2026年、記録的なホタテ不漁の影響が飲食店にも広がっています。
「ホタテが高くなった」というだけではありません。
東京都内の青森料理店では、ホタテを十分に仕入れることができず、ホタテ料理を提供できない状況になっていることが報じられました。
さらに、その店ではホタテの代わりとして青森県産ムール貝を使った料理を提供しています。
全国有数のホタテ産地である青森県では、2025年度の青森県漁連の共販数量が1万9766トンまで減少。
2026年度はさらに少なくなり、1万トンに届かない可能性も報じられています。
ホタテ不足が続けば、寿司店や居酒屋、海鮮料理店などでも、値上げだけではなく「ホタテ料理そのものがなくなる」という形で影響が広がるのでしょうか。
この記事では、2026年のホタテ不漁が飲食店へ与えている影響や、仕入れ困難になる理由、代替食材の動きを整理します。
※この記事は2026年10月18日時点で確認できる情報をもとにしています。店舗ごとの仕入れ・メニュー状況は異なります。
- ホタテ不漁で飲食店からメニューが消える?
- ホタテ料理がなくなる理由① そもそもの生産量が激減
- ホタテ料理がなくなる理由② 仕入れ価格が上昇
- ホタテ料理がなくなる理由③ 必要な量を安定して確保できない
- なぜホタテはここまで不漁になった?
- ホタテの代わりに「青森県産ムール貝」
- ムール貝はホタテと同じ味?
- ホタテの代わりになる魚介はほかにもある?
- 寿司店への影響は?
- 居酒屋や海鮮料理店では?
- ホテルや食べ放題にも影響する?
- 青森以外のホタテに切り替えれば解決する?
- 飲食店のホタテ値上げはいつまで続く?
- メニューからホタテが消えたら「値上げ回避」の可能性も
- ホタテ不漁と飲食店についてよくある質問
- まとめ|ホタテ不漁は「値上げ」から「メニュー変更」へ
- 公式情報・参考リンク
ホタテ不漁で飲食店からメニューが消える?
すべての飲食店からホタテ料理がなくなるわけではありません。
しかし、実際にホタテを仕入れられず、提供できなくなっている店が出ています。
FNNプライムオンラインが2026年10月15日に報じたのは、東京都内にある青森料理店のケースです。
青森県産の食材を扱う店にとって、ホタテはまさに地元を代表する食材のひとつ。
ところが記録的不漁によって、ホタテを仕入れたくても仕入れられない状況が起きています。
つまり現在のホタテ不足は、
「高いから使いにくい」
だけではなく、
「そもそも必要なホタテを確保できない」
という段階まで進んでいるケースがあるのです。
ホタテ料理がなくなる理由① そもそもの生産量が激減
飲食店でホタテが不足している大きな背景には、産地の生産量減少があります。
青森県漁業協同組合連合会の共販数量を見ると、ここ数年で急激に減少しています。
| 年度 | 共販数量 |
|---|---|
| 2021年度 | 7万3051トン |
| 2022年度 | 7万2541トン |
| 2023年度 | 5万2077トン |
| 2024年度 | 2万9929トン |
| 2025年度 | 1万9766トン |
2021年度から2025年度までの4年度で、約73%の減少です。
2025年度に2万トンを下回ったのは1977年度以来。
さらに2026年度については、1万トンに届かない可能性も報じられています。
市場へ出回るホタテそのものが大きく減れば、小売店だけでなく飲食店が確保できる量にも影響します。
ホタテ料理がなくなる理由② 仕入れ価格が上昇
ホタテが手に入ったとしても、次に問題になるのが価格です。
青森県漁連によると、2025年度は3年連続の高水温被害による大幅な減産を背景に、年度初頭から全品目で高値相場となりました。
2025年度の平均単価は1kgあたり438円です。
小売現場でも価格上昇が表れています。
2026年10月のFNNの取材では、北海道産の刺身用生ホタテが以前400円ほどだったものから、約1.5倍になっている例が紹介されました。
飲食店の場合、原材料費が上がれば、
- 料理を値上げする
- 使用量を減らす
- 別の食材へ変更する
- 期間限定メニューにする
- 提供そのものを中止する
といった対応が必要になります。
ホタテ料理がなくなる理由③ 必要な量を安定して確保できない
飲食店にとって、価格と同じくらい重要なのが安定供給です。
例えば、人気メニューとして毎日ホタテ料理を提供するのであれば、一定の品質と量のホタテを継続的に仕入れる必要があります。
今日だけ10kg手に入っても、来週はまったく入荷しないという状況では、定番メニューとして掲載し続けることが難しくなります。
そのため不漁時には、単純な価格だけでなく、
「継続して仕入れられるか」
が重要になります。
結果として、ホタテを使った料理を一時的に休止したり、別の食材へ変更したりする店が出てきます。
なぜホタテはここまで不漁になった?
