インフルエンザ注意報レベルとは?警報との違いや「10人・30人」の基準をわかりやすく解説

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インフルエンザのニュースでよく目にする「注意報レベル」「警報レベル」という言葉。

「患者が10人出たら注意報なの?」

「30人を超えたら必ず警報?」

「定点あたりって、そもそも何?」

数字だけを見ると少し分かりにくいですよね。

インフルエンザでは、従来の警報・注意報システムで注意報の基準値10、警報開始の基準値30という数字が使われてきました。

ただし、これは地域全体の患者が10人・30人という意味ではありません。

さらに2025年にはインフルエンザの定点医療機関が変更され、国立健康危機管理研究機構(JIHS)は現在、従来のインフルエンザレベルマップや警報・注意報システムの情報提供を当面停止しています。

この記事では、インフルエンザの注意報と警報の違い、10人・30人という数字の意味、2026年に情報を見るときの注意点まで分かりやすく解説します。

インフルエンザの注意報・警報とは?

インフルエンザの警報・注意報システムは、過去の患者発生状況をもとに基準値を設定し、地域で大きな流行が起きている、または今後大きな流行が起こる可能性があることを把握するために使われてきた仕組みです。

従来の基準値を簡単に整理すると、次のようになります。

区分定点あたり報告数の基準値意味
注意報10人今後4週間以内に大きな流行が発生する可能性が高い、または流行が継続していると考えられる状況
警報開始30人大きな流行が発生していると考えられる状況
警報継続10人警報発生後、流行がまだ継続していると考えられる状況

ここで特に覚えておきたいのが、警報は30人を下回った瞬間に終わるわけではないということです。

一度警報の基準を超えた地域では、その後も定点あたり10人以上であれば警報が継続するという仕組みが使われてきました。

「注意報10人」は患者が10人という意味ではない

ここは非常に間違えやすいポイントです。

注意報の基準値として使われる「10人」は、その地域全体で患者が10人発生したという意味ではありません。

1週間に、1つの定点医療機関から平均何人の患者が報告されたかを表した「定点あたり報告数」です。

たとえば、ある地域の定点あたり報告数が12人だった場合、「その地域に患者が12人しかいない」という意味ではありません。

指定された医療機関から報告された患者数を、報告した定点医療機関数で割った値です。

そもそも「定点医療機関」って何?

インフルエンザでは、国内すべての医療機関から患者数を集めているわけではありません。

感染症の発生動向を継続して把握するため、指定された医療機関から患者数の報告を受けています。

こうした医療機関を「定点医療機関」と呼びます。

2025年第15週から急性呼吸器感染症(ARI)サーベイランスが始まり、インフルエンザについても全国約3,000か所のARI定点医療機関からの届出によって発生状況を把握する仕組みに変更されました。

小児科定点が約2,000か所、内科定点が約1,000か所となっています。

2025年から仕組みが変わった?

はい。ここが2026年のインフルエンザ情報を見るうえで重要なポイントです。

2025年第15週から、インフルエンザの報告に使われる定点医療機関が変更されました。

国立健康危機管理研究機構(JIHS)によると、この変更によって保健所ごとのデータの連続性が担保されないことから、従来提供されていた次の情報は当面の間、提供を停止しています。

  • インフルエンザレベルマップ
  • 警報・注意報システム
  • インフルエンザ罹患数推計

そのため2026年現在、全国の定点あたり報告数を見て、単純に「10を超えたから国の注意報」「30を超えたから国の警報」と判断するのは正確ではありません。

じゃあ「10人・30人」という数字はもう使えないの?

「まったく意味がなくなった」ということではありません。

10人・30人は、従来のインフルエンザ警報・注意報システムで用いられてきた基準値です。

また、自治体によっては現在も地域の流行状況を判断する際の目安として、こうした基準値を用いて注意報や警報を発表している場合があります。

ただし、実際に注意報・警報が発令されているかどうかを知りたい場合は、単純に全国統計の数字だけを見るのではなく、住んでいる都道府県や自治体の公式発表を確認する必要があります。

「流行入り」と「注意報」は同じではない

もう一つ混同しやすいのが「流行入り」です。

ニュースでは、全国の定点あたり報告数が1.0人を超えた場合に「全国的な流行入りの目安を超えた」と表現されることがあります。

しかし、これは注意報や警報とは別のものです。

言葉よく使われる数値ポイント
流行開始の目安定点あたり1.0人全国的な流行開始を見る際の目安
注意報の従来基準値10人大きな流行の可能性などを見る基準
警報開始の従来基準値30人大きな流行が発生している状況を見る基準

「流行入りした=注意報」という意味ではありません。

警報30人なのに、なぜ10人でも警報が続くの?

