ゼリーを作るときに使うゼラチン。
一方、美容や食べ物の話でよく聞くコラーゲン。
名前は違いますが、
実はこの2つには深い関係があります。
では、
コラーゲンとゼラチンは何が違うのでしょうか?
今回は、
- コラーゲンとは何か
- ゼラチンとは何か
- どうして骨付き肉の煮汁が冷えると固まるのか
- なぜゼラチンはゼリーを作れるのか
を調べてみましょう。
- この自由研究は何日かかる?
- まず予想してみよう
- まず結論|コラーゲンとゼラチンは親子のような関係
- コラーゲンって何?
- コラーゲンはどんな形をしている?
- ではゼラチンって何?
- ゼラチンもたんぱく質
- ゼラチンはどうして水に溶けるの?
- 実験① ゼラチンを温めて冷やしてみよう
- 実験方法
- 何を記録する?
- 温かいと液体なのに、なぜ冷えると固まる?
- では、もう一度温めると?
- 実験② 固めたゼラチンをもう一度温めよう
- 骨付き肉の煮汁が固まるのも同じ仕組み
- 実験③ 骨付き肉の煮汁を冷やしてみよう
- 実験方法
- 温かい煮汁と冷たい煮汁を比べよう
- 全部の肉で同じように固まる?
- ここから「骨・皮・肉、どこからゼラチンが出る?」につながる
- コラーゲンがそのまま煮汁へ出るの?
- コラーゲンとゼラチンを表で比較
- 「コラーゲン入り食品」と「ゼラチン」は同じ?
- コラーゲンペプチドはゼリーになる?
- ここまでを矢印にするとわかりやすい
- ゼラチンはなぜ口の中で溶けやすい?
- 寒天とゼラチンはなぜ食感が違う?
- ゼラチンは冷蔵庫に入れないと固まらない?
- 生のパイナップルでゼラチンが固まりにくい理由もここにつながる
- 発展実験|生パイナップルと缶詰で比べよう
- 写真はどこを撮る?
- 何年生におすすめ?
- 実験するときの注意
- 自由研究のまとめ方
- 写真や比較表を印刷してまとめよう
- まとめ|ゼラチンは「加熱などでほどけたコラーゲン」
- よくある質問
この自由研究は何日かかる?
- おすすめ学年:小学3~6年生
- 調べ学習だけ:30分~1時間程度
- 煮こごり実験:1日
- 冷やす時間:数時間
- 材料のそろえやすさ:★★★★☆
- 食品科学度:★★★★★
ゼラチン粉を使った観察だけでもできますが、
骨付き肉や皮付き肉の煮汁を冷やして「煮こごり」を作る
と、コラーゲンとゼラチンの関係が目で見てわかります。
まず予想してみよう
コラーゲンとゼラチンは、
- まったく別のもの?
- 同じもの?
- どちらかがどちらかに変わる?
と思いますか?
さらに、
「骨付き肉の煮汁が冷えるとプルプルするのは、何が固まっている?」
も予想してみましょう。
まず結論|コラーゲンとゼラチンは親子のような関係
簡単にいうと、
コラーゲンを加熱などによって変化させたものがゼラチンです。
つまり、
コラーゲン → 加熱などで構造がほどける → ゼラチン
という関係です。
コラーゲンって何?
コラーゲンは、
動物の体を作るたんぱく質の一種
です。
特に、
- 皮
- 骨
- 軟骨
- 腱
- 結合組織
などに多く存在します。
体の形を支えたり、組織同士をつないだりする役割があります。
コラーゲンはどんな形をしている?
コラーゲン分子は、
3本の鎖がより合わさったような特徴的な構造
をしています。
高学年なら、
「三重らせん構造」
という言葉まで調べてもよいでしょう。
このしっかりした構造が、皮や腱などの強さにも関係しています。
ではゼラチンって何?
