うなぎは絶滅危惧種?知られざる“うなぎの危機”とは

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tekowaです。

夏になると、土用の丑の日に食べる「うなぎ」が話題になります。香ばしく焼き上げられた蒲焼きは、多くの人にとってごちそうのひとつです。スーパーやコンビニでもこの時期になるとうなぎが並び、テレビでも特集が組まれるほどです。

しかしそんな人気食材のうなぎ、実は「絶滅危惧種」とされていることをご存じでしょうか?この記事では、うなぎが今どんな状況にあるのか、なぜ減ってしまったのかをわかりやすく解説します。もしかすると、あなたの「うなぎの見方」が少し変わるかもしれません。

うなぎはどのくらい“絶滅の危機”なのか

日本でよく食べられているのは「ニホンウナギ」と呼ばれる種類です。このニホンウナギは、2014年に環境省のレッドリストで「絶滅危惧IB類(絶滅の危険が高い種)」に指定されました。さらに、国際自然保護連合(IUCN)でも「絶滅危惧種」に分類されています。

「えっ、でもスーパーに普通に並んでるけど?」と思う方も多いかもしれません。しかし、それは“養殖されたうなぎ”だからです。天然のうなぎは、近年ほとんど見られなくなってきています。

うなぎが減っている理由とは?

ニホンウナギが減少している理由は、ひとつではありません。いくつかの原因が複雑に絡み合っています。

  • 1. 生息地の破壊
    川や湿地が埋め立てられたり、護岸工事などによって、うなぎが住める環境が失われてきています。
  • 2. 過剰な漁獲
    特に「シラスウナギ」と呼ばれる、うなぎの赤ちゃん(稚魚)は、養殖のために大量に捕られています。このシラスウナギの数が激減しています。
  • 3. 海洋環境の変化
    うなぎは海で産まれて川で育ち、また海に戻るという「両側回遊魚」です。地球温暖化や海流の変化によって、産卵に影響が出ていると考えられています。
  • 4. 不明な生態
    実は、うなぎが正確に「どこで産卵しているのか」「どうやってそこまで移動するのか」など、未解明な点が多い生き物です。そのため、保護対策も難しい面があります。

絶滅危惧種なのに、なぜ食べてもいいの?

「絶滅しそうな生き物なら、なぜ今も普通に売っているの?」という疑問もあるかと思います。確かに、ニホンウナギは絶滅危惧種ですが、法律で「取引禁止」されているわけではありません。これは、ワシントン条約(CITES)で「国際取引の制限対象」にまでは指定されていないためです。

そのため、現在のところ、国のルールのもとで管理・養殖されたうなぎを販売・消費すること自体に違法性はありません。ただし、これまで以上に慎重な資源管理と、消費者の意識が求められています。

養殖うなぎってどうやって育てているの?

日本で流通しているうなぎの多くは養殖ものです。しかし、養殖といってもニワトリや牛のように「卵から育てる」のではありません。現在の技術では、人工ふ化させて稚魚から育てるのがとても難しいのです。

そのため、天然のシラスウナギを川や海で捕まえてきて、それを養殖池で成長させて出荷しています。つまり、養殖うなぎも“元は天然の赤ちゃん”ということになります。このやり方が続けば、天然の数が減るのは当然とも言えるでしょう。

海外のうなぎ事情も実は深刻

ヨーロッパにも「ヨーロッパウナギ」という種類がいますが、こちらも絶滅危惧種に指定されています。乱獲や密漁が横行しており、EUでは厳しい漁獲制限が設けられています。

また、東南アジアではシラスウナギが高額で取引されるため、違法な密輸が後を絶たず、国際的な資源管理が難しい状況となっています。日本だけの問題ではなく、世界全体で考えるべきテーマとなっています。

私たちにできることってあるの?

うなぎを絶滅から守るために、消費者としてできることはいくつかあります。

  • ・「土用の丑の日」だけでなく、普段はうなぎを控えるようにする
  • ・代替うなぎ食品(うな次郎、大豆うなぎなど)を選ぶ
  • ・国産で、資源管理に取り組む生産者の商品を選ぶ
  • ・子どもと一緒に「なぜうなぎが減っているのか?」を学ぶ

すべてをやるのは難しくても、「ちょっとだけ意識する」「話題にする」ことが、未来のうなぎを守る一歩になります。

まとめ:うなぎの未来を守るのは、わたしたちの“今”

うなぎは、長い旅をして育ち、そしてまた海へと帰っていく、ふしぎな生き物です。人間の手によって数が減ってしまっている今、どう向き合うかが問われています。

今年の土用の丑の日、「おいしいね」で終わらせずに、「このうなぎ、どこから来たんだろう?」と少しだけ立ち止まってみませんか。

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