警報には「開始」と「継続」で異なる基準値が設定されてきました。

大きな流行が始まったと判断するための警報開始基準値は30人。

一方、すでに警報が発生している地域では、定点あたり報告数が10人以上であれば警報が継続する仕組みです。

たとえば、次のような推移を考えてみましょう。

週定点あたり報告数従来の警報システムで考えた場合
1週目15人注意報基準値以上
2週目35人警報開始基準値以上
3週目25人警報継続
4週目12人警報継続
5週目8人警報継続基準値を下回る

35人から25人に減ったとしても、流行がすぐに終わったとは判断しません。

このため、警報開始後には10人という別の継続基準値が設けられてきました。

注意報が出たら学校や保育園は休みになる?

インフルエンザ注意報が発表されたからといって、地域の学校や保育園が一斉に休みになるわけではありません。

注意報・警報は地域の流行状況を知らせる情報です。

実際に休校、学年閉鎖、学級閉鎖などを行うかどうかは、学校や設置者などが欠席者数や感染状況などを踏まえて判断します。

そのため、「注意報が出た=明日から学級閉鎖」というものではありません。

注意報が出たら保護者は何をすればいい?

注意報が出たからといって、特別な食品を食べたり、家庭を完全に隔離状態にしたりする必要はありません。

まずは基本的な感染対策を続けます。

  • 手洗いなどの手指衛生
  • 咳エチケット
  • 適切な換気
  • 体調不良時は無理に登園・登校しない
  • 子どもの体調を普段より丁寧に確認する
  • 必要に応じてマスクを適切に使用する

インフルエンザは、咳やくしゃみなどによる飛沫感染のほか、ウイルスが付着した手指を介した接触感染でも広がります。

特に保育園や学校では子ども同士の距離が近くなるため、家庭と施設の両方で基本的な対策を続けることが大切です。

子どもは「熱があるか」だけで見ない

小さな子どもは、自分の体調をうまく言葉で説明できないことがあります。

インフルエンザが地域で流行しているときは、体温だけではなく次のような変化にも注意しましょう。

  • いつもより元気がない
  • 食欲が落ちている
  • 急に横になりたがる
  • 咳が増えた
  • 顔色が悪い
  • 水分を取りたがらない
  • 眠り方や機嫌がいつもと違う

朝の時点で気になる変化がある場合は、園や学校へ伝えておくことも大切です。

2026年の最新状況はどこで確認する?

2026年のインフルエンザ流行状況を確認するときは、厚生労働省やJIHS、各都道府県などの公式情報を確認しましょう。

厚生労働省では、2026/2027シーズンのインフルエンザ発生状況を週ごとに公表しています。

一方、実際に自分の地域で注意報や警報が発表されているか知りたい場合は、都道府県や自治体の感染症情報を確認するのが確実です。

特に2026年は定点医療機関の変更後であり、従来の国のレベルマップ・警報注意報システムが停止しているため、「全国平均の数字」と「自治体が発表する注意報・警報」を分けて見ることが重要です。

まとめ|注意報10・警報30は「定点あたり」の基準値

インフルエンザの注意報・警報では、従来の警報・注意報システムで「注意報10人」「警報開始30人」という基準値が用いられてきました。

ただし、これは地域全体の患者が10人・30人という意味ではなく、1週間の定点医療機関あたり報告数です。

さらに警報は一度発生すると、30人を下回っても10人以上であれば継続する仕組みとなっていました。

そして2026年に特に注意したいのが、2025年第15週から定点医療機関が変更されたことです。

JIHSではデータの連続性の問題から、従来のインフルエンザレベルマップや警報・注意報システムの情報提供を当面停止しています。

そのため、現在の流行状況を見るときは、定点あたり報告数だけで「注意報」「警報」と決めつけず、厚生労働省の最新週報と各自治体の公式発表をあわせて確認しましょう。

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