コラーゲンを加熱したり、酸やアルカリなどで処理したりすると、
コラーゲンのしっかりした立体構造がほどけます。
このようにして得られるたんぱく質がゼラチンです。
つまり、
ゼラチンも元をたどればコラーゲン由来
なのです。
ゼラチンもたんぱく質
寒天やペクチンは多糖類ですが、
ゼラチンはたんぱく質
です。
| 主な成分 | 主な由来 | |
|---|---|---|
| ゼラチン | たんぱく質 | 動物のコラーゲン |
| 寒天 | 多糖類 | 紅藻類 |
| ペクチン | 多糖類 | 植物 |
ゼラチンはどうして水に溶けるの?
ゼラチンを水でふやかし、温めると、
ゼラチン分子が水の中へ広がります。
温かいうちは液体ですが、
冷えてくると分子同士の一部が再び結びつき、
網目のような構造
を作ります。
その網目の中に水が閉じ込められることで、
ぷるぷるしたゲル
になります。
実験① ゼラチンを温めて冷やしてみよう
用意するもの
- 粉ゼラチン
- 水
- 耐熱容器
- スプーン
- 冷蔵庫
- 記録用紙
市販の粉ゼラチンを使えば、簡単に実験できます。
実験方法
- 商品の表示どおりにゼラチンを水でふやかす
- 温めて溶かす
- 透明な容器へ入れる
- 温かいうちの状態を観察する
- 冷蔵庫で冷やす
- 固まった状態を観察する
何を記録する?
| 状態 | 温かいとき | 冷えたあと |
|---|---|---|
| 見た目 | ||
| 流れる? | ||
| 形を保つ? | ||
| ぷるぷるする? |
温かいと液体なのに、なぜ冷えると固まる?
温かいときは、ゼラチンの分子が水の中で動きやすい状態です。
冷えると、
分子同士の一部が結びついて網目を作り、水を抱え込みます。
その結果、
液体だったものがゲルになります。
では、もう一度温めると?
固まったゼラチンゼリーを温めると、
再び柔らかくなり、やがて溶けます。
これはゼラチンの大きな特徴です。
つまり、
温めると溶ける → 冷やすと固まる
という変化を繰り返すことができます。
実験② 固めたゼラチンをもう一度温めよう
大人と一緒に、固まったゼラチンを少し温めます。
観察するのは、
- 何℃くらいから柔らかく感じる?
- 完全に液体になる?
- もう一度冷やすと固まる?
です。
温度計がある場合は温度も記録すると、さらに本格的です。
骨付き肉の煮汁が固まるのも同じ仕組み
骨付き肉や皮付き肉を長く煮込むと、
皮・骨・軟骨などにあるコラーゲンが加熱によって変化し、ゼラチンとして煮汁へ溶け出します。
その煮汁を冷やすと、
ぷるぷるした煮こごり
になることがあります。
つまり、
ゼラチン粉を入れていないのに、料理の中でゼラチンが作られている
のです。
実験③ 骨付き肉の煮汁を冷やしてみよう
用意するもの
- 骨付き鶏肉や皮付き鶏肉など
- 水
- 鍋
- 透明な容器
- 冷蔵庫
普段の煮物やスープを利用してもOKです。
実験のためだけに大量に作る必要はありません。
実験方法
- 骨や皮のついた肉を煮る
- 煮汁を少量取り分ける
- 温かいうちの状態を観察する
- 冷蔵庫で数時間冷やす
- 冷えた煮汁を観察する
温かい煮汁と冷たい煮汁を比べよう
| 項目 | 温かいとき | 冷えたあと |
|---|---|---|
| 状態 | ||
| 流れる? | ||
| ぷるぷるする? | ||
| スプーンですくえる? |
全部の肉で同じように固まる?
