ハロウィンの仮装でおなじみの「ドラキュラ」。
黒いマントを羽織り、牙を付け、少し青白い顔にすれば、それだけでもドラキュラらしい仮装になります。
魔女やおばけ、ゾンビなどと並んでハロウィンを代表するキャラクターですが、ドラキュラはもともとハロウィンから生まれた存在なのでしょうか。
結論からいうと、ドラキュラはハロウィンの起源に登場する存在ではありません。
小説や舞台、映画などを通して有名になった吸血鬼のキャラクターが、現代のハロウィン文化と結び付いていったものです。
この記事では、ドラキュラとは何なのか、吸血鬼との違いや、ハロウィンの定番仮装になった理由を紹介します。
ドラキュラはハロウィンから生まれたの?
ハロウィンのルーツのひとつとして知られているのが、古代ケルト文化の祭り「サウィン」です。
夏の終わりと冬の始まりにあたる季節の節目で、異界や死者にまつわる伝承とも結び付いてきました。
しかし、現在知られている「ドラキュラ伯爵」がサウィンに登場していたわけではありません。
ドラキュラが広く知られるようになるのは、ずっと後の時代です。
ハロウィンとドラキュラにはそれぞれ異なる歴史があり、後になって両者が結び付いていったと考えるとわかりやすいでしょう。
そもそもドラキュラとは?
「ドラキュラ」は、アイルランドの作家ブラム・ストーカーが1897年に発表した小説『ドラキュラ』に登場する吸血鬼の伯爵として有名です。
小説では、トランシルヴァニアに住むドラキュラ伯爵を中心に、不気味な出来事が描かれています。
作品が広く知られるようになると、「ドラキュラ」という名前そのものが吸血鬼を連想させるほど有名になりました。
ただし、本来は「ドラキュラ=吸血鬼という生き物全体の名前」ではありません。
ドラキュラ伯爵という特定のキャラクターが非常に有名になったことで、日常的には吸血鬼を指すような感覚で使われることもあるのです。
ドラキュラと吸血鬼は何が違う?
吸血鬼は、人間の血を吸う超自然的な存在として世界各地の伝承や物語に登場します。
英語では「ヴァンパイア(vampire)」と呼ばれます。
一方、ドラキュラはその吸血鬼を題材にした文学作品の中でも特に有名なキャラクターです。
つまり、簡単に整理すると「ドラキュラは有名な吸血鬼のひとり」と考えるとわかりやすいでしょう。
吸血鬼にまつわる伝承自体は、小説『ドラキュラ』よりも以前から存在しています。
黒いマントのドラキュラ像はどう広まった?
現在のドラキュラ仮装では、黒いマントや立てた襟、白いシャツなどがおなじみです。
しかし、現在イメージされるドラキュラの姿がすべて1897年の小説だけで決まったわけではありません。
その後に作られた舞台や映画などによって、ドラキュラ伯爵のビジュアルイメージはさらに形作られていきました。
特に映像作品によって、黒いマントをまとった上品で不気味な吸血鬼という姿が広く知られるようになります。
現在販売されているハロウィン衣装にも、そのイメージが強く残っています。
なぜドラキュラには牙があるの?
吸血鬼といえば、口元から見える鋭い牙も特徴です。
人間の血を吸うという吸血鬼の設定を視覚的に表現しやすいため、牙は映画やイラストなどで代表的な特徴になりました。
ハロウィン仮装でも、牙を付けるだけで吸血鬼らしさを表現できます。
ただし、子どもたちが仮装する場合、口の中へ入れるタイプの小物には注意が必要です。
年齢に合わない小さなパーツは誤飲につながる可能性があるため、無理に使用しなくてもよいでしょう。
ドラキュラとコウモリがセットなのはなぜ?
ドラキュラや吸血鬼のイラストには、コウモリが一緒に登場することがあります。
世界には実際に血液を餌とするチスイコウモリの仲間がいることに加え、吸血鬼がコウモリへ姿を変えるというイメージが物語や映像作品を通して広まりました。
コウモリ自体も夜に活動するため、吸血鬼の暗く不思議な世界観と相性がよい生き物です。
こうしてドラキュラ、古い城、満月、コウモリといった組み合わせがホラー作品の定番になっていきました。
ドラキュラがハロウィン仮装になった理由
現在のハロウィンには、「怖いキャラクターに変身して楽しむ」という文化があります。
その中で、世界的に有名な怪物であるドラキュラは仮装の題材としてぴったりでした。
黒い服とマントだけでも雰囲気を出しやすく、魔女やゾンビなどと一緒に仮装しても世界観を合わせやすいという特徴があります。
さらに映画などを通して多くの人が姿を知っているため、一目で何の仮装なのかわかりやすいのも魅力です。
こうした理由から、ドラキュラは現代のハロウィンを代表する仮装のひとつになりました。
子どものドラキュラ仮装で注意したいこと
ドラキュラは子どもたちでも楽しめる仮装ですが、安全面には注意しましょう。
特に長いマントは、本人が踏んだり周囲の物に引っ掛かったりして転倒につながることがあります。
首元を締め付けるような衣装も避け、簡単に外せるものを選ぶと安心です。
血のり風のメイクを使う場合は、肌への使用を想定した製品かどうかも確認しましょう。
小さな子どもなら、黒い服に短いマントを合わせる程度でも十分ドラキュラらしくなります。
怖くないドラキュラにしてもOK
ドラキュラだからといって、本格的に怖くする必要はありません。
赤い蝶ネクタイや紫色のマントを合わせたり、かわいい表情にしたりすれば、子ども向けのドラキュラにもできます。
家庭や保育園など小さな子どもたちが集まる場所では、リアルな血や傷を表現しすぎない方が楽しみやすい場合もあります。
ハロウィンは仮装を楽しむイベントでもあるので、参加する人の年齢や好みに合わせて怖さを調整しましょう。
まとめ
ドラキュラは、ハロウィンの古い起源に直接登場する存在ではありません。
1897年に発表されたブラム・ストーカーの小説『ドラキュラ』で有名になった吸血鬼のキャラクターで、その後の舞台や映画などによって現在知られているイメージが広まっていきました。
夜、死、怪物などを連想させる吸血鬼の世界観が現代のハロウィンと相性がよく、ドラキュラは定番仮装として定着しています。
魔女やゾンビ、コウモリなどとはまた違った歴史を持つドラキュラ。
ハロウィンで黒いマントの吸血鬼を見かけたら、その背景にある文学や映画の歴史にも注目してみてくださいね。

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