当、作り置きなど、調理した食品をすぐに食べず保存する機会も増える季節です。

そこに旬の魚介類やキノコ、山菜などの自然毒によるリスクも加わります。

「暑さが和らいだことによる油断」と「秋ならではの食材」が重なることが、秋の食中毒で注意したいポイントです。

秋の食中毒①チャーハン症候群とセレウス菌

番組で最初に紹介されたのが、チャーハンを原因とする食中毒です。

いわゆる「チャーハン症候群」として知られています。

原因となる代表的な細菌がセレウス菌です。

セレウス菌は土や川など自然環境に広く存在する細菌で、米や小麦などさまざまな食品に付着する可能性があります。

特に注意したいのが、

  • チャーハン
  • おにぎり
  • 焼きそば
  • パスタ
  • うどん

など、米や小麦を使った炭水化物中心の料理です。

25℃のチャーハンで菌はどれほど増える?

番組では、東京都の10月前半の最高気温に近い25℃の環境でチャーハンを保存する実験も行われました。

特に菌が増えたのが、調理したフライパンにフタをしたまま室温で保存したケース。

6時間後にはチャーハン1gあたり8万個、12時間後には23万個までセレウス菌が増加しました。

フライパンに熱が残り、高温多湿の状態が続いたことが原因と考えられています。

一方、保存容器に移して冷蔵庫に入れたチャーハンでは、12時間後まで陰性でした。

秋でも「作った料理を室温に放置しない」ことが重要だと分かります。

セレウス菌は温め直せば大丈夫?

ここがセレウス菌の怖いところです。

セレウス菌は熱に強い芽胞を作ります。

さらに嘔吐型の食中毒に関係する毒素「セレウリド」は非常に熱に強く、いったん食品中で作られてしまうと、家庭で普通に温め直した程度では安全にできない場合があります。

つまり、

「昨日のチャーハンだから、もう一度しっかり炒めれば大丈夫」

とは限らないということです。

重要なのは、菌や毒素を増やしてしまってから加熱することではなく、最初から増やさないことです。

作り置きは早く冷まして冷蔵庫へ

番組では、調理後の食品を保存する場合、粗熱を取ったあと速やかに10℃以下にすることが大切だと紹介されました。

大量に作った料理の場合、大きな鍋やフライパンのままでは中心部がなかなか冷えません。

そのため、

  • 浅い保存容器に移す
  • 小分けにする
  • 粗熱が取れたら速やかに冷蔵する

など、短時間で温度を下げる工夫が必要です。

私は以前、飲料メーカーの品質管理で微生物検査を行っていましたが、食品衛生では「温度×時間」という考え方がとても重要です。

「少しくらいなら大丈夫」と常温に置いた時間が積み重なることで、菌が増殖しやすい条件が整ってしまうことがあります。

秋の食中毒②ツブ貝のテトラミン

秋に注意したい食中毒は、細菌だけではありません。

番組ではツブ貝による食中毒も紹介されました。

一部の巻貝には、唾液腺と呼ばれる部分にテトラミンという自然毒が含まれています。

この部分を取り除かずに食べると、

  • 頭痛
  • めまい
  • 船酔いのような症状
  • 視覚異常

などが起こることがあります。

ツブ貝は種類によってテトラミンを持つものがあるため、自分で下処理する場合には正しい知識が必要です。

テトラミンは加熱すればなくなる?

自然毒の場合、細菌性食中毒のように「加熱すれば防げる」とは限りません。

テトラミンは加熱によって簡単になくなるものではないため、原因となる唾液腺を正しく除去することが重要です。

見慣れない貝を自分で処理する場合は、食べられる種類かどうか、正しい処理方法まで確認しましょう。

秋の食中毒③サバ・サンマのヒスタミン食中毒

秋の味覚として人気のサバやサンマ。

これらの魚で注意したいのが、ヒスタミン食中毒です。

サバやサンマなどには、アミノ酸の一種である「ヒスチジン」が多く含まれています。

魚の温度管理が悪いと、細菌の働きによってヒスチジンから大量のヒスタミンが作られることがあります。

ヒスタミンを多く含む魚を食べると、

  • 顔の赤み
  • じんましん
  • 頭痛
  • 動悸
  • 口の周りの違和感

など、アレルギーに似た症状が出ることがあります。

ヒスタミンは焼けば大丈夫?

