地震や台風などの災害が起こると、避難所で食事が配られたり、支援物資として食品が届いたりすることがあります。
しかし、食物アレルギーがある人にとっては、
「食べ物が届いた=安心して食べられる」
とは限りません。
原材料が分からない食品や、表示を確認できない食品では、アレルギーの原因となる食品が含まれている可能性があります。
だからこそ、食物アレルギーがある家庭では、一般的な防災備蓄とは別に、
- 本人が安全に食べられる食品
- アレルギー情報
- 処方されている薬
- 周囲へ伝えるための準備
まで考えておくことが重要です。
この記事では、災害時の食物アレルギー対応について、家庭で準備しておきたいポイントを紹介します。
- 災害時はアレルギー対応食品を確保しにくいことがある
- まずは「本人が安全に食べられる食品」を備える
- 「アレルギー対応」と書いてあるだけで判断しない
- いつも食べている商品でも毎回表示を確認する
- 支援物資は原材料が確認できてから食べる
- 手作り食品・炊き出しにも注意
- コンタミネーションにも注意する
- 子ども自身にも「食べる前に確認する」を伝える
- アレルギー情報カードを準備する
- 避難所では最初にアレルギーがあることを伝える
- アレルギー対応食品は家族のものと分けておく
- 防災リュックにも本人用の食品を入れる
- 最低3日分だけで安心とは限らない
- 水も本人の食事とセットで考える
- 乳幼児のアレルギー対応では月齢も確認する
- 災害時に新しい食品を試さない
- 薬も食品と一緒に確認する
- エピペンを処方されている場合
- 症状が出たら「様子見だけ」にしない
- 「少しくらいなら大丈夫」を災害時に試さない
- 家族以外にも情報を共有しておく
- 食品表示の写真を保存しておく方法も
- 非常食は定期的に見直そう
- 災害時の食物アレルギー対策チェックリスト
- まとめ|食物アレルギーがある人は「自分の安全な食べ物」を備えよう
災害時はアレルギー対応食品を確保しにくいことがある
災害時には食品の種類そのものが限られます。
避難所や支援物資でも、
- 本人が食べられる食品がない
- 原材料表示を確認できない
- 必要なアレルギー対応食品が届いていない
ということが起こる可能性があります。
特に特定の食品を完全に避ける必要がある人ほど、家庭で自分に合った食品を備えておくことが大切です。
まずは「本人が安全に食べられる食品」を備える
災害用だからと特別な非常食だけを探す必要はありません。
普段から本人が安全に食べている食品で、
- 常温保存できるもの
- 賞味期限が比較的長いもの
- そのまま食べられるもの
- 少ない水や熱源で食べられるもの
を中心に少し多めに備えておく方法があります。
普段食べているものを使い、食べた分だけ買い足すローリングストックなら、本人が食べ慣れた食品を維持しやすくなります。
「アレルギー対応」と書いてあるだけで判断しない
食品にはさまざまな表示があります。
しかし、
「アレルギー対応」「○○不使用」などの言葉だけを見て安全だと判断するのは避けましょう。
本人が避ける必要のある食品が含まれていないか、原材料表示やアレルギー表示を確認することが大切です。
いつも食べている商品でも毎回表示を確認する
普段から食べている商品でも、原材料や製造方法が変更される可能性があります。
そのため、
「前に食べられたから今回も大丈夫」
と決めつけず、購入するたびに食品表示を確認する習慣をつけましょう。
支援物資は原材料が確認できてから食べる
避難所などでは、普段見かけない商品や、大容量の商品が小分けされて配られることもあります。
そのような場合、
- 商品名
- 原材料
- アレルギー表示
- 包装が元の商品と同じか
を確認できないことがあります。
アレルギーがある人は、原材料を確認できない食品を「たぶん大丈夫」で食べないことが重要です。
手作り食品・炊き出しにも注意
災害時には炊き出しが行われることがあります。
しかし、炊き出しでは、
- 使用した調味料
- 加工食品の原材料
- 調理器具の共用
- 他の料理からの混入
