卵を加熱すると、透明だった白身が白くなり、やわらかかった黄身もだんだん固まっていきます。
では、卵に塩や砂糖を加えた場合はどうでしょうか?
同じ卵でも、
- 何も入れない卵
- 塩を入れた卵
- 砂糖を入れた卵
では、固まり始めるタイミングや硬さに違いが出るのでしょうか。
今回は、卵に加える材料だけを変えて加熱し、固まり方の違いを比較する自由研究を紹介します。
- この自由研究は何日かかる?
- まず予想してみよう
- そもそも卵はなぜ加熱すると固まるの?
- 塩や砂糖を入れると固まり方が変わることがある
- 自由研究|何も入れない・塩・砂糖の3種類を比べよう
- この自由研究であると便利なもの
- 実験する3種類を決めよう
- 卵液を同じ量に分けよう
- 今回「変えるもの」と「そろえるもの」は?
- 実験方法|湯せんで加熱すると比較しやすい
- どんな変化を観察する?
- 固まり具合を5段階で評価しよう
- 温度計があるなら「何℃で変わり始めた?」も記録しよう
- 冷めたあとの硬さも比べよう
- 砂糖入りが固まるのに時間がかかったら?
- 塩入りはどうなった?
- 差がほとんど出なかったら失敗?
- 追加実験|砂糖の量を変えたらどうなる?
- 追加実験|塩の量を変えたらどうなる?
- この実験からプリンや茶碗蒸しにもつながる
- 次は白身と黄身を別々に調べてみよう
- 何年生におすすめ?
- 自由研究のまとめ方
- 時間ごとの写真を並べると変化が伝わりやすい
- まとめ|塩や砂糖は「味」だけでなく卵の固まり方にも関係する?
- よくある質問
この自由研究は何日かかる?
- おすすめ学年:小学4~6年生
- おすすめ期間:1~3日程度
- 基本実験:1日でも可能
- 実験時間:1~2時間程度
- 材料の入手しやすさ:★★★★★
- 当日完成:○
基本の3種類比較だけなら、その日のうちに実験から考察まで進めることができます。
さらに塩や砂糖の量を変えたり、温度を測りながら追加実験したりするなら、2~3日かけても楽しめます。
まず予想してみよう
実験する前に、どんな結果になると思うか予想してみましょう。
- 何も入れない卵が一番早く固まると思う
- 塩を入れると早く固まりそう
- 砂糖を入れると固まりにくくなりそう
- 塩や砂糖を入れても変わらないと思う
正解を当てる必要はありません。
「なぜそう思ったのか」も書いておくと、実験後の考察がまとめやすくなります。
そもそも卵はなぜ加熱すると固まるの?
卵には、たんぱく質が多く含まれています。
たんぱく質は熱を加えると、それまでの立体的な形が変化します。
そして変化したたんぱく質同士がつながり合い、水分を抱え込むような構造を作ることで、液体だった卵が固まっていきます。
このような変化をたんぱく質の熱変性や凝固といいます。
塩や砂糖を入れると固まり方が変わることがある
卵の固まり方は、温度だけで決まるわけではありません。
卵に加える、
- 塩
- 砂糖
- 水分
- ほかの食材
などによっても、加熱したときの状態が変わることがあります。
砂糖は卵のたんぱく質が固まる過程に影響し、一般に凝固を遅らせる方向に働くことがあります。
一方、塩も卵のたんぱく質同士の関わり方に影響するため、加熱したときの状態に違いが現れることがあります。
今回の自由研究では、実際に同じ条件で比べてみましょう。
自由研究|何も入れない・塩・砂糖の3種類を比べよう
用意するもの
- 卵
- 塩
- 砂糖
- 同じ大きさの耐熱容器3個
- ボウル
- はかり
- 計量スプーン
- スプーンまたは箸
- 鍋
- タイマー
- キッチン温度計(あると便利)
- 記録用紙
- カメラやスマートフォン
火や熱湯を使うため、小学生は必ず大人と一緒に実験してください。
この自由研究であると便利なもの
卵は温度や加熱時間によって固まり方が変わるため、温度と時間を記録できる道具があると比較しやすくなります。
温度を測るならデジタルキッチン温度計
お湯や卵液の温度を数字で記録できると、「何℃くらいで変化が始まった?」というところまで研究を深められます。
加熱時間をそろえるならキッチンタイマー
30秒、1分など時間をそろえて観察したいときは、タイマーがあると便利です。
自由研究が終わったあとも、料理や運動時間、スキンケアなど日常の時間管理に使えます。
実験する3種類を決めよう
今回は、例えば次の3条件を作ります。
| 条件 | 卵液 | 加えるもの |
|---|---|---|
| A | 同じ量 | 何も入れない |
| B | 同じ量 | 塩 |
| C | 同じ量 | 砂糖 |
塩や砂糖の量は、実験前に決めて必ず記録しておきましょう。
例えば卵液50gに対して塩1g、砂糖5gなど、家庭で量りやすい条件を設定します。
ただし塩と砂糖を「同じ重さ」にすること自体が必ずしも最適な比較とは限りません。
今回使った量を明記し、「今回の条件ではどうなったか」としてまとめましょう。
卵液を同じ量に分けよう
卵は個体差があります。
そこで、別々の卵を1個ずつ使うよりも、複数個の卵をよく混ぜてから同じ重さに分けると、条件をそろえやすくなります。
- 卵をボウルに割ります。
- 白身と黄身が均一になるようによく混ぜます。
- 同じ重さになるよう3つの容器へ分けます。
- Aはそのままにします。
- Bには決めた量の塩を入れます。
- Cには決めた量の砂糖を入れます。
- それぞれ同じ回数・同じ程度になるよう混ぜます。
今回「変えるもの」と「そろえるもの」は?
| 項目 | どうする? |
|---|---|
| 加えるもの | 変える |
| 卵液の量 | そろえる |
| 容器 | そろえる |
| 混ぜ方 | できるだけそろえる |
| 加熱方法 | そろえる |
| 加熱時間 | そろえる |
| 加熱温度 | できるだけそろえる |
今回意図的に変えるのは卵に加えるものです。
実験方法|湯せんで加熱すると比較しやすい
家庭で比較する場合は、同じ鍋の中で3つの耐熱容器を湯せんすると条件をそろえやすくなります。
- A・B・Cの卵液を同じ耐熱容器へ入れます。
- 容器にラベルを付けます。
- 鍋に湯せん用のお湯を用意します。
- 3つの容器を同時に入れます。
- タイマーをスタートします。
- 決めた時間ごとに卵の状態を観察します。
- 温度計がある場合は、お湯の温度も記録します。
- 固まり始めた時間や様子を記録します。
- 十分に加熱したら取り出します。
- 冷めたあとの硬さも比較します。
やけどに注意し、鍋や熱湯の操作は大人が行ってください。
どんな変化を観察する?
時間ごとに、次のようなポイントを確認します。
- まだ完全な液体?
- 少しとろみが出た?
- 容器のふちから固まり始めた?
- 全体がやわらかく固まった?
- しっかり固まった?
「固まった・固まらなかった」だけでなく、途中の変化も記録すると結果がわかりやすくなります。
固まり具合を5段階で評価しよう
- 1:完全に液体
- 2:少しとろみがある
- 3:部分的に固まっている
- 4:全体がやわらかく固まっている
- 5:しっかり固まっている
| 条件 | 2分後 | 4分後 | 6分後 | 8分後 | 気づいたこと |
|---|---|---|---|---|---|
| 何も入れない | |||||
| 塩入り | |||||
| 砂糖入り |
時間は実際の加熱方法や容器の大きさに合わせて調整してください。
温度計があるなら「何℃で変わり始めた?」も記録しよう
温度計を使える場合は、時間だけでなく温度も記録します。
| 条件 | 変化が見え始めた温度 | 全体が固まったころの温度 |
|---|---|---|
| 何も入れない | ||
| 塩入り | ||
| 砂糖入り |
家庭での実験では、卵液全体が完全に同じ温度になるわけではありません。
そのため「正確な凝固温度を測定した」とするのではなく、今回の実験で観察した温度として記録しましょう。
冷めたあとの硬さも比べよう
加熱が終わったら、同じくらいの温度まで冷ましてから硬さを比べます。
スプーンで軽く押したり、同じ大きさに切ったりして、
- やわらかい
- 弾力がある
- しっかり硬い
- ボソボソしている
- なめらか
などの違いを記録します。
| 条件 | 硬さ | なめらかさ | 弾力 | 気づいたこと |
|---|---|---|---|---|
| 何も入れない | ||||
| 塩入り | ||||
| 砂糖入り |
砂糖入りが固まるのに時間がかかったら?
砂糖を加えた卵が、何も入れていない卵よりゆっくり固まった場合は、砂糖が卵のたんぱく質の凝固に影響した可能性を考えられます。
料理でも砂糖は、卵料理の仕上がりや食感に影響します。
ただし、
「砂糖を入れれば必ず○℃上がる」などと、この家庭実験だけで断定しない
ようにしましょう。
塩入りはどうなった?
塩を加えた条件でも、何も入れない卵と固まり方や食感に違いが見られる可能性があります。
塩は味をつけるだけではなく、食品中のたんぱく質などにも影響します。
結果に差が出た場合は、
「塩が卵のたんぱく質の状態に影響した可能性がある」
として調べてみるとよいでしょう。
差がほとんど出なかったら失敗?
いいえ。
例えば3種類がほぼ同じように固まった場合は、
- 今回使った塩や砂糖の量では差が小さかった?
- 観察する時間間隔が長すぎた?
- 加熱温度が高く、差が見えにくかった?
- もっと細かく温度を測れば違いが見えた?
などを考えることができます。
「差がなかった」という結果も立派なデータです。
追加実験|砂糖の量を変えたらどうなる?
砂糖入りで違いが見られたら、今度は砂糖の量を変えてみましょう。
例えば、
- A:砂糖なし
- B:砂糖少量
- C:砂糖中量
- D:砂糖多め
に分けます。
砂糖を増やすほど固まり始める時間は変わる?
という新しい研究になります。
追加実験|塩の量を変えたらどうなる?
塩も同じように濃度を変えて比較できます。
- 塩なし
- 少量の塩
- 中くらいの塩
を作り、同じ条件で加熱します。
塩の量と固まり方にどんな関係があるか調べてみましょう。
この実験からプリンや茶碗蒸しにもつながる
卵の凝固を利用した料理には、
- プリン
- 茶碗蒸し
- 卵焼き
- ゆで卵
- 温泉卵
などがあります。
しかし、使う材料や水分量、温度が違うため、仕上がりも同じではありません。
ここから、
「同じ卵なのに、なぜプリンと卵焼きでは食感が違う?」
という発展研究にもつなげられます。
次は白身と黄身を別々に調べてみよう
今回使用したのは、白身と黄身を混ぜた全卵です。
しかし、白身と黄身では含まれている成分が違い、加熱したときの固まり方にも違いがあります。
そこで次は、
「白身と黄身は何℃くらいから固まり始める?」
という実験にも発展できます。
卵クラスターを続けて研究すると、ひとつの卵からたくさんの自由研究が生まれます。
何年生におすすめ?
小学1~3年生
加熱は大人が行い、「何も入れない・塩・砂糖」の3種類を見比べ、どれが一番やわらかいか観察する方法がおすすめです。
小学4年生
同じ時間ごとに固まり具合を5段階で記録し、表にまとめてみましょう。
小学5~6年生
温度計を使って温度も記録し、たんぱく質の熱変性や凝固について調べると、本格的な食品科学の自由研究になります。
自由研究のまとめ方
- 疑問:塩や砂糖を入れると卵の固まり方は変わる?
- 予想:3種類がどう違うと思うかを書く
- 調査:卵が加熱で固まる理由を調べる
- 実験:何も入れない・塩・砂糖の3種類を作る
- 観察:時間や温度ごとの変化を記録する
- 結果:表や写真にまとめる
- 比較:冷めたあとの硬さも比べる
- 考察:塩や砂糖が卵の凝固にどう影響したか考える
- 発展:塩や砂糖の量を変える
- 感想:料理とのつながりを書く
時間ごとの写真を並べると変化が伝わりやすい
今回の自由研究では、
- 加熱前
- 固まり始めたころ
- 途中
- 加熱終了
- 冷めたあと
の写真を撮っておくと、変化がとてもわかりやすくなります。
さらに温度や時間を書き込んで写真を並べれば、実験の流れをひと目で確認できます。
写真や比較表、グラフを自宅で何枚も印刷すると、プリンターのインクを多く使うことがあります。
印刷枚数が増えそうなら、純正品だけでなく互換インクを比較してみるのもひとつの方法です。
▶ 自由研究の写真・比較表の印刷に使える互換インクをチェックしてみる
まとめ|塩や砂糖は「味」だけでなく卵の固まり方にも関係する?
卵は加熱すると、たんぱく質の構造が変化して固まります。
しかし、その固まり方には温度だけでなく、卵に加える材料も関係します。
塩や砂糖を加えた卵と、何も入れていない卵を同じ条件で加熱すると、
固まり始めるタイミングや硬さ、食感などに違いが見られる可能性があります。
そして結果に差があっても、なくても大丈夫です。
「なぜ違った?」「量を変えたらどうなる?」と次の疑問につなげることが自由研究では大切です。
いつも料理に使っている塩や砂糖も、卵の中では「味をつける」以外の働きをしているかもしれません。
身近な卵から、たんぱく質と調理科学の世界を調べてみましょう。
よくある質問
砂糖を入れると卵は固まりにくくなりますか?
砂糖は卵のたんぱく質の凝固に影響し、固まり方を変えることがあります。ただし、砂糖の量や加熱方法によって結果は変わるため、同じ条件で実際に比較してみましょう。
塩を入れると卵の固まり方も変わりますか?
塩もたんぱく質の状態に影響するため、加熱したときの固まり方や食感に違いが出ることがあります。今回使用した量を記録して比較することが大切です。
温度計がなくてもできますか?
できます。加熱時間と見た目の変化だけでも自由研究になります。ただし温度計があると、時間だけでなく温度との関係まで記録できるため、より詳しい研究にできます。
キッチンタイマーがなくてもできますか?
スマートフォンなどで時間を測ることもできます。専用タイマーがあると、料理中でも時間を確認しやすく、複数の実験条件をそろえるときに便利です。
実験した卵は食べられますか?
食べる場合は新鮮な卵と清潔な器具を使い、中心まで十分に加熱するなど、安全な調理を行ってください。何度も触った試料や長時間室温に置いたものは、無理に食べないようにしましょう。


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