ヒスタミン食中毒で特に注意したいのが、一度作られたヒスタミンは加熱しても壊れにくいことです。

つまり、鮮度が落ちてヒスタミンが大量に作られてしまった魚を、

「しっかり焼けば大丈夫」

と考えることはできません。

購入した魚はできるだけ早く冷蔵し、長時間常温に置かないことが大切です。

秋の食中毒④シイタケとツキヨタケの食べ間違い

秋はキノコ狩りの季節でもあります。

番組では、食用のシイタケと毒キノコのツキヨタケを間違えて食べる事故も紹介されました。

ツキヨタケは日本でキノコ食中毒の原因として繰り返し問題になる毒キノコです。

シイタケなどの食用キノコと見た目が似ているため、誤って採取して食べてしまうケースがあります。

食べると、

  • 嘔吐
  • 下痢
  • 腹痛

などの消化器症状を引き起こすことがあります。

キノコは写真だけを見て素人判断するのが非常に危険です。

「たぶんシイタケだろう」では食べないことが重要です。

長芋とグロリオサも間違えることがある

秋の食べ間違いはキノコだけではありません。

番組では、

長芋とグロリオサ

の食べ間違いも紹介されました。

グロリオサは園芸用として栽培される植物ですが、地下部分が長芋のように見えることがあります。

しかし、グロリオサにはコルヒチンという有毒成分が含まれています。

誤って食べると重い中毒を起こし、場合によっては命に関わることもあります。

家庭菜園や庭で植物を育てている場合は、食用植物と園芸植物を近くに植えないなどの対策も大切です。

ハスイモとクワズイモにも注意

もうひとつ番組で紹介されたのが、

ハスイモとクワズイモ

の食べ間違いです。

見た目が似ていても、クワズイモは食用ではありません。

誤って食べると、シュウ酸カルシウムの針状結晶などによって、口や喉に強い痛みや刺激を感じることがあります。

名前にも「クワズ=食わず」と入っていますが、見た目だけで判断すると間違える可能性があります。

秋の食中毒は「菌」だけ見ていてはいけない

食中毒というと、

  • サルモネラ属菌
  • カンピロバクター
  • 黄色ブドウ球菌

などの細菌を思い浮かべる人が多いでしょう。

しかし今回「ゲンキの時間」で紹介された内容を見ると、秋の食中毒には、

  • セレウス菌による細菌性食中毒
  • ツブ貝のテトラミン
  • 魚に蓄積するヒスタミン
  • 毒キノコ
  • 有毒植物

など、かなり幅広い原因があることが分かります。

「食中毒=腐ったものを食べる」ではありません。

見た目も味も問題なく感じる食品でも、食中毒になる可能性があります。

元品質管理として秋に特に気をつけてほしいこと

私は以前、飲料メーカーの品質管理部門で微生物検査などに携わっていました。

その経験から特に気をつけてほしいと思うのが、

「涼しくなったから常温でも平気」という思い込みです。

細菌の増殖は、人間が「暑い」「寒い」と感じる感覚だけでは判断できません。

10月でも日中は20℃を大きく超える日があります。

さらに室内や車内、調理直後のフライパンや鍋の中では、外気温より高い状態が長く続く場合があります。

作り置き料理やお弁当では、

  • 作ったら長時間常温に置かない
  • 保存するものは素早く冷却する
  • 冷蔵庫を過信しない
  • 食べるまでの時間を短くする

といった基本を、秋になっても続けることが大切です。

秋の食中毒を防ぐポイント

今回の内容をまとめると、秋の食中毒対策として意識したいのは次のポイントです。

  • 作り置き料理を長時間常温に置かない
  • 大量の料理は小分けにして素早く冷やす
  • 冷蔵庫で適切に保存する
  • 魚は購入後できるだけ早く冷蔵する
  • 魚の鮮度・温度管理に注意する
  • ツブ貝などは正しい下処理をする
  • 知らないキノコを自己判断で食べない
  • 食用植物と似た園芸植物に注意する
  • 「加熱すれば全部安全」と考えない

原因によって対策が大きく違うのも、食中毒の難しいところです。

まとめ

今回は、2026年10月4日放送の「健康カプセル!ゲンキの時間」で紹介された秋の食中毒についてまとめました。

  • 細菌性食中毒は7月に次いで10月も多い
  • 多くの細菌は室温約20℃でも増殖できる
  • 秋は「もう涼しいから大丈夫」という油断に注意
  • 作り置きチャーハンなどではセレウス菌に注意
  • セレウス菌は増やさないことが重要
  • ツブ貝では自然毒テトラミンに注意
  • サバ・サンマではヒスタミン食中毒に注意
  • ヒスタミンは加熱してもなくならない
  • シイタケとツキヨタケなど、キノコの食べ間違いにも注意
  • 長芋とグロリオサ、ハスイモとクワズイモなど植物の食べ間違いも起こる

夏が終わったからといって、食中毒シーズンが終わるわけではありません。

むしろ秋は、気温が下がったことで衛生管理への警戒心も一緒に下がりやすい季節です。

「10月でも菌は増える」と覚えておき、作った料理は適切に保存しましょう。

番組で紹介された「チャーハン症候群とセレウス菌」「ツブ貝のテトラミン」「サバ・サンマのヒスタミン食中毒」「ツキヨタケなどの食べ間違い」については、それぞれ別記事でも詳しく解説します。

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