麦茶をコップに注ぐと、
ふわっと香ばしい香り
がします。
でも、麦茶の原料である大麦をそのまま見ても、完成した麦茶とまったく同じ香りではありません。
では、
麦茶らしい香ばしい香りは、いつ・どうやって生まれるのでしょうか?
その大きなポイントが焙煎です。
今回は、
- 押し麦や大麦
- 丸粒麦茶
- 麦茶パック
- 完成した麦茶
の香りを比べながら、
「麦茶の香りはどこから来る?」
を調べてみましょう。
- この自由研究は何日かかる?
- まず予想してみよう
- 用意するもの
- 実験① 押し麦と丸粒麦茶の香りを比べよう
- 香りを5段階で評価しよう
- 大麦を焙煎すると香りが変わる
- メイラード反応も香りに関係する
- 香りは1種類ではない
- 実験② 麦茶パックを開けて香りを比べよう
- 細かい麦の方が香りを感じやすい?
- 実験③ 水に入れた直後と完成後を比べよう
- なぜ水に入れると麦茶の香りがする?
- お湯出しと水出しで香りは違う?
- 温度が高いと香りを感じやすい?
- 実験④ 温かい麦茶と冷たい麦茶を比べよう
- 香りと色は一緒に変わる?
- 実験⑤ 色の濃さと香りを同時に記録しよう
- 麦茶の香りとトーストの香りは似ている?
- コーヒーも焙煎すると香る
- ほうじ茶の香りとも比べられる
- 「香ばしい」ってどんな香り?
- 家族で香りの感じ方を比べてみよう
- 目を閉じて当てられる?
- 麦茶の香りは水に全部移る?
- 実験⑥ 抽出前と抽出後の麦の香りを比べよう
- No.87「麦茶はなぜ茶色い?」ともつながる
- No.92「麦茶パックの中身」も使える
- 写真はどこを撮る?
- 何年生におすすめ?
- 自由研究のまとめ方
- 写真や比較表を印刷してまとめよう
- まとめ|麦茶の香ばしさは「大麦+焙煎」で生まれる
- よくある質問
この自由研究は何日かかる?
- おすすめ学年:小学2~6年生
- 実験期間:1日
- 観察時間:30分~1時間程度
- 結果が出るまで:当日
- 材料のそろえやすさ:★★★★★
- 五感を使う研究:★★★★★
色だけでなく香りを比べるため、五感を使った自由研究になります。
まず予想してみよう
麦茶の香ばしい香りは、どこから来ると思いますか?
- 大麦にもともとある?
- 焙煎すると生まれる?
- 水に入れたときに生まれる?
- 麦茶パックの袋に香りがついている?
実験前に予想を書いてみましょう。
用意するもの
- 押し麦または大麦
- 丸粒タイプの麦茶
- 麦茶パック
- 透明なコップ
- 水またはお湯
- 白い皿
- キッチンタイマー
- 記録用紙
- カメラやスマートフォン
丸粒麦茶があると、
焙煎された麦そのものの香り
を観察しやすくなります。
実験① 押し麦と丸粒麦茶の香りを比べよう
白い皿へ、
- 押し麦
- 丸粒麦茶
を同じくらいの量ずつ出します。
香りを比べてみましょう。
| 観察項目 | 押し麦 | 丸粒麦茶 |
|---|---|---|
| 香りの強さ | ||
| 香ばしさ | ||
| 甘い香り | ||
| 焦げたような香り | ||
| 自分の言葉で表す |
香りを5段階で評価しよう
- 1:ほとんど香らない
- 2:少し香る
- 3:わかるくらい香る
- 4:強く香る
- 5:とても強く香る
家族で同じものを嗅いで、
「人によって感じ方は違う?」
を比べても面白いでしょう。
大麦を焙煎すると香りが変わる
大麦を高温で焙煎すると、中に含まれているさまざまな成分が熱によって変化します。
その過程で、
- 香ばしい香り
- 甘いような香り
- ナッツのような香り
- パンを焼いたような香り
などに関係する、さまざまな香気成分が生まれます。
つまり、
麦茶の香ばしい香りは、大麦を焙煎することで作られる香りの成分が大きく関係している
のです。
メイラード反応も香りに関係する
焙煎中に起こる代表的な反応のひとつがメイラード反応です。
食品に含まれる糖と、アミノ酸やたんぱく質などが反応すると、
- 褐色の物質
- さまざまな香りの成分
が作られます。
麦茶の香ばしい香りにも、こうした反応によって生まれた成分が関係します。
香りは1種類ではない
私たちが「麦茶の香り」とひとまとめに感じていても、
実際にはひとつの物質だけを嗅いでいるわけではありません。
焙煎によって生まれた、
たくさんの香気成分が組み合わさって「麦茶らしい香り」になる
と考えられます。
これはコーヒーやパンの香りにも似ています。
実験② 麦茶パックを開けて香りを比べよう
麦茶パックをひとつ開けて、中身を白い皿へ出します。
丸粒麦茶と比べて、
- 香りの強さ
- 香ばしさ
- 粒の細かさ
を観察しましょう。
細かい麦の方が香りを感じやすい?
麦を細かくすると、外へ出ている表面が増えます。
そのため、
丸粒と砕かれた麦では、香りの感じ方に違いが出る可能性があります。
実際に比べてみましょう。
| 試料 | 香りの強さ |
|---|---|
| 丸粒麦茶 | |
| 麦茶パックの中身 |
実験③ 水に入れた直後と完成後を比べよう
麦茶を作り、
- 乾いた麦
- 水に入れた直後
- 抽出途中
- 完成した麦茶
の香りを比べます。
| 状態 | 香りの強さ | 香りの印象 |
|---|---|---|
| 乾いた麦 | ||
| 入れた直後 | ||
| 5分後 | ||
| 完成後 |
なぜ水に入れると麦茶の香りがする?
焙煎によって作られた香りの成分の一部が、
水やお湯へ移ります。
そして飲むときには、
- 液体から空気へ出てきた香り
- 口に含んだときに感じる香り
を私たちは「麦茶の香り」として感じています。
お湯出しと水出しで香りは違う?
使用する商品が両方に対応している場合は、
- 水出し
- お湯出し
を比べてみましょう。
同じ量の麦・同じ量の水で作り、
- 香りの強さ
- 色
- 味
を比べます。
温度が高いと香りを感じやすい?
香りの成分には、空気中へ移りやすいものがあります。
温かい飲み物では、香りの成分が空気中へ出やすくなり、
冷たい麦茶より香りを強く感じることがあります。
ただし、香りの種類によって変化のしかたは違います。
実験④ 温かい麦茶と冷たい麦茶を比べよう
同じ麦茶を、
- 温かい状態
- 常温
- 冷やした状態
で比べます。
| 温度 | 香りの強さ | 感じた香り |
|---|---|---|
| 温かい | ||
| 常温 | ||
| 冷たい |
同じ麦茶なのに、温度だけで香りの感じ方は変わる?
を調べられます。
香りと色は一緒に変わる?
焙煎では、
- 色が変わる
- 香りが変わる
という2つが同時に起こります。
でも、
「色が濃いほど必ず香りが強い」
とは限りません。
焙煎の条件によって、できる香りの成分も変わるためです。
実験⑤ 色の濃さと香りを同時に記録しよう
| 試料 | 色の濃さ | 香りの強さ |
|---|---|---|
| 押し麦 | ||
| 丸粒麦茶 | ||
| 完成した麦茶 |
色と香りの変化が同じように進んでいるか考えてみましょう。
麦茶の香りとトーストの香りは似ている?
トーストを焼いたときにも香ばしい香りがします。
パンでもメイラード反応などが起こり、さまざまな香気成分が生まれます。
そのため、
麦茶とトーストには「加熱によって香ばしい香りが生まれる」という共通点があります。
ただし原料や加熱条件が違うため、まったく同じ香りではありません。
コーヒーも焙煎すると香る
コーヒー豆も焙煎前と焙煎後では香りが大きく変わります。
麦茶と同じように、
加熱によって多くの香気成分が作られる
からです。
ここから、
「コーヒーと麦茶の焙煎は同じ?」
という自由研究にもつながります。
ほうじ茶の香りとも比べられる
ほうじ茶も茶葉や茎を焙煎して、香ばしい香りを引き出した飲み物です。
でも、
- 麦茶:大麦
- ほうじ茶:茶葉や茎
と原料が違います。
同じ「香ばしい」でも、香りの印象はどう違うでしょうか。
「香ばしい」ってどんな香り?
「香ばしい」は便利な言葉ですが、自由研究ではもう少し細かく表現してみましょう。
例えば、
- パンを焼いたような香り
- ナッツのような香り
- 甘い香り
- 焦げたような香り
- 穀物のような香り
などです。
自分が感じた香りを言葉にすること自体が観察
になります。
家族で香りの感じ方を比べてみよう
同じ麦茶を家族に嗅いでもらい、
「どんな香りに感じる?」
と聞いてみましょう。
| 人 | 香りの強さ | どんな香り? |
|---|---|---|
| Aさん | ||
| Bさん | ||
| Cさん |
香りは感覚なので、
同じものでも人によって表現が違う
ことがあります。
目を閉じて当てられる?
さらに遊びながら調べるなら、
- 押し麦
- 丸粒麦茶
- コーヒー
- ほうじ茶
などを大人が容器へ入れ、
目を閉じて香りだけで当てる
方法もあります。
何人中何人が正解したか記録しても面白いでしょう。
麦茶の香りは水に全部移る?
麦茶を作ったあとでも、使い終わった麦茶パックには香りが残っています。
つまり、
焙煎麦にあった香り成分がすべて水へ移るわけではありません。
抽出されやすい成分と残りやすい成分があります。
実験⑥ 抽出前と抽出後の麦の香りを比べよう
麦茶パックを、
- 乾いた状態
- 麦茶を作った後
で比較します。
| 状態 | 香りの強さ | 香りの印象 |
|---|---|---|
| 抽出前 | ||
| 抽出後 |
No.87「麦茶はなぜ茶色い?」ともつながる
麦茶の焙煎による色の変化については、
「麦茶はなぜ茶色い?焙煎すると何が起こる?」
で詳しく調べました。
No.87が色+焙煎なら、今回のNo.98は香り+焙煎が主役です。
No.92「麦茶パックの中身」も使える
麦茶パックの中身がどんな形になっているかは、
「麦茶パックの中身は何?」
でも詳しく観察できます。
写真はどこを撮る?
- 押し麦
- 丸粒麦茶
- 2つを並べたところ
- 麦茶パックを開けた中身
- 抽出開始時
- 完成した麦茶
- 温かい麦茶・冷たい麦茶
- 香り比較表
香りそのものは写真に写りません。
そのため、
香りを嗅いでいる様子+感じたことを書いた表
をセットにすると伝わりやすくなります。
何年生におすすめ?
小学1~2年生
押し麦と麦茶を嗅ぎ比べて、
「麦茶の方が香ばしい香りがした」
と絵や写真でまとめるだけでもOKです。
小学3~4年生
香りを5段階で評価し、温かい麦茶と冷たい麦茶も比べてみましょう。
小学5~6年生
メイラード反応や香気成分、温度による香りの感じ方まで調べると、本格的な食品科学の研究になります。
自由研究のまとめ方
- 疑問:麦茶の香ばしい香りはどこから来る?
- 予想:大麦にもともとあるのか考える
- 観察:押し麦と丸粒麦茶を嗅ぎ比べる
- 比較:香りを5段階で評価する
- 実験:麦茶を抽出して香りの変化を見る
- 発展:温かい・冷たいで比較する
- 調査:焙煎とメイラード反応について調べる
- 考察:なぜ焙煎すると香りが変わるのかまとめる
写真や比較表を印刷してまとめよう
今回の自由研究では、
- 焙煎前後の麦
- 麦茶パックの中身
- 抽出前後
- 香りの評価表
を組み合わせるとわかりやすくなります。
写真や比較表を自宅で印刷する場合は、プリンターに対応した互換インクを比較してみるのもひとつの方法です。
▶ 自由研究の写真・比較表の印刷に使える互換インクをチェックする
まとめ|麦茶の香ばしさは「大麦+焙煎」で生まれる
麦茶の香ばしい香りは、大麦を焙煎する過程で生まれます。
高温で加熱すると、大麦に含まれる糖やアミノ酸、たんぱく質などがさまざまな反応を起こします。
その代表的なもののひとつがメイラード反応です。
こうした反応によってたくさんの香気成分が作られ、それらが組み合わさって、
私たちが「麦茶らしい香ばしい香り」と感じる香り
になります。
さらに麦茶を水やお湯で作ると、その香りの成分の一部が飲み物へ移ります。
つまり、
大麦 → 焙煎で香りを作る → 抽出して麦茶へ移す
という流れです。
普段は「いい匂い」で終わってしまう麦茶の香りも、
焙煎・化学反応・抽出
という食品科学から説明することができます。
よくある質問
麦茶の香ばしい香りは何からできるの?
大麦を焙煎したときに起こるメイラード反応など、さまざまな加熱反応によって作られる多くの香気成分が関係しています。
大麦は最初から麦茶の香りがする?
焙煎前の大麦にも穀物らしい香りはありますが、麦茶特有の強い香ばしさは焙煎によって大きく変化します。
温かい麦茶の方が香りが強いの?
温度が高いと香りの成分が空気中へ移りやすくなり、冷たいときより強く感じることがあります。
麦茶の香りはメイラード反応だけ?
いいえ。焙煎中には複数の化学反応が起こります。メイラード反応はその代表的なもののひとつです。
1日でできますか?
はい。押し麦・丸粒麦茶・完成した麦茶を嗅ぎ比べるだけなら短時間ででき、温度比較まで行っても1日でまとめられます。

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