災害時の高齢者の食事はどうする?やわらかい非常食や水分補給など備えたいもの

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地震や台風などの災害に備えて食品を準備する時、高齢者がいる家庭では少し違った視点が必要です。

一般的な非常食をたくさん備えていても、

  • かたくて噛めない
  • パサパサして飲み込みにくい
  • 普段の食事制限に合わない
  • 入れ歯がないと食べられない

といった理由で、本人が食べられない可能性があるからです。

災害時だからこそ、

「保存できる食品」ではなく「その人が実際に食べられる食品」を備えておくこと

が重要です。

この記事では、高齢者がいる家庭で備えておきたい食品や水分、噛む・飲み込む力への配慮、持病がある場合の注意点などを解説します。

高齢者用の非常食は本人に合わせて考える

「高齢者」といっても、食べられるものは人によって大きく異なります。

普通のご飯や肉料理を問題なく食べられる人もいれば、

  • やわらかいご飯が必要
  • 刻んだ料理を食べている
  • ペースト状の食品を利用している
  • 飲み物にとろみをつけている

人もいます。

年齢だけで決めるのではなく、普段どんな食事をしているかを基準に備えましょう。

一般的な非常食が食べにくいこともある

災害用食品には、

  • 乾パン
  • クラッカー
  • かための菓子
  • 水分の少ない食品

などもあります。

これらは保存しやすい一方、噛む力や飲み込む力が弱くなっている人には食べにくい場合があります。

「非常食だからこれを食べてもらう」のではなく、本人の食べる機能に合ったものを準備しておきましょう。

やわらかい非常食を備えておこう

農林水産省では、食べる機能が弱くなった人の備蓄食品として、

  • やわらかいレトルトご飯
  • おかゆ
  • レトルトの介護食品
  • 缶詰
  • レトルト食品
  • フリーズドライ食品
  • 好物の食品や飲み物