などを完全に確認できない場合があります。
必要に応じて調理担当者へ確認し、安全性が確認できない場合には無理に食べないようにしましょう。
コンタミネーションにも注意する
食品そのものに原因食品が使われていなくても、調理中に別の食品からアレルゲンが混入することがあります。
例えば、
- 同じまな板を使う
- 同じ包丁を使う
- 同じトングを使う
- 同じ鍋や油を使う
などです。
食物アレルギーでは微量の混入でも症状が出る人がいます。
本人のアレルギーの程度に応じて、普段から主治医と確認している対応を災害時にも続けましょう。
子ども自身にも「食べる前に確認する」を伝える
子どもと保護者が離れている時に災害が起こる可能性もあります。
年齢に応じて、
- 自分が何のアレルギーを持っているか
- 知らない食品を勝手に食べない
- 大人に確認してから食べる
ことを少しずつ伝えておくことも大切です。
アレルギー情報カードを準備する
幼い子どもや、自分で症状を説明するのが難しい人の場合は、アレルギー情報を記載したカードを準備する方法があります。
例えば、
- 氏名
- 原因となる食品
- 食べてはいけない食品
- 過去に起きた症状
- 使用している薬
- 緊急連絡先
などを記載しておきます。
個人情報の扱いには注意しながら、防災リュックや本人が携帯するものに入れておくと安心です。
避難所では最初にアレルギーがあることを伝える
避難所へ到着したら、可能であれば受付や支援スタッフへ食物アレルギーがあることを伝えましょう。
黙っていると、支援する側も配慮が必要なことに気づけません。
本人が食べられる食品の確保や、炊き出しなどの情報を得るためにも、
「私は○○アレルギーがあります」
と周囲へ伝えられる準備が重要です。
アレルギー対応食品は家族のものと分けておく
家庭の備蓄では、アレルギー対応食品を一般の食品と一緒に置いていると、災害時の混乱の中で間違えて使用する可能性があります。
例えば、
- 専用の箱へ入れる
- 目立つラベルを貼る
- 本人の名前を書く
など、家族全員が分かるように管理しておきましょう。
防災リュックにも本人用の食品を入れる
自宅にたくさん備蓄していても、避難が必要になれば持っていけない可能性があります。
そのため、
- 自宅で使う備蓄
- 避難時に持ち出す食品
を分けて考えましょう。
持ち出し用には、軽量で開封しやすく、本人がそのまま食べられる食品を選ぶと使いやすくなります。
最低3日分だけで安心とは限らない
家庭の食品備蓄は最低3日分から1週間分程度が一つの目安とされています。
しかし、食物アレルギーがある人の場合、支援物資の中から食べられる食品を確保できるとは限りません。
家庭の保管スペースや食品の期限を考えながら、本人に必要な食品をできるだけ余裕を持って備えておきましょう。
水も本人の食事とセットで考える
アレルギー対応食品を備えていても、調理に大量の水が必要では災害時に使いにくい場合があります。
備蓄食品を選ぶ時には、
- そのまま食べられるか
- 水がどのくらい必要か
- お湯が必要か
- 電子レンジがなくても食べられるか
まで確認しましょう。
乳幼児のアレルギー対応では月齢も確認する
乳幼児では、食物アレルギーだけではなく、
- 月齢
- 離乳食の進み具合
- 食べられるかたさ
- 食べた経験のある食品
も重要です。
アレルギー対応だからといって、月齢に合わない食品を与えることはできません。
普段食べているベビーフードなどの中から、災害時にも使えるものを準備しておきましょう。
災害時に新しい食品を試さない
食物アレルギーが心配な子どもの場合、災害時に初めての食品を試すことは避けた方が安心です。
医療機関へすぐ受診できない可能性もあるため、非常食は基本的に普段安全に食べている食品を中心に備えましょう。
薬も食品と一緒に確認する
食物アレルギーがある人の防災では、食べ物だけでなく薬の準備も重要です。
普段処方されている薬がある場合は、
- 薬の名前
- 使用方法
- 保管方法
- 使用期限
- お薬手帳
などを確認しておきましょう。