青森県漁連は2025年度の大幅な減産について、3年連続の高水温被害が影響したと説明しています。
ホタテは冷たい海に適応した貝です。
海水温が高い状態が長く続けば、ホタテに大きな負担がかかり、へい死につながることがあります。
さらに深刻なのが、出荷サイズのホタテだけではなく、将来育つはずだった稚貝にも影響することです。
ホタテ養殖は、
親貝 → 採苗 → 稚貝 → 育成 → 出荷
というサイクルで続いています。
途中の稚貝が大量に減れば、その年だけでなく、その後の生産量にも影響する可能性があります。
ホタテの代わりに「青森県産ムール貝」
今回の報道で特に注目したいのが、ホタテの代替として青森県産ムール貝が登場していることです。
FNNが取材した青森料理店では、ホタテを提供できないため、代わりに青森県産ムール貝を使った料理を提供していました。
これは単なる「代用品」というだけではありません。
青森県産の食材を扱う店にとって、ホタテが手に入らなくても、別の青森県産水産物を提供することで産地の魅力を伝える方法にもなります。
ホタテ不漁が長期化すれば、これまであまり知られていなかった地域の魚介類に注目が集まる可能性もあります。
ムール貝はホタテと同じ味?
ホタテとムール貝は、どちらも二枚貝ですが、味や食感は異なります。
ホタテは貝柱が大きく、刺身や寿司、バター焼きなど幅広い料理で使われます。
一方、ムール貝は身全体を食べることが多く、蒸し料理や酒蒸し、スープ、パスタなどとの相性がよい食材です。
そのため、ムール貝を使えばホタテ料理をそのまま完全再現できるという意味ではありません。
料理そのものを組み替えながら、別の魚介として魅力を生かす使い方になります。
ホタテの代わりになる魚介はほかにもある?
料理によっては、ホタテ以外の魚介へ置き換えることもできます。
- ムール貝
- カキ
- アサリ
- ハマグリ
- エビ
- イカ
- 白身魚
ただし、それぞれ味・食感・価格・調理方法が異なります。
例えば刺身用ホタテの代わりと、加熱料理に使うホタテの代わりでは、適した食材も変わります。
単純に「ホタテの完全な代用品」を探すのではなく、料理に合った別の魚介へ変更する方法が現実的です。
寿司店への影響は?
ホタテは寿司でも人気のネタです。
そのため供給不足や仕入れ価格の上昇が続けば、寿司店にも影響する可能性があります。
考えられる対応としては、
- ホタテの販売価格を変更する
- 一時的に販売を休止する
- 産地を変更する
- 入荷した日のみ提供する
- フェアやキャンペーンでの使用量を調整する
などがあります。
ただし、実際の対応はチェーンや店舗ごとに異なります。
「ホタテ不漁だから全国の寿司店からホタテがなくなる」と断定することはできません。
居酒屋や海鮮料理店では?
居酒屋や海鮮料理店では、刺身以外にも、
- ホタテバター焼き
- 浜焼き
- ホタテフライ
- ホタテグラタン
- 海鮮丼
- 炊き込みご飯
など幅広いメニューでホタテが使われています。
仕入れ価格が上がれば、複数のメニューへ同時に影響する可能性があります。
特にホタテを看板食材としている店では、代替食材への変更が簡単ではないケースもあります。
ホテルや食べ放題にも影響する?
ホタテを大量に使用するホテルビュッフェや食べ放題などでも、供給量や仕入れ価格は重要です。
ただし、各施設は契約している仕入れ先や冷凍在庫、使用する産地などが異なるため、すべての施設で同じ影響が出るわけではありません。
今後不漁が長期化すれば、
- 提供回数の変更
- 別の魚介への変更
- メニュー内容の変更
- 追加料金の設定
などが起こる可能性はあります。
実際に利用する際は各店舗・施設の最新メニューを確認しましょう。
青森以外のホタテに切り替えれば解決する?
青森県産が不足している場合、北海道産など別産地のホタテを使う方法もあります。
しかし、青森県産の供給が大幅に減れば、その分だけ他産地への需要が高まる可能性があります。
実際、2026年10月の報道で値上がり例として紹介された刺身用生ホタテは北海道産でした。
さらに北海道小平町では、マフグによる稚貝の食害や養殖網の破損が問題となっています。
「青森が不漁なら北海道に変えればすべて解決」と単純には言えない状況です。
飲食店のホタテ値上げはいつまで続く?
現時点で、ホタテの価格がいつ以前の水準へ戻るのかはわかりません。
ホタテは稚貝から出荷できる大きさまで育つのに時間が必要です。
青森県漁連によると、採苗したホタテの出荷が始まるのは2年目から。
そのため、2026年に稚貝や親貝が不足している場合、その影響が翌年以降にも残る可能性があります。
価格や供給の回復には、
- 今後の海水温
- 稚貝の確保
- 親貝の状況
- 育成中の生存率
- 北海道など他産地の生産
- 冷凍在庫
- 国内外の需要
など複数の要素が関係します。
メニューからホタテが消えたら「値上げ回避」の可能性も
消費者としては、お気に入りの料理からホタテがなくなると残念に感じるかもしれません。
しかし、飲食店側から見ると、食材変更は大幅な値上げを避けるための選択肢でもあります。
仕入れ価格が急上昇したホタテを以前と同じ量だけ使えば、料理の価格を大きく引き上げなければならない場合があります。
そこで旬の別の魚介に切り替えることで、価格と品質のバランスを維持する方法もあります。
2026年のホタテ不漁では、単なる「値上げ」だけでなく、メニューの中身がどう変化するかにも注目です。
ホタテ不漁と飲食店についてよくある質問
Q. 飲食店からホタテ料理がなくなるの?
すべての店からなくなるわけではありません。ただし、実際にホタテを仕入れられず、提供できなくなっている飲食店の例が報じられています。
Q. なぜホタテを仕入れられない?
青森県産ホタテの大幅な減産などにより、供給量そのものが減っています。価格高騰に加えて、必要な量を安定して確保できないことも問題になります。
Q. 青森県ではどれくらいホタテが減った?
青森県漁連の共販数量は2021年度の7万3051トンから、2025年度には1万9766トンまで減少しています。
Q. ホタテの代わりに何を使っている?
FNNが取材した青森料理店では、青森県産ムール貝を提供していました。
Q. ムール貝はホタテと同じ?
どちらも二枚貝ですが、味や食感、向いている料理は異なります。ホタテを完全に再現する代用品というより、別の魅力を持つ魚介として活用できます。
Q. いつホタテ料理が元通りになる?
現時点ではわかりません。今後の海水温や稚貝の確保、生産量、他産地からの供給などによって変わります。
まとめ|ホタテ不漁は「値上げ」から「メニュー変更」へ
2026年のホタテ不漁は、スーパーだけでなく飲食店にも影響を広げています。
- 青森県ではホタテの記録的不漁が続いている
- 2025年度の青森県漁連共販数量は1万9766トン
- 2026年度は1万トンに届かない可能性も報じられている
- 飲食店ではホタテを十分に仕入れられない例もある
- 仕入れ価格の上昇だけでなく安定供給も問題
- ホタテ料理を提供できなくなった店も
- 代わりに青森県産ムール貝を提供する動きもある
- 寿司店や海鮮料理店などにも影響が広がる可能性がある
今回の不漁で重要なのは、影響が「ホタテが値上がりした」という段階だけではなくなっていることです。
ホタテが獲れない → 価格が上がる → 必要量を仕入れられない → メニューから外す → 別の魚介へ変更する
という変化が、実際の飲食店でも起き始めています。
一方で、ホタテ不足をきっかけに青森県産ムール貝など別の地域食材が注目される動きもあります。
今後はホタテの価格だけでなく、飲食店のメニューがどのように変化していくのかにも注目したいところです。

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