などを紹介しています。

普段から食べている介護食品がある場合は、災害時用として少し多めに備えておくと安心です。

介護食品は普段から食べ慣れておく

介護食品には、やわらかさや形状の異なるさまざまな商品があります。

災害時になって初めて購入すると、

「やわらかさが本人に合わなかった」

「味が苦手で食べられなかった」

ということも考えられます。

普段から一度食べてみて、本人に合った商品を確認しておきましょう。

ユニバーサルデザインフードなどの表示も参考になる

市販の介護食品には、食べやすさの目安が表示されている商品があります。

農林水産省でも、介護食品を選ぶ際にはユニバーサルデザインフードなどの表示が目安になると紹介しています。

ただし、

表示だけで本人に合うと判断せず、普段食べている形態に合っているか確認すること

が大切です。

飲み込む力が弱い人は特に注意

高齢者の中には、食べ物や飲み物を飲み込む力が低下している人もいます。

このような場合、災害時に普段と違う食品を食べることで、むせたり誤嚥したりする危険があります。

普段から医師、歯科医師、管理栄養士、言語聴覚士などの指導を受けている場合は、その内容に沿った食品を備えましょう。

とろみ調整食品を使っているなら備蓄にも

普段から飲み物などにとろみをつけている人では、とろみ調整食品も必要な備蓄品です。

災害時にも普段と同じ方法で水分をとれるよう、

  • 使用している商品
  • 必要な量
  • 作り方

を家族も確認しておきましょう。

とろみの強さは人によって異なります。

自己判断で濃さを変えるのではなく、普段本人が使用している方法を基本としてください。

高齢者は水分不足にも注意

災害時は、

  • トイレへ行きにくい
  • 飲み物が十分にない
  • 周囲へ遠慮して水分を控える

などの理由から、水分摂取量が減る可能性があります。

高齢者では喉の渇きを感じにくいこともあるため、本人が「喉が渇いていない」と言っていても注意が必要です。

「トイレが心配だから飲まない」は危険

避難所生活などでは、

「トイレが遠いから」

「人に迷惑をかけたくないから」

と飲み物を控えてしまうことがあります。

しかし、水分不足は脱水や体調不良につながります。

食品の備蓄と一緒に、携帯トイレなども備えておくことで、水分を我慢しなくて済む環境を整えておきましょう。

普段飲んでいる飲み物も準備しよう

備蓄の基本となる水に加えて、保存できる範囲で本人が普段飲み慣れている飲み物を用意する方法もあります。

例えば普段から水だけでは飲みにくい人なら、災害時にも飲める選択肢があることで水分をとりやすくなる場合があります。

ただし、持病によって水分量や飲み物の種類に制限がある場合には、普段受けている医療上の指示を優先してください。

災害時は主食だけに偏りやすい

災害時の食事では、

  • パン
  • おにぎり
  • ご飯

など、炭水化物中心になりやすい傾向があります。

農林水産省でも、災害時は炭水化物だけに偏らないよう、たんぱく質やビタミン、ミネラル、食物繊維などをとれる食品を組み合わせることを勧めています。

たんぱく質をとれる食品も備えよう

高齢者にとっても、体力を維持するためにはたんぱく質が大切です。

本人が食べられるもので、

  • 魚の缶詰
  • 肉や魚を使ったレトルト食品
  • 豆類
  • やわらかい介護食品

などを備えておくと、主食だけに偏りにくくなります。

ただし、塩分やたんぱく質、カリウムなどに制限がある人では、普段の食事療法に合わせて選びましょう。

野菜不足も意識して備える

避難生活が長くなると、野菜や果物を食べる機会が減る場合があります。

本人が食べられる形態で、

  • 野菜を使用したレトルト食品
  • 野菜の缶詰
  • やわらかく調理された食品

なども組み合わせておくと、食事の選択肢を増やせます。

便秘対策も忘れずに

災害時には、

  • 水分不足
  • 野菜不足
  • 活動量の低下
  • 生活環境の変化

などが重なり、便秘になりやすくなることがあります。

水分を確保するとともに、普段食べている食品の中から食物繊維を含むものも備えておくとよいでしょう。

入れ歯も「食事の防災用品」

高齢者の食事を考える時に忘れてはいけないのが入れ歯です。

普段入れ歯を使って食事をしている人は、入れ歯がなければ食べられる食品が一気に少なくなる可能性があります。

避難する時に、

  • 入れ歯
  • 入れ歯ケース
  • 必要なケア用品

を持ち出せるようにしておきましょう。

口腔ケア用品も一緒に準備しよう

災害時は水不足などによって歯磨きが難しくなることがあります。

しかし、口の中を清潔に保つことは重要です。

家庭の状況に応じて、

  • 歯ブラシ
  • 入れ歯用品
  • 口腔ケア用品

なども防災用品として準備しておきましょう。

持病がある人は一般的な非常食が合わないことも

高齢者では、

  • 糖尿病
  • 腎臓病
  • 心臓病
  • 高血圧

などの持病があり、普段から食事について指導を受けている場合があります。

その場合、市販の非常食を大量に購入するだけでは本人に合わない可能性があります。

普段の食事制限や治療内容を踏まえて、どの食品を備えるか医師や管理栄養士などへ相談しておくと安心です。

薬と食事を別々に考えない