いいえ。
肉の部位によって、
- 皮
- 骨
- 軟骨
- 腱
- 結合組織
の量が違います。
そのため、
コラーゲンが多い部位ほど、煮汁が固まりやすくなる可能性があります。
さらに、
- 肉の量
- 水の量
- 煮込み時間
によっても違いが出ます。
ここから「骨・皮・肉、どこからゼラチンが出る?」につながる
今回の研究から、
「骨・皮・肉では、どこにコラーゲンが多いの?」
という疑問にも発展できます。
例えば、
- 皮付き肉
- 皮なし肉
- 骨付き肉
で煮汁の固まり方を比べる方法もあります。
コラーゲンがそのまま煮汁へ出るの?
加熱する前の組織では、コラーゲンはしっかりした構造を作っています。
長時間加熱すると、その構造がほどけて、
ゼラチンのような状態として水へ溶け出しやすくなります。
そのため、
「煮汁に出てくるのは、加熱で変化したコラーゲン由来のゼラチン」
と考えるとわかりやすいでしょう。
コラーゲンとゼラチンを表で比較
| コラーゲン | ゼラチン | |
|---|---|---|
| 主な成分 | たんぱく質 | たんぱく質 |
| 由来 | 動物の皮・骨など | コラーゲン |
| 構造 | しっかりした三重らせん構造 | 加熱などでほどけた状態 |
| 水への溶けやすさ | そのままでは溶けにくい | 温めると水へ溶ける |
| 冷却 | そのままゼリーにはなりにくい | 条件がそろうとゲルを作る |
「コラーゲン入り食品」と「ゼラチン」は同じ?
食品では、
- コラーゲン
- コラーゲンペプチド
- ゼラチン
という名前を見ることがあります。
どれもコラーゲンに関係していますが、
加工の程度や分子の大きさ、性質が同じではありません。
特にコラーゲンペプチドは、
ゼラチンをさらに酵素などで細かく分解したもの
です。
コラーゲンペプチドはゼリーになる?
一般的なコラーゲンペプチドは分子が小さく分解されているため、
ゼラチンのような強いゲルを作りにくい
という違いがあります。
つまり、
元は同じコラーゲンでも、どこまで加工したかで性質が変わる
のです。
ここまでを矢印にするとわかりやすい
コラーゲン
↓ 加熱などで構造がほどける
ゼラチン
↓ さらに細かく分解
コラーゲンペプチド
という流れで整理できます。
ゼラチンはなぜ口の中で溶けやすい?
ゼラチンゲルは、寒天と比べると比較的低い温度で溶けやすい性質があります。
そのため、
口の中の温度でやわらかくなり、なめらかに溶けるような食感
になります。
これがゼラチンゼリー特有の、
「ぷるぷる+口どけ」
につながります。
寒天とゼラチンはなぜ食感が違う?
寒天とゼラチンでは、
- 成分
- 分子構造
- ゲルの作り方
- 溶ける温度
が違います。
そのため、
- 寒天 → しっかり・歯切れがよい
- ゼラチン → ぷるぷる・弾力・口どけ
という食感の違いが生まれます。
ゼラチンは冷蔵庫に入れないと固まらない?
ゼラチンの濃度や室温によっては固まり始める場合もありますが、
家庭でゼリーを作る場合は、
冷蔵庫で冷やすことで安定してゲル化させる
方法が一般的です。
暑い夏には室温で柔らかくなりやすいのも、寒天との違いです。
生のパイナップルでゼラチンが固まりにくい理由もここにつながる
ゼラチンはたんぱく質です。
そのため、生のパイナップルなどに含まれるたんぱく質分解酵素によって分解されると、
網目構造を作りにくくなり、ゼリーが固まりにくくなる
ことがあります。
今回、
「ゼラチン=たんぱく質」
とわかると、この現象も理解しやすくなります。
発展実験|生パイナップルと缶詰で比べよう
同じ濃度のゼラチン液を用意して、
- 生パイナップル
- 缶詰パイナップル
- 何も入れない
の3条件を作ります。
冷蔵庫で同じ時間冷やして、
どれが固まったか
を比べます。
これは、
- ゼラチン=たんぱく質
- 酵素=たんぱく質を分解する
- 加熱=酵素が働きにくくなる
をまとめて観察できる、とても面白い発展実験です。
写真はどこを撮る?
- 粉ゼラチン
- 水でふやかしたゼラチン
- 温めて溶けた状態
- 冷えて固まった状態
- スプーンですくったところ
- 骨付き肉や皮付き肉
- 温かい煮汁
- 冷えて固まった煮こごり
- コラーゲン→ゼラチンの図
特に、
「温かい煮汁 → 冷えた煮こごり」
の比較写真はとてもわかりやすくなります。
何年生におすすめ?
小学1~2年生
大人と一緒にゼラチンを溶かして、
「温かいと液体、冷やすとぷるぷるになった」
を観察します。
小学3~4年生
コラーゲンとゼラチンの関係を矢印でまとめ、
煮汁の温かいとき・冷えたときを比較します。
小学5~6年生
たんぱく質の構造変化やコラーゲンペプチドまで調べ、
加工によって同じたんぱく質の性質がどう変わるか
まで考察すると本格的です。
実験するときの注意
鍋や熱湯を使う実験は、必ず大人と一緒に行いましょう。
骨付き肉を扱った場合は、
- 生肉を触った手や器具をよく洗う
- 十分に加熱する
- 生肉を扱った器具と完成品を分ける
など、食品衛生にも注意してください。
自由研究のまとめ方
- 疑問:コラーゲンとゼラチンは何が違う?
- 予想:同じものなのか考える
- 調査:コラーゲンについて調べる
- 調査:ゼラチンについて調べる
- 実験:ゼラチンを温めて溶かす
- 実験:冷やして固める
- 観察:骨付き肉の煮汁を冷やす
- 比較:コラーゲンとゼラチンを表にする
- 考察:加熱でなぜ性質が変わるのか考える
- 結論:コラーゲンからゼラチンができる関係をまとめる
写真や比較表を印刷してまとめよう
今回の自由研究では、
- ゼラチンの変化
- 煮こごりの写真
- コラーゲンとゼラチンの比較表
- 変化を示す矢印図
を組み合わせると、とてもわかりやすくなります。
写真や比較表を自宅で印刷する場合は、プリンターに対応した互換インクを比較してみるのもひとつの方法です。
▶ 自由研究の写真・比較表の印刷に使える互換インクをチェックする
まとめ|ゼラチンは「加熱などでほどけたコラーゲン」
コラーゲンとゼラチンは、まったく無関係な物質ではありません。
コラーゲンは、
動物の皮・骨・軟骨・腱などに存在するたんぱく質
です。
しっかりした三重らせん構造を持っています。
そのコラーゲンを加熱などによって変化させると、
構造がほどけてゼラチンになります。
そしてゼラチンは、
温めると水へ溶け、冷やすと網目を作って水を抱え込む
という性質があります。
だから、
- ゼリー
- ムース
- 煮こごり
などのぷるぷるした食感を作ることができます。
つまり、
コラーゲン → 加熱などで構造がほどける → ゼラチン → 冷やすとゲル
という流れです。
骨付き肉の煮汁が冷えると固まる現象も、
料理の中でコラーゲンがゼラチンへ変化している
と考えると理解できます。
よくある質問
コラーゲンとゼラチンは同じですか?
もとは同じ系統のたんぱく質ですが、状態が違います。コラーゲンの立体構造を加熱などでほどいたものがゼラチンです。
ゼラチンは何から作られる?
動物の皮や骨などに含まれるコラーゲンを原料として作られます。
骨付き肉の煮汁はなぜ冷えると固まるの?
加熱によってコラーゲンがゼラチンへ変化して煮汁へ溶け出し、冷えると網目状のゲルを作るためです。
ゼラチンはたんぱく質ですか?
はい。ゼラチンはコラーゲン由来のたんぱく質です。
コラーゲンペプチドとゼラチンは同じ?
違います。コラーゲンペプチドはゼラチンなどをさらに細かく分解したもので、一般的なゼラチンのようには強いゲルを作りにくい性質があります。

コメント