非常時の薬剤や食品の備蓄について、日本小児アレルギー学会も主治医と相談して準備することを案内しています。
エピペンを処方されている場合
アナフィラキシーに備えてアドレナリン自己注射薬を処方されている人は、災害時にもすぐ使えるよう準備が必要です。
保管方法や使用方法、使用期限について普段から確認しておきましょう。
本人だけでなく、必要に応じて家族も使用方法を確認しておくことが大切です。
実際に症状が出た時は、普段主治医から説明されている緊急時の対応に従い、可能な限り速やかに医療につなげてください。
症状が出たら「様子見だけ」にしない
アレルギー症状には、
- じんましん
- 唇や顔の腫れ
- 繰り返す嘔吐
- 咳
- 息苦しさ
- ぐったりする
など、さまざまなものがあります。
特に呼吸が苦しい、意識がおかしい、ぐったりしているなど重い症状がある場合は緊急性があります。
処方されている緊急薬については指示どおり使用し、救急要請や医療スタッフへの相談など、速やかに医療につなげましょう。
「少しくらいなら大丈夫」を災害時に試さない
災害時に食べ物が少ないと、
「少量なら食べても平気なのでは?」
と思うことがあるかもしれません。
しかし、食べられる量を自己判断で試すことは危険です。
普段主治医から指示されている範囲を超えて、原因食品を食べさせないようにしましょう。
家族以外にも情報を共有しておく
災害は、子どもが学校や保育園にいる時間に発生する可能性があります。
普段から、
- 学校
- 保育園
- 学童
- 祖父母
- よく預ける人
などとアレルギー情報を共有しておくことも重要です。
「保護者に聞かないと何も分からない」という状態にならないようにしておきましょう。
食品表示の写真を保存しておく方法も
普段食べている食品について、
- 商品名
- パッケージ
- 原材料表示
をスマートフォンで撮影しておく方法もあります。
支援スタッフへ、
「普段はこのような食品を食べています」
と伝える時の参考にもなります。
ただし災害時はスマートフォンが使えない可能性もあるため、重要な情報は紙でも準備しておくと安心です。
非常食は定期的に見直そう
アレルギー対応食品も、購入したら終わりではありません。
防災の日などに、
- 賞味期限
- 保存状態
- 現在のアレルギー状況
- 普段食べている商品が変わっていないか
- 処方薬の状況
を確認しましょう。
子どもは成長によって食事内容や治療方針が変わることもあります。
現在の主治医の指示に合わせて備蓄内容も更新することが大切です。
災害時の食物アレルギー対策チェックリスト
- □ 本人が安全に食べられる食品を備えている
- □ 普段食べ慣れている食品を中心にしている
- □ 原材料・アレルギー表示を毎回確認している
- □ そのまま食べられる食品もある
- □ 水や熱源がなくても食べられるか確認した
- □ 自宅用と持ち出し用を分けて備えている
- □ アレルギー対応食品が家族にも分かるようになっている
- □ アレルギー情報カードを準備している
- □ 緊急連絡先を紙でも用意している
- □ 処方薬を確認した
- □ お薬手帳を持ち出せる
- □ エピペンなど処方された緊急薬の使用期限を確認した
- □ 学校・保育園・家族と情報を共有している
- □ 非常食の賞味期限を定期的に確認している
まとめ|食物アレルギーがある人は「自分の安全な食べ物」を備えよう
災害時には多くの支援物資が届くことがあります。
しかし、食物アレルギーがある人にとって、
「食べ物があること」と「安全に食べられること」は別の問題です。
だからこそ平常時から、
- 本人が安全に食べられる食品
- アレルギー情報
- 処方薬
- 周囲へ伝える方法
をセットで準備しておきましょう。
そして支援物資や炊き出しでは、
「たぶん大丈夫」ではなく「確認できたから食べる」。
防災の日には非常食の数だけを見るのではなく、
「この人が安全に食べられるものが、実際に何食分ある?」
というところまで確認してみてください。

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