高齢者では、食事と一緒に服用する薬や、食事量などによって対応が変わる薬を使用していることがあります。

災害時に食事内容が大きく変わる場合もあるため、

  • 薬の名前
  • 服用方法
  • お薬手帳
  • 医療機関の連絡先

も確認しておきましょう。

食事量が少ないからと自己判断で薬を中止したり量を変えたりせず、必要な場合は医療従事者へ相談してください。

好きなものも備えておこう

災害時の備蓄というと、栄養や保存期間ばかりを考えがちです。

しかし農林水産省では、食べる機能が弱くなった人の備蓄として、好物の食品や飲み物も挙げています。

慣れない避難生活では食欲が低下することもあります。

そのような時に、

「これなら食べたい」

と思える食品があることも大切です。

非常食は一度本人に食べてもらおう

高齢者用に非常食を購入したら、保管する前に一度食べてもらうことをおすすめします。

確認したいのは、

  • 噛めるか
  • 飲み込めるか
  • 味が合うか
  • 一食分として多すぎないか
  • 温めなくても食べられるか

などです。

「高齢者向け」と書かれているだけで選ぶのではなく、本人が実際に食べられるものを備えましょう。

電気が止まっても食べられるか確認

普段やわらかい冷凍食品を電子レンジで温めて食べている場合、停電すると使えなくなる可能性があります。

防災用には、

  • 常温保存できる
  • そのまま食べられる
  • 湯せんなど別の方法で調理できる

食品も組み合わせましょう。

開封できるかも重要

握力が弱い人や手指を動かしにくい人では、食品そのものは食べられてもパッケージを開けられない場合があります。

缶詰やレトルト食品などを選ぶ時には、

「一人でも開けられるか」

まで確認してみましょう。

必要であれば、家族や支援者が開封を手伝えるようにします。

一人暮らしの高齢者は特に準備を具体的に

一人暮らしの場合、災害発生直後に家族がすぐ駆けつけられるとは限りません。

普段から、

  • 食べられる食品
  • 入れ歯用品
  • メガネ
  • 補聴器や予備電池など必要なもの

を本人が分かる場所にまとめておきましょう。

避難所に必ず介護食があるとは限らない

避難所では支援物資が提供されることがあります。

しかし、本人が必要とする食形態や食事制限に対応した食品が、発災直後から十分に用意されているとは限りません。

特別な食品が必要な人ほど、家庭で自分に合った食品を備えておくことが重要です。

在宅避難用と持ち出し用を分けて考える

高齢者用の食品をすべて防災リュックへ詰めると、重くなりすぎることがあります。

そのため、

  • 避難時にすぐ持ち出す食品
  • 自宅で生活するための備蓄食品

を分けて考えましょう。

本人が無理に重い荷物を背負う必要がないよう、家族で持ち出し方法も決めておくことが大切です。

最低3日分から1週間分を目安に家庭で備える

農林水産省では、家庭の食品備蓄について最低3日分から1週間分程度を備えることを勧めています。

特に高齢者や食事への配慮が必要な人では、支援物資だけでは必要な食品を確保できない可能性があります。

普段使用している食品を少し多めに購入し、食べた分を買い足すローリングストックなら、特別な非常食を大量に購入しなくても備えやすくなります。

防災の日に高齢者の食事をチェックしよう

防災の日には本人と一緒に備蓄食品を確認してみましょう。

去年は食べられた食品でも、

  • 噛む力が変わった
  • 飲み込み方が変わった
  • 持病が増えた
  • 薬が変わった
  • 食事制限が変わった

ということがあります。

高齢者の非常食は、一度準備したら終わりではありません。

現在の本人の状態に合わせて更新することが大切です。

災害時の高齢者の食事チェックリスト

  • □ 本人が実際に食べられる非常食を備えている
  • □ 噛む力に合った食品を選んでいる
  • □ 飲み込む力に合った食品を選んでいる
  • □ 普段使っている介護食品を備えている
  • □ 必要ならとろみ調整食品を備えている
  • □ 水や普段飲める飲み物を準備している
  • □ 主食だけでなくおかずも備えている
  • □ 好きな食品も入れている
  • □ 持病や食事制限に対応している
  • □ 常温で食べられる食品がある
  • □ 本人が開封できるか確認した
  • □ 入れ歯や口腔ケア用品を準備している
  • □ 薬・お薬手帳も確認した
  • □ 非常食を実際に食べたことがある
  • □ 現在の身体状態に合わせて定期的に見直している

まとめ|高齢者の非常食は「その人が食べられるか」が一番大切

高齢者がいる家庭では、一般的な非常食を備えるだけでは不十分な場合があります。

大切なのは、

  • 噛めるか
  • 飲み込めるか
  • 持病や食事制限に合っているか
  • 本人が好きな味か
  • 停電しても食べられるか

まで考えて準備することです。

特に、普段から介護食品やとろみ調整食品などを使用している人は、同じものを家庭でも余裕を持って備えておきましょう。

「高齢者向けの非常食」ではなく、「この人が食べられる非常食」を備える。

防災の日には食品棚を確認するだけでなく、本人の現在の食べる力や生活状況まで一緒に見直してみてください。

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