毎年9月1日は「防災の日」です。
保育園でも、防災の日に合わせて避難訓練を行ったり、子どもたちと地震や災害について話したりすることがあります。
しかし、乳幼児に、
「防災について教えましょう」
と言っても、どのように伝えればよいのか迷うこともあるでしょう。
特に0〜2歳児では、災害について言葉で詳しく説明することは難しく、年齢や発達に合わせた取り組みが必要です。
この記事では、防災の日に保育園でできる活動や避難訓練のアイデア、乳幼児への伝え方、職員や保護者と確認しておきたいことについて紹介します。
- 保育園にとって防災は日常的に取り組みたいテーマ
- 保育園の防災の日の取り組み① 避難訓練
- 0歳児の防災訓練で考えておきたいこと
- 1〜2歳児には短い言葉と動作で伝えよう
- 3歳以上なら「なぜ?」も少しずつ伝えよう
- 保育園の防災の日の取り組み② 防災クイズ
- 保育園の防災の日の取り組み③ 絵本や紙芝居を読む
- 保育園の防災の日の取り組み④ 防災用品を見てみよう
- 保育園の防災の日の取り組み⑤ 非常食を食べてみる
- 0〜2歳児の非常食は「食べられるか」が特に重要
- 保育園の防災の日の取り組み⑥ 散歩中の災害を考える
- 午睡中に地震が起きたら?
- 給食中の災害も想定しておこう
- 防災訓練は「避難できた」で終わらせない
- 保護者とも防災情報を共有しよう
- 職員同士でも役割を確認しておこう
- 防災の日だけで終わらせず日々の保育につなげよう
- まとめ|保育園の防災の日は「子ども・職員・保護者」で備えを確認しよう
保育園にとって防災は日常的に取り組みたいテーマ
保育園では、地震や火災などさまざまな災害を想定し、子どもの安全を守るための準備が必要です。
災害は、子どもたちが全員そろって保育室にいる時に起きるとは限りません。
例えば、
- 登園時間
- 散歩中
- 園庭遊び中
- 給食中
- 午睡中
- 降園時間
など、さまざまな場面で発生する可能性があります。
そのため、防災の日だけ特別に防災を考えるのではなく、日頃からさまざまな状況を想定しておくことが大切です。
9月1日の防災の日は、普段行っている安全対策を改めて見直すきっかけとして活用できます。
保育園の防災の日の取り組み① 避難訓練
防災の取り組みとして代表的なのが避難訓練です。
毎回まったく同じ状況で訓練するのではなく、さまざまな場面を想定すると、実際の災害への対応を考えるきっかけになります。
例えば地震を想定する場合でも、
- 保育室で遊んでいる時
- 給食を食べている時
- 午睡中
- 園庭で遊んでいる時
- 一部のクラスが散歩へ出ている時
など、状況によって必要な対応は変わります。
訓練後には、子どもが避難できたかだけでなく、職員の動きや連携についても振り返りましょう。
0歳児の防災訓練で考えておきたいこと
0歳児は、自分で安全な場所まで避難することができません。
月齢によっても、
- まだ寝返りをしない
- はいはいをする
- つかまり立ちをする
- 歩き始めている
など発達状況が大きく異なります。
そのため、職員がどのように子どもを安全に移動させるのかを具体的に考えておく必要があります。
避難車やおんぶひもなど、園で使用する避難手段についても、普段から場所や使い方を確認しておきましょう。
また、災害発生時に子どもが泣いたり不安になったりすることも想定しておく必要があります。
「訓練だから静かにできたか」だけを見るのではなく、職員が安全に避難させられるかを確認することが重要です。
1〜2歳児には短い言葉と動作で伝えよう
1〜2歳頃になると、大人の言葉を理解したり、簡単な指示に合わせて行動したりできる子どもも増えてきます。
ただし、長い説明を理解することはまだ難しい年齢です。
例えば、
- 「頭を守ろう」
- 「先生のところに集まろう」
- 「一緒に歩こう」
- 「ここで待とう」
など、短く分かりやすい言葉を使います。
実際に体を動かしながら繰り返すことで、災害時の行動につなげていきましょう。
3歳以上なら「なぜ?」も少しずつ伝えよう
3歳以上になると、
「どうして机の下に入るの?」
「どうして走っちゃいけないの?」
など、「なぜその行動をするのか」に興味を持つ子どもも増えてきます。
そのような時は、
「上から物が落ちてきた時に、頭を守るためだよ」
など、年齢に合わせた言葉で理由も伝えてみましょう。
ただ行動を覚えるだけでなく、理由を知ることで防災への理解を深めることができます。
保育園の防災の日の取り組み② 防災クイズ
幼児クラスでは、防災についてクイズ形式で考えてみる方法もあります。
例えば、
- 地震が起きたら、頭を守る?走り回る?
- 先生が「集まって」と言ったらどうする?
- 煙がある時はどうする?
- 避難する時に取りに戻ってもいい?
- 防災リュックには何が入っている?
などがあります。
子どもを怖がらせるためではなく、
「困った時にどうすれば安全かな?」
を考えるクイズにするのがポイントです。
保育園の防災の日の取り組み③ 絵本や紙芝居を読む
防災をテーマにした絵本や紙芝居を使う方法もあります。
言葉だけで説明するよりも、イラストを見ながら話を聞くことで、子どもが状況をイメージしやすくなります。
読み終わった後に、
「地震が来た時、どうしてた?」
「みんなだったらどうする?」
と聞いてみるのもよいでしょう。
一方的に知識を教えるだけでなく、子どもの言葉を聞く時間を作ることで、理解していることや不安に感じていることにも気づきやすくなります。
保育園の防災の日の取り組み④ 防災用品を見てみよう
園で備蓄している防災用品の一部を、子どもたちと一緒に見てみるのも一つの方法です。
例えば、
- 懐中電灯
- 非常食
- 飲料水
- 毛布
- ラジオ
- 救急用品
などです。
「これは何に使うと思う?」
とクイズにしてみると、子どもも参加しやすくなります。
実物を見ることで、防災用品が「知らないもの」から「見たことのあるもの」になります。
保育園の防災の日の取り組み⑤ 非常食を食べてみる
園の状況によっては、備蓄している非常食を実際に食べてみる「非常食体験」を行う方法もあります。
災害時には、普段と同じ給食を提供できない可能性があります。
非常食を実際に食べてみることで、
- 子どもが食べられる味か
- 年齢に合った固さか
- 食べにくくないか
- 必要な食器は何か
- 準備に水や加熱が必要か
- 職員がスムーズに提供できるか
など、保管しているだけでは分からなかったことに気づく場合があります。
もちろん、食物アレルギーや年齢、離乳食の進み方などへの配慮も必要です。
0〜2歳児の非常食は「食べられるか」が特に重要
乳幼児は、年齢によって食べられる食品や形態が大きく異なります。
例えば0歳児の場合、
- ミルクを飲んでいる
- 離乳食初期
- 離乳食中期
- 離乳食後期
- 離乳食完了期に近い
など、同じクラスでも必要な対応が異なる場合があります。
1〜2歳児でも、咀嚼の発達や食物アレルギー、個人差などによって食べられるものは違います。
単に「乳幼児用の非常食があるから大丈夫」と考えるのではなく、実際に在園している子どもたちに対応できる備蓄になっているか確認しておきましょう。
保育園の防災の日の取り組み⑥ 散歩中の災害を考える
園外活動中に災害が発生する可能性もあります。
散歩へ出かける際には、
- どこへ避難するか
- 園へ戻れない場合はどうするか
- 職員同士でどう連絡を取るか
- 子どもの人数をどう確認するか
- 必要な連絡先を確認できるか
などを考えておく必要があります。
普段の散歩コースを「災害が起きたら?」という視点で歩いてみると、新しい危険に気づくこともあります。
午睡中に地震が起きたら?
乳幼児施設ならではの場面として考えておきたいのが午睡中の災害です。
子どもたちが眠っている状態で大きな地震が発生した場合、起きて活動している時とは職員の動きが変わります。
例えば、
- 子どもの安全をどう確保するか
- 寝具が避難の妨げにならないか
- すぐに人数確認ができるか
- 靴を履いていない状態でどう避難するか
- 複数の乳児をどのように移動させるか
などを確認しておきましょう。
実際の保育の流れに合わせて訓練することで、マニュアルだけでは見つからなかった課題が見えてくることがあります。
給食中の災害も想定しておこう
給食中に地震が発生する可能性もあります。
食事中には、
- 食器
- 配膳台
- 椅子や机
- 調理器具
- 厨房の加熱機器
など、普段の保育時間とは違った危険があります。
子どもの安全確保だけでなく、厨房や給食室でどのように火気や設備の安全を確認するかについても、園全体で考えておく必要があります。
防災訓練は「避難できた」で終わらせない
避難訓練では、全員が避難場所まで移動できることはもちろん大切です。
しかし、本当に確認したいのはそれだけではありません。
訓練後には、
- 子どもの人数確認はスムーズだったか
- 職員同士の声かけはできていたか
- 避難経路に危険はなかったか
- 必要な防災用品を持ち出せたか
- 乳児を安全に移動できたか
- 想定外のことは起きなかったか
などを振り返りましょう。
うまくできなかった部分があったとしても、訓練で課題が見つかったのであれば、それは大切な発見です。
本当の災害が起こる前に改善することができます。
保護者とも防災情報を共有しよう
大規模な災害が発生した場合、園だけで対応が完結するとは限りません。
保護者との連携も重要です。
防災の日や防災週間をきっかけに、
- 災害時の連絡方法
- 子どもの引き渡し方法
- 保護者が迎えに来られない場合の対応
- 園の避難場所
- 緊急時の連絡先
などを改めて周知しておく方法もあります。
年度初めに伝えていても、数か月経つと忘れてしまうことがあります。
定期的に確認する機会を作ることが大切です。
職員同士でも役割を確認しておこう
災害時には、一人の職員だけですべてに対応することはできません。
子どもの安全確保、避難誘導、人数確認、情報収集、保護者への連絡など、さまざまな対応が必要になります。
また、災害発生時にすべての職員が勤務しているとは限りません。
「担当者が休みだから分からない」
という状況にならないよう、必要なマニュアルや役割、連絡方法などを職員間で共有しておきましょう。
防災の日は、防災用品だけでなく園の防災体制そのものを点検する日として活用できます。
防災の日だけで終わらせず日々の保育につなげよう
防災の日に特別なイベントを行うことも一つの方法ですが、子どもの安全を守るためには日頃の積み重ねが重要です。
毎日の保育の中でも、
- 避難経路に物を置かない
- 出席人数を正確に把握する
- 散歩先を共有する
- 防災用品の場所を職員が把握する
- 非常食や飲料水の期限を確認する
- 子どもの成長に合わせて避難方法を見直す
といったことが防災につながります。
「9月1日だから防災をする」のではなく、9月1日をきっかけに普段の安全対策を見直してみましょう。
まとめ|保育園の防災の日は「子ども・職員・保護者」で備えを確認しよう
保育園では、0歳児から就学前まで発達段階の異なる子どもたちが長い時間を過ごします。
そのため、防災についても年齢や発達に合わせた対応が必要です。
防災の日には、
- 避難訓練を行う
- 防災クイズをする
- 絵本や紙芝居を読む
- 防災用品を確認する
- 非常食を体験する
- さまざまな時間帯の災害を想定する
- 職員の動きを振り返る
- 保護者と災害時の対応を共有する
など、さまざまな取り組みができます。
特別な活動をたくさん行うことよりも大切なのは、
「本当に災害が起きた時、この方法で子どもたちを守れるだろうか?」
という視点で確認することです。
今年の防災の日は、子どもたちと防災を学ぶとともに、園全体の備えをもう一度見直す機会にしてみてはいかがでしょうか。

コメント