骨付き肉などを煮込んだ煮汁を冷蔵庫に入れると、翌日にプルプルと固まることがあります。
では、同じ量の骨付き肉を使っても、煮るときに入れる水の量を変えたらどうなるのでしょうか?
水を少なくして濃い煮汁を作った場合。
水をたっぷり入れて薄い煮汁を作った場合。
翌日の固まり方は同じなのでしょうか?
この違いには、肉や皮などに含まれるコラーゲンから生じるゼラチンの「濃さ」が関係している可能性があります。
今回は、肉の量や加熱時間をできるだけ同じにして、最初に入れる水の量だけを変えて比較してみましょう。
- この自由研究は何日かかる?
- まず予想してみよう
- 骨付き肉の煮汁はなぜプルプルする?
- 水の量が違うと何が変わる?
- 自由研究|水の量を変えて煮汁を作ってみよう
- 水の量を3段階に分けよう
- 実験方法
- 今回「変えるもの」と「そろえるもの」は?
- 加熱後の煮汁量も量ろう
- 翌日のプルプル度を比べよう
- 5段階でプルプル度を評価しよう
- 水が少ないものほど固まったら、なぜ?
- でも「水が少ない=ゼラチンが多い」ではない
- 「量」と「濃度」って何が違う?
- 水が多い方もしっかり固まったら?
- グラフにしてみよう
- 追加実験|粉ゼラチンならもっとわかりやすい?
- 骨付き肉の実験と粉ゼラチンの実験を組み合わせると?
- 前回の「加熱時間」の実験ともつながる
- 温めたらまた液体になる?
- 表面の白い部分はゼラチン?
- 何年生におすすめ?
- 自由研究のまとめ方
- 写真は横一列に並べるとわかりやすい
- まとめ|水の量で「ゼラチンの濃さ」が変わる?
- よくある質問
この自由研究は何日かかる?
- おすすめ学年:小学4~6年生
- おすすめ期間:2~3日程度
- 実験時間:2時間程度+冷却時間
- 観察日数:当日+翌日
- 材料の入手しやすさ:★★★★★
- 当日完成:△
実験そのものは1日でできますが、冷蔵庫でしっかり冷やしたあとの固まり方を比べるため、翌日まで観察するのがおすすめです。
さらに条件を変えて再実験するなら、2~3日程度あると取り組みやすいでしょう。
まず予想してみよう
実験を始める前に、水の量によってどんな違いが出ると思うか予想します。
例えば、
- 水が少ない方がしっかり固まると思う
- 水が多くても同じように固まると思う
- 水が多いと固まらず、とろみだけになると思う
- 肉の量が同じなら違いはないと思う
などです。
さらに、
「なぜそうなると思ったのか」
まで書いておきましょう。
骨付き肉の煮汁はなぜプルプルする?
肉の皮や腱、骨の周辺などには、コラーゲンというたんぱく質が含まれています。
水分のある状態で加熱するとコラーゲンの構造が変化し、さらに加熱することでゼラチンとして煮汁へ溶け出します。
ゼラチンを含んだ煮汁を冷やすと、ゼラチンの分子同士が部分的につながり、水分を抱え込むような網目状の構造ができます。
そのため、熱いうちは液体だった煮汁が、冷えるとゲル状になってプルプルすることがあります。
水の量が違うと何が変わる?
例えば、同じ量のゼラチンを、
- 100mlの水に入れる
- 500mlの水に入れる
としたらどうでしょうか。
100mlの方が、液体全体に対するゼラチンの割合は高くなります。
反対に水が多ければ、同じ量のゼラチンが入っていても薄くなります。
つまり今回の実験では、
「煮汁に含まれるゼラチンの濃度が、固まり方に影響するのでは?」
という仮説を調べることができます。
自由研究|水の量を変えて煮汁を作ってみよう
用意するもの
- 同じ種類の骨付き肉
- 水
- 同じ大きさの鍋3個
- 計量カップ
- キッチンスケール
- タイマー
- 同じ形の透明な耐熱容器3個
- ラベル
- 冷蔵庫
- 記録用紙
- 筆記用具
- カメラやスマートフォン
生肉や火を扱うため、必ず大人と一緒に実験してください。
生肉を触った手や調理器具はよく洗い、衛生管理にも注意しましょう。
水の量を3段階に分けよう
例えば、同じ重さの骨付き肉を用意して、
- A:水200ml
- B:水400ml
- C:水600ml
のように水の量を変えます。
ただし、実際に必要な水量は鍋の大きさや肉の量によって変わります。
肉が焦げたり、水分がなくなったりしないよう、安全に加熱できる量で設定してください。
実験方法
- 同じ種類の骨付き肉を同じ重さずつ量ります。
- 同じ大きさの鍋へ入れます。
- A・B・Cで水の量だけを変えます。
- できるだけ同じ火加減で加熱します。
- 同じ時間煮込みます。
- 加熱終了後、それぞれ残った煮汁の量を量ります。
- 同じ量の煮汁を透明な容器へ移します。
- 適切に粗熱を取ります。
- 同じ場所で同じ時間冷蔵します。
- 翌日に固まり方を比較します。
今回「変えるもの」と「そろえるもの」は?
比較実験では、何を変えて何を同じにしたのかをはっきりさせることが大切です。
| 項目 | どうする? |
|---|---|
| 最初の水の量 | 変える |
| 肉の種類 | そろえる |
| 肉の重さ | そろえる |
| 加熱時間 | そろえる |
| 火加減 | できるだけそろえる |
| 鍋の大きさ | できるだけそろえる |
| 冷やす時間 | そろえる |
| 観察する煮汁の量 | そろえる |
今回、意図的に変えるのは「最初の水の量」です。
加熱後の煮汁量も量ろう
最初に入れた水の量だけでなく、加熱後にどのくらい煮汁が残ったかも記録します。
| 条件 | 最初の水量 | 加熱後の煮汁量 | 減った量 |
|---|---|---|---|
| A | 200ml | ||
| B | 400ml | ||
| C | 600ml |
加熱中には水分が蒸発します。
そのため、最初の水量だけでなく最後に残った煮汁の量も重要なデータになります。
翌日のプルプル度を比べよう
同じ時間冷蔵したら、3つを同時に取り出します。
観察するポイントは、
- 液体のまま?
- とろみがある?
- プルプルに固まっている?
- 容器を傾けると流れる?
- スプーンですくえる?
- 形を保てる?
などです。
5段階でプルプル度を評価しよう
- 1:サラサラした液体
- 2:少しとろみがある
- 3:かなりとろみがある
- 4:やわらかく固まっている
- 5:しっかりプルプルに固まっている
| 条件 | 最初の水量 | 加熱後の煮汁量 | プルプル度 | 気づいたこと |
|---|---|---|---|---|
| A | 200ml | |||
| B | 400ml | |||
| C | 600ml |
水が少ないものほど固まったら、なぜ?
例えば、水200mlで煮たものが一番しっかり固まり、水600mlではほとんど固まらなかったとします。
この場合、
水が少ない方が、煮汁の中に含まれるゼラチンなどの成分の濃度が高くなった可能性
が考えられます。
ゼラチンがゲルを作るには、液体の中にある程度の濃度で存在することが必要です。
水が多すぎれば、ゼラチンが煮汁へ溶け出していても、しっかりしたゲルにならない場合があります。
でも「水が少ない=ゼラチンが多い」ではない
ここは高学年の考察で重要です。
水200mlの煮汁が一番固まったとしても、
「水200mlではゼラチンが一番たくさんできた」
とは限りません。
ゼラチンそのものの量が多かったのではなく、水が少ないため濃度が高くなった可能性もあります。
「量」と「濃度」は違います。
この違いを考えられると、自由研究として一段レベルアップします。
「量」と「濃度」って何が違う?
例えば、同じ10gの砂糖を、
- 100mlの水に溶かす
- 500mlの水に溶かす
とします。
砂糖の量はどちらも10gです。
しかし、100mlの水に溶かした方が甘く感じるでしょう。
これは砂糖の濃度が違うからです。
ゼラチンを含む煮汁でも、似た考え方ができます。
水が多い方もしっかり固まったら?
予想とは違って、水を多くしたものもしっかり固まる可能性があります。
その場合は、
- 今回の水量では十分なゼラチン濃度があった?
- 肉から多くのゼラチンが溶け出した?
- 加熱中の水分蒸発が大きかった?
- 水量の差をもっと大きくしたら違いが出る?
などを考えてみましょう。
予想と違う結果になっても失敗ではありません。
「なぜ違ったのだろう?」から、次の実験が生まれます。
グラフにしてみよう
プルプル度を5段階で評価したら、棒グラフにできます。
例えば、
- 横軸:最初の水の量
- 縦軸:プルプル度
とします。
さらに、
- 横軸:最初の水の量
- 縦軸:加熱後に残った煮汁量
というグラフも作ってみましょう。
写真・表・グラフの3種類を使うと、とても見やすい自由研究になります。
追加実験|粉ゼラチンならもっとわかりやすい?
「ゼラチンの濃度と固まり方」の関係だけを調べたい場合は、市販の粉ゼラチンを使った比較実験もできます。
例えば、同じ量のゼラチンに対して、
- 水100ml
- 水200ml
- 水300ml
と水量を変えます。
骨付き肉の煮汁と違い、入れたゼラチンの量がわかるため、濃度による違いをより比較しやすくなります。
ただし、実際の使用量や加熱方法は使用するゼラチン商品の表示に従ってください。
骨付き肉の実験と粉ゼラチンの実験を組み合わせると?
さらに本格的にするなら、
- 骨付き肉で水量を変える
- 粉ゼラチンでも水量を変える
- 両方の結果を比べる
という方法があります。
粉ゼラチンでは濃度による違いがはっきり出たのに、骨付き肉では違いが小さかった場合、
「骨付き肉の煮汁では、ゼラチン以外にもさまざまな条件が関係しているのでは?」
と考えることができます。
前回の「加熱時間」の実験ともつながる
煮汁の固まり方に影響しそうなものとして、
- 加熱時間
- 水の量
- 肉の種類
- 肉の部位
- 冷やす温度
など、さまざまな条件が考えられます。
ひとつずつ条件を変えて調べれば、同じ「骨付き肉の煮汁」からいくつもの自由研究へ発展できます。
温めたらまた液体になる?
翌日に固まった煮汁を少量取り、再び温めてみましょう。
冷えてプルプルしていた煮汁は、温度が上がるとやわらかくなり、液体状になることがあります。
さらにもう一度冷やすとどうなるでしょうか。
水量によって、再び固まったときの状態にも違いが出るのか観察してみるのも面白いでしょう。
表面の白い部分はゼラチン?
冷えた煮汁を見ると、上に白っぽい固まりができることがあります。
これは脂質が冷えて固まった部分であることがあります。
一方、その下の煮汁全体がプルプルしている場合は、ゼラチンによるゲル化が関係しています。
「白い脂の層」と「プルプルした煮汁」を分けて観察してみましょう。
何年生におすすめ?
小学1~3年生
調理は大人が行い、水の少ないものと多いものを2種類作って、翌日の違いを写真や絵で比べる方法がおすすめです。
小学4年生
3種類の水量を用意して、煮汁量とプルプル度を表にまとめてみましょう。
小学5~6年生
「ゼラチンの量」と「ゼラチンの濃度」の違いまで考察し、粉ゼラチンを使った追加実験と比較すると、本格的な自由研究になります。
自由研究のまとめ方
- 疑問:水の量を変えると煮汁の固まり方は変わる?
- 予想:どの水量が一番固まると思うかを書く
- 調査:コラーゲンとゼラチンについて調べる
- 実験:水量だけを変えて骨付き肉を煮る
- 記録:加熱後の煮汁量を測る
- 観察:翌日のプルプル度を比べる
- 結果:写真・表・グラフにまとめる
- 考察:ゼラチンの量と濃度の違いを考える
- 発展:粉ゼラチンでも水量を変えてみる
- 感想:新しく生まれた疑問を書く
写真は横一列に並べるとわかりやすい
今回の実験では、
- 水200ml
- 水400ml
- 水600ml
などとラベルを付け、翌日の容器を横一列に並べて写真を撮るのがおすすめです。
さらに、
- 加熱前
- 加熱直後
- 翌日
- 容器を傾けたところ
- スプーンですくったところ
を撮影すると、違いがさらに伝わりやすくなります。
写真や比較表、グラフを自宅で何枚も印刷すると、プリンターのインクを多く使うことがあります。
印刷枚数が増えそうなら、純正品だけでなく互換インクを比較してみるのもひとつの方法です。
▶ 自由研究の写真・比較表の印刷に使える互換インクをチェックしてみる
まとめ|水の量で「ゼラチンの濃さ」が変わる?
骨付き肉などを煮込むと、肉や皮などに含まれるコラーゲンが加熱によって変化し、ゼラチンとして煮汁へ溶け出します。
そして煮汁を冷やすと、ゼラチンによってプルプルと固まることがあります。
しかし、固まり方はゼラチンが「あるか・ないか」だけで決まるわけではありません。
同じようにゼラチンが含まれていても、水の量が違えば煮汁の濃度も変わります。
水が少ない方が固まりやすかったとしても、「ゼラチンが多かった」と「ゼラチンが濃かった」は同じ意味ではありません。
料理の鍋に入れる水の量を少し変えるだけで、「量」と「濃度」という科学の考え方まで調べられます。
いつもの煮込み料理から生まれたプルプルを、今度は数字で比べてみましょう。
よくある質問
水を少なくすれば必ず固まりますか?
必ず固まるとは限りません。食材に含まれるコラーゲンの量、加熱時間、煮汁の濃度、冷却温度など、さまざまな条件が関係します。
水が少ない方が固まったら、ゼラチンが多いということですか?
それだけでは判断できません。ゼラチンそのものの量ではなく、水が少ないことで煮汁中のゼラチン濃度が高くなった可能性もあります。
水が多いものも固まったら失敗ですか?
失敗ではありません。「今回設定した水量では、どれも固まるだけの濃度があったのでは?」など、結果から新しい仮説を考えることができます。
粉ゼラチンでも同じ実験ができますか?
できます。粉ゼラチンなら使用した量がわかるため、水量と濃度の関係を比較しやすくなります。実際の使用量や作り方は商品の表示に従ってください。
この自由研究は1日ではできませんか?
調理までは1日でできますが、冷えたあとの固まり方を比較するため、翌日まで観察するのがおすすめです。締切まで2~3日程度ある時期に